2020/10/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にナータさんが現れました。
■ナータ > 「ううう……涼しい……どころか寒くなって来たよぉ……」
貧民地区にほど近い路地。
仕事を終え安い夕食を取り、安宿への道すがら。
ふと立ち止まっては薄いコートの襟を両手で掴みフル、と一つ震えて。
つい先ごろ迄「暑い」と感じていたのに
夜ともなれば薄着では風邪を引きそうで。
とは言えもう一枚衣服を買うほどの余裕はない。
人気のまばらな路地を、少女は一人歩き続けていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアリエッタさんが現れました。
■アリエッタ > 薄手のワンピースだと寒くなってきた。
しかし元仕事、今は趣味の娼婦は多少の露出は致し方ない。
それでももう寒いし夜も遅いし帰ろうかなと思っていた矢先。
「あら~そんな恰好でどうしたのかな?」
同じぐらい薄着の少女、しかし格好を見れば娼婦の類ではない。
不思議に思い、あわよくばお客になってくれるかもという期待も込めて声をかける。
「私が言えることじゃないけどそんな格好だと風邪ひいちゃうよ?」
■ナータ > ふと、薄暗い中一人の少女が佇んでいた。
少女―――ナータ―――はそれに気づくことなく
道を通ろうとして一瞬、存在に戸惑ったが。
「あ、え、ええ、と……あはは……」
話しかけられて。
年の頃は自分と同じかそこらか。
そんな恰好、といった少女もまた薄地の衣服ではあったが
何より目に付くのは自分にはないその豊かな胸であった。
どこか所在無さげに誤魔化すようにしていたが
「お金……なくてねぇ……あはは……」
初対面の相手に告げるのは恥ずかしさもあったが
嘘を吐いても仕方ない、と
苦笑交じりに頬を掻いて。
■アリエッタ > 苦笑交じりに話す少女。
お金が無い、よくある話ではある。
しかしかわいい子が野宿では危険も多い、少しの間考えて。
「じゃあ私のおうちに泊まる?代金は……あなたの体」
あまり手入れされていない赤毛を撫でようとする。
磨けば光りそう、そう思い誘ってみる。
そのつもりが無ければ断るだろう、そうじゃなければ今晩の相手にする。
「一応私娼婦なんだよ、女の子専門の、けどかわいい子からはお金は取らないの、いいかな?」
■ナータ > 「貴女の家……?でも―――ってっ……」
相手の提案。
平民地区で声を掛けてきた、とはいえ
誘うくらいなのだから安宿よりはマシだろう、と思う。
けれどその津吹の言葉に驚き、一瞬目を見開いて。
遠慮なく髪を撫でようとする相手
それを払いのけることもないのは、まだ驚いて硬直していたからか。
「娼婦……なんだ。全然、そんな風に見えないけど……
でも、でもね、私……」
自ら娼婦と名乗った少女に。
嫌悪を示す様子はなかった。
一瞬商事から表情が消え、続く言葉は……
「普通、じゃないよ……?」
どこか自嘲気味に、けれど遠慮なく
少女は自分の心の奥底をほんの僅かだけ、苦笑交じりに告げた。
■アリエッタ > 突然の提案に驚いているのか緊張しているのかわからないが拒絶はされていないようで一安心。
そのあとの普通じゃないという言葉を聞いて。
「ふーん、普通じゃないんだ、じゃあ」
ぎゅっと抱きしめて耳打ちする。
「どう普通じゃないか私だけに教えて、笑ったりしない、拒絶しない、あなたがどんな子でもね……だって私はそんな普通じゃない子の味方だもん」
自分だって十分普通じゃないし、自ら普通じゃないというならよほど性癖が歪んでいるか、体質の問題だろう。
けどそんな子のために自分がいると思っている、ならどう普通じゃないのかを教えてほしい。
頭を撫でながら耳打ちを続けて。
「大丈夫、私も普通じゃないから、たぶんあなたと同じ理由の普通じゃない、聞かせて、どうされたいか、どうしたいか」
