2021/02/24 のログ
■フォンティーン > 「心外な。…彼の花を携えて愛を囁く君を想像しただけだぞ?」
彼の人の恋の心構え愛の語り口――等、知る由も無い。
繰り返せば未だ二度目の邂逅でしか無いのだから。
丸く大きな瞳を胡乱な色に重ねつつ、
極めて平坦に広げてみせた想像の絵図は本人が聞いて如何様に受け取る物か。
其の遣り方に戯気が含まれていないとはとても言えない。
如何いう反応が返されたとしても、余程機嫌を崩すのでない限りは
悪戯気に咽喉を震わせている事は間違いない。
「否、何と云うか有り様と云うかな。
然し今言葉を重ねようとすると、誤った手前の認識有りきになるから勝手に喋るのは宜しくないな。
……念の為、今の君が即ちそうだという訳では無かったからな。」
何を言おうにも顧みさせた後では形にならず、
懸念される所と己の言葉が微妙に位置ずれを起こしている気もしたが、
言い出す自信も権利も無い様に思われた。一言だけ、付け足し。
どちらにしろ、碌に知らぬ相手に賢しらな口を効いた結果と思えば少しは不要な口を閉じるべきだと学びが一つ。
「……ほう、情報如きでは左右されない備えが既に整っているということか。
無論そうであれば心強いとはいえ、中々果たせる事じゃない。流石喜びヶ原。」
道具との単語には興味に視線が閃く物の、今は我慢と本日何度目かの堪え。
情報の精度に置いて同行する人物の語る内容は信用に足ると既に理解していれば、感心の声音。
軍部とは多少の付き合いがあるとは言え、一介の冒険者、技術者では図り知れぬ様相。
お陰で多少時代が違う等あってもこうして地図が確認出来ているなら流石の一言に値する。
「――うん、そう仮定するなら、だけど。此方の数字が意味を持つな。
唐突な十と六が散らばっているんだが、十六夜だとすれば。
時刻…に当てはめると月の出には早いしな。…」
目前で指で幕を払いのける仕種を取り、魔力を擁す者であれば、
術が一つ打ち払われた事が知れるか。極限られた範囲に意識を集中していた分、
焦点が合い辛い所を目を擦りつつ調整し。
■影時 > 「ああ、だろうよ。ン、そうだろうさ。……すンげぇ、違和感ある絵図よな」
所帯を持つだの何だのと、考えたことがないわけではない。
が、少なくとも今の自分の性分に合わないことこの上ない。
平静を装うべきではない時となれば、率直な感情の動きはついつい表情に出る。
しかも、向こうのその表情、遣り口に混じる戯気を察すれば余計である。
「そうさな。
まァ、あれだ。“弁えてる”由縁を示す機会があればな、多少は知れようさ」
今の時点としては、これ以上は語るまい。語れない。
己が何であるか、ということも元々示しても明かしてもいない。その一点についてはまだ向こうに一線を置いている。
故に今のこの話題は此れまで、と。肩を竦めて気を取り直す。
寝物語などで語るにも、華がないことこの上ない。男の事情というのはそのようなものだ。
「あれだ。食指が向かん事項とは思うが、この手の情勢ってのは仕入れておくと幾らでも吟味できるぞ。
採取の時などの面倒や難を割ける意味でも、有益でな。
膠着をどうすンのかまでは杳として知れんが、――……探るとなると面倒だな」
興味が向けば、それこそ危機を犯してまで調べる愉しみはあるが、直感として少々キナ臭い。
故に出先での面倒を避けるために、この手の情報は仕入れている。
仕入れていれば、隊商の護衛に帯同する時などに重宝する。
冒険者としての活動形態、活動域がやはり違うかと、相互の態度を擦り合わせるように感じつつ、次の言葉を吟味する。
「十と、六。……俺の故郷で十六の夜とそのままコトバを繋げるとな、月齢のことを差す。
満月から少し過ぎた後の頃のを云うンだが、その位の時節で姿を現したりするのかね」
十六、と。館内の奥に設えられた大時計の文字盤を一瞥し、月の出の頃とするには聊か早い様子を己も確かめる。
しからば月齢として考え直すと、どうだろうか。
魔力の使い手ではないが、氣と五行の使い手として何らかのチカラの動きを氣配として察する。
満月よりも聊か弱い、淡い具合の月光に似た光量であればどうあろうか。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/図書館」からフォンティーンさんが去りました。
■影時 > 【次回継続】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/図書館」から影時さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区のどこか」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 王都マグメール、平民地区。
本日、色々と問題が起こっているのは、この地区であった。
問題、とは言っても、生活を脅かすような、そこまで重要なものではない…多分?
…まぁ、言ってしまえば、少女の悪戯である。
あの手この手、色々と考えては、色々な場所で試す。
今日もまた、その流れで少女は動いていた。
たまに、口では言えないような悪戯も含むが、それが気にしてはいけない。
「………っと、さぁて、次は誰が良いかのぅ?」
とん、地区の中でも、高めの建物の屋根の上。
静かに、少女は舞い降りる。
いつもの、屋根伝いの移動。
その場所に付けば、視線を下げて周囲を見渡す。
呟きから、すでに何人かの犠牲者は出しているのだろう。
気分良さ気な表情を浮かべ、ゆらゆらと尻尾を揺らし。
なるべく、人の疎らな場所に居る者。
対象に、老若男女は選ばない。
…さすがに、驚かしたらころっと逝くような、そんな相手には出来ないが。