2020/10/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からファイネアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にリズさんが現れました。
リズ > 夜更けの裏路地、広場のにぎわいは遠く、お城はもっと遠い場所。
迷路のように入り組んだ、地元民ですらうっかりすれば迷子になりそうな界隈を、
よちよちとおぼつかない足取りで歩く、場違いなドレス姿の小さな人影があった。

「あれ、……こっちも、行き止まりなの……」

ふわふわひらひらとドレスの裾を揺らし、あちらの路地へ、こちらの路地へと入り込んでは、
行き止まりだと引き返す、その繰り返しも何度目か。
そろそろ足が疲れてきたし、眠気にも襲われつつあったけれど、

「ニーナ、どこ行っちゃったの……。
 リズ、もう、お城に帰りたいですの」

たまにはお城の外へ出てみませんか、と、誘い出してくれた侍女と、
見事にはぐれてしまっていた。
どちらが迷子か、あるいはどちらも別々な場所で迷子なのか、
もっと恐ろしい何事かが進行中なのか、はともかくとして。
愛嬌のあるえくぼがお気に入りのニーナを置いて、
ひとりだけ帰ってしまうわけにはいかない。
そう心に決めているからこそ、また足を動かし始めるのだった。

―――――迷子になったら、目立つところでじっとしているほうが良い。
そんな大原則を、小さな頭では知る由もないままに。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」に黒須さんが現れました。
黒須 > (賑わう広場。
多くの人が行き来しており、個人を見つけるにはかなり難しいような風景がそこにはあった。
しかし、その中でも彼だけははっきりと見つけることが出来ていた。
黒須。貧民地区最強の逸話を残していた黒狼の男。
今は人の姿になり、頭に生えている耳を隠すための帽子、黒いサングラスに一式の黒い服装をしていた。)

「ったく、面倒だったな…今日の仕事も…」

(現在は師団の任務が終わり、ちょうど家に帰ろうとしていた時だった。
眠気もあり、軽く酒を飲んでる一眠りつこうと思い街中を歩いていた。
そんな時に、ふっと見た裏路地の入口。
ドレス姿の少女を一瞬だが見つけた。
風俗嬢にしては綺麗であり、明らかに貴族の少女のように見えた。)

「…何やってんだ?あいつは…?」

(路地を歩き回る様子に違和感を感じ、自分も入り込めば少女を探すように歩く。
少女の匂いを感じ取ればすぐさま近くに立つことができた。)

「…嬢ちゃん、こんなところで何してんだ?」

(低い声にポーカーフェイスを決めた無表情な顔。
おまけに高身長で黒い姿。
人によっては恐怖を与える様な姿だが、果たして少女の反応は…)

リズ > いくつめかの袋小路に突き当たって首を傾げ、もとの通りに引き返してきた、
ちょうどその時、目の前に誰かが佇んでいるのに気づく。
ずいぶん前から後をつけられていたのかも知れないし、たまたま行き会っただけかも知れない。
けれども気の弱い子供なら、その見あげる長躯だけで、
悲鳴をあげて逃げ出そうとしてもおかしくはない相手だ。
しかし―――――

「じょー、ちゃん……リズのこと?」

耳慣れない単語を聞いた、とばかり、きょとんと目を丸くして。
右手の人差し指で自らの鼻先を差し示し、リズ、とあっさり名前を教える始末。
警戒心も恐怖心も、かけらも見当たらない屈託のない表情で相手を見あげ、

「リズはね、ニーナを探してるのよ。
 ニーナはね、えっと、……そう、迷子なの。
 だからリズがね、ちゃんと見つけてあげなきゃなの」

―――どう見ても迷子はこちらだろう、という外見をして、
舌足らずにそんなことをのたまうのだった。

黒須 > (思いのほか早めに名前を聞くことが出来た上に、怖がる様子も無い少女を見て軽く片眉を上げた。
そうならないのが1番だが、しかし、面倒事の解決にはなって居ない。
その場でしゃがみ、目線を合わせるようにすれば事情を聞く。)

「…よくわかんねぇが…その、ニーナだかっていうやつがどっか行っちまったんだな…。
…めんどくせぇ…。」

(かなり省略して事情を理解する。
どうやら離れたようであり、人探しの途中のようだ。
後ろ髪をボリボリと掻くとそのまま立ち上がり、背中を見せるようにする。
狼らしい大きく長い後ろ髪を見せながらも周りを軽く探す。)

「…ともかく、1度表で探した方が早いな…。
ほら、俺も探すのを手伝ってやる…歩くのはえぇし、俺も迷子になるだろうから…手、繋いで探すぞ。」

(自分が迷子になったと自覚が無いのに合わせて、探すのを手伝うために離れない様にと手を伸ばす。)

リズ > 正直、あまりにも高すぎて見あげるのも首が痛いほどだったので、
相手が身を屈めてくれたのはありがたかった。
せいいっぱいの真剣な表情で、こくこくと何度も頷いて。

「そう、そうなの、ニーナが迷子なの!
 だからね、リズ、もうとっても眠いんだけど……
 置いて帰ったら、ニーナがきっと泣いちゃうでしょ?
 だからリズね、―――――めん、……なぁに?」

めんどくせえ、の意味が分からなくて、しぱしぱと瞬いて首を捻るも。
手伝ってやる、と差し出された大きな手と、相手の顔とをきょときょと見比べてから、
うふふ、と楽しげに肩を揺らして笑い、

「おにいちゃん、そんなにおっきいのに迷子になるの?
 いいわ、それならリズがおててつないで、一緒に行ってあげる。
 でも、ニーナが見つかったら、リズ、お城に帰らなきゃダメなのよ?
 そしたらおにいちゃん、ひとりでちゃんと帰れる?」

さりげなく、帰り着く先がお城だなどと暴露しつつ、
小さくて暖かい手を伸ばして、相手のそれをきゅっと握った。
無邪気にゆらゆらと揺らしながら、たどたどしい足取りで歩き出そうと。