■ナータ > 「へ……?」
僅かに告げた心の内。
凡その者は「普通」でないことに尻込みする。
拒絶されるのが当たり前、と自負している。
それでも相手は自分を抱きしめてきた。
そして、受け入れる、と耳打ちを受けて。
「私ね……『肉玩具』になりたいの。奴隷、ともまた違うの。
奴隷は「生き物」でしょう?でも、肉玩具は……
自分の名前も忘れて、1足す1も分からなくなって。
できるのは、「イク」ことだけ。イク姿を見てもらって
イク声を聴いてもらって楽しんでもらう玩具。
でもね、罵られたりって好きじゃないの。
そんな風になる、そんな風になった私を、可愛がって欲しいの。
ね……?普通じゃない、でしょ?」
囁き続ける相手に、意を決したかのように。
まあ、気味悪がられるか、避けられるか。
そんな反応を予想し、そしてそれには慣れているから。
隠すことなく、自分のなりたいもの、を告げた。
■アリエッタ > 「そうなんだ」
一言だけ短く返答する。
しかし内心はこんないい子と出会えてことが嬉しくて思わずだ決める力が強くなる。
「じゃあ、私が実は貴族で、あなたをお望み通りの肉玩具にできる権力も財力もあるとしたら?」
抱きしめたまま耳打ちする。
行ったことが本心か確かめるように、彼女にだけ聞こえるように耳打ちする。
「おトイレに縛り付けて肉便器、お薬漬けにして本当に理性を無くしておまんこのことしか考えられなくしてもいいし、奴隷メイドとして他のメイドや私の性処理係、何でもできちゃう、本当に肉玩具になるのをお望みなら付いてきて、屋敷に案内するわ」
抵抗しないなら手を引いて自分の屋敷に向かおうとする。
■ナータ > 「……、……」
さて、相手はどんな反応をするだろう。
侮蔑するだろうか?驚き戸惑うだろうか。
性格が悪いのではなく、そんな反応が「普通」であったから。
「貴女が……貴族……?それに……」
貴族がどうしてこんな場に居るのか。
権力と財力。
それがあればこの街ならば人一人くらい。
言ったはいいが、予想外の反応に此方が戸惑う中で。
「え……あ……えと……」
手を取られ、どこかへと進んでいこうとする相手。
その前に囁かれた提案は、少女にとっては「魅力的」に思えた。
少なくとも、本当にそんなことが叶うわけない、と
願望と現実との乖離に気付いていた少女。
抵抗することなく、けれど押し黙ったまま手を引く
自称貴族の少女の後をついていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアリエッタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からナータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 商店街」にリスさんが現れました。
■リス > 平民地区の商店街には、様々な店がある。雑貨屋、肉屋、魚屋などの日常的な物を売る店から、武器や防具、魔法の薬などを売る店。
それら全て専門店であり、その道に特化した商人が、日夜商品を売るためにしのぎを削りあっている。
そんな活気のある一角を、一人の少女が、石畳を踏み、ゆるりと歩いていた。はちみつ色の髪の毛に白い鍔広の帽子をかぶり、赤と黒でチェック柄の上着、白いストールを軽く羽織り、黒いスカート姿。
その手には、藤で編んである籠を持っているところを見れば、何処にでもいる普通の少女。
そんな彼女は、とことこ、と店を覗いては、食料品を手に取ったり、お魚の鮮度を見たり。傍から見れば、夕食のお買い物と言う雰囲気。
しかし、食料品からは直ぐに視線を外し、進んでいく先には―――化粧品を取り扱っているお店。少しお高い物である、貴族の人たちが使う程高い物ではないが、それでも、普通に考えるならお化粧品とは高く有る物だ。
余り化粧には興味が薄い少女ではあるが、必要があるときもあると考えればそれを購入することもやむなしだ。
