2021/01/10 のログ
ティアフェル > 「カサギ、さん? むこーの名前は難しいね。
 ん。そうなのかも……。国交が豊かになった証拠かしら」

 造船技術年々アップしているし、貿易が盛んな結果だろう。ふむふむ首を縦にしていたが、刀に関しては違いがあんまり判らないので、どこかで見かけてもきっと気づくことはなかろうなあと感じるのだった。
 そもそも素人が刀で誰かを判断して声をかけるのはかなり勇気が要る。

「うむー。手も足も何も出されてもいない内から牽制するのってどんだけ自意識過剰なんだよこのオンナって正直わたしが一番思うのでやめといて。むこーにも選ぶ権利ってもんがあるわ。
 うん、くれぐれも真面目な感じでね」

 顔も知らない相手だからこそ礼儀は重視しておかねばなならない。この子が己をカワイイと思ってくれているのも身内びいきだろうし、師匠からしたら、知らない雌ゴリラに勝手にお断りされたらさぞ不快だろう。

「飼い主て……いや、そういう訳にいかないわよ……。
 あ、じゃあ、手作りのお菓子なんかはどうかな? 気持ちだから。ね?
 ……あれー? なんでお姉ちゃんの頭の中読んだー? もうやだなあ、筒抜けかよー」

 顔に出てたかしら。シメられるなんて口にしてないのに。考えたことが伝播している。やべえなあと笑いながら冷や汗を伝わせ。
 それから、手ぶらは気まずい気がしたが気を遣うとアウトだというなら、趣味で作るお菓子とかならどうだろう、と。お金持ちらしいし、買ったものよりはいいかもしれないが……お金持ちなら手製の菓子なんてありがた迷惑だろうか。
 頭の中でいろいろ考えてうーむと首を捻っていた。

ラファル > 「最悪、冒険者ギルド越しとか、トゥルネソルで呼んでもらうとか、ボクが呼ぶとか、その辺で良いと思うよ?
 その割には、いろんな国と喧嘩してるけどね。」

 造船技術と言うか、幼女の所にしてみれば、ドラゴンで空を飛んだりとか。母親で船を引っ張って、なので、特殊と言えば特殊だ。
 だからこその、トゥルネソル商会なのだ、他にはない強みがある、お金持ちの理由。
 彼女が師匠を見つけられないことに関しては、様々の方法を提案して置く。

「でも、この国の性的な思考の緩さならば、していても良いぐらいの牽制な気もするよ?
 出会って三秒で即合体とか、よくよくある国だし、ティアおねーちゃん色々な人に口説かれそう、可愛いし。」

 顔を知らない相手でも、礼儀は確かに必要だ、その辺りにも師匠の教えにはある。
 知らない雌ゴリラよりも知ってる雌ドラゴンもいるし……その辺りは自己評価の部分だから、言っても仕方ない気がする。

「師匠も。おねーちゃんたちも、皆そう言ってるよ?そもそも、誘拐と認識してないよ
 そもそも、ボクを誘拐したら、ドラゴンさんたちが暴れてるよ?もう。
 あ、それはいいかも!手作りお菓子、おいしいしね!

 だって、トゥルネソルのお家って、ドラゴンの巣、だもの。普通は怖いよ?」

 そう、慣れて居る人から見れば、安全だと判って居るだろうけれど。
 知らない人から見れば、未だにそこは、ドラゴンの集まる場所だ、自分たちをあっさりと絶滅に追い込むドラゴンが集団で住まう場所だ。
 恐怖を感じて当然、頭の中を覗くというか、一般的な認識でのお話だと幼女は首を傾ぐ。
 そもそも、シメる理由もないし。

「むしろ、おねーちゃんの好みに入るから、そっちが心配かも。」

 幼女の強力な不安要素のプレゼント。

ティアフェル > 「? うん?
 戦争はいやねー。国力が下がるっていうのにもう」

 会話の流れ的に東国の親しくない人の呼び名は難しいと思案してただけで、具体的に師匠を召喚、とかは考えていなかったので、いまいち噛み合わない感じで疑問符を浮かべてとりあえず肯き。
 
「いざ、そういう話になったらきちんと自分で云えばいいことだからね。ラファルちゃんからわざわざそんなこと云わすのはかなり感じ悪いわよ。
 いやあねえ、このこってばおだてちゃってぇー。大人の世界ではモテそうって言葉は社交辞令なんだよー?」
 
 よく飲みの席なんかで、さほどモテてなさそうな場の雰囲気にも戸惑っているような、ぽつねんしている人にかけられがちな言葉である。まさかこの子にそんな思惑はないにしても、ある程度世の中知った身は酸いも甘いも知った風な顔で呟くのだった。

