2020/10/04 のログ
■ティアフェル > 代わりはいる=他の何でも屋に仕事取られてると解釈してこめかみを抑え。
「いや暑さでサボってたから取って代わられてるんじゃないの……。
――やーね。ゴミと比べてどーすんの? ほとんどの人はゴミ以上よ」
チンピラの呼び名がゴミで固定された。なかなか口の悪い女は笑顔でのたまって小首を曲げ。
まあ、彼が分の悪い仕事を請けたことで利を得た立場ではある。運が良かった。
「体臭がくっついてそうだから下手したら買い取り不能かな。
売れそうなのはベルトくらいねー」
はいはーい、とそちらをお先にして軽く応じて手を振る。
仕事は優先されるべきであるし、何よりダメージを与えてくれればこちらとしてはラッキーだ。
「ゴミの小銭を収めるほど落ちぶれちゃいないわ。
――おお、社会の迷惑が街から消えるというなら助かるわ。
いっそ奴隷に落とされればいーのにねえ……」
借金はする、女から金を巻き上げようとする、その上どうやら返済の意思もなさそうだ。自業自得過ぎて強制労働程度では同情もできない。
「おーけい、男として死ぬのは構わんよね?
――ふうっ、すっきりした。お陰様で。どうもねー」
お世話様、と注文通りに腕をしっかりホールドしてくれていたお蔭で、仕返しは成功した。やられた分はやり返しておかないと気が済まないが、死ねとまでは思っていない。男性機能が回復するかどうかは……正直知りません。
「ああ、それなんだけど……。
ねえ、何でも屋って云うのはほんとに何でも請け負ってくれるの?
例えばちょっと難しい調べ物とか………」
道の端に男を仕舞い込むように放置する様子に目を落とし。
ここにいた理由を改めて問われ少し目を泳がせてから、それに応える前にやや逡巡しながら反問した。
■カーレル > 「それが不思議とそうはならんのが俺の人徳なのよなあ」
冗談なのか本気なのか、へらりと笑って彼女に返す
実際の所、色々とコネは前職の密偵だった頃に作ったというか出来ていたから不思議と食いっぱぐれないのである
これに関しては自分も少々不思議だが、判らぬことを考えても仕方ない
彼女の言葉に、誰が持っていようと、どう稼いだものだろうと金に貴賤は無いと思うのにと内心思ったり
彼女が若いからなのか、高潔だからなのかは判らないが、いらない、というものを無理に押し付ける必要もない
「心配せんでもこの先、余程じゃなけりゃ顔見ることはないだろうさ
…なんなら見納めによく見ておくか?白目向いちゃってるけど」
スッキリしているらしい彼女に、ぐい、と気絶したチンピラ男の顔を向ける
口の端からは泡を吹き白目をむいており、なんだか死相のようにも見えたり、見えなかったり
ともかくチンピラ男を道の端に捨てておき、一仕事終えた後の、一服、と新たな煙草をくわえて火を灯し
とりあえず、この場を離れようと歩いて行こうとすれば、彼女からの質問が飛んできて
くわえた煙草を手に取れば、彼女の方へ視線を投げて
「何でも請け負うよ…『殺し』以外ならな…
ただ、言っておきたいのは俺だって神様じゃないから不可能はある
………調べ物?内容によるな…話だけでも聞いていいヤツ?それとも、話を聞いたら1も2もなく
請け負わざるを得なくなる類の調べ物とかだったり…?」
逡巡しながら紡がれる言葉を聞けば彼女に質問を返す
目が泳いでいるように見えたから、何か重要な問題のようにも思え、一応の予防線は張ったつもり
■ティアフェル > 「じゃ、この仕事は平常運転なのね。それはそれで」
あんまりいい仕事じゃあないなーと改めて考えるのであった。
まあ、彼には養う家族も何もいないようだし、独り身であると仕事に対するスタンスもかなり自由でどうにかなるのだろうとそんなところで見当を付け。
単純に自分を恐喝して殴るような男の持ち物など金であれ物であれ手にしていたくはない。それに、もらっても微妙なだけの小銭ならなおさら。
「いや、見なくなるなら余計に即刻忘れるつもりだからいーわ。コイツのこと覚える分の記憶容量が惜しい。もっと大事なこと頭にいれます」
白目顔のチンピラの顔を向けられて、ふいっと反らした。憶えてるのもったいなかですと。
このチンピラに関してはここに放置で構わないらしい、依頼主のもとまで引っ立てて行くまでは依頼ではないのかと足を進めて行くのに、こちらも釣られたように一歩踏み出し。
