2020/10/03 のログ
スバル > 「それでも―――。いただきます。」

自分で作ったものだ、そして、食べないと体は強くならないし大きくならない。それを考えれば少年は、此処で病めるという選択肢は取れなかった。
両手を合わせ、目の前の大量の食事に母親の教え―――東洋の食事の礼をしてから、沢山の重箱から食事を摘まんで食べていく。
口が小さいからか、もきゅもく、もぐもぐ、と、少しずつ食べて、良く味わって噛んで食べる。
料理はずっとしているので、それなりに自信はある。世の奥様とか、料理人と言う程ではないけれど。
不味くはないので食べることは出来るし、食べていくのだ。
とは言え、正直作りすぎな気もしなくもない、そんな風に考えながら少年は食事を続けていく。

もぐもぐもぐもぐ、食べて食べて食べて。
そして。
食べられるだけ食べて。
誰も来ないので、捨てて帰るのももったいないから。
少年は再度バックパックに重箱を積めて、持って帰る。
暫くの間、四苦八苦しながら消化する毎日になるのだろう―――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からスバルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  比較的治安のいいとされる平民地区と云えど、表通りを一本入ると。
 貧民地区に近い場所となると。
 それなりに危険な場所もあれば、掏摸やら引ったくりやらカツアゲやら……そんなケチな犯罪で賑わう場所もある。
 ここはそんな、一本路地に入った裏通りの一角で、そういった場所に似合うのは――、

 ばきっ

「一昨日来いって云うのよ…!」

 肉の打ち合うような鈍い音。怒気を孕んだ声。乱れた呼吸も混じる。
 それは、故郷ではゴリラ女の名を欲しいままにした特攻型ヒーラーとチンピラとのタイマンな一幕。

 袋小路になった人気のない通りでストリートファイト繰り広げる、19歳ヒーラー女子とは思えないゴリラと対するのはチンピラ風情の男。黙って歩いてれば一見大人し気に見えるそんな女をカモとして金を巻き上げついでに力づくで――などとヨコシマ満載な。
 しかし、薄暗い通りを一人で歩いていた、ちょろい獲物としか見えなかったその女が予想外過ぎる反撃を見せるのに当初一歩出遅れていた。
『中身ゴリラじゃねえかァ!』
 それは男の実際の声か心の声か。若干後悔した心境ではあったらしいが――そこで易々とこんな小娘に気圧されては名折れとばかりに、安っぽい矜持を抱いていた為――戦いのゴングは鳴ってしまったのだった。

「わたしが云うのもなんだけど! あんた倍くらいはでかいガタイしといてちょっとは手加減しなさいよ!?」

 ゴリラの分際でハンデを求めるが、チンピラからしたら『ふざけんなゴリラ』としか云いようがない。

 ゴリラはゴリラで、相手がただのチンピラにしては腕が立つことに少々焦りを覚え。さらに無手であることに不利を感じていた。

 先ほど、回し蹴りを一発男の脇腹に放ったはいいが、ダメージが軽かったらしく足を振り抜いたところで出来た隙を衝いて拳が容赦なく耳の付け根辺りにヒットして、よろけてしまう。

「ッ……」

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にカーレルさんが現れました。
カーレル > 何でもするから『なんでも屋』、独居老人の買い物から、要人の身辺警護に行方不明者の探索、その他諸々
殺し以外であったら金さえ貰えば何でもする事で日々糧を得ているわけであるが、
借金の取り立てや催促なんてものもまあよく舞い込んでくる話で

本日も咥え煙草で債務者の家を数件回り、返済できそうな人物にはそれとなく返済を急かすような事を言い、
まだまだ返済できそうにない人物には忘れてしまわぬように釘を打つ、
そんな事を繰り返し最後の債務者を訪ねたが逃げ出したんだか、ふらついてるんだか生憎と姿が見えず…
周辺でその人物を見かけなかったか、と容貌を尋ね聞き込みをしているうちに、
何やら胡散臭い裏路地へとやってきてしまった
とは言え、自宅からも近いこの辺りは庭みたいなもんで、顔見知りも多く声を掛けられたり、
掛けたりするうちに目当てのチンピラを見つけてしまう