「わたしゃドラゴンテイマーかい。違うぞ。そんな失礼な話を受け入れたらいけん。うちのかわいーいもーとだ! そしてわたしはおねーちゃん(予備)だ!
 …それにつけても、わたしさっきから誘拐の話はしてないのだが。そんなに顔に『誘拐』って書いてあったかしら……。
 なんかそう畳み掛けられるとやっぱり誘拐犯なんじゃないかという気がしてくる……。
 あ、ドラゴンなんだ? それも今知った……色々納得したけど……。
 
 まあ、じゃあ何か心のこもったお菓子を焼くわ。そういうのの方が気持ち伝わるかな」

 恐怖を感じる前に何の種族なのかは今知ったが。カミングアウトが来ないものでなかなか聞けなかったのだ。
 誘拐の二文字をおもっくそ出されると逆に危惧が芽生える。しかし、まあ…なんか伝わる念があったのだろう。そうだ、子どもは勘が鋭いものだし、一緒にいるのだから分かっちゃうんだ。オチオチ可笑しなことは考えないようにしようと心に誓う。

「……ん? あ、そう? お友達になれるかしら」

 いきなり敵愾心抱かれるよりは、気に入ってもらえた方がスムーズだしありがたい。そーかと呑気に肯いて。

ラファル > 「……あれー?
 ねー、戦争はいたいし面白くないしねー。」

 呼び方が難しい=有った時に挨拶できないと幼女は考えたのだった、というか、お話しするときに名前が判らないとと。
 幼女の思考は、少し先まで走っていたようだ、不思議そうな顔の姉を見て、幼女も頭の上にはてなマークを作り上げてコトンと首を傾げるのだった。
 戦争のお話に関しては、全面的に、自分の住んでるところがあれるのは、一寸やだなー程度の思考。
 それに、実家と姉の共通認識として、ドラゴンが介入すると面倒臭い事になるから介入しない、である。
 退治されるのも、やだし。

「はーい。
 ………って、しゃこうじれー?」

 社交辞令、言葉の意味は何だっただろうか、野生に帰っている幼女は、まだまだ一般常識はお勉強中。
 自分で伝えると言うのであれば、それはそれでうんと頷いて、社交辞令に関しては、まだまだ知識にないので首をコトンと。
 素直に言うのは美徳だ、と考えているから、社交辞令とかそういう言語が未だ認識できていなかった。
 酸いも甘いも噛み分けた大人のレディの顔を見て、おおお、と目を見開く幼女。

「ドラゴンテイマー。でも、おねーちゃんも、師匠も、ドラゴンのみんなも言ってたし。
 ティアフェルおねーちゃん。

 うーんと、一応。盗賊ギルドの手口から、こう言うのは誘拐ってのは、ボク知ってるよ?
 大丈夫、誘拐犯じゃないから!ボクは誘拐されてないし、家族のみんなが遊びに行ってるっていうから!

 うん、ドラゴン。種族としてはテュポーン。風と嵐を司る竜の種類。風の魔法とか、風の精霊魔法とか、得意だよ。

 ……うん!甘いお菓子はお姉ちゃんも大好きー。」

 教えてなかったっけー?敵に首を傾げた幼女、背中に緑の鱗に包まれた翼を広げる。半裸なのは、翼を開いても服がびりっとしないためでもあるので。
 ばさり、と一つ羽ばたいて、浮遊して見せる。
 尻尾は―――だすとズボンがばちーんと破れるので、個人的には見せたい所だけど、きっと怒るだろーなー、と我慢。
 両手も鱗に包まれて、竜の爪を持った手になるので、其処迄見せればわかってもらえるだろう。

「うん、お友達になってと言うなら、お友達からね!と返してくるレベル。」

 敵愾心を向けることは先ずない。
 大丈夫安心して、と、にぱーっと笑って見せる。

ティアフェル > 「個人の意思も何もないしねー」

 なんだかすれ違った会話に関しては。二人して疑問符を浮かべて首を傾けて終了し。
 戦争反対ではあるが、国の政策に関してはなんの権限もない平民。困るな、とここで溜息を吐くことがせいぜいだ。

「社交辞令の言葉の意味を知り、あまつさえそれを操るようになった日に――君はこう呼ばれるのだよ。
 ―――大人、と……」

 首を傾ける幼子に重々しい表情を浮かべて語るのだったが。聡い子もたまに操る社交辞令は大人の切符ではない。
 ふ、決まった、と自分の発言に陶酔気味の勘違い女にそこの自覚はない。

