2021/07/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」に真白さんが現れました。
真白 >  
「りんご……みかん……」

昼間の商店街の通りの端っこで座り込み地面になにやら石でがりがりやっている少女。
ぶつぶつ言いながら、地面に何か書いている。
どうやら目につく文字を片っ端から書いているらしい。
余り上手とは言えない歪んだ文字を、ひたすらに。

「パンは、こう。おさけは、――こう」

がりがり。
一心不乱に。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」にアリエッタさんが現れました。
アリエッタ > 貴族だって偶には商店街を歩いて散策することもある。
何か面白いことは無いかと退屈しのぎの一環に過ぎないが周りをきょろきょろと見渡しながら歩いて。

「あ、あの子可愛いな~」

隅っこで地面に何かを家庭ている少女が目に留まる、遊んでいるのだろう。
何かしているのか興味が出てきて後ろからその様子を覗いてみる。
文字を書いているのは分かるが正直奇麗な文字とは言えない、けど頑張っているのは分かる。

「ねえねえ、お勉強しているのかな?」

後ろから声を掛けてみた。

真白 >  
声に振り向く。
彼女の顔を見て、ぱちぱちと瞬き。

「ん。書く練習」

短く答え、また前を向く。
見回し、目についた文字の形を覚えて地面にガリガリ。
文字の書き方を覚える練習としては、まず文字そのものを書いて覚えるのが正しい。
けれどそんな方法も知らないので、こうやって目につく文字をひたすら書いていくことしか出来ないのだ。

「さかな――とりにく――」

がりがり。
がりがり。
書き順も形もばらばらに。

アリエッタ > 文字を書く練習と言われれば頷く。
確かに覚えるならまずが体に覚えさせるのが手っ取り早い。

「ん~先生に出された宿題かな?」

恰好から見ればそれほど裕福には見えない、体つきはまだ幼いし教育を受けているとしてもまだ始めたばかりじゃないかと思う。
そうだとしたら本や道具の類を持っていない、きっと買えなかったのだろう。

「ええっと、お勉強に使うお道具とか本とか持ってないのかな?持ってるならそれ見た方が速いと思うな」

真白 >  
「書けないから、書く練習」

宿題、とはなんだろうか。
少なくとも誰かに言われてやっているわけではない。
つい先日まで文字を書くと言う考えすらがなかったが、それを知ったから書けるようになろうとしているだけだ。
がりがりがり。

「ない。帰ればあるけど、私のじゃないから」

主人の家に行けばきっとあるだろう。
けれど使い方がわからない。
教えてもらえばいいのだが、それを頼むと言う発想はなかった。

アリエッタ > 書けないから練習している、言われてみれば当然だと思う。
まあこの国で教育をちゃんと受けられる子供は決して多くは無いだろう。
しかし保護者は教育を受けさせているのかそうではないのかいまいちわからない。

「お家、あるんだよね?お家に帰ってお家の人にお願いして使わせてもらおう、きっと許してくれるよ、私も一緒にお願いするから、お家はどこ?送っていくよ」

かわいい子を放っておくのは家の主義に反する。
彼女が拒な無いのなら帰ってお願いしようと促して。

真白 >  
「今はすきにしていい時間。教えてもらえる時間はちゃんとある」

がりがり。
つまり、自分がしたいからやっていることだ、と。

「それに、家もご飯もある。買うものはない」

どうやら家に送る、と言うのを、自身を買いたいと言うことだと思ったらしい。
家や食事に困っていないから、売る必要はないと言うことを言いたいのだが、それが伝わるかどうか。

アリエッタ > ちゃんと保護者から教育を受けているのだとちょっとだけ安心する。
だがその後がどうにも要領を得ない。

「そっか、あなたの家の人はとってもいい人なんだね、けど…う~ん、買うものが無いって言われてもお姉さんよく分からないよ…あ、その字ちょっと違うかな」

地面を見ると間違えて書いている字を見つけたので同じように石を持って地面に正しい形で字を書く。
貴族としてちゃんと教育を受けてきた分ちゃんと読める奇麗な字を書いて。

「あなたにお金をあげる予定はないよ、今の所はね、寧ろお金を払いたいぐらい、だってあなた可愛いし」

可愛い子は甘やかしてしまうのも家の家訓。
正直お金を払ってでも可愛がりたい。

真白 >  
がりがりと地面に字を書いていた手を止め、彼女の顔を見る。

「私を買いたいんじゃないの?」

きょとん、としたような顔。
地面に書かれた正しい字を見て、商店街の看板を見て、自分の字を見る。
がりがり、と書きなおす。

「――おかね?」

首を傾げる。
お金、とは。

アリエッタ > どうも話が嚙み合わないと思ったらそういうことか。
世間慣れしていないというか常識とか最低限の知識が全く足りていないんだろう。

「ええっと、買うって言うのは体を売るって意味でいいのかな?買ったら一晩好きにしていいとかそういう意味だよね?」

一つ目の質問は自分も娼婦をやっていたしきっとこの意味だろうと聞いて。
問題は二つ目、お金の概念を知らないとはさすがに予想外だったのか頭を抱える。

「えっと、これがお金、これでいろんなものが買えるんだよ」

金貨、銀貨、銅貨を一枚づつ見せる。
3枚の硬貨を強引に少女に握らせて。

「使いから教えてあげるからちょっとお姉さんに付いてきて」

拒否しないなら少女の手を握って立ち上がり商店街で女性店員のいる店を探す。

真白 >  
「うん。違うの?」

もう一度首を傾げる。
どうやら違うらしい。

「見たことある」

金銀銅、それぞれの硬貨を受け取る。
なにやら複雑な模様の付いた丸い金属。
客が持っていた袋にジャラジャラ入っていた気がするが。
立ち上がった彼女に続いて自分も立ち上がり、手を引かれて歩く。

