2020/08/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区のどこか」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは王都マグメール、平民地区のどこかにある裏路地だ。
もう少しすれば沈むも、まだ日は西上方から照り付けていた。
いつものように、少女の行く先に目的地はない。
が、この裏路地に来たのには、少女なりの意味があった。

「………まぁ…そう、少しは…少しは、良いと思うんじゃがのぅ…」

歩みながら、手にした扇子をぱたぱた扇ぐ。
そのまま軽く見上げ、囲むようになった建物から、差し込む日差しを確かめる。
裏路地とは言え、ところどころ、隙間から僅かに見える。
のらりくらりと、それを避けるように、歩み続けて。

そんな感じ、要するに、日差しから逃げて来たのだ。
呟きの通り、日が差してない分、少しは暑さも和らいでいる。
………と、思う。

ともあれ、そろそろ、時間から見て、日が沈む。
己が式の邸宅に行くか、適当な場所に泊まるか、決めねばなるまい。

ご案内:「王都マグメール 平民地区のどこか」にアンヤさんが現れました。
アンヤ > 日差しを浴びると朽ち果てるわけではないが、この暑さというものは大の苦手で、こんな日には人間の感覚を味わうんだーとかくだらない理由で受肉した自分を恨み呪う。

それでも幾分か日差しが落ち着いた黄昏に近い夕暮れ時に酒が欲しくて外に飛び出したまでは良かったが、この通り暑さに負けてなるべく日差しが薄い方薄い方と歩くと――…見知らぬ路地。

影が有り大通りから吹き込む風に熱はあるが路地の奥に行けば影で冷やされた風が僅か涼しく、一呼吸をついてから路地を抜けて帰ろうとしたところに、丁度正面に一度だけ見知った香りを嗅ぎ取って、何ちょっとからかってやろうと背後からそーっと近づいていく。

「……何だ主も暑さには弱いのか?それともその尾が熱を蓄えてしまうのか?」

と、行き成り声をかけたのは脅かす心算半分、ただ興味のままに訪ねるの半分、何故って九尾の者であれば体毛、ふさふさふわっふわの体毛は暑いはずではないかと、口元にはニヤニヤ軽薄そうな笑みを浮べて、視線はジィーっと真っ直ぐに相手の瞳を覗きこんでみる。

手だけは旧知の人間に挨拶するようにひらひらと左右に振ってみた。

本日の服装は普段の和装とは違い、比較的動きやすく風通し良く、手を振るのも軽々と……普段はあれはあれで袖は重いのだ。

タマモ > ぴくん、少女の耳が揺れる。
聴覚も直感も鋭い少女だ、誰か居れば、勘付かない事の方が珍しい。
まぁ、状況にも、それなりに左右されるが。

静かに近付いている、その感じから、己と同じ匂いを感じた。
………要するに、悪戯好きなところである。
ならば、己がやる事は決まっているもので。

「………」

近付く男に、少女は反応を見せない。
それは、側まで静かに近付き、声を掛けるまで、そのままだった。
当然だ、そこに居る少女は、本物ではなかった。
無反応に、声を掛けてきた男を、真っ直ぐに見詰め返しているだけだ。

本物は?
男の背後、路地裏を覆う影、その中から、ゆらりと現れる。
それに、男が気付くかどうかは、分からないが。
そして…

「………わっ!」

いきなりと大声、と共に、ぱしーんっ、と背中を叩くのだ。

ちなみに、ここでやっと、少女はその相手に気付くのだった。

アンヤ > 口の中に極上の酒を含んでいなくて良かったと本当に思った。
コレは全て暑さが悪い所為だと思った普段であればこうはならない筈だ。

不意打ち。
自分が不意打ちを仕掛けたと思った相手は此方を見つめているが空虚、そう普段であればそれに対して気がつくものはあるが、暑さの所為、暑さの所為で反応が鈍く、これは?と疑問を抱いた時には時既に遅し。

ゴフッ、とカラカラに乾いている筈の口内に唾液が満ちて、満ちた唾液が突如の驚愕で間違った場所に入って咽たし、唾液を噴いた。

背中には痛みって程ではないが衝撃。
それを甘んじて受ける嵌めになり、前に三歩ほどとととんっと足が滑った後に振り返る。

「……コレは酷くないかの?我これでも全力で有効で友好的なヒトっぽい冗談を交えた軽い挨拶をしただけじゃが?」

今日は剥きだしの青っ白い両腕をくんで、背中にご機嫌な挨拶をくれた女狐に対して向き直ると、ジィとまた今度は本物?らしき女狐の赤み帯びた金色の眼を覗く、少しだけ疑いの色を交えてだ。