「失敬な。とても失敬な。――そうだよーぅ。マスターではなく、シスターだよーぅ。
 ……ち、違うよ……監禁もしてないし、合意の上だし……なんなら保護者黙認だし……脅迫文も送ってない……ただのテイマーだよ……ぅっ。でもご挨拶は省略した……」

 もごもごと呻くように弁明した。誘拐と断ざれれば否定できないと当初は思っていたが、途中自動的に保護者公認となった時点で『あ、そういう訳じゃなくね?』と思って今に至る。
 しかも云い募る途中でテイマーという部分をさらっと利用した。卑怯。
 種族の話を聞いて、詳しくないがそうか、それなんだーと呑気に肯き。
 お菓子は作った場合持って行くと正解らしい。じゃあがんばらなきゃ、と腕まくりをして。
 それから翼や鱗などを顕現されて、おほう……と感嘆符なのか驚嘆符なのかな声を発して、ぽかーんと浮かび上がる姿を見上げ。

「わー……自分でも意外だけど……あんま驚かなーい。正直犬系のアレじゃなくって良かったって心底安堵しているくらいだわぁ」

 ぽすぽす、と無意識に気の抜けた拍手をしながら呟いた。なんとなく、そこら辺の種でもおかしくないと悟っていたからかも知れない。

「そうなんだ、気さくなお姉さんなのねえ」

 裏のある彼女の発言には特に気づかなかったらしく文面そのまま深読みせず理解して。ほうほうと平和に肯いていた。

ラファル > 「一部の商人は悦んでるらしいけどねー。」

 戦争反対、でも、国民でも人間じゃないから参政権はない。平民だし。
 そして、死の商人とか、その辺は悦ぶのだろうけれど、幼女の家はそんな所ではない。
 真っ当な商人ですのでご安心くださいませ。

「つまり、社交辞令を自由自在に操るおねーちゃんは……大人。」

 これが、大人なのか、幼女はゴクリ、とつばを飲み込み、輝く瞳で見上げる。
 大人の切符はそんな所に有ったのか、年齢だけではないのは、何となくわかっているのだけど、これが、大人の切符なのか、と。

「つまり、ドラゴンテイマーシスター……っ。
 そだね、うん、ティアおねーちゃんは誘拐犯じゃなくて、ボクのおねーちゃんだよ。
 それに……こう考えようよ。今から、あいさつに、イク!」

 弁明に乗っかるし、こんなつまらない事でおねーちゃんを責めたくはない。
 憑いて逝ったのは、自分の意志だし、彼女は悪い所は何もない、だから、彼女に非は無いのだ。
 リアルな家族たちも、別に彼女を誘拐犯にしたいわけでもないし、と。
 つまり、今の彼女はラファルテイマーシスターティアフェルおねーちゃんなのである、長い。
 ぱたぱたと、翼を傍目加瀬て、凄いでしょードラゴンにもなれるんだよ、全裸になるけど、と。

「あ、犬は、ダメ?だったら、ティアおねーちゃんが来る日は、グリム君お散歩ださないとだめだね。」

 犬系の有れとかそういういい方なので、ワンちゃんはダメなのだろう。姉の嫁が狼犬を飼っているので、来るときはどっかに遊びに行ってもらわないとだめだな、と理解。
 たぶん、ダメなのだろう、と、思うので。

「うん、気さくだよー。一番人間と仲良くしたい人だからー。」

 一番人の友好関係が多いのは、姉だ。それを考えれば、気さくなのだろう、と。
 ただ、大丈夫なのだろうかとか、一寸、このお姉さんはボクが守らないと、と、少しばかり、の使命感。

ティアフェル > 「そういう連中は時に呪われるものよ」

 強力な武器を売り捌いて富を得た商人が末代まで呪われるなんて話は時々聞く。
 真に悪いのは開戦した者ではあろうが。

「無論。……あ、いう程操ってないわ。うん……まあ、社交辞令もほどほどに使うのが大人よ……使い過ぎるとただの嘘つきだと思われる……そこのさじ加減も大人…ってことかしら…?」

 フッ、と不敵な笑みを浮かべてさらに髪をフワサしたが――そこまで調子に乗ったところで我に返った。
 そこそこ直球な性格なので社交辞令を多用して生きてなかったと。けれど軌道修正して正論化してみせた。ドヤ顔して。

「ドラ、テイ、シス……なんか大分盛ってるねえ……。
 ありがとう! 即意見を翻してくれてありがとう! そういうご都合なところは心底好きよ!
 ――それよ! ちょっとご挨拶遅れちゃっただけなのよーぅ! なんていうか、ほら…い、忙しくて…?」

