2020/11/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 少々剣呑な酒場」にリコリスさんが現れました。
■リコリス > 平民地区の外れにある、少々剣呑な雰囲気の酒場。
そこのテーブル席に一人腰掛け、忍装束の女が静かに酒を嗜んでいる。
先日の依頼で結構な金を稼いだので、今日はぱぁっと酒盛りと行きたかったのだが、
生憎同業者の友人は忙しいらしく、一人寂しく高級酒を嗜んでいる。
「……はぁ、暇だ。せめて依頼でも舞い込んでこないものかな?」
カウンターのマスターに訊ねるも、彼は黙って首を振る。
リコリスの腕に見合った依頼は無いらしい。
「うーん……」
どうにも手持無沙汰だ。
■リコリス > 「出直すか……」
酒を飲み干した後、お代を支払うと、女はとぼとぼと酒場を去っていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 少々剣呑な酒場」からリコリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にフルーアさんが現れました。
■フルーア > 【お約束にて】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアレエルさんが現れました。
■フルーア > 「明日まで…に。本当にそうなってしまったら、最悪だよ――こんな所で夜を明かすとか。
もう開き直って、ずぶ濡れになって構わないから、走ってっちゃう方が良いのかな…?」
(考えてみる。最悪その方が、結局は良いのかもしれないと。
後で着替えに困りそうだが、宿なら備え付け位は有るのだろうし。
銃弾もかくやという勢いで降り注ぐ豪雨の中へと、本気で飛び出す事を思案し始めながら。
お呼ばれに少々驚いたらしい彼の声に。逆に此方が首を傾げて…何か。おかしな事を言ったろうかと)
「良いんじゃない?お客が増えるのは、宿の方も歓迎だろうし。
僕も…名前まで知っておいて、放り出していくっていうのも。ちょっとだけね?気分が良くないから。
うん…うん、通りの名前とかはね、まだ良く知らないんだけど。方角とか、宿の外観とか、そういうのなら――」
(未だに、お登りさんである。
その為問いへの答えは、此処から東へ何筋目を右へと曲がった所だとか。どんな建物、どんな宿か。といった物理的な物。
答える間少女の視線は、雨脚を透かすかのように、通りの先へと向けられており。
見るからに寒々しい、足元に水が溜まりそうな程濡れた夜道の情景に。思わずぶるりと身震いし…
…その身を、抱き寄せられた)
「――――?
…ん…ふ、良いの?僕の方がたくさん濡れてるから。それが移ると、君の方も風邪引くよ?」
(色透ける程濡れたワンピースが。同じ色をした彼のシャツにも。湿度と透明度を分け与えていく。
腕や脇の辺りと密着させられつつ、至近となった直ぐ傍らから見上げてみせれば。
申し訳なさげな声音とは裏腹に。彼を窺う瞳には、どこか愉しげな光が混じる。
…きっと。その下心、という奴を。察しているのだろう)
■アレエル > 冗談めかして笑いながらも、考え込む彼女の様子はなんだか本気の目をしている。
元来は悠長な性格のため、若い女の子と雨の中を全力疾走することになったら疲れそうだと
少し慌てて彼女の前を制するように腕を広げる。
「ま、まあまあ……そう考えを急がないで!
君みたいな可愛い子をこれ以上濡れ鼠にさせるわけにいかないよ。
一緒に泊めてくれるというなら、僕に任せて欲しいな」
そう言って彼女から宿の場所を聞くのだが、いまいち曖昧で分かりづらい。
しかし幸い、覚えのあるような場所らしいと分かり、
自分の魔法ですぐ近くまで移動できそうだった。
フルールをそっと抱き寄せ、その腰を抱くように腕を回すと
間近でその瞳を見つめて楽しげな笑みを浮かべる。
「大丈夫だよ、フルールの身体、温かくて心地いいよ。
……それじゃあ、ちょっと目を閉じてもらおうか……僕のこと信じてくれるならね」
ゆっくりと顔を近づけると、そっと耳元に囁く。
そのまま唇まで奪ってしまえそうで惹かれるが
彼女の目の前を手のひらで覆うようにして綺麗な金色の瞳を閉じさせる。
■フルーア > 「…ん…ん?そぅ……?