アリエッタ > 「違わないけどさっきはそういう意味じゃなくてあなたの住んでいる家に行こうって意味だったんだけど……売ってくれるならそれでもよかったかな」

つい本音を漏らしつつ女性店員のいる果物屋に。
売っている果物は平民地区ではありふれたもの。
持たせた金で好きな物は買えるだろう。

「じゃあこの中から好きな果物を選んで、これ下さいって言ってさっき渡したお金をあのお姉さんに渡すんだよ」

女性店員を指さして何を買うかは少女に任せる。
子供の初めてのお買い物を見守る親ってこんな気分だったんだな、と内心思いドキドキしながらその様子を見守って。

真白 >  
「私は別にかまわない。今日寝るところと、明日たべるもの」

欲しいものは特にないが、彼女が買いたいと言うのなら売ってもいい。
いつもの値段を口にする。

「じゃあ、これ。ください」

少し迷って、指差すのはバナナ。
女性店員が値段を教えてくれる。
が。

「――」

さっきの硬貨の内、どれがどれなのかわからない。
困ったように彼女の顔を見る。

アリエッタ > 「いいの!やったー!」

目を輝かせてついテンションが高くなる。
その間にも顔もの死している少女が値段を聞かれれば困った顔でこっちを見る。

「あ~こうやって見るとホント可愛いな~ってそれは後よ後」

首を振って銅貨を指さして。

「その茶色の奴1枚で買えるからそれ渡して」

真白 >  
銅貨を渡す。
渡されるバナナ。
バナナを買えてしまった。

「……」

原理はわかる。
あの硬貨とこのバナナが同じ価値、と言うことなのだろう。
書いてある数字からすると、他の果物も銅貨一枚で買えるらしい。
つまりこのバナナで他の果物も買える?

「――物の価値を数字にしてる?」

よく見れば硬貨に数字が書いてある。
つまりこれはこの数字分の価値がある――いや、その数字分の価値を保証してくれる、と言うことなのだろうか。

アリエッタ > どうやら通貨の価値は変わってくれたようだ。
このやり取りだけでここまで理解できるということは頭そのものはかなりいい、根本的に教育が足りていないだけだ。

「ちゃんとしたお家にいるみたいだしこれからいっぱいお勉強すれば大丈夫だよ、とその前に」

少女の頭を撫でる。

「ちゃんと買い物ができてえらいえらい、とってもいい子…じゃあもう一つ問題、あなたの体はそのお金でどれぐらいの価値があると思う?」

正直かなりの美少女だ、一食一晩なんて釣り合わないレベル。
彼女自身で考えてほしいと思い答えを待つ。

真白 >  
「ん」

撫でられて、くすぐったそうに目を閉じる。
昨日お風呂でしっかり洗って手入れもしてもらったのでさらさらの髪の毛。

「――さっきのおかね五枚分」

バナナが一本一枚。
一日三つ食べるから三枚。
宿の値段はわからないが、たぶん二食分ぐらい。
だから五枚分。
単純な計算。

アリエッタ > サラサラで手入れされている、触っただけでもわかるぐらい綺麗な髪。
平民の家では無さそう、それだけに教育が施されていないのがますますアンバランスでよく分からない。

「ブブー違いますー」

腕で×マークをして銀貨を5枚握らせる。

「あなたは自分の可愛さに気づいていません!それはとっても悪いことです!少なくともこれぐらいの価値があると私は思います!だから銀貨5枚であなたを買います!」

銀貨を握らせた手をぎゅっと握って。

「私を満足させることができたら更に金貨1枚追加するから頑張ってね、そうそう、私はアリエッタ、あなたのお名前は?」

そのまま自分の家へと連れて行こうとする。

真白 >  
「――」

銀色の硬貨を五枚握らされた。
バナナ何本分だろう。

「今日寝るところと、明日のごはん、これで買える?」

明らかにそれより多い。
彼女の顔を見上げて尋ねてみる。

「真白」

自分の名前。
言葉にしてからしゃがみ込み、地面に石で書く。
これは真っ先に教えてもらった。

アリエッタ > 「真白ちゃん、よろしくね…ちなみにその5枚でバナナが50本ぐらい買えます」

そういってニコニコしながら家路に連れて行った。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からアリエッタさんが去りました。
真白 >  
「ごじゅっぽん」

そんなに。
ぽかんとしながらも彼女についていこう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」から真白さんが去りました。