 自分のへったクソな云い訳をすんなり受け入れて誘拐犯を取り下げてもらえればご都合主義よ栄えよ!と云わんばかりのご都合大好き女は秒で彼女の意見に乗っかった。
 忙しくて…とは全部嘘でもないけど、こう、忙しくてってやっぱ云い訳くさいなあとは自覚。
 ワースゲー。と見上げてもうちょっと拍手しておいた。種族に自負があるというのは子どもならば余計にあることだろう。よかったね、すごいね、と暖かく見守っておく。

「あ…犬……飼ってるんだぁ……う、うん、ごめ……ちょっとおねえちゃん…犬アレルギー…で…」

 目を反らしながら云いづらそうに嘘ついた。犬……犬がいる屋敷…とそこで一気に近づきづらくなってしまった。自分が来ることによって追い出されてしまうのも悪い。

「そっかそっか、じゃあいいお友達になれるかな」

 深読みしない鈍い系女子。彼女の姉の話を聞いてほのぼのと考えた。お友達が増えるのは歓迎だ。
 それ以上となると鈍い系なのでまあ、気づかないこと多々。

ラファル > 「……呪い、かぁ……呪いって、なんだろう?」

 そもそも、幼女は人を食い殺す存在であり、呪われてもおかしくはないような気がするが、呪われたことが無いと思う。
 と言うか、基本的に呪いと言うのは人が人に行う物であり、ぴんと来ない。
 呪術に関しては、詳しく師匠にも聞いてなかったな、と思い出す。

「マスター……しゃこうじれーますたー………っ。」

 不敵な笑みと、髪をふぁさっとする、真似してみるけれど、多分同じにはなってない。
 自慢げな笑みを見せる彼女に正論もまた、幼女には凄い理論だと、思えてしまう、素直な、お馬鹿。

「メガペガサスmix盛……?
 ?だって、喧嘩したいわけじゃないし。ティアおねーちゃんと仲良くしていきたい!
 仕方ないよね、だって、おねーちゃんは引っ張りだこだし!」

 有能な冒険者は基本的にそんな感じだ、自分の知り合いの冒険者もそんな人が多いので、忙しいのだろうと。
 ご都合主義に悦ぶ彼女に、だって仲良くしていきたいし、争いになるようなことは、あまりしたくないし。
 いいわけでも別にいいじゃない、ヒーラーは忙しくなりやすい。
 それに、姉も別に無理にという訳でもないのだし。

「正確には狼犬で、ゼナおねーちゃんが連れて来たんだ。
 だから冒険に連れて行くことも良くあるし、何時もいる訳じゃないんだ。」

 犬は嫌いだそうだ、凄く、嫌いそうだ。
 無理に来る必要はないけど、一度は来てほしいなぁ、とそれなら、どっちを取るかと言えば、おねーちゃんに決まってる。

「うん!大丈夫だよー!」

 うん、やっぱり守った方が良い、友情以上になりそうだったら邪魔してしまえ。
 そういう意味では、幼女は心配になる、この人、性的な国に居るのにそう言った方面無防備なんだなぁ、と。

ティアフェル > 「恨みをもって掛けられる術のことよ。おまじない以上にかかわるもんじゃないわね」

 高位種へは恨みつらみというよりも畏怖や脅威を抱くもので人間同士の呪詛とはまた異なるものだが、そこを理解してもらうのはまだ難しいかも知れず微苦笑気味に肩を竦めて。

「あ、違うよ? 真似っこしても……社交辞令覚えないからねー?」

 まさか所作を真似てみれば社交辞令を覚えられるとは思ってないだろうが、同じようなアクションを取るので思わず口走った。お姉ちゃんは心配性。

「うん……。なんだそれ。
 わたしたちの間には喧嘩も泣きべそもサヨナラよー! 仲良しこよしのシスターです!
 そ、そうなの、わたしったら各所から引く手あまたで……うふ」

 出会った当初は術が使えなくてお金がなかったので忙しかった訳で、術が使えるようになってからは仕事に没頭期だったので忙しかった訳で、全然有能さとは無関係だが出来る女と思ってほしくてわざとらしく主張して笑ったお調子者。

「狼…犬…ひぃ……。
 ぜ、ゼナ? ゼナって名前の娘わたしも知ってるわ。同じ人じゃないかもだけど……。
 じゃ、じゃあ、その…いない内にお邪魔、するわね……」

 わざわざ外に出されるのも悪い。けれど、いたら敷居を跨げぬ。犬が急にかえってくるかもと怯えて長居はできないかもしれないという懸念はある。

「それじゃ、お会いするのを楽しみにしています、とお伝えくださいな」

 明るい返事を聞いてなにも曇りのない笑みを浮かべてのほほんと言伝てては、さて、それじゃそんなところで今日はそろそろ帰りましょうかね、と吹き抜けて行った寒風に身を震わせ。身体も冷えて来てしまった。と手を差しだし促した。

