2021/09/20 のログ
イファ > 女は大体察しがついたらしい。
問い合わせにすぐに思い至らない時点で、そう上手い話はないという事だ。

「いや、心当たりが無いならいいんだ。
 暫くこの時間にまた来る。戦士独りでこなせそうなものがあれば、取っておいて欲しい」

女は言って「些少だが」と小さく付け加えると、カウンターの上で掌を滑らせる。
その下には幾つかの貨幣。
受付の男も心得たもので、周囲からは見えない様、同様に滑らせた己の掌の下へそれを潜り込ませた。
女は手を引くとカウンターから一歩下がる。あまりこの場所に留まるのは目立っていけない。

「また来る」

ふたたびそう言い置いて
女は黒髪を翻すようにくるりと踵を返すと、喧噪に包まれた酒場から、夜の街へ――――

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からイファさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」にメルビレイさんが現れました。
メルビレイ > 現在 昼間のマグメール広場
魔導機械製生体人形 メルビレイ は主からの待機を命じられているのか
それとも日常的な習慣でそこに通うことになっているのか

ぐるりと囲われた階段状の周囲にてメルビレイは、広場の中心で歌っている場を眺めている
全身は月明かり色のロングヘアや、白い装甲 機械腕と思える五指の四肢
両膝に手を揃えた 喜怒哀楽を表さない無表情 其処には瞬きすらなかった

時にはピエロや手品師の行為を眺め、一ミリも表情が動かない 端正な顔立ちを
少しでも変化を与えてくれようと何人かが挑戦していたものの やはり一ミリも表情は動くことはない
それどころか、言葉を出した際にも、唇は動かさず それが造形にこだわっていても
人としてこだわることがなかったことを示す

芸人や歌い手は、心に機敏 何かを察するようにするものの
それでも変化を与えようと挑戦するものはいたかもしれないものの
メルビレイは表情で送り返すことはなく 今日も広場の一幕を眺めている

時折、身体の動作 それは首や手指であったりとするそれは
内側で静かに機械音と思われる動作の音を鳴らすのみ
それ以外は、メルビレイは広場の中心で動く 歌い手や吟遊詩人 道化師や手品師を眺めるのだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」からメルビレイさんが去りました。