2021/08/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にゼロさんが現れました。
■ゼロ > 軍隊と言えど、第七師団と言えど、休み、という物はある。完全な休暇を言い渡された兵士は、久しぶりに、マグメールへと、戻って来た。
とは言って、何かしらの趣味があるわけでもなく、何かするべき事もない。
自宅に帰ってみても、誰も居ないので、居る意味を見いだせずに少年は、夜のマグメールの平民地区を歩くことにする。
白い仮面をつけて、蒼い鎧を身に纏う少年兵、その腕には、何時ものように、第七師団の―――『旧第七師団』の腕章。
今現在の所属としては、新生の第七師団ではあるが、少年は其れを外そうとしないし、誰も其れに関しては何も言わない。
外せという命令もないので、付けたままに居るのは、古参兵であるという証左でもあるのだろう。
それが何を意味するかに関しては、少年兵に取っては、然程の興味はなくて、少年にとっては、感傷でしかない。
鎧を身に纏い、腰に一対のナイフを差して、町を練り歩く姿は、警邏をしているように見えるかもしれない。
本人としては、唯々、ぶらついているだけ。
孤独の家の中が暇なので、少しでも喧騒のある町の中を歩いているだけであった。
誰かを探しているわけでもない。
何かを探しているわけでもない。
―――何かを期待して居ないと言えば、嘘になるが、その『何か』に関して、少年は理解して居ない。
石畳を踏みしめるグリーブの音、喧騒に掻き消えていく。
今はただ、仮面の下で、何かを探すよう、歩き回る、鎧。
■ゼロ > 少年の歩みには、然程速さはなく、周囲を見回しながらののんびりとした動き、別に緊急的な事があるわけでもない。
友人がいる訳でもなく、家族は。家の中にいる訳では無かったので。少年は、時間をかけて歩く。
偶には、部隊の食事ではない美味しい食べ物でも食べたいな、と思い始める。
さて、人気の店を探すのが良いだろう、人気の店と言うのは探すのが簡単だ。
人気の店程、客が多いものなのだから。
しばらく歩いていれば、凄く人が多い酒場が見えた。
旨そうな匂いが立ってくるので、此処が人気の店なのだと思う。
人気なのは、基本的に食事がおいしいのだろうと、そんな期待を胸に扉を開く。
「――――。」
扉を開き、店の中に入り、空いている席を探す。店の中では受付嬢が注文を受けて、走り回っている。
店の奥では、踊り子らしき女性が、性的な事を感じさせるような踊りをしているのが見える。
取り合えず、適当な席を探し、少年は腰を下ろす。
注文を取りに来る給仕に、肉料理を中心とした食事を注文する。酒を問いかけるものだが、酒は断る。
昔から酒は分解されてしまう物なので、味も判らないのだ。
仮面の兵士の注文に怪訝を覚えながらも、店員が去っていき、少年は静かに食事を待つ