2020/11/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 冒険者ギルド」にイディオさんが現れました。
イディオ > (冒険者ギルドの騒がしさは、何時如何なる時も同じだ。久しぶりに戻ってきても、矢張りそんな風に思えてならない。冒険者は、いつもの死んだような魚の眼でギルドの中を眺めまわす。
酒を飲み喧嘩をしている冒険者、依頼を報告している冒険者、仲間を探している冒険者、等だ。
依頼を終えて戻ってきて、男はとりあえず他の冒険者たちと同じように依頼の報告を行い、依頼された品物を納入する。
そして、報酬を受け取り、掲示板の方へと移動する。)

「――――。」

(そして、掲示板の依頼内容を見て、男は眉根をひそめる。瞳が曇っているだけなら、まだいいのだけれど、そうではないようだ。
依頼を見るに、ひとりで受けられる類の依頼が減っている。そして、危険な討伐依頼などが増えているのが判る。
良くない兆候、とか言ってられなくなってきたことが、判るから。
なぜなら、今までソロで受けていた依頼が受けられないとなると、冒険に出ることが難しくなるという事でもあるのだ。)

「正式に、パーティを考える必要がある、か。
後は、複数チームに声を掛けて、臨時で組めるようにも、か……。」

(流石に、人と組んで動くのは得意ではないけれども、それを言って居られなくなっている。薬草採取の依頼さえ、危険が予想されるようになり、チーム汲むことを推奨し始めているのだから。
そうなると、流石に、このままでは立ちいかなくなるものだ、と考える。
周囲の冒険者をそっと見やってみれば、やはりそうなのだろう、皆がコンビ、パーティ、チームを組もうとしているように見える。)

―――嗚呼。

(そっと、肩を落としながら、まずは食事にする為に、ギルドの酒場の方へ、足を向けるのだった)

イディオ > (ギルドの酒場は、何時ものように変わりなく、様々な冒険者が酒を酌み交わしている、慣れている知り合いに、軽く手を上げて挨拶をしながら、男はゆるりと歩き、カウンター席を選択する。
ギルドマスターの近くだからという訳ではなく、席が埋まっていて、カウンター席が空いていたからに他ならない。
気さくなマスターだから、軽口も打てるので、悪い席ではないと思う。)

『よぅ、湿気た面しやがって、今回も儲かってねぇんだろ?』

「はは、マスター、勘弁してくれ。俺はその日生きていれば、多くは望んでないんだ。」

『冒険者がそれでどうするよ。で、注文は?』

「じゃあ、エール酒と、マスターお勧めの肉料理、後、摘みも、マスターお勧め。」

『ほう、なら最高級ので、金毟り取っていいと?』

「すみませんナマ云いました。肉料理は、砂竜のステーキ。つまみはチョリソー詰め合わせで。」

『先にそう言え。』

(軽い会話を行い、奥に引っ込んでいくマスター、今回は、軽い相談もあるから、此処は良いかもしれない。と考えながらバックパックを下ろして、椅子の下に放り込んで、盾と筒を一緒にして亜空間に放り込む。
料理が出来てくるまで少しばかり時間もあるし、誰か挨拶して置くべき仲間でもいれば良いな、と周囲を眺めてみる。
マスターに相談と言うのも、そのくだりでもあるのだし。)

イディオ > 「―――居なさそう、だなぁ。」

(判って居ることではあったのだけれども、此処のギルドにいる冒険者は大体がパーティや、チームを組んでいるので、独りぼっちと言うのが珍しい方にある。
一人で居ると言うのは、基本的に、性格的に何か問題があるのか、能力的に問題があるのか、何か、傷がある冒険者に成ってくる。
男は―――イディオは、前者に組み込まれるのだとおもう、能力は問題はないのだが、一番の理由としては、目だ。絶望を引き寄せているような、生きることを倦んでいるような、光の無い瞳。
自分でもわかるが、仲間にそう言うのがいれば、何かあった時に引きずられやすくなる。
つまり言えば、絶望しやすくなるのだ、基本的に冒険者は楽観的なのは少ない―――と思う、少なくともイディオは一人が長いので楽観はしないようにしている。
故に、危険な状況になればなるほど、男の眼は、全滅を誘いやすくなるのだ。本人に、その意図があろうとなかろうと。
イディオ以上に鼓舞をして引っ張っていけるようなリーダー、それが最初の難関だと思う。

本当に、伝説の勇者とか、そう言った存在とか、其処抜けて明るい人物、とかだろう。)

「レアリティ、高いなぁ。」

(新人冒険者であれば、無鉄砲も重なり、そう言うのも多いだろうけれど―――ベテランなどになってくると決まって慎重になっていく。
慎重と、明るさは両立できるは出来るが―――稀有だと思うのだ。
そうなると、自然と男は、パーティからは、敬遠されてしまうという図式。
負の方程式が組みあがってる気がしなくもない。)

「――――(にやり)」

(手鏡をカバンから取り出し、ちょっと笑ってみた。吐きたくなるぐらいに、きもかった。)