こちらに向く碧眼に翠眼を向けて、
「それは知ってるし、殺したい相手がいれば自分でやるからそこはご心配なく。
別に、内容を聞いてから請けるかどうか決めて構わないわ。そもそもカーレルさんからしたら専門外のような気もするし。
触りだけいうと魔法の関係よ。それだけでアウトならもうこのことはお忘れくださいな」
個人的な内容でもあるので、あんまり吹聴はしないで欲しいというくらい。
面倒くさそう、お門違いというならばこれ以上は口にしません、と一度唇を結んで。窺うように軽く見上げた。
■カーレル > 殴られた男の顔を覚えておきたい、なんてのは余程、執念深い女か、
或いは変わった趣味の女くらいであろうから、彼女の言うことは全くもって正常であるように感じる
まあ、そんなもんよな、と思いつつ何やらうわ言を言っているチンピラの顔にべしっ、と一撃を加えて
ともかくこのチンピラ男は依頼人からは決して逃げられないのでこの場に放置し、さっさとこの場を後にすることにする
彼女もまあ、溜飲を下げているとは言え、あの言い分だとこんなやつの傍には何時までもいたくはないだろう
「自分でやるから、ってのは脇に置いておいて
…魔法絡みか…治癒術士の魔法絡み、ねえ…確かに門外漢だわ…
聞いて面倒に巻き込まれる、とかでないんならとりあえず、話すだけ話してみたら…?
なに、他所様にペラペラ喋ったりはしねえよ」
会話を交えつつに表通りまで出てくれば、近所の知人の家を覗き込み
何やら話してポケットから女物のハンカチを取り出すと、井戸の水で冷やしてもらいそれを受け取り
「ほれ、頭ンとこ冷やしときな…一発貰ってたろ?
……そういや、今日は杖も、治癒術もナシか。ひょっとしてそれ絡みかね?」
鈍いのか鋭いのか、意見の分かれるところであろうが今更ながらそんな事に気がつく
■ティアフェル > なんなら今日一晩寝て、野郎のことは記憶から消し去るつもり。
せいぜいこれ以上世間に迷惑をかけないでタコ部屋とかで強制労働の日々に明け暮れていればいい。
最後に一撃食らったチンピラだったが、もう少し素行が良ければ当たりも柔からかっただろうし、なんなら悪夢を視て今うわ言を呻いてなかろう。
そんな路上の片隅に棄てられた男から離れて行きながらこっちはこっちの話を続ける。
「そもそも当面誰も殺したくもないわよ。
ある意味面倒くさいんじゃないかな。そこらで捕まるとわたしに愚痴られるとかね。
――じゃ、そうさせてもらうわ。口止め料取らないなら助かるけど」
別に話して彼に解決してもらおうとも思わない。無理に請けてもらおうとも望んでないが、もし手掛かりになりそうなことでも拾ってもらえるなら御の字だ。
さすが顔が広い。そこら辺で濡れたハンカチを入手してもらうと一瞬目を瞬いて。それから、目を細めて受け取り。
「――ん、あぁ……大丈夫だけど……せっかくなので借りるわ。ありがとう。
そ。その通り。――実は急に魔法が使えなくなって困ってるの。最初はほっといたら戻るかなと思ってたんだけど……なんかそんな感じもしないんで、焦りまくってとうとう藁に縋ろうとしてるとこ」
藁、とそちらを示して云って微苦笑。
そして濡れたハンカチで耳付近の側頭部を冷やす。一度貰い物の回復カードで癒したが、まだ少し熱は残っているようで冷たい感触が心地よかった。ふぇ、と息を吐きだして気が抜けたように目元を崩し。
■カーレル > 歩き煙草で彼女の話に耳を傾ける
愚痴なんてものは、まあまあ、なんでも屋の御用聞きでそこいらに顔を出せば聞かされるから慣れたもんで
聞くだけであったらば何の苦にもならない…むしろ、そこから依頼が生まれたりもあったりなかったり
「別に愚痴程度なら、知人の誼で幾らでも聞いてやるけどな…
市井の女治癒術士の口から口止め料せしめられる程の情報が出てくるとも思わんけどな」
濡れたハンカチを彼女に手渡し、一旦、落ち着いて話を聞けそうな場所で足を止めてみる
彼女が歩いていってしまえばそれに続くけれど…彼女が耳の辺りを冷やすのをみれば、だいじょぶか?と
一応尋ねておく…頭周りの傷は見た目以上のダメージを受けている時もあるから
「―――そりゃあ、参ったな。下手すりゃ、失業…明日の飯にも事欠く始末…
んで、話は判ったけど、しばらく食いつないでく分くらいの金はあんのか?