「いやあ…有能で困るわ、ほんと…」

ぷはーと紫煙を吐き散らしながらチンピラ男に近づいてけば、どうやら揉め事の最中
遠目に見れば何やら声を上げて女らしい人影に殴り掛かるのを見れば、間違いないな、と
チンピラ男が債務者だと確信する…しかし、対峙しているのが、彼女と判ればなんとも言えぬ気分になった

こめかみあたりを殴られてよろける彼女の背後から近づいていけば、背中を支えるように腕を伸ばし
肩越しにチンピラ男と視線を合わせれば、やほぅ、とニッコリと笑顔で挨拶を交わす
自分が尋ねてきた意図を察してか、チンピラ男の表情が曇ったような元々、そう言う顔のようなである

「よ、ティア。相変わらず元気印だな
 ちょいっとばかし、そいつに用事あるんだけど、待ったほうが良い?それとも先に済ましても?」

チンピラ男に逃げられぬよう視線をそちらへ向けたまま、彼女に問うた
彼女がチンピラをボコボコにしたい、というのであれば無論それを優先してくれて良い
自分はどうなるにせよ、チンピラがどんだけ懐に金を持っているのかとりあえず尋ねるのが仕事の取っ掛かりである

ティアフェル >  開店盛況中のその何でも屋とは異なり、原因不明の魔法不発病で開店休業中の当方。それなりに鬱憤は溜まっていたので、野郎とやり合うなんて臨むところだったから、待ったなしの無制限一本勝負と洒落込んでいたが――

 あー、コレ怪我治せないのになー…しくったかなー…と、左側頭部に衝撃を受けて若干悔やみかけたが。しかし、悪いのはどー考えてもこのチンピラで、わたし絶対一発カマしとくべき!と一瞬でそこまで思い直した瞬間、

「っは……?」

 ふら、とよろけてたたらを踏んだその足は、倒れることはなかった。すっと伸びて来た腕が支えになっていて。
 その手の先を確認するように首を回すと、

「な、なんで……え? 用事? この腐れ外道に?
 よ、用事に依る……」

 ま、その人がピンチに駆けつけてくれるような王子じゃないことは明白だったので、判り易く用件を窺えば納得とともにそう答えた。

 しょーもない用事なら出直していただけませんかね、とお願いしたい。
 男は拙い物を見るような顔で、一歩後ずさっていた。懐具合が暖かければ恐喝強盗などしなくていいだろうから。

カーレル > ふらりとぐらついた彼女を支えると思いの外軽く、やっぱり女だなあ、と今更な再確認
口に出すと後々もまで色々言われそうなのでその言葉は飲み込んでおく

「なんでも何も仕事だから…良いとこ邪魔したんなら引っ込むけど…
 あーそいでも、やっぱ、1つ2つはアイツに聞かなきゃならんことあるのよ」

ほれ、と支えた背中を緩く押しやってやれば彼女はしっかりと立てるだろうか?
まあ、びたーんとそのままずっこける姿も想像できないから大丈夫だろうきっと

「アイツ、債務者…俺、取り立て人…
 ちなみに金貸してるのが俺ってんじゃないよ。ただ、アイツに関しては無一文だったら、
 多少、身体に判らせてやっていいとは言われてる」

白馬に乗っているわけでも、王子様でもありはしないのでせめて仕事だけはきっちりと熟したい
しかし、知己のある彼女が先に用事がある、というのであれば、少し待つくらいのことは全然、構わない
それでも、チンピラ男が逃げ出さんように傍から離れるつもりはないけれど

後退る様子はしっかり見ていたから、待った、とチンピラの方に声がけをして

「逃げても構わんけどさ、アンタが金借りた相手、俺なんかよりずっと怖いよ?
 …随分、秋めいてきたからさ、用水路の水は冷たかろうて」

脅しになってんだか、なってないんだかそんな台詞でチンピラ男の逃亡阻止を試みて

ティアフェル >  大よその事情を聞き背を押されて、側頭部を抑えつつも自力で立ち。どーもーとひらり、片手を挙げる。転ばなくて済んだのは確かだ。

「――まー。あなたが出没する時って大体そうだし予想はついてたけども。
 ほー。借金ね。ゴミか。その借金を誰から巻き上げて返済しようと思ってたのか………笑わせてくれるわ」

 ふむ。得心顔で首肯してそれから、はん、と鼻で笑い。借金取りに便利屋まで雇って追われているのだからそれなりにギリギリで、そして、今喧嘩に負けて金銭を強奪されていれば、それは返済に回っていた可能性は高い。
 冗談は顔だけにしてくださいよ、と目を眇め。