それと言葉は矢継ぎ早にまだ続ける、続けなければ気がすまない。

「折角今は無いが袖触れ合うのも多少の縁かと思って、こう、お日柄も良い、からーそのなんじゃ……どこかで酒でもと思ったのじゃが……。」

予定では脅かす、驚く、驚いた隙に次なる悪戯をと考えて、そのまま女狐の肢体に触れて体温より外気の方が暑いのだからと、触る事で涼もうかと思ったが、失敗、それを誤魔化すようにでた言葉が露骨な口説き文句。

いや女狐の奴を何とかしたいだけで口説きたいわけでもなく、いやいやそれだけの魅力を感じないわけでもなく……。

タマモ > それが、賑わう人混みの中だったりすれば、また違っただろう。
今みたいな芸当、人前でそうそう晒せないからだ。
それに、音が多過ぎて聞き取り難くもなる。
こんな人気も無い、静かな場所だから、より鮮明に感じ取れた、と言うものであった。

不意打ちを、不意打ちで返す。
悪戯冥利に尽きる、と言うものである。

「こんな場所で妾を相手に、悪戯をしようなんぞ、千年早い。
悪戯が悪戯で返った、自業自得と言うものじゃ。
………まぁ、挨拶するならば、もっとちゃんとすべきじゃな?」

ふふんっ、と自慢気に胸を張りながら、そう咳き込んだ男へ。
先程と違い、ぱたぱたと、扇子を扇いでいる。
少なくとも、本物らしいとは分かるだろう。

「ほほぅ…驚かされた詫びが酒ならば、これは十分なものと言えようて。
まったく、相も変わらず、扱いが露骨過ぎるぞ、お主?
相手は考えた方が良いと、そう前に教えたはずなんじゃがのぅ…」

くすくすと笑いながら、続く言葉にさらりと返す。
はふん、とわざとらしい溜息を吐けば。

「して、こんな場所でそうしたのじゃ?」

そう、問い掛けるのだった。

アンヤ > じゃあ次は千年後にも、何と考えながら、さて悪戯に関しては女狐の方が一枚も二枚も十枚ほども上手のようで、今は仕掛けるのを控えておくかと考えるが、一応対女狐用に練りこんだ呪具が一つそれを試したくもある。

「ふむ、確かに次はちゃんと主の尻でも撫でて挨拶とさせてもらうか。……ン、酒については手持ちがないから、どこか行く間際に一瓶買って半分づつって奴よ。」

そう、お酒は手持ちにないのである。
そもそも今日はお酒を買いに外へ出て暑い日差しに負けて、避暑遁走とこの路地裏に来たのであって、口にだしたがいいが酒はないのだ無いのだ。

なので、どこか誘いにのってくれたらその際にお酒を購入して、それを半分づつと考えていると口にすれば、さて女狐が扱いが露骨過ぎるというのだが、さっぱり意味が解らないといった表情を浮べて可愛くも無い仕草で首をかしげる。

露骨、酒がない、酒を飲みたい、出来るならいい女と飲みたい、目の前にいる、悪戯失敗したのなら酒の相手くらいさせようとついでにその女狐の身体を使って涼もうと――…なので扱いにおかしいところはない筈だ、とヒトの姿でヒトに紛れて過ごしてはいるが、若しかしたらヒトとして何かおかしな発言をしたのかと、自問もするレベル。

だが、問いかけられるとふっと口元を緩めて笑み。

「暑いから逃げてきた。そう、酒を買う!酒を買いに外にでたのは良いが、このざまでの?暑くて蕩ける前に日陰で涼んで……と此処に参った次第。そしたら目の前に愛らしい女狐よ、ちょっとからかってから、何試しでもとな。まあ効かぬだろうが……。」

バカ正直に答える。
取り繕うとか格好をつけるとかナシに、質問に対して何も隠さずに答えてしまう。

しかしそれにしても暑いと無意識に自分はシャツの胸元に指を引っ掛けてパタパタと外気をシャツの中へと招きいれながら。

タマモ > ともあれ、こちらの悪戯は成功し、己としては満足で。
さて、今度は相手の言い分も聞かねばなと、そう考える。
ただ挨拶しただけ、だったならばあれなのだが、相手の態度からそれは無いだろうと。

「ふむ…まず、その時点で駄目じゃ。
問答無用、襲うつもりであるならば、それで十分じゃろうが。
友好的に行くのであれば、もう少し、学ぶべきじゃな。
同じ女子とて、千差万別である、と言う事をのぅ?