ラファル > 「うーむ……でも、知らないと、対処も出来ないから……。後で師匠にも確認して置くよ!」

 一応、幼女は人竜であり、人の姿で生活することも多い、なので、幼女は恨まれて呪われてしまう事もあるのかもしれない。
 其れであれば、対処法を知るべきだと思った、だから……肩を竦める相手に知りたいな、と。

「……ぐにゅぅ。……大人の階段……、切符ぅ。」

 早く大人になりたい、色々な事を知りたい、こういう物の早い習得方法は、真似ることだ。
 真似っこして社交辞令を覚えて、少しでも大人になりたいと思ったが、その目論見を外されてぐぬぬ。

「……なんとなく、思い立ったの、ボクも良く判らない。
 仲良しこよしのシスターです!おねーちゃーん!!
 羨ましー、ボク、クエスト受けさせてもらえないんだよね……、見習いだし。」

 仲良しこよしのシスターであることは幼女も望む事なので、殊更反応してぎゅい―と抱き着くのだ。
 そして、彼女の主張に対して、幼女を素直に信じる、クエスト受けたい―と地団太。
 各所からの引く手、良いな、良いな、と喜ぶように笑う。

「うん?ボクの知ってるゼナおねーちゃんは、褐色で色気むんむんで、大剣を持ってる冒険者だよ。
 人間だけど、凄く怪力で、竜胆おねーちゃんを物理的に倒せる珍しー人だよ、ドラゴンキラーとか言えるかもね!
 うん、グリム君は、お散歩大好きだから、2・3日とかで掛けても問題ないよ!」

 グリム君はもともと野生だ、そういう意味では幼女といろいろ通じるものがある、姉と一緒にお外に遊びに行かない時なんて数日帰らないことも良くある。
 なので、安心していいよ、と。もし帰ってきても、ティアおねーちゃんの前に出さないようにするから、と。

「判ったよー!伝わったってー!」

 伝言に関しては、視線を向ける。
 自宅のほうに向ければ、ヴワールさんが頷いて、伝わったと。
 腕を伸ばして、きゅ、とその手をつかむ。

「じゃ、おうちにかえろー!今日は、シチューが良いな!」

 温かいご飯にしよう!と、朗らかに笑いながら、一緒に歩いて家に帰るのだった―――。

ティアフェル >  呪いに関しては確かに無知だと困ることもあるかも知れないと理解して、それがよいと肯いた。

「ゆっくり昇っといで。焦って大人になってもしょうがない」

 たかが社交辞令の話が膨らんだもんだが。
 鷹揚に相当に年長ぶった物言いをするのだった。

「そっか。おねーちゃんよう分からなんだ。
 ねー。仲良しまい。
 あーね。それはねえ…まだ小さいから。クエストも徐々に回してもらえるようになるよ」

 経験値は大事だ。自分も冒険者として独り立ちするには相応に時間がかかったので。どんまい、と肩を叩いた。
 そしてエセ姉妹は今日も仲良しこよしでぎゅうぎゅう抱き合ってほのぼのとした絵。

「あー……それじゃ、多分同じ、人、かな…? わたしも一度しか会ったことないから自信ないけど……まあ、どこの勇者の系譜かというようなタイプではあった。
 ぐ、グリムくん、に……よろ、しく……ごめんって云っといて……」

 なんだかそこのお家の大事な家族なのに前に出さないで、とか申し訳ない気もする。でも無理なものは無理。絶対無理。死ぬ。
 すまなそうに眉を下げていたが……なんか伝わったらしい。「うん?」と笑顔で固まったが。
 この家謎過ぎてやっぱちょっとどうしようと思わないでもない。
 でも、つなぐこの小さい手の暖かさで些末なことはどっちでもいいやという気持ちになって。

「うん、クリームシチュー? トマト? ブラウン? どれがいいかなー。トマトクリームってのもあるかー」

 ごはん、ごはん、とにこにこ笑い返しながら帰路に着き献立を決めるのだ。今日もたっぷり大盛りで楽しいごはんが、これから始まる――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からラファルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアミスタさんが現れました。
アミスタ > 寒い夜であった。
だからその少女は、店の最も奥まったところにある席で、屋内ではあるが外套を羽織ったまま腰掛けていた。
テーブルには安酒。水のような酒と言おうか、酒のような香りがする水と言おうか。いずれにせよ、酔うには不向きの薄い液体だ。
〝場所代〟の安酒を煽る少女の他に、店内に客はいない。カウンターの内側で黙々と本を読む店主がいるばかりである。