宿代だって飯だってタダじゃないだろ…」
煙草の灰を落とせば再びくわえて紫煙をはいて
藁、と言われれば眼を丸くして、彼女の微苦笑に合わせて、そういうなって、とこちらも合わせて微苦笑
「…ま、俺も魔法絡みだと伝手頼って話聞いてやるくらいしか出来ねえわなあ
魔力が戻んのに必要なものとか判っててそれを調達してほしいとかなら話は別なんだろうけど…
そんくらいで良けりゃあ、伝手頼って話聞いてきてやろうか?」
なんと言うか問題が漠然としていてなんでも屋もお手上げである
彼女が言う通り、自分は魔術に関しては門外漢。素養がないからこの身体に精霊を定着させているわけで
■ティアフェル > 「おっとぉ。云ったね。じゃ愚痴るので覚悟してな。
個人的に恥ずかしい話とか一般人でも口止めするじゃん……今回の件は違うけど。ていうか、さすがにこんなことで金取るほどケチな男だとも思ってませんけどね」
ただの揶揄である。けれど返す刀を向けてくるような返答な当たり、さすがというか。やっぱりというか。
はは、と空いた手で頬を掻き掻き。一度止まるとつられて停止して道の端で立ち止まって。
へーきへーき、と一応頑丈な女は小さく笑って応じて。これで充分ラクですと。ハンカチが少し温くなると広げて風に当てて冷やしてまた当て。少し乾いてくる頃には熱も引いて。
「実家への仕送りは一旦ストップさせてもらってるし多少の蓄えはあるし、割は良くないけどヒーラー以外の日雇いをしてるから、まあ今日明日食べるものにも困ってるって訳じゃないわ」
でなければ今頃馬車馬のようにそこら辺で労働している。
藁という表現はご不満らしい。藁じゃなければ的確な表現は…と考え始めたところで話が変わった。
「あー、うんうん、頼みたい。あなた顔広そうだからそういうのは助かる。
わたしも今は情報集めに苦心してるとこよ。何がヒントになるか分かんないからね。
急に魔法が使えなくなるって例は時々あるみたいだから、そういう人の話……特に復活した人がいれば教えてくれるとありがたい。もしくは、そういう症状を治せるタイプの術師とか。
――して報酬はいかほど?」
気軽に頼む前に、自称高給――と云ってた気がする――な何でも屋に依頼するならばまずそこら辺を聞いておかねばと首を捻った。
■カーレル > 「覚悟して身構えにゃならん程の愚痴ってのも聞いてみたくはあるな
おっ、意外な所で高評価…そんな風に言われるとこの先、口止め料取りにくいね、どうも」
頬を掻く仕草が何やら乙女っぽいので自称乙女の自称部分は取り払っても良いかもしれない、なんて
ハンカチを風に当てる様子を見れば、雑に使っていいぞ、と伝えておく…自分のものではないし、
何処の女性から借りたかも既に覚えてはいないから
「そうかね…ん、なら良いけどそっちで困ったら一言頼むわ
知人の宿屋の嫁さんが、これでな…ちぃと人手が足りとらんらしいのだわ
いかがわしい宿でなくて普通の真っ当な冒険者、行商人向けの宿だからさ」
『これでな』と言いながら腹を膨らませたジェスチャーを手で示して『身重』であるということを伝えて
彼女が料理が出来ることを知っていたから、いざとなれば、という時の為に情報だけは伝えておく
給金が如何ほど出るかまでは判らないけれども、仕送りはともかく食っていくには困らないであろう
「時間が掛かるかも知んないけど、話だけは聞いておいてやるよ
報酬は取らねえよ、その分、実家に送って美味いもんでも食わせれやれ
確実な話じゃねえし、そもそも俺の聞いてきた話が打開策になるかも微妙な所だろうしな
そんでも恩に着てくれるなら……そうさな、頬にキスの1つでもしてくれ」
確実でない仕事で金をもらう、というのはどうにも気持ちが悪い性分である
これで彼女の魔法が確実に、問題なく元に戻るのであれば相応の報酬を受け取っていたろうが、
今回の話、どうも知己や伝手を頼っても確実性に欠ける気がするし、
そもそも、自分の情報が彼女に届く前に彼女が元に戻る可能性だってある
…そんなこんなで報酬はいらない、とはっきり伝えておく。後はいつもの冗談みたいなもんである
■ティアフェル > ヤバイ愚痴を聞きたい感性を疑う様な目を向け。
「うん?……なにそれどエムかい…?