良い考えが有るんだったら。僕も一枚噛ませて貰いたいかも…ね?」
(慌てて制止する辺り。そんな事をせずとも良いという、何らかの確信が。彼には有るという事だろう。
如何なる手段を用意出来るのかは、全く見当が付かなかったものの。取り合えずは、分かる限り。宿についてを伝えておいた。
紆余曲折、後はどんな人物が経営しているかだの、出て来る食事がなかなか美味しいだの。所在地とは関係ない情報ばかり。
結局役に立ったかどうかも曖昧なのだが。幸い彼の方は土地勘が有るらしく。理解したらしいので良しとして)
「ぉっと。…そぅ?でもそれってきっと。君も充分冷えてるって事。
行けるのなら早くした方が良いのかも、しれな――――?」
(抱き寄せられて感じるのは。彼の胴体の温もりよりも。纏った軽鎧の冷たさだ。
お互い様の濡れ鼠だが、この場合、彼の方も。割かし状況的に危ういのでは。そう考えてしまった…辺りで。
伸ばされたもう一方の手によって、視界を塞がれた。
暗く。何も見えなく。そうすれば自然、視覚以外の感覚に。…彼と触れているという触覚に。意識が傾き。
改めて、濡れた感触が落ち着かないのか。小刻みに身動ぎしては)
「………ぅ、ん。いいよ…?アレエル――何をしてくれるの…?」
■アレエル > なんだか話は途中で脱線していったが、
フルーアの話は面白いので、それは咎めず一緒に聞いて楽しんでいた。
「へー、明日はフルーアと一緒にそのご飯も食べてみたいな。
それじゃあ、続きは暖かい宿の中で聞かせてもらうことにして、
本当に風邪引く前にそろそろ移動しておこうか……」
彼女の指摘に頷くと、そっと手をかざしてその視界を覆った。
無防備な女の子はそれだけで男心をくすぐられ、
必要以上に少し強めに抱きしめ、彼女の温もりを感じていく。
元はそれなりに格式高い種族のため、得意の魔法を使うのに造作もない。
特に意味もなくただび演出でパチリと指を鳴らせば
二人の周りに淡い小さな光が集まり収束していく。
彼女に魔力感知能力があれば魔法を使ったことは分かるだろうが、
フルーアが尋ね終わる前、
一瞬まばゆく輝いた次の瞬間には転移が完了している。
「……ふふ、もう目を開けて良いよ。
フルーアの宿って……もしかして、あんな感じ?」
悪戯っぽく笑いながら耳元で囁き、肩を叩き指を差して見せると
その目の前には彼女の宿がある、はず。
二人がいる場所もどこかの軒先には違いないが、
さっきの古い扉とは違い、きちんとCLOSEDの札がかけられていた。
もし場所を間違えていたら少々恥ずかしいが、
本人はそんな考えも及ばず得意げな表情を浮かべている。
■フルーア > 「ぁぁ、はは、それも良いね――ちなみに僕のお薦めは、クリームがたっぷりの…
ぉ、っと、男の人には。朝から重たく感じるかもね?
取り合えず、後は。着いてからの方が良いのかな――」
(直ぐだ、という事らしい。それこそ目隠しの掌が外されるまでの、極々僅かな数瞬で。
…目を開けば其処は。先程とはまるで別の場所。
変わらず雨が降る軒先ではあるのだが。街路に掛かった軒も、背後の扉も。目の前の路自体が別物であり。
そして何より。道を挟んだ真向かいに。今の今迄話していた、噂の宿が建っていた。
ぱち、ぱち。不思議そうな瞬きは。少女が、何事が起きたのかを理解出来ていないからこその物なのだが。
…数瞬遅れて。ほぅ、と軽い吐息を零した後に。納得が行った。そんな素振りで頷いて微笑んだ。
実際の所、少女自身の知識で理解出来た訳ではない。教えてくれたのだ。この身の内に潜んだ、此方側の世界を窺うモノが。
彼が、ヒトとは違う種である以上。もしかすれば、魔力の発露にも似た何かを。極数瞬だけは感じられたかもしれない。
とはいえ、流石に。街中で怪異化性が出て来る事は無いのだが)
「そう、彼処だよ。…魔法か。魔法って、便利だよ……ね?