「……面白いの?」

少女の問いかけに、店主は軽く頷くだけで応じた。会話は続かず、少女は間を誤魔化すように酒を一口飲んだ。

宿の併設された酒場である。酒の種類は少なく、部屋代は、宿のランクを考えると高額。
部屋に客を連れ込めば、部屋代の何割かが娘のものになる──そういう仕組みの、娼館崩れの店だった。
小さな店だ。おりからの寒さで人出も少ない。だからこの夜は、娼婦も、専門の者は待機していなかった。冒険者との〝兼業〟でやっている、痩躯の娘が一人いるだけだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 冒険者という職業は博打打ちと似通っている。
一獲千金を狙える反面、素寒貧に転がる事もあり、何れも真っ当な職業ではない。
そんな生き方も、20年も続けていれば、好い加減に要領を得てくるというものだ。
懐が温かければ温かいなりの、寒ければ寒いなりの生きようは如何ようにでもある。
今宵、その娼館崩れの宿の扉を開いたのは彼の懐具合が、
真っ当な娼館にて豪遊するのに心許ない程度に軽かったに他ならない。

カウベルの音を鳴らしながら店内に足を踏み入れれば、
裏寂れて客の気配のないフロア内を一瞥した後、カウンターへと近付き、
本を読んでいる店主に向けて軽く片手を挙げながら声を掛ける。

「よぉ、……蒸留酒を瓶でくれ」

懐から硬貨を摘み上げ、テーブルの上に置きながら注文をする。
混ぜ物の酒を提供されるよりも、丸々、一本頼んだ方が結果的には安上がりだ。
酒が提供されるのを待ちながら、改めて男は店内の様子を探るように視線を這わせる。

アミスタ > 店を訪れた男にまず与えられたのは、二人分の視線だ。
店主と、隅の席で安酒を飲んでいる少女。どちらも手元から視線を浮かせて、少しの間だけ、男の方を見た。
顔立ちも体格も、似ても似つかない二人であったが、その仕草だけは似通っていた。

浮いた視線のうち、一つ──少女の方だけは、また手元のグラスに目を向ける。店主はどこか眠たげな顔をしつつも、背筋を伸ばして注文を受けた。
蒸留酒。こういう酒場で出てくるものであるから、とても上等とは言い難い。酒精の強さだけは十分で、味などはどうでもいいから酔いたいという者が飲む酒だ。
飾り気もラベルも無い瓶が男の手元に置かれ、積み上がった硬貨が店主に回収される。
店主は几帳面に硬貨の枚数を数えてから、低い、だが他の客もいない店内ではよく響く声で言った。

『うちは真っ当な酒場じゃないが、構わんかね』

その声を追いかけるように、少女がテーブルにグラスを置いた。〝かつん〟という音が鳴った。
物音一つでも良く響く、殺風景な店内。他に客と呼べるようなものもおらず、魚油の灯りは数が少なく、店内は薄暗い。
カウンターの脇には、店の奥へ繋がる廊下がある。その向こうがいわゆる〝客室〟なのだろう。
他に、特筆すべき珍しいものは無い。……敢えて言うなら、酒場にはあまりそぐわない程度の年頃と見える少女が、時折、男の方へ盗み見るような視線を向けているくらいのものか。

トーラス > カウンターの上に些か乱暴に置かれた酒瓶を持ち上げるとグラスにも注がずに口を付ける。
味も香りもない、ただ酔う為だけに存在するような安酒。
咽喉の奥へと流し込めば、カッと燃えるように酒精が粘膜を焼き、
寒い夜空の下を歩き続けて、冷え切った身体に熱が燻り始める。

「おいおい、俺がそんな真っ当な客に見えるのかい? そいつは今年最初の愉快な冗句だ」

店主の低い声に、男は頬傷を歪め、愛嬌のある嗤いを浮かべると、くつくつと咽喉を鳴らす。
この手の宿屋がどのような意味合いを持つのか等、今更説明されずとも百も承知。
薄暗い店内を見廻せば、店主の他に人気が殆ど存在せず、奥まった席に酒場に不釣り合いの女の姿があるのみ。
此方に視線を向ける少女の姿を眺めた後、もう一口、酒を呷ると店主に視線を戻して、