…………この手で行こう」
アゲておくと少し甘くなるようだ。今後、そうしようと腹黒い思惑を刻む。
でもきっと、口止め料惜しさに心にもない持ち上げ方すると通用しなさそうだとも読む。
……え、気が引ける……と又貸し状態のハンカチに対する雑な意見に少々固まった。
「マジか。それならいつでも紹介してちょうだい。
妊婦のケアも任せて。術力がなくっても身体ケアの最低限の知識はあるわ」
おお。その紹介も助かる。その宿屋さんが必要であれば今なら即赴きますと肩口の高さで挙手をして。下働きは冒険者の収入に比べれば少ないがそれでも、今は充分だ。
「ありがとう、今はどんな情報でも貴重だから心底助かる。
そっちの本職もあるだろうから、何か情報が入ったらでいいわ。ロハでやってもらうんだもん、充分。
悪いわねえ、無料なら縦の物を横にもしないって評判の何でも屋に……
――そんなでいーの? なんとリーズナブルな」
乳揉ませろ、と云うような人柄でもないのは承知だが。お安いもんだと眼を丸めた。
例え確実な達成を望める訳じゃなくとも人を使うのだから手付金とか、低報酬でも何かを支払うべきだと思いはしたが――そんなケチな男とは思ってないと云うのは嘘ではない。ので、ケチな男じゃないというか案外気前のいい男だったと評価を改め。
ゆえに、ほんじゃ前払い。ということで。ちょいちょい、こちらに届くように少し腰を下げるように指先でジェチャー。届く距離まできたら、頬に軽く唇を触れさせよう。
「――もしカーレルさんが、なんか困ったらこっちも無償で動くってことで。手打ちね」
そしてどこか晴れやかに笑って伝えるのだ。
■カーレル > 「そこまで言われる程の事か…?つか、そこまで言うならただの愚痴なら許さねえからな」
この手で行こう、などと口走る彼女に味を占めるんじゃあないよ、と苦笑交じりに釘を差しておく
ハンカチは好きに使ってもらって構わないのだが、彼女は彼女で思う所があるらしい
「そんじゃ、後で住所教えっからさー…俺から聞いたって言えば、直ぐにでも働けると思うから…
あとはそっちで上手くやってくれ、ティアは料理できるし、何なら家事もできそうだからどうとでもなるだろ」
妊婦のケアまで出来る、となれば紹介した自分の株も上がるような気がする
これもただ、宿屋の主人の愚痴じみた世間話を聞いてそれならば、と申し出た事であるから、
報酬が出るわけではないが、覚えは良くなるであろう
「魔法、魔術の事なら魔族辺りに聞けば話は早いんだろうけどなあ…
彼奴等、捕まんねえ事おおいんだよなあ…長命種ってのはどいつもこいつもそんな気があるけどさ
あいよ、任された…まあ、あんまし期待はすんな。本筋はティア自身で探せ」
という事で話も纏まる
自分は本業を熟しつつ何となく魔法消失に関しての情報を集めることになりそうである
幾人か、思い当たるフシはあるがその幾人かが解決策を持っているかどうかは怪しい所
そんな事を考えつつ、短くなった煙草の火を消せば、差し当たって彼女に件の宿屋の住所を教えておこうとするが
考え事をしていたせいか、彼女の手招きというかジェスチャーをみれば、ああ?とそのまま少し膝を折って
すると次の瞬間には柔らかな乙女の感触が頬に触れる。冗談のつもりであったが、
それ程、彼女も切羽詰まっているのか…それとも、弟たちにするようなものであったか
―――考えるまでもなく後者であろう
「ん…ああ、別にそこまでしてもらわんでも良いけどな…
俺が困る事って大抵は、アレだし…そんでも、まあ治癒術が戻ってきて、死にかけでもしたらそん時は頼むわ」
立ち上がって伝えればズボンのポケットから筆記用具を取り出し、さらさらっと宿屋の住所のメモを彼女に差し出す
一応、自分の名前を入れておくからこれを見せれば宿屋の店主も判ってくれるだろうと思う
