2020/08/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 大通り 平民地区2」に鐵さんが現れました。
■鐵 > 王都マグメールの目抜き通り
市場が並び店が並び、露天が並ぶ。
人は行きかい、物が売れる。
それは喧嘩ですら同じことだった。
『喧嘩だぁっ!』
誰かが叫ぶ。
見世物の合図であり、人が開ける合図。
腐った騎士や役に立つかわからない詰所の兵を呼びに行く者はいやしない。
退廃を行く王都の大通りは、酒精を片手に肴に騒ぎだす。
「おお~、まぁ此処で喧嘩しても止めてくれる人いなさそうだもんね。」
ひょこっと酒場で一杯やっていた鐵もまた、酒精と喧騒が好きな鬼に変わりない。
銀の瓢箪酒をぐびっと傾けながら、しかも相手は屈強なチンピラ風味女と女戦士な出立。
両方とも拳を鳴らし、ぎちぎちと握り、締め鳴らす。
女同士のキャットファイトに、周りもやんややんやと。
ちょっとした人だかりの中で、メンチを切り合う二人を眺めている周囲。
切っ掛けは小さなもので、女戦士が貨幣をコィンッと足元へ。
ん?とチンピラが金に気を取られた瞬間に起きた打ち下ろしからゴングが鳴った。
骨と頬がブチ当たる音。 周囲の驚愕と黄色い悲鳴。
直ぐにマウントを取るようなノーガードによる殴り合い。
殴る 殴る 殴る 殴る。 避けと防御がない意地を突っ張り合い。
「い、いいなぁぁ……。」
ちょっぴり理想的な喧嘩を羨まし気に見ながら、ドゴッとかグチャッとか聞こえる生試合に、周りはプチ賭けを始めてしまっている。
ご案内:「王都マグメール 大通り 平民地区2」に鐵さんが現れました。
■鐵 > 喧嘩の様子を眺めながら、やがてドローで終わる頃には二人元の顔のパーツがわかりにくくなっているレベル。
色気もなにもないくらいの喧嘩だったものの意外とウケはよかったように数人が野次を飛ばし、賭けが大穴にいってしまったのでブーイングがすごかった。
鬼としても、あのチンピラ風味にちょっと賭けてみていただけに、力を尽くした結果。
鬼としてはとてもとても好ましいものだったのに、賭けが成立しなかったことにはブーイングを出せもしなかった。
「むむ、大人しく肴にしなかったバチがあたったのかな。」
クシャッと適当な紙をクシャッと握りつぶしてしまうのなら、酒を片手にその場を離れ―――。
ご案内:「王都マグメール 大通り 平民地区2」から鐵さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」にアルマさんが現れました。
■アルマ > 自分は決して吸血鬼や悪霊などではない。
誰が見ても一目で判るとおりちょっと八重歯が尖った極普通の人間である、なのに日差しを避けるように大通りではなく路地裏でしゃがみ込んでいるのは――…暑いからだ。
「………はあ、何でこんなに暑いのか………。」
路地の壁に背中を預け地べたに尻をつき、足をだらりと伸ばし、真っ白なシャツとアルバイト先の少し厚手のエプロンの胸元に指を引っ掛けて引張り、出来た隙間に少しでも路地の幾分かマシな空気を送り込もうと手でパタパタと仰ぐ。
浮べている表情は苦笑い。
暑さで少しだけ頬を上気させて薄い桃色にそまった頬を引き攣らせて、自嘲気味に笑う、暑くて笑うしかないのだ。
今日は是でも仕事の帰り道。
とある青年が恋人にあてた手紙と花束を届けるという極シンプルな仕事であったが、問題は前々から肩にかけた鞄の底にしまっている小箱――…謎の合言葉と共に渡すことを依頼されたあの小箱が未だ渡すことが出来ず残っている。
帰宅際に富裕地区にでも足を伸ばして、届け先を探そうとして、暑さに負けて今此処にいる。
これ以上の移動は暑くて無理である。
■アルマ > 「……行くかぁ………。」
自分の膝に手を置き、気合をひとついれると立ち上がる。
まだ涼しくなる時間帯には遠いが、此処で座り込んでいても解決しないと、一先ず富裕地区のほうに行ってる事にする。
でも出来れば涼しい場所が……とか考えながら少年は歩き出す。
直ぐにぶわっと汗がでて、シャツがぐっしょりと汗で濡れることになるのは間違いないだろう。
それでも歩くのだ。
品が有る限り届ける相手がいる限り
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」からアルマさんが去りました。