「ぜーったい無一文よ! もしくは利子分にさえならないはした金くらいしか持ってないわよ。じゃなきゃ、わたしの財布狙う訳ないじゃない。
 結論――やっちゃえ何でも屋!」

 会話を聞いていて素直に金を出そうとしないことでもまあ、お察しである。持っていない確証もないのだが、それこそ普通に云って出さないのであれば、多少強引に身体に訊いてみてもいいだろう。

 どっちにせよ、一発カマしてやった方が早いんじゃないの、と唆した。コイツが云う筋合いでもないかも知れないが。上手くいけば漁夫の利だ。
 男の方は、分の悪さと現状の拙さをさすがに理解して。
 焦り気味に冷や汗を零し『返す気はある……ただ今は手持ちが……』と不良債務者のテンプレを口にし始めた。
 本気でこの場を取り繕ってバックレてしまう気か、それとも軽犯罪に手を染めて金を作る気かはまだ判然とはしないが。
 手持ちがないことは明らかで。

カーレル > 確かに殴られた所を遠目にであったが目撃したが何のことはないひらりと片手が上がる
治癒術師であってもこれくらいタフでなければ冒険者なんてやってられないのであろうけど

「涼しくなってきたしぼちぼち働こうかなって…」

彼女の理解が早くて助かる。口上が始まったらしいので、自分はそっと一歩下がって、
煙草を吸いながら彼女の口上が終わるのをのんびりと待つ
紫煙が立ち上って消えていく空は、すっかり秋めいている…日差しもいいからシーツで干してくればよかったか、
などとぼんやり考えているうちにどうやら、彼女の口上が終わったらしい

「無一文でもなんでも、持ってる分は貰ってくけどね
 もう返済期日はとっくに過ぎてるわけだし、多少でも回収はしませんと…
 あら…意外…一発は殴り返したいからちょっとまってて、くらい言うと思ったけどねえ…」

そんじゃ、先に済ませてもらうわ、と彼女の前に出てぽつぽつ、と一歩ずつチンピラ男の方に近づいていく
一発かませ、と外野が言っているけれども、スマイル、スマイル…逃げ出してしまわないよう笑顔で近づく

…しかしまあ、現役冒険者の彼女を一発でフラつかせる程度には腕に覚えのあるチンピラ男である
チンピラ男の射程距離にまで入ると意を決したように突然、声を上げて拳を振り上げて突っ込んでくる

「待てっ、俺を殴って逃げてももっとおっかない取り立て人がくるだけ……―――っ」

自分としては最後まで対話するつもりでいたが身体が反射的に動いてしまった
突っ込んでくる身体を交わし脛に一撃、よろけたチンピラ男の背中に
自分も重なり倒れ込むようにして肘で一撃を見舞うと、そのままチンピラ男の腕を極めて、
これ以上逃げも隠れもできないように確保する

「一応、最後まで対話で解決しようと努力はした」

チンピラ男の腕を極めたまま彼女の方へ顔を向ければ言い訳でもするようにそう告げる
男の方はすっ転んでその上、背中に肘を痛撃されて意識がぼやけているようで声にならぬ声を上げているから、
弄りたくもない男の懐を弄り財布を抜き取り立ち上がって、中身を確認する…当然、大して持っていない

「…ま、こんなもんよな…
 ティア、ほれ、迷惑料だ。可愛い服でも買うと良い」

とかなんとか言いつつ財布にあった金から幾らか放ってやる
当然、服を買うほどの金は無い。何なら、昼飯を食えるかどうかも怪しい量である
そして、財布に残った金も屋台料理の2つ3つも買えば消えて無くなりそうな量であった

ティアフェル > 「……気候に応じて働いたりするから、アテにされなくってロクな仕事回って来ない結果かな………」

 借金取りなんて何でも屋が請け負うには良い仕事とも思えない。相手の債務者がチンピラならばなおのこと。暑いからと店を閉めてしまうのだったら、コンスタンスに良い仕事は望めないのではと勝手に勘繰た。

「いや、無一文は叩いても埃すらでないから無一文でしょ。身包みでも剥いで持ってくの?
 小銭でも持ってれば恩の字ね。――カーレルさんが程よくボコったところで楽にトドメを刺させていただくとするわよ――わたしも乙女なのでね」