「その割りには女が少ないようだが、……奥の部屋は幾らだ? 此処で払うのか?」

静まり返る店内の様子から察するに商売繁盛という訳でもないのだろう。
娼婦の控室が他にあるのか、と暗に尋ねながら店主へと料金と支払方法を尋ねて。

アミスタ > 男の軽口に、店主は曖昧に頷く形で応じた。そうして、また本に視線を落として、文字を追う作業へと戻ってしまった。
それでも耳は働かせているようで、問いかけに、彼方を見たまま答えて言うには。

『こんな寒い夜に、こんな店に来る客は滅多にいないよ。飲みたい奴はまともな酒場に行く。女を抱きたい奴はまともな娼館に行く。此処に来るのは〝愉快な〟奴だけだ。
 ……話が逸れたな。そういう訳で、今日出てるのはアレだけだ。もっと育ったのが好きなら、馬車がまともに走る夜にしな』

他に女はいない、と応じて、店主はグラスを手に取った。そして、客に出すものよりは幾分か上等な酒の瓶を開け、とくとくと注いで、静かに口をつけた。

「……先払い。そこのマスターに渡して。細かい時間の区切りとかはない。朝までで、これだけ」

そして入れ替わりに、隅のテーブルにいた少女が、店主の言葉を引き継ぎながら男のテーブルの方へと移ってきた。
手の指を立てて金額を示す。安宿の部屋代と見れば高額だが、まともな娼館で一晩過ごすよりはずいぶん安い。それだけ設備に金が掛かっていないという証左でもある。

トーラス > 「くっ、くく、そいつは愉快だな。
 こんな寒い夜に愉快な客が来るような愉快な店に、そんな客を持て成す愉快な女、
 皆、愉快で何ともハッピーじゃねぇか」

店内を照らし切るには不足している魚油の灯火に陰鬱さを漂わせる店主。
光度以外にも暗さを醸し出す中、男の笑い声だけが場違いに響き渡る。
そして、彼の言葉を引き継ぐようにアレと呼ばれた少女が近付いてくれば、
その顔立ちから身体付きまでじっくりと舐め回すような無遠慮な視線を向ける。

「ふぅん、暗がりじゃ分からなかったが、醜女じゃなかったみたいだな。
 お嬢ちゃんの名前は? ……何が出来る?」

傍に近付いてきた少女へと右手を伸ばせば、腰付きから臀部の膨らみを確かめるように手を這わせる。
提示された金額は薄暗い宿屋の割りには高額であるが、女付きならば話は別だ。
値切る事もせず、懐から硬貨を取り出せば、カウンターの上に一枚ずつ積み上げていき、
口端を緩めれば、傍らの少女へと店の奥へと続く廊下を視線で示して見せた。

アミスタ > まだ少しばかり幼さの残る顔立ちの、だが表情は幾らか大人びた、そういう少女だった。
表情をそう見せる理由は、目だろうか。紫色の瞳は、店内の暗さや申し訳程度の酒精も相まって、どこか影を孕んでいる。けれどもその影を抜いてしまえば、愛らしい顔立ちと言っても良いのだろう。
身体の線は、外套の上から見ても細かった。首筋、肩幅、脚──骨格が華奢なのだろう。
肌は、日に焼けているというほどでもないが、外に出て働く人間の標準程度の色合いをしていた。目立つ傷や荒れは無い。
総じて、相応の娼館で専業で働いていたら、気軽に一晩を楽しむには懐を気にせねばならない──それくらいの見目の良さはあった。

「……アミスタ」

難を数えるなら、無愛想な所か。
名前だけを呟くように伝えながら、身体に這う手を、眉も動かさずに眺めていた。……払うようなそぶりは無い。
相応に鍛えてはいるのだろう、華奢ながらに引き締まった腰や尻の線。女の柔らかさを言うなら幾分か不満が残るだろうが、少女らしい瑞々しさの手触りが、その肉には有った。
アミスタ、と名乗った少女は、男の手をそのままにさせながら、テーブルの上に──男の正面に身を乗り出す。
ぐぅっ……と顔を近づけると、水のように薄い酒の、ほんの僅かなアルコールの香りがして、

「ん。……あまり汚いことじゃなかったら……だいたい、できる」

口を大きく開いて、舌を指さして。補足するように言葉を継ぎ、それからようやく、腰周りを撫で回す男の手に触れた。
その手を引いて、歩き出す。
個室の扉は分厚く、部屋はさして広くはないが、隙間風は無い。窓は小さく高い位置にあり、だから外の冷気が流れ込むこともない。
寝台は壁ぎわに置かれて、朝、寝床から抜け出したそのままのシーツのシワを残している。そういう部屋へ男を案内するだろう。

