2020/05/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/カフェ」にミシェリさんが現れました。
ミシェリ > 夜も更けてくる頃合い。すっかり人通りも少なくなった道沿いの小さなカフェも、閉店の時間が近いとあって客入りは疎ら。耳を潜めれば離れた席に座る男女の会話さえも耳に届きそうな静けさの中、ゆったりとした動作でカップを傾ける女が一人。果実の風味が溶け込んだ紅茶の香りと味を堪能して、満足そうに息を吐いた。そして、これからどうしようかと店内を見回し、店の外へと視線を向ける。

「場所を間違えたかしら…」

紅茶と茶菓子を楽しむのが本来の目的ではあったものの、こういう雰囲気の店ならば可愛らしい少女との出会いがあるかもしれないという期待も多少はあった。しかし今日は、これはと思う少女に限って恋人らしい少年に連れられていたり、仲睦まじそうな家族連れであったために声をかける機会に恵まれていなかった。もう少し賑わいのある場所へ行くべきだったかと溜息を零すも、小さな皿に残ったクッキーを摘まみ上げて口に含めば笑みが零れる。味の面では当たりだったと、一応の満足はしていて。

ミシェリ > 紅茶を飲み干すころには周りの客も帰り支度を始めている。一組、また一組と席を立つ人々がカウンターの前で短い列を作るのを横目に、他の客が支払いを終えるまで待っていようと頬杖をつきながら時間を潰す。紅茶のおかわりを頼めるかと店員に尋ねて、今暫くは静かな店内の空気を楽しんでいたようで。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/カフェ」からミシェリさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 冒険者ギルド」にイディオさんが現れました。
イディオ > (平民地区の冒険者ギルド、其処は冒険者を取りまとめ依頼を出したり、併設されている酒場で冒険者同士の交流などを行う場所だ。
ミレー族の村を探しに出かけて見事に失敗した冒険者は、とりあえずミレー族を見つけるために蓄えた肉とかをギルドに買ってもらっていた。
様々な肉を干し肉に、自分用として積み集めておいた薬草や果物など、お魚の干物など、野生生活万歳と言わんばかりの大量の物資。
一人分というか軽く10人分はあるとみていいその大量の物資を売ったので予想外の臨時収入と相成った。)

「いぇーい。文明的な食事ができる。」

(ハイライトのなくなっている男は、にちゃぁ、という笑いをこぼすのだが、それはそれはもう、不気味、取り立ててハンサムとは言えない、人並みの顔の、ハイライトのない男のいやらしい笑みだから怖さが増すのである。
本人はとても喜んでいるのです、だって、お酒とか、おいしいごちそうが食べられるのですから。
食事は、まあ後にして冒険者は、冒険者としての活動に戻ることにした、ねっとりとした笑みをなくし、掲示板のほうに向きなおる。
掲示板の依頼内容を眺めて、受けるべきかどうかを決めるのだ。)

「―――うっわぁ……。なに、こいつは。」

(人里に戻るきっかけとなった友人冒険者の言によると、今はアスピダが大変なことになっていると聞いた。そして、掲示板を見ればそれに関連する依頼がたくさんあるのだ。
ゾス村の警備とか、アスピダ奪還作戦の参加依頼とか。
普段の依頼もあるのだけれど、アスピダに関連したと思わしき依頼がたくさんあるのがわかる。
真面目にやばい状況なんだなぁ、と、青い髪をぼりぽりと掻いて、男はぼやく。)

イディオ > (相対的に戦闘的な依頼が増えていて……英雄志望の若い冒険者たちは挙ってそっちに行くのが目に見えている。というか、今も以来の掲示板を見て冒険者たちが一組受付へ。たぶん、アスピダの攻略の依頼のほうに行ったのだろう。
そして、残っている依頼は―――やはりというか、大事なものが残りやすい、日々の生活を助けるための、薬草採取とか、荷運び、とか地味な依頼なのだ。
冒険者も多く、アスピダのほうに向かっているのがわかる
その理由は明白である。)

「王国が依頼を出しているのか……。」

(王国貴族が、王国の名前を出した依頼を張り付けているのも見える、だからこそ、ここで活躍すれば貴族になれるかもしれないとか、貴族と