 そうやって暢気に会話をしながらも拳を受けた箇所は時間経過とともにじわっと痛むもので、はあ、とひとつ嘆息してウェストバッグから一枚のカードを取り出した。
 回復魔法を失って困っていたところ先日知り合った人物からいただいた、軽度回復のできるアイテムだった。翳すだけで発動するそれを「もったいないなぁ」とボヤきながら使用して打撃を回復させ。
 そんな風にマイペースにやっている間に――首尾よくカタがついたようである。
 バカなチンピラが破れかぶれに殴り掛かって行くのを見て、

「いけ、やれ、沈めちゃえーっ」

 何でも屋の腕前を多少は把握しているのでこっちは声援を送り、もちろん邪魔はしません。鮮やかな動きでささっと決着をつけてしまうと。ひゅう、とひとつ口笛を鳴らして。
 そして、数ゴルド程度といった見事なはした金を寄越してもらうと。ひいふう、と数えた後、ふる、と首を振って。

「別にいいわ。そっちの返済に充てなさいな。――こんな小銭プラスしたところで依頼主は逆にブチキレそうだけど……。
 因果な商売とは云えコイツに貸した金貸しが気の毒よ」

 はい、返却。小銭をちゃり、と一歩近づいて手を伸べ、お返しして行こう。

「かーわーりーにー……カーレルさんよ、そのままそのままねー。
 ――くたばれこの社会の迷惑が…!」

 にこーと男を拘束しているお仕事中の何でも屋に笑い掛けて、そのまま腕離さないでねえーとお願いし。
 聞き入れられていれば、どかっ、と下腹部に一発突き上げるように爪先をめり込ませた。

 クリティカルで白目を剥き泡食って気絶必死であろうよという勢いだ。

カーレル > 彼女の言うことは最もであったから耳が痛い

「まあ、なんでも屋1人、しばらく休業したって代わりはいるしな…
 それにロクな仕事でなくても路地で女殴って金巻き上げるよりゃ幾らかマシ」

借金取りなんてのは確かに彼女が思うように大した稼ぎにはならない
まあ、満額取り立てることが出来たのであれば話は別なのだろうけれど
そもそも、満額返済出来る連中の所に金を貸した側もなんでも屋なんで送ったりはしないのだから

「それでも良いけど古着屋に売った所でに対して金にゃならんしな
 ―――そいじゃまあ、先に済ませてもらうわ」

という感じで先んじて野暮用というか、仕事を済まさせてもらうわけである
順番を譲ってもらったからにはさっさと済ませたい、と思っていたが、
彼女の応援?もあってか、ほぼほぼ、一瞬で仕事が済んでしまった
最悪なのはチンピラ男の懐を弄らなくてはならない所で、大して持ってもい無い割に、
衣服の内側には幾つもポケットが有るもんだから腹が立つ

「そうかね、っと…んじゃ、返してもらうわ
 まあ依頼主としては損失に頭抱える事になんだろうけど…コイツん所には早かれ遅かれ、
 俺よりも怖い人らがやってきて、鉱山夫か船の漕手かにされるんだろうから、
 もう少し金は回収できるんでしょうよ」

彼女から迷惑料を返却されれば自分の仕事はおしまい
次は彼女の用事の番…彼女にお願いされれば、まあ知己であるし、順番も譲ってもらったから、
ミシリ、と男の腕がきしむほどに強く掴まえておき

「はいよ、あとは好きにしておくれ…あ、死なない程度でな
 さっきも言ったけど、コイツはこの後、強制労働が待ってるから五体満足でいてもらわんと困…る…」

言い終わるが早いか、下腹部からいやぁな男がして腕を極めているにも関わらず男がもんどりを打つ
白目をむいて泡を吹く男を開放し、一応、生きていることを確認すれば、ひょろっと立ち上がり
ぱしぱし、とホコリを落とすように両手を叩いて

「…さて、そんでこんな所でティアさんはなーにをしていたのかね?
 俺が言うのも何だけど、自称乙女とは言えこの辺も結構危ないよ…」

ずりずり、と引きずって男を通行の邪魔にならない所へ置いておく
いくら夜は寒くなってきた、と言ったところで、一昼夜放置した程度では死なないであろう…多分