2021/02/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > 平民地区の、夜市。
朝に開き、主に各家庭の食卓に並ぶ食材を扱う朝市とは違う趣の露天市だ。肉や酒精を扱う店、雑貨や武器防具を並べる商人が増える。
広場には色とりどりの天幕が張られ、軒先でランタンが地上の星のように輝く。
そんな光景の中を、ひどくご機嫌そうな足取りで歩く褐色肌の冒険者が居た。
その胸に下げられているのはアクセサリー。
金属片程度の大きさのペンダントながら、手に持って光にかざすと、その屈曲で色が次々と変わる。
「えへー。雑貨屋さんで安く売ってたから買っちゃった。
中古って言ってたけど、新品みたいにきらきらしてる……!」
細い鎖に通された、小さなリング。そのアクセサリを指先に添わせて満足げ。
微笑みながら、何度も形を変えて確かめる。
「ん……、と……。
依頼続きで疲れたのかな……?」
不意に、息切れを覚えて立ち止まる。
風邪も引いている気配もないのに、頬が熱ぼったい。
夜市で興奮しているせいかと思うものの。
どうも胸の鼓動がはやまってきている。胸を押さえて困り顔になりつつ歩いて。
――お値打ち品と買ったアクセサリが催淫効果の呪いつきである事にはまだ気づいていない。
■タピオカ > 次第に、まるで走ってる時のように心音が弾みだす。
さすがにおかしいと思って、飲み物を売る露天商から果物ジュースを買い求めようとして。
何かが胸の奥からお腹の下にまで甘く打つように響いた。
「……っ……!」
たまらず身体を折り曲げ、2、3歩たたらふむ。
呼吸が乱れて、激しい渇きを覚えた。……肉欲への。
夜市が行われている広場から、褐色肌の小さな人影が近くの路地へと走り抜けていった。
その路地からは衣擦れと甘い息遣い、そして水音が響き始めることとなるのだが、それはまた別のお話で――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にビョルンさんが現れました。
■ビョルン > 市場の隅にしなやかな褐色の野禽の消えた頃。
一軒の露店商の前に黒い外套を羽織った背中が見える。
「……嗚呼、そう」
夏頃から矢鱈と治安動向が気になる。
何軒か聞き込みをしたが今のところは、と限って言えば市場が荒れるような怪しい商品も出回っていないようだ。
平和でもないが、いつも通りという低め安定の情勢がどこか気に入らない。
聞き込んだ夜店を後にすれば、しばらく思案。
このまま大人しく帰ったものだろうか。
■ビョルン > ──偶には花街の私娼の愛想に応えて帰るか。
寄り道先を思いつけば、その方向へと歩き出す。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からビョルンさんが去りました。