自分の店を頼らないのは―――単に自分の店に取り扱いの無い色などを見る為だ。
総合商店らしく、様々があるが、逆に様々ない。人気の色と、自分に合う色と言うのは、イコールではないし、自分の好きな色となると、更にイコールではなくなる。
だから、こういう時は、商店に着て、買い物をする必要を感じる。
専門家がどういう風に考えるのかを聞きたいと思う。
少女は商人だが、まだ年若く経験を積まなければならない身だ、故に、先達の知識を乞うのは、悪いことでは無い。
そう、思うから。
「――――。」
と、なんだかんだ言って、少女は、道をうろうろとする。
目の前に一つ、右手に一つ、左手にも一つ、この辺は化粧品のお店が集中していくつかあり、どれに入ろうか、という迷いの所からだった。
■リス > 「どう、しましょ。」
たらり、と少女の白い肌に、一筋の汗が垂れる。それぞれ扱うものが似ているし、しかし、別の物もある。全部の店を回るのが一番なのだろうけれど、何処から回るべきなのだろうと考えてしまうのだ。
少女は、まずは大きく深呼吸をして、思考を整えてみることにする―――が、まず、邪魔になってしまってはいけないので、道端にあるベンチにちょこんと座ることにする。
自分の足元に藤籠を置いて、うーんと、腕を組んで悩む、むにゅぅ、と大きな乳房がつぶれるが、それは今気にしているべきことじゃない。
「まずは、何を求めているか。よね。ええ、化粧品にもいろいろあるけれど、今回は……口紅、と香水、かしら。」
必要なものを羅列し、其処から、その店の中でどの店が一番扱いが多いのか。化粧品と言うのは色々なものがあるから。頬紅然り、アイシャドー然り。
全部取りそろえるのは基本とは言え―――実は少女はそういう事にはあまり造詣は深くない。
理由は、母親がドラゴンなので化粧品とかに興味を示さないのだ、服飾、服や宝石は悦んで身に纏うのだけど。
父親は残念ながらそう言うのは気にしないし、家のドラゴンさんたちはみんな、母親と同じく化粧はない。
嫁たちが一番化粧とかに詳しいのだろうけれど、その嫁たちは、お仕事で忙しい事ばかり。
友人でいうなら―――ナインが一番詳しいだろうけれど彼女は忙しい貴族、おいそれ遊びに行ける相手ではない。
連絡を取って、時間を作ってもらって、という所。
「そういえば。」
ゼナは、化粧はどうしてるのだろう、あの子は活発で元気で。化粧をしているところがちょっと想像つかない。
自分の前ではいつも天真爛漫で。
と。そんな風に、身近に化粧に詳しい人が居ないのだ。
誰か、教えてくれる人とか、居ないのかしら。
はぁ、と少女はため息一つ。
■リス > 「――――。」
この期に及んで、少女は周囲を見回してみる、こう、道行く奥様とか、知り合いとか、化粧に詳しい人がいないだろうかと。
知り合いが、そういう場所に行くと言うのであれば、一緒について行って教授願いたい所なのだ。
そう考えると、妹だけじゃなくて、自分ももっと学習したい、と思う。魔法の学習はしているが。
正直言えば、魔法の修行だけでは足りないと思うのだ、魔法の修行も十分身になり、人の姿に変身する技量は上がっているし。
いろいろと、家族の為になる魔法を覚えていると信じられる。
でも、大事なのは、他の人―――ここでいえば今その辺を歩いている人々と同じ感覚だ、商人と言うのは売り手の視線と買い手の視線を合わせないといけない。
買い手の視線に関して、色々な部分では学習しているけれど、お化粧品とかに関しては自信が出ない。
そこまで目を肥やせていないと思うのだ。うむむむ、とベンチにすわり、一寸動物のように唸ってしまう少女。
すぐに息を吐き出し、深呼吸を繰り返し、落ち着くことにする。
どうしよう。
もう少し思い悩み、それから決めないといけない。
ここはひとつ、勇気をもって、どれか一つ決めて、進むしかない、そう、覚悟を決めるための。
精神集中のお時間が始まる。