2021/03/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にミリアさんが現れました。
ミリア > 「今回はありがとうございました。またよろしくお願いします」

日も暮れ始めた時間帯の冒険者ギルドの一角。
臨時で組んだパーティーのメンバーに頭を下げてお礼を告げ、分け合った報酬を受けて離れる。
何度か組ん人たちだったので特に問題もなく仕事も終わり報酬も受け取り満面の笑み。
しばらくはゆっくりとできる量の報酬は重くはあるがそれはそれ。

宿に戻る前に少しだけ仕事を見ておこうと掲示板の前に足を運んで。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にアルシェさんが現れました。
アルシェ > 夕暮れ間近の冒険者ギルドのカウンター
そこに集う者たちは、たいていがひと仕事を終えた疲れを見せつつも、稼いだ金で一杯引っ掻けていこうと賑やかなことこの上ない。
けれども、たった今の今までその列に並んでいた少女は、がっくりと肩を落として近くの壁際にしがみついていた。

「………これじゃあ、大赤字だし……
 宿に泊まるのも、ちょっとヤバいかも……」

薬草採取の依頼を請け負ったのはいいのだけれど、持ち帰ったのは似て非なるまったくの別物。
薬効もなければ毒にもならない。まさしく雑草に分類されてしまうもので。
本物もいくつかは紛れていたけれど、とても採算が合うほどの稼ぎには届かない。

報酬を受け取ったらご飯にしようと意気込んでいたばかりに、きゅるる…と腹の虫が催促してくる。
けれども、今夜の宿代も心配しなければならない有様で、ご飯などと言っていられるはずもなく。

「うぅ……今からできる仕事とか……」

働かざるもの食うべからず。
ふらぁ~…と危なっかしい足取りで、どうにか飯の種にありつこうと依頼書の張られた掲示板の方へと向かう。
こんな時間に貼りだされている仕事はと言えば、たいていが余り物。
見る者も滅多にいないと思いきや、先客がひとり。
邪魔にならないようにしつつも、目を皿のようにして数少ない依頼書を覗き込み。

ミリア > 掲示板に残っている仕事を眺めるが余り物ばかり。
しかし一人でできることを考えるとそういう物こそ有難く。
薬草採取や配達というものをメインに視線を向けて探して。

そうしていると他にも仕事を探しに来た人が来れば邪魔にならないように一歩除け。
再び仕事を探すのだがやってきた少女の仕事を探す姿が気になってしまい。

「あの、どういうお仕事を探していますか?」

必死に仕事を探しているように見える姿。
それがつい気になってしまい、お節介と思いながらも声をかけてしまう。

アルシェ > 食い入るように依頼書を見つめる。
それだけならまだ仕事に必死な人、で済んだかもしれない。
お腹を掴んだ手が、握力の限りギリギリと絞るかのように力を籠めている様子は、見るからに怪しい人でしかなく。

「……えと、即金前払い。もしくは、ご飯付き。ついでに宿付きなら即決です!」

そこまでしても、きゅるきゅると訴えてくる虫を黙らせることはできず。
その切実な訴えは近くの人にも聞こえてしまうだろう。
そのせいかどうか。心配してくれたらしい少女が声を掛けてくれる。

必死に依頼書に目を通しながら、端的に希望を告げて。
余り物の中にそんな都合のいい案件がないと知れると、くるりと少女の方へと向き直り。

「困り事とかありませんか? 今なら、ご飯一食で何でも引き受けちゃいます!
 こう見えて力仕事もいけますし、護衛でも何でも。
 あ、家事もそれなりに出来ますから、任せてください!」

ずずぃっと相手の方へと詰め寄ると、その手を握って必死の営業。
相手が引いていようがお構いなしに。
こんな自分に声を掛けてくれる親切さに付け込んで。お買い得ですよー、と押しの一手で迫り。

ミリア > 仕事を探す同業者は多いが必死すぎる姿は何故か気になり。
聞こえた何かの音と、気のせいだと思うような言葉に切羽詰まってるのかと考えてしまうほど。

告げられた希望に酔うような仕事は流石に残り物に合うはずもなく。
少女がこちらを向けばさらに一歩下がってしまい。

「困り事ですか?今は特にはありませんけど。
力仕事に護衛に家事……ですか?」

多彩な事ができる子なんだとつい感心していれば手を握られて驚き。
必死な売り込みに完全に困ってしまい、頼めることもないのでどうしようかと視線を泳がせてしまって。