トーラス > 女が近付いてきて、仄かに揺れる魚油の頼りない灯に姿が照らされる。
陰があり、不愛想ながらも、年齢相応の愛らしい顔立ちに、
触れてみても分かるようにやや肉付きは薄いものの瑞々しい弾力を保つ肉体。
こんな場末の娼館崩れの店ではなく、ちゃんとした店で働けば、常連客も付きそうな掘り出し物だ。

「アミスタか、……俺はトーラスだ。
 中々に愉しめそうだ。一晩、宜しく頼むぜ」

彼女に輪を掛けて不愛想な店主を一瞥するも、支払った金勘定に余念がなく、
最早、客に意識を向ける事などないだろう。
そのまま、彼女に手を引かれる儘に、軋みを上げる廊下を歩き、案内された部屋に足を踏み入れる。
何処か、殺風景にも感じさせる生活感の残る室内を見廻し、手近な卓に、或いは、床に直接、手にした酒瓶を置き。

「へぇ、屋根があって壁があって窓もある。随分と良い部屋だな。
 意外に寒くないのも、何とも愉快で上出来だ。」

口端を緩めながら部屋への評価を述べると壁際に据えられた寝台に腰掛けて女を仰ぎ。

アミスタ > 「……屋根も壁も無い部屋も、お望みなら準備できるけど。……私は遠慮しとく」

部屋に入り、扉を施錠する。こんな安宿の一室に忍び込む者もいるまいが。
そうして、羽織っていた外套やら、その下の衣服やらを、少女は無造作に床に脱ぎ落とした。
下着だけの姿になって、寝台の側、床に膝を着く。
酒場側の暖炉の熱気が流れて来ているのか、室内は、汗ばむほどではなくとも、ほんのりと暖かい。床に触れた手足も、冷たさを感じはするまい。

「それじゃあ、えーと……トーラス。したいことがあるなら、聞く、けど……」

そう告げながらも、少女の手は、男の下衣へ伸びていた。
前を開くか、ベルトを外すか──いずれにせよ、行為に必要なだけ動かしてやれば、その下にあるものが顔を出すのだろう。
床に跪いて、上目遣いに男を見上げながら。彼の両脚の間に身体を割り込ませて、

「……特に何もなかったら……その……準備、するね……?」

軽く首を傾げて問う。尋ねると言おうか、許可を求めていると言おうか──そういう風情だった。

トーラス > 「俺も遠慮だな。暑い夏ならば構わないかも知れないが、今日の寒さじゃ凍えておっ死んじまう」

見渡す限りで暖炉の類は見当たらないが、部屋の中は仄かな暖気に包まれる。
少なくとも、この部屋内にて凍え死ぬ事はなさそうだ、と安堵しつつ、衣服を脱ぎ捨てて晒されゆく女の肌を見遣る。
自分のような目立つ傷が残されている訳でもなければ、健康的で荒れのない肌艶の肢体に双眸を細め。

彼女の手にて前を寛がされれば、下衣の内側からは未だ萎えて力ない逸物が転がり出る。
寒さで縮こまっていたのか、芯が通らず柔らかな肉棒は、それでも、相応の大きさを保ち、
本気を出した際の威容を彼女に連想させるに容易い事だろう。
己の足の間に割り込むように跪き、上目遣いに問い掛ける少女に口端を歪め。

「あぁ、先ずはお手並み拝見といこうか。気持ち良くしてくれよ、アミスタ?」

片手を寝台に置けば、上半身を僅かに後ろに反らせて、下半身を少女へと突き出し。
己の股間へと奉仕を始める彼女の様子を愉快そうな面持ちで眺め始める。

アミスタ > 転がり出たものを、少女は両手に受けた。
……同時に、その無愛想なまでに表情の薄い顔が、眉をピクリと動かした。嫌悪の類ではない。驚愕か、それとも期待か──そういう色合いの、表情の変化。
しかし、それもすぐにまた、無表情の裏に押しやられてしまう。突き出された男の肉棒を、少女の手が緩やかに撫で始めた。

「ん……じゃあ、する、ね……」

口が開いて、男の切先を咥え込んだ。
安酒で高められた体温と、粘膜部の熱さ。口内に溜まっていた唾が舌に絡まって、ずるずると亀頭部を這う。
首を動かしたり、より深くまで咥えたりはしない。括れの部分を唇で食んで、そこから先だけを舌で弄びながら──

「……ん……んぅ、んんっ、ん、く、ぅ……んぇ……」

唇の端から唾液を垂らす。肉棒に伝い落ちていく唾液を、両手で掬い取って、潤滑剤代わりに竿を扱き始めた。
異なる速度の、異なる二つの刺激。それが男の肉棒に血を巡らせ始めたのなら、力加減も少しずつ増していくことだろう。