2021/06/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 夜の酒場は仕事上がりの人や荷物の整理が落ち着いた旅人たちで賑わっていた。ほぼ満席に近い店内の奥の方、四人掛けのテーブル席で、今日は出張買い取りの取引中。
家の倉庫から出てきた陶器が相当な年代物かつ名工が手掛けた品だから、ぜひとも見てほしいと頼まれてやってきたのだけれど、鑑定結果を伝えたとたん、相手の機嫌が見るからに悪くなった。
自分の両手で包めるくらいの小さい陶器の器はたしかに古いものながら、名工の手法を真似しようとしただけの贋作だった。古物商や骨董品を取り扱う商人の間では、よく見かけるものだったから、一目でわかったのだけれど。

「……っ…、あ、あの、ですから…」

買い取りを希望するならこのくらいの金額でと伝えると、テーブルを強く叩かれた。まわりが賑やかなせいで他の人の目をひく事はなかったけれど、握りこぶしが立てた大きな音は、こちらを萎縮させるには十分なもの。
身を縮こまらせて、相手と視線をあわせられなくなって、あらためて贋作だと説明しようとした声が震えてしまい、あとが続けられなくなってしまう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」に黒須さんが現れました。
黒須 > (夜でも昼の様に賑わい合う平民地区。
ほとんどの飲食店では仕事を終えて楽しく話し合う声が外でも響き渡り、嫌でも耳に入る。
最も、仕事疲れでくたびれたこの体にはかなり刺激が強い所だった。
王都での護衛任務に参加するも、案の定暗殺者が居た。
腕はかなりいいと評判であったが、自分にとってはただ周りを飛び回る鬱陶しい蠅の様であり、相手をするだけで疲れていた。
報酬がかなり張ったにせよ、疲れた体を癒すために酒場に入った。
どこも満席みたいだが、探せば席はあるだろうとしたところで大きな音が聞こえた。
小柄な少女に怒りを露わにする男。
テーブルを叩き、周りは気づかずともその様子を見つけていた。)

「…チッ、面倒だな…。」

(嫌そうな顔をしながらもその四人掛けのテーブルに足を真っすぐに向かわせて男の背後へ。
何も言わずに肩を掴めば、万力の様な力で引き千切れてしま程の握力をかける。)

「おい、騒がしくするな…。
面倒事はよそでやれ…。」

(どすの効いた低い声に鋭い目つき。
今日は疲れもあり、より一層鋭くなったその目つきはまるで、まるで首元にナイフを突きつけられているかのような殺気を纏っていた。)

ミンティ > 相手の言う名工の品と目の前の贋作では、つけられる値段も当然大きく違う。トラブルを避けるために相手の言い値で折れようと考えるのも、なかなか難しい。
せめてもうすこしだけでも落ち着いて話ができる状態なら、そう考えていたところに、大きな男の人がやってくる。
テーブルを叩いたのは自分じゃなかったけれど、明らかにいらだったようなその雰囲気に、ますます肩身を狭くして。

「…す、すみません、…なんでも、ない、ので。…すみません」

口では謝罪をしながら、ちらりと男性の顔を見上げて、お礼を言うように頭を下げた。
取引相手も、見るからに力の差が歴然な体躯の人物に歯向かう気にはならなかったようで、咳払いに続けて渋々といった態度ながらも騒がしくした事を詫びている。
おかげで商談を再開したあとの話の運びはスムーズになった。贋作である事を念のためもう一度説明し、こちらから出せる金額の上限を伝える。その取引がしっかり纏まるかの雲行きは怪しいものだったけれど、すくなくとも、先ほどのようにまた脅しまがいのやりとりが見られる事はなかったはずで…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」から黒須さんが去りました。