ぅん。此処まで来たらもうちょっと。後は――頑張ろう、アレエル」
(残念ながら最後の最後、ほんの少しだけだが。濡れる事を覚悟しなければいけなかった。
もっとも、本当に僅か、道の向かい側へと渡る間、それだけだ。
少女の方は、先程の段階で覚悟済みであった為。最後の瞬間を厭う事なく。雨中へ駆け出していく事だろう。
…あわよくば。彼と手を繋いで、先導するように、だ)
■アレエル > フルーアが少し驚きつつも、すぐに受け入れてくれると、
説明が省けて助かるという感じで頭を撫でて頷く。
「そうそう、これだけが取り柄でね。
本当はフルーアが軽そうだから、お姫様抱っこで走ってきても良かったんだけど」
そして、今いる場所から宿屋まで数メートル、
彼女のいう通り、結局は濡れて走らなくてはいけないのだが、それは許してもらいたい。
彼女とほぼ同時に行こう、と言って頷ずくと、その手を握って一緒に走り出す。
先導を任せつつ、自分の長身を活かして身体で少女を雨から庇うようにして
宿の方へと走り込んで行く。
宿の中に駆け込むとやはり少し濡れてしまったが、それも何だか楽しい気分だった。
後は暖かい部屋でもお風呂でも好きに休めると思うと、ホッとした気にもなる。
手続きのようなものはとりあえず彼女に任せ、
それが済むと再び肩を抱いて一緒に部屋へと向かうことにする。
「フルーアの部屋ってどんな所か、楽しみだな」
そこに定住してるわけでもなければ特別なこともないだろうが
女の子の部屋というだけで男は楽しみにして
彼女の後ろをついて部屋までいく。
■フルーア > 「この天気でさえ無ければ、それもそれで。…絵になったり?かも?
あー…でもやっぱり。街中でそれは、ちょっと。周りが気になる……かもね。
うっかり、誰か知り合いに。見られてたりしたら。きっとからかわれちゃう」
(そうなったら大問題だ。などと言って顰めっ面をしてみせた。勿論冗談として、でしかないが。
最後の直線は精々が数メートル。これなら後は勢いだけだ。
二人して駆け出し、秒単位であっという間に、宿へと辿り着く事が出来た。
ずぶ濡れで駆け込んできた二人に、受付に居た宿の主が。驚いた顔をしつつも、二人分のタオルを持ってきてくれる。
共にある程度水滴を拭い去る事が出来たなら。少女が鍵を受け取って、部屋へと向かう事になるだろうか)
「其処は…残念。
部屋はとても、良いと思うんだけど。
僕が――ね。何にも持っていないから」
(期待に添うというのは無理そうだ。少なくとも、乙女らしさを感じさせるような物は。何一つ無いだろう。
背後に立った彼を、扉を開け室内へと招き入れれば。
正しく其処は、宿屋の宿泊室。本当に、それ以外の何物でもない。
少女の私物なのだろう品物は欠片も見当たらず。
精々、小さな鞄や僅かな着替えが、雑にクローゼットへ仕舞われている程度。
それを見たなら。初冬の夜らしからぬ、薄ら寒い格好をしていた事にも。納得が行くかもしれず)
「ね?…仕事して、お金は貰ったけど。それを使って買い物するのは…これからだから。
けど、これなんかは良いカンジでしょ?休む為だもの、良い物選ばなきゃ」
(少し苦笑した後。ぽんぽんと叩いてみせるベッドは。独りで寝るには広すぎる程に大きく、柔らかく。
勿論寝台だけでなく。部屋自体のアメニティはなかなかに値の張りそうな物ばかり。
さて。彼も荷物を置いた辺りで。つぃと少女の視線が部屋の奥――続き間の方へと向いた。
其処に在るのは、当然の如く…)
「……お風呂。入ろうか。この格好じゃ、ベッドに飛び込んじゃうのも出来無いもの」
■アレエル > 「じゃあ、それは誰も見ていない時に、ね」
そういうことを恥ずかしがるような様子を見せるのはちょっと意外だったが
優しく笑って頷き、同じように冗談めかして答える。
もらったタオルで頭を拭きながら部屋に入ると、確かに普通っぽく。
「あはは、思ったより普通の部屋だね」
当たり前のことを言いながら、部屋の様子を眺め見たり
とりあえず暖炉の火を入れたり用意をしいく。
最初は普通、と言ったが思ったより良い部屋のようだった。
しかし、女の子の部屋に来た男にとってそんなことは関係なく、
フルーアのことしか見えていない。
促されてベッドの横に一緒に座ると、
彼女の背後でそっと手を伸ばして肩を抱き寄せようとしていた。
何となくお互いに口数が減るような雰囲気の中で
彼女の視線が部屋の奥へ向けられ、
ついに肩に手を置こうとした瞬間に言葉をかけられ、
そしてその意味を理解して二重に驚き戸惑ってしまう。
「ん? ああ、うんそうだね……お風呂。
……え、お風呂? いいの、一緒に……!?」
部屋に入れてくれたくらいだから好意はあるだろうが
願っても無い申し出に思わず声を上げてしまうのだった。
出会ったばかりの二人の物語は、まだ扉を開けたばかりのところで──。
■フルーア > 【移動致します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からフルーアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアレエルさんが去りました。