「そんじゃあまあ、期待せずに待っておいてくれ
あー…あと、危ねえ事はすんなよ?今日みたいな場面に出会ってもなるたけ逃げろ
治癒術ねえティアはそこいらの町娘とそんなに変わんねえんだから」
今日、あの場に自分がいなかったら果たして…いや、彼女であるから
ひょっとしたらチンピラをのしてしまったかもしれないが
ともかく注意喚起だけはして、晴れやかな笑みを浮かべている彼女の頭をわしゃり、と
遠慮なしに撫でればそいじゃ、宿屋の方良けりゃ頼むわ、といって別れようか…
流石にこの辺りまでくればへんな輩に絡まれることもないだろうと思うし
■ティアフェル > 「結果愚痴り辛くなった……。女子の愚痴なんて概ね面倒くさくて真面目に聞くとなれば覚悟が必要なもんでしょ……」
云ってる内容は支離滅裂だったりするし、話は交錯したり飛んだりして理解するのもややこしい。そんなものだ。ある意味ただものじゃないシロモノ。
……ハンカチ……と眼を落したそれをどう扱うか。少し困り出す。貸した人のことを覚えてないなら返しようもない、気まずい。
「はーい。よろしくー。かっせぐぞー。
うん、家事なら一通り。……早いけどちょっと雑かもだけど……気を付ける」
紹介する方もされる方もいいようなら何より。紹介で働くとしたら雑にもできないので丁寧さを心がけよう。少しばかり真面目な顔をした。
「んー。でもわたし人間だからな。魔族の不調とは少し毛色も違う気がするわ。
それでも参考にはしたいけど。
――分かってるわよ、これでも必死よ」
方々調べ回ったり聞きまくったりで、少し危ない通りまで今日も足を伸ばしたりしたのである。
そして、専門外の何でも屋にまで本当に『何でも』相談してしまった。その一応の報酬というのは、チープで済んだ。口、と指定されれば「え」と躊躇うがこの程度ならば。
「お互い様って思うと頼みやすいじゃない。
わたしじゃそう役に立つこともないかも知れないけど。
――了解、死なせねえ」
ぐ、と一度立てた親指は、差し出されたメモを受け取るのにほどけて。紙片に目を通すと、こういうフルネームだったのねー。とここで初めて認識した。
「分かった。それなりに待つ。
――魔法が使えなくったって町娘ほどか弱くはないわよ。
じゃあ、お疲れ様ー」
ひらあ、と立ち去る気配に手を振り掛け……頭をどこか無造作に撫でられて、妹と勘違いしてるな。と首裏に手を当てて。
改めて、宿の方は任せて、と返答して手を振って。さて、それでは……稼ぎに行くか。とメモを見ながら住所を確認し、歩き始めた――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からカーレルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にリチェットさんが現れました。
■リチェット > 王都の平民地区――その大通りと言えば、様々な店が軒を連ねる商業地でもある。
王国各地から多種多様な品が集まり、そして売られていく。
そこには当然希少な品も含まれるのだけれど、そういったものは入手はもちろんのこと、
売るのにもある程度の伝手というものが必要なわけで。
そんなわけで、まだ王都では新参者の少女が扱っているのは、専ら食料だったりする。
表通りからひとつ裏へと入った路地に、どっさりと野菜を積んだ荷車を引っ張っていき。
「どいてどいてー、荷物が通りますー!」
驢馬でも使えれば良いのだけれど、駆け出しとしては人力がお似合いということで。
幸い路地であっても石畳の街並みは、荷車を引くのに苦労は少ない。
通りを行き交う人へと声を掛けながら、えっちらおっちらと。
向かう先は、この辺りでは一番大きな大衆食堂で。