2020/10/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 酒場」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 師団と言っても、休日がない訳ではない。普段はタナール砦近くの駐屯地で過ごす少年ではあるが、長く休みがもらえる時もある。
その為の交代要員であり、その為の人員という物である、久しぶりに、城下町―――マグメールまで戻れる休みをもらった少年は、家に戻ってみた所、家には誰も居なかった。
荒らされた様子もなく、ただ、出かけたというような状態なのだろう、事件性はなさそうなことを確認したのちに、街に繰り出すことにした。
と言うのも、家の中には食事の用意が無く、家の中にいても食事がとれないことが判ったから。
少年のひそかな楽しみというと、こういう酒場などでの旨い飯だ、駐屯地でもそれなりの腕のものが食べられるのだけれども、専門店には敵わない。
だから、こういう場所で、おいしい料理にありつけると言うのは、少年にとっては、数少ない娯楽とも言える。

酒は―――飲んでも酔う事が出来ない。
博打は、あまり面白そうに思えないし、お金を減らす精神が判らない。
戦闘は―――仕事であり、必要な行為なだけであり、自分から望んでしたいとは思わない。

無趣味というやつであり、だからこそ、食に走るのだと自己分析する少年。
とりあえずは、目についた、見たことの無い酒場に足を踏み入れることにする。
当然のように仮面に鎧姿ではあるが、腕にはちゃんと第七師団の腕章もある、よほど頭のおかしい者じゃなければ、喧嘩は吹っ掛けてこない筈だ。
少年は、自分に刺さる奇異の視線を気にすることも無く、酒場の中を見回して、席を探す。

ゼロ > 見回してみれば、一つあった。と言うよりも、人気の無い場所なのだろう、入り口近くの少し肌寒く感じる場所、給仕やマスターから遠い場所でもある。
暖炉の近く、とか、マスターの近く、等そういった人気の場所は既に埋まっている、料理を見るなりにどれもこれもおいしそうだ。
とは言え、入り口近くの肌寒い場所は余り人気がないのか、座る場所がいくつか残っているし、テーブルも、相席という訳ではなさそうだ。
それなら、良いか、と少年はうなづいて、そのまま、入り口近くの席に腰を掛ける。
メニューを取って眺めて、沈思黙考し、鎧に……籠手に包まれている手を上げる。

「マスター。」

声を掛けても遠いからか、直ぐに反応は無いもよう。近くにいる給仕も忙しそうにあちらに言ったり此方に言ったりしているのが見える。
無理に呼び立てるのも悪い気がしたから、少し待つ事にした。
給仕もマスターもこちらに気が付いているようではある、まあ、全身鎧の上に白い仮面をかぶった妖しい風体の物が来れば誰でも気になるだろう。
正直、自分がもし、彼らの立場であれば、兵士を呼んでしまうはずだ。

ただ、それが無いのは、自分が兵士であり、その証左である第七師団の腕章を身に着けているからだ。

「マスター。」

頃合いを見計らい、もう一度、呼びかける。
給仕が、手が空いたのか、此方に向かってくるのが見えた。

ゼロ > 給仕が来て、少年は注文を行う。メインの肉料理は、血の滴るような大きなステーキ、焼き加減はレアで。
パンは、ふかふかの白パンにして、スープは、濃厚な物で、野菜も肉もしっかり入っているタイプ、サラダも付け合わせに注文をして、もう少し何かを頼みたいなと考える。
そうだ、串焼き肉を別で注文することにした、ステーキとは別の動物のに肉で10本ほど。これでいいかな、と少年はうなづくことにする。
まじまじと見て居る給仕に、よろしくね、と言って、注文として通す。

「さて。」

料理が来るまでの間、町のうわさがちょっと気にもなる。
なので、誰か話し相手になってくれる人がいないだろうか、それとも、何かしらのうわさが無いだろうか。
きょろり、きょろり、と店の中を見回す。
とは言っても、カップルとか、冒険者の仲間内での……という組み合わせが多そうだ。
そして、もう一つ。
こんな全身鎧で白仮面の妖しい人物に近寄ろうとするのは、居なさそうだなぁ、という見解。