………あぁ、酒については関係ないぞ?
酒は、ありがたく頂くつもりじゃ」

男の言葉と、首を傾げる仕草に、今度は己が腕を組む。
永く様々な相手を、日常から異常な場面を問わず、してきたからこそ。
遠回り等考えず、直線的な考えしかなさそうな言葉に、そう言わずにはいられなかった。

酒は、しっかりと頂くつもりなのは、しっかりと言葉の後に付け足すが。

そして、己の続けての問いに、場か正直な答え。
つい、軽く額に指を当て、呆れたような仕草をしてしまう。

「やれやれ、ほんっとうに困った男子じゃのぅ、お主は。
何にせよ、酒を買いに行かねばならんのじゃろう?
ほれ、奢られてやるから、どこぞ買い付けに行くか?
ここならば、少し行けば酒場もあるじゃろうが…」

どうする?と問うように、軽くこちらも首を傾げる。
提示した選択は二つだが、それらか、以外を選ぶのは男次第。
少女は、のんびりと、その答えを待つ。

アンヤ > ヒトであってヒトに非ず。
ヒトの欲望と怨念が生み出しし悪鬼羅刹魑魅魍魎。
ズレもズレ以外の人としての間違いにも聊か鈍いのは自覚はあるが、真正面からダメだしをされると少し頭が痛い。

「しかし、問答無用で襲い掛かったら軽く捻るじゃろ?我には小賢しい真似は出来ても、真正面から女狐に挑んで勝てる自信なんぞないない。だからせめて、その美味そうな桃尻くらいは……。」

隠せぬ欲望、隠さぬ欲望。
しかし自分の行動も発言もアレなトコロはわかったが、この女狐も中々にアレだと思いはするが、一つの言葉を返すと十か二十の言霊が返って来そうで余計な言葉は言わぬと飲みこむと、組んでいる腕を解いて軽く自分の腰にあて。

「悪戯は失敗したが、女狐を困らせることに成功したから良きとするか。ならば酒を途中で買って、何処か涼しい場所で飲むとしようか、我の社……は無いわ。なら一層また此処で、は暑いか、それとも女狐の方で薦めの場所はあるかの?」

酒を買いに行こう。
選んだのは酒を買いに行くという選択肢。
ずっとかしげていた首を戻すと、ひょいと女狐の隣に移動して、その顔を覗き込んだ後にゆるい足取りで歩き出す。

気に入りの酒造があるのだと、こんな己でも酒を売ってくれる店があるのだと行きつけに買いに行くつもりであって、店の場所を女狐が知ってるとも思えなので、なるべく引き離さないように隣を歩くのだ。

いつぞやのようにケラケラと軽薄そうに声をあげて笑いながら、腰に当てた自分の手は己の後頭部の辺りで組んで、ゆるゆると……。

タマモ > 「それは、妾を相手した場合、じゃぞ?
お主が、妾以外の女子を相手した時、異なる趣旨で行っておるならば、別に問題は…
………あー…多分、無いじゃろう。

妾を相手したいならば、素直に頭を下げるでも、ご機嫌取りをするでも、無理にせずにやれば良かろうに」

この感じから、誰を相手にしても、似寄ったやり方をするだろう。
そんな予想を立てながら、そう言葉を交わすのだ。
まぁ、そうした中、余計な事はしない方が良い、と理解したのか、言葉が止まる。
それを見れば、ふむ、と頷くのだった。

「ふむ…では、酒を手に入れた後は、妾が案内しよう。
ほれ、案内せい?」

ひらひらと手を振れば、隣にやって来た男を見遣る。
その言葉と共に、歩き始めれば、それに合わせ、己も歩くのだ。

それから先は、どうなるかは…二人のみぞ知る。

ご案内:「王都マグメール 平民地区のどこか」からアンヤさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区のどこか」からタマモさんが去りました。