2020/10/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 とある安宿」にロッティさんが現れました。
ロッティ > ――と、扉の向こう、宿の廊下から、扉をノックする音が、一つ。

「突然失礼。少々、お聞きしたい事がある。扉を開けて貰って構わないだろうか?」

豪華な部屋へと内部が変わり果てている等予想もせぬままに、外からの問いかけ一つ。噂の真偽を確かめろ、とは聞いたが、偽だった場合の事も考え、まずは外から声をかけて許可を取ろう、と言う魂胆のようだ。

ロブーム > 「――ふム」

ノックし、確認するように掛けられる声。
相手はどうやら、女らしい。
ツイているとにやりと笑うが、しかし此処で万が一にも疑いを持たれては事だ。
故に、男は一時的に部屋を元の、殺風景で何処か薄汚れた安宿の部屋に戻し、更に男自身はシックな燕尾服――肥えているが為にそれは何とも不格好に見えるが――に身を包み、ドアをそっと、覗き込むだけの空間を作るように開けた。

「失礼、お嬢さん。少々こちらは立て込んでおりましてな……。
用件がおありであるならば、このままお聞きしたいのだが」

歯切れ悪そうに言う男。
彼女が空いた扉の隙間から覗き込めば、或いは見えるかもしれない。
人が丁度一人隠れられそうなクローゼットと、机に放置された、この安宿には釣り合わぬ、大分入っていそうな金貨袋と、わざわざ魔術的な血印までついている何らかの書類。

勿論これは、ロブームが予め用意した、不信感を煽るための細工である。
獲物を見つけたと思い込み、自ら踏み込んだ獲物を、捕まえるための。

ロッティ > 「――すまないが、良くない噂が流れていてな。そちらの書類、確認させていただいてもよろしいだろうか。」

ノックしたドアが、覗き込めるだけの空間を作られて開けられて。
中を覗き込んで、まず目に入ったのは魔術的な血印のついた、書類。

そのまま、目線を動かせば、丁度良さそうな大きさのクローゼットに、金貨袋まで。何か危ないものの商売をしていたのでは?と思考が、回ってしまい、思わず、と言った様子で問い詰めにかかろうとする。

――それが、細工による罠だとも、気が付きもしないで、ドアを押すようにして、自分から室内へと、入ろうとして。

ロブーム > 「良くない噂……?」

と、しらばっくれようとした所に、彼女がぐい、とドアを押す。
男は、「おっと」と押される様に後ろに下がり、少女が踏み込めるスペースを作り――少女を誘き寄せた。

「――入ったな」

そう言った瞬間、部屋自体が一瞬で変化する。
埃っぽい床は綺麗な絨毯敷きのフローリングに。
黄色く黄ばんだ壁紙は、真っ白に漂白されて。
質素な家具は、アンティークなインテリアへと変化する。
まるで、別の部屋にいきなり切り替わったかの様に。

「入ったならば、君はもう私の虜だ」

そして、男の服装も何時の間にか変わっている。
黒い燕尾服から、黒いローブ。
金色の眼が刺繍されたそれは、男が魔王としての証だ。

「ようこそ、少女よ。我が名はロブーム――悪魔にして魔王である」

ロッティ > 「失礼す――――な、ぁ?」

ドアを押して、踏み込んで。
入った、と思った瞬間には、変化する、視界の景色。

絨毯敷きのフローリング。
漂白される壁紙。
インテリアまで変わり果て、思わず、と言った風に背後のドアがあった筈の場所を振り向いて。

「と、虜!?貴様、何を言ってっ――っ!?ま、魔王っ……!?」

黒いローブへと、装いを変えたロブームと名乗る、相手。
咄嗟に腰を低くし、抵抗するにも、逃走するにも、どちらにも取れやすい姿勢を取っていて。

ロブーム > 振り向いた先には、果たして扉はあった。
だが、その扉は安宿の立て付けの悪い扉ではない。
金色のフレームで装飾された、デザイン性の高い扉だ。
当然、何処につながっているかなど、彼女に解るはずもない。

それを見て、少女は腰を落としてこちらに対峙する。
戦うか、それとも逃げるか――少なくとも後者の選択肢は彼女にはないわけだが。

「ふむ。抵抗か、それとも逃走かを迷っているという所か。
尤も、此処は既に魔族の国にある我が城――淫堕城。
例え私を殺しても、君が空間転移の魔術でも使えない限り、この城から出ることはできないがね」

と、何の感慨もなさそうに絶望的な宣告をする。
つまりは、彼女は閉じ込められてしまったのだ。少なくとも、この男が彼女を出すつもりにならない間は。
とはいえ、と男はそこで、彼女の身体全身を舐め回すように見て。

「とはいえ、それでは少しばかり君が不憫すぎる。
此処から出たさに従順になられるのも、それはそれで興ざめだ。
そこで――だ。私とゲームをしようではないか」

と、にやりと笑って、

「勝てば君は自由の身。負ければ、その時はその身柄は私の自由とさせてもらう――何、そこまで難しいゲームではない。
ただ、一定時間、私の言う事を聞くだけの簡単なゲームだ」

