2020/09/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区のある公園」に玉藻さんが現れました。
玉藻 > ここはマグメール、平民地区にある公園の一つ。
今はまだ、日の照り付ける日中。
そんな公園の一角で、なにやら犬の吠え声が響いていた。
そちらに目をやれば、一本の樹木の根元で、上を向き吠えている犬。
更に、その視線を追って上を見れば…

「ふふんっ、その程度で捕まると思うたか!
ちょちょいと本気を出せば、この程度じゃ。
ほれ、登ってみるが良い、登れるか?登れぬじゃろう?」

その樹木の枝の上、そこに立つ少女…幼女?の姿。
自慢げに無い胸を張り、何とも優越感に浸った表情を浮かべ、犬へと向けている。

色々と突っ込みどころのありそうな発言だが、そこは気にしないで頂きたい。

玉藻 > 分かる者には分かる、普段は少女であった、幼女の姿。
その要因である自身の式は、悪戯に姿を幼き頃に戻して消えた。
それは気紛れ、この主あって、その式がある、まさにそんな感じの出来事である。
日頃の行い、とか言わない。

「………にしても、なかなか諦めんのぅ。
ほれ、さっさと行ってしまえ」

よいせ、と枝の上で屈み、呆れるように肩を竦める。
ふーやれやれ、と溜息を付けば、側になっている木の実を毟った。
ぽいっ、とそれを犬と投げ付けて追い払おうと。

…が、しかし、投げた木の実は見当違いの方向に。
下で吠える犬ではなく、別のどこかに飛んでった。

玉藻 > 運が良いのか悪いのか、飛んでった木の実は、何も無い地面にぽとりと落ちる。
幼女の視線は、その落ちた先に向けられて…再び、犬に向けられる。

「………い、今のは練習じゃ、練習。
次が本番j…ん?」

何とも言い難い雰囲気で、視線を彷徨わせ、そんな事をのたまう。
再び手を伸ばせば、次の木の実を取ろうとするのだが…

「なん…じゃと…!?」

伸ばした手が、ぴたりと止まり、そんな呟きを漏らす。
視線の先、別に伸びる枝、そこにあった木の実は、先のが最後の一個だったらしく、一つも木の実は無かった。
伸ばした手は、何をするでもなく、ゆらゆらと揺れ…戻す。

いまだ、犬は吠えている。
撃退手段は、潰えた。
後の残された手段は、犬が諦めるのを待つ事だけとなったのだ。
ここからは、犬との根気比べである。
多分。

ご案内:「王都マグメール 平民地区のある公園」から玉藻さんが去りました。