2020/10/07 のログ
ご案内:「王都マグメール とある料亭」にシルニアさんが現れました。
■シルニア > 肉や野菜を焼く音。陶磁の食器の鳴る音。満席の客の喧騒──
それらの音を背景に、私は料理を客の元へと運んでいく。
「え、えぇと、お待たせしました、白身魚の香草パン粉焼きですっ!あ、ごめんなさい、お隣の注文でした...。
これは串焼き海鮮盛りで...え、これも頼んでないです!?か、確認してくるです!」
アルバイト初日のような酷い対応。実際、初経験なのだから当たり前だけれど。
ここは私の行きつけの食堂。この店の食材保管庫の保冷用の魔導機械が壊れたらしく。
修理まで時間のかかるそれの代わりに、私の冷気魔法でどうにか食材をもたせてくれないか、との依頼を受けて来たのだが。
結果、簡単な冷気魔法を維持し続けるだけで解決。魔法を維持するだけでは暇となり、忙しそうに働く店員を後目にじっとしている事も気まずかった為に、こうしてホールの手伝いをしているのだ。
だが、なかなかどうして、これが上手くいかない。オーダーを聞き、料理を運ぶだけに見えて、難しい。
肉や野菜を焼く音。陶磁の食器の割れる音。言い争いにまで発展したらしいの遠くの席の客の怒号。私を責めるような客の視線。私を呼ぶ別の客の声──
ぐるぐる、目が回ってしまいそう。
簡単な魔法ではあるものの多少の集中が必要な冷気魔法の維持にも支障が出かねない。店主にやはり無理だと言うべきかも──
「あっ、はいっ!ただいま伺うです!」
──なのだが、そんな暇すら無さそうだ。
ご案内:「王都マグメール とある料亭」からシルニアさんが去りました。