ロッティ > 「な、ぁ――!?そんなっ――!?」

一瞬で、魔族の国まで飛ばされた。
絶望的な宣告に、驚愕させられる。
扉から、魔王と名乗った男へと視線を戻し、舐め回すような視線に思わず身体の半身を隠すような姿勢を取り。

「……ゲーム、だと?一定時間、貴様の言う事を……?」

怪しいが、受けざるを得ない。
脱出方法も存在せず、王国ではなく、土地感も無い国まで飛ばされて。舌打ち一つ。承諾しか選択肢の無いゲームに、頷くしかできなくて。

ロブーム > 「まあ、そんなに難しい事ではないよ。
そうだな……先にルールを細かく決めておこうか」

そう言うと、男は部屋に置いてあったソファに座ると、その目の前の机に、砂時計を出現させる。

「この砂時計で、一時間測ろう。
その間、私は君に様々な命令をするが、その全てをクリアしたら、君の勝ちだ。
君の敗北条件は二つ。一つは、降参すること。もう一つは、指示を破る事――それだけだ。勝利条件は、一時間の経過」

ゲーム、という割にはルールは簡潔――本当にただ、一方的にロッティが男の命令を聞くだけ。
ルールも、お互い裏を欠く様な余地も無い。
というより、ロブームに限ってはそんな事をする必要さえない程だ。

「宜しいかな?特に質問が無ければ、その砂時計をひっくり返し給え。
それが、ゲーム開始の合図だ」

ロッティ > 「――単純明快だな。やるしかないのも加えるが、悪趣味な。」

目の前の机に現れた、砂時計。
す、と簡潔すぎるルールを聞けば、何を指示されるのか、と苦い顔で。

「禁止の命令は、流石にあるんだよな?」

死ね、など命に係わるものを命令されれば、即座に負けてしまうだろうな、などと思考が回っていて。

ロブーム > 「それは当然。悪魔が悪趣味でなければ、神の方が困ってしまうではないかね?」

と、くっくっく、と頬の脂肪を揺らして笑ってみせる。
そして、彼女が補足というか、ルールの穴を埋める様に質問すれば、勿論、と頷いて、

「君の命に関わるもの、及び君が物理的に不可能な事は命令しない。『呼吸をするな』や『今から魔族を滅ぼせ』とか『十秒以内に五キロメートルを走れ』などだな」

と、言ってその後思いついた様に付け加える。
ルールの後出しは本来ご法度だが、彼女が有利になるルールについては、その限りではないだろう。

「他、君の財産・人間関係・社会的地位に関する命令も同様に行わない。
君の大事な人間を盾に降参を迫ったりはしない、ということだ」

自らルールの穴を潰していく――それも、自分が利用できるようなものを。
それは、悪魔のプライドか、それとも何らかの作戦かは解らないが。

ロッティ > 「――了解した。やるしかないのなら、やってやるさ。」

こくり、と、ルールの穴を潰されて、頷いて。
作戦も何もわからないが、ここから出るには、やるしかない、と。

そのまま、砂時計を手に持ち、深呼吸。そのまま、一回転させてからとん、と机に置いて、ゲームをスタートさせる。

「さぁ、最初の命令は何だ?」

チラリ、と。視線を向けて、まずは一つ目、と問いかける。

ロブーム > 「――よろしい。その覚悟が何処まで続くか、見せてもらおう」

と、にこりと頷いて男は言う。
そして、まるで楽しい遊びの思い出を語る様に、彼女の質問に答える。

「実はな、このゲームは何度かやった事があるのだが――その最初の命令は、何時も決めているのだよ。
この命令というのが、中々個性の出る命令でな――」

と言って、男はさらりと命令する。
最初の命令。このゲームの体験者が受ける洗礼の様なもの。

「『今履いている下着を見せなさい』」

ロッティ > 「―――悪趣味な。」

つまり、今までの女性全員にこういう命令をしている、という事で。
苦い顔を浮かべつつ、そのまま、下着が見えやすいように、自らの改造和服へと手をかけて。
する、と少しだけはだけさせ、純白の下着を、相手の前へと晒す。

流石に羞恥を感じない訳ではなく、頬に多少の朱を差させながら、下着を見せつけるようにしていて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 とある安宿」からロブームさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 とある安宿」からロッティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にリナ・テニソンさんが現れました。
リナ・テニソン > 平民地区にある冒険者ギルドの一つ。
仕事を求め、または仕事を終えた冒険者で込み合う建物内。
その中で比較的人の少ないロビースペースの隅っこで静に椅子に座りたたずむ。
他の冒険者たちとは違い仕事を探す訳ではなく、終えた報告をする訳でもなく。
ただ時折人が寄っては何かの売買を行っていて。

「ありがとうございます。気を付けてくださいね」

今から仕事に向かう冒険者に励ましの声と共に魔法のスクロールを安く売り。
小さく手を振って見送りまた静かにたたずんで。

リナ・テニソン > その後、もう何人かに色々と道具を売れば今日は十分とギルドを後にする。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からリナ・テニソンさんが去りました。