2021/03/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 屋台通り」にスピサさんが現れました。
スピサ > 薄青い肌が覗く首元や谷間
裸に革のオーバーオール姿の上から緋色の毛皮ジャケットを纏うスピサは屋台通りを歩く
紫色の革眼帯が目元を覆うように巻かれ、後ろでフックで止められた姿
腰には愛用の金棒型のメイスが毛皮筒に収められ、左手には小盾も装備している。

工房内とは違い、冒険や外出用の出で立ちで向かう先は屋台の中では片手食いのできる店だった。
香草塩とミンチ肉の腸詰は油たっぷりに揚げ焼きにされ、焼き方が選べる店
黒パンで挟んだそれは紫葱の細切り焼きと共に詰められ、肉脂と豆の辛煮がかけられたもの
周囲に辛い匂いを巻きながら、客を誘い、好みに合わせた焼きをすることで只の腸詰挟みにしては繁盛している。

鍛冶を終え、空腹を感じた集中力が切れた午後のことだった
仕事を終えれば腹は減る。 革の作品や鉄を打つ時間が終われば明確になっていった。
故に、その店に訪れると店主が気さくに声をかけるものの、スピサは口下手なのは相変わらず。
会釈をするだけにしては、黒パン腸詰3本と松の葉ソーダを頼む。

『はいウェルダンお待ち それにソーダね。』

赤黒いソースが掛かったそれが三つ並んだ紙包みを貰い、ソーダは瓶詰
再利用品のように傷だらけで、中には松葉が一本挿し込まれている。

           バリッ

皮は上げられてもはやパリンッとはじける様にではなく、砕けるようになる。
ソースを吸った黒パンがちょうどよくそれとモリッと咀嚼して見る周り
午後の寒くも暖かくもない中営業を続けている。

店主が うまいかい と、焼き加減もいつもの通りを出している
答えは知れているように聞くならば、スピサはペロリとソースのついた唇を舐めて頷いた。

スピサ > 腸詰挟みを食む間、場所は店の前ではなく店の隣
行き場の無い体を馴染みのある傍に置く
どうせ何人も買いに来るのだから、前を陣取ったところで意味もない

一本が容易く胃の中へ納まると、コルクを貫いてソーダを流し込む
辛かった口の中が炭酸で流されながら、安っぽい甘草の甘味味。
上質な砂糖水で作るようなものは、平民地区の屋台で期待するほうが間違っている。

「ふぅ。」

鉄を打つ時間以外、器用に生きるやり方なんて知ることもない
食事や湯浴び以外は、工房の中で暮らすような鍛冶師の生き方
偶の外出も、こうして食むものを食めばまた終わってしまうのだろうか。

時折、武器という造る傍らで知り合う顔は何人もできる
武器屋の店主 そこに通う少年 常連の戦士 数人と手を振る程度の挨拶はしながらもポイッと二本目が片付いた。
喉が思ったより乾いていたのか、あっという間に空になってしまった松葉ソーダ

コトンッと店主の前にコルク付きで返却したなら、ソーダをもう一本おかわりを。

「も、もう一本 ください。」

少し噛みながら、ゴルドと共に手元に来る安っぽい味の製造ジュース
コポリッと口の中で舌を洗いながら、3本目を食いちぎり。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 屋台通り」からスピサさんが去りました。