2020/12/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区の小道」にアストールさんが現れました。
アストール > 日に日に増して厳しさを増していく寒さに包まれていく街。
昼でも少し前に比べれば、大通りからの人気は少なくなっており。
夜が深まれば、より厳しくなる寒さに追われるように、人々は屋内へと入り込むものが多いのだろう。
通りの人気は少なくなっても、酒場などから零れる喧騒は、いつにもまして賑やかなのが通りへと響く声で、伺えるからである。
だからこそ道を少し外れ、酒場などもろくにない場所にいけば、足音すら響くほどに、静まり返った空間に迎えられることになるだろう。

「このピリっとした寒さ…悪くないわね」

そんな人気のない路地の一つで、女は一つポツリと零していく。
言葉に乗せて零れる吐息すら、白く染まって消えていくというのに、薄着すぎる女の姿は見てるだけで寒さを感じさせるかもしれない。
もっとも、その人ならざる特徴を備えた姿は、見たものに別の意味の寒気を感じさせることにもなるかもしれないのだが。

「この寒さにちょうどいい…温もりは紛れ込んでくるかしらねぇ」

路地につながる道へと、そっとかけられているのは女の幻術の迷路への入り口である。
普通の路地にしか見えないのに、一歩踏み込めば背後にあった道元々あったように壁がそびえたち。
戻り道をなくして、迷い込ませてしまうことになるのだ。
さながら巣に得物をかかるのが待つように、女は甘い香りのフェロモンを纏い。
都の赤い瞳を幻術の入り口へと向けて、ただじっと見つめながら、手近な木箱に腰を掛け。
ゆっくりとした様子で、何かが訪れるのを待っていくようだが。

アストール > 「流石に寒すぎたかしらね…」

何時まだ立っても変わることのない静けさは、そこから変わることはなかったようだ。
ゆったりと時間を堪能するだけに終わってしまったものの、それはそれで仕方なしと思っているのだろう。
ポツリと一言、そんなことを零せばゆっくりと幻術と共に闇に溶けるようにその姿を薄れさせ。
静かにそのままその場から姿を消していったようだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区の小道」からアストールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区  夜の商店街」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 夜の平民地区、食事処や雑貨屋や食品店が立ち並ぶ商店街。
数時間前までは夕食や晩酌を求めて賑わっていたその一角は客足のピークを過ぎ、
今は明け方まで開かれる酒場や、宿やタバコ屋を隠れ蓑にした娼館などが、夜を持て余した客を手ぐすねを引いて待ち構える時間帯で…

「ふーっ、まだお酒のお店、やっててよかったぁ~っ。
…この蒸留酒、今晩継ぎ足しておかないと、明日のお薬つくれなくなっちゃうとこだった」

てち、てち、と寒空で冷えた石畳を裸足で歩む音。
薬づくりに必要な酒を仕入れ終えた幼い薬師が、素っ裸に桃色のシャツを一枚羽織っただけの着衣に、
ふわふわのマントを羽織った一応の冬仕様で暢気に繁華街と化した路地を闊歩する。

マントからのぞく少女めいた未発達のなめらかな四肢は、往来の人々が寒々しいと感じて心配になるたよりなさ。

あるいは、少女娼婦か少年男娼と誤解されかねない出で立ちと顔つきに時々集まる視線も気にせずに、
常人よりも高い代謝ともし触れれば誰もが暖まるゆたんぽのような体温で、本人はそこまで寒気を感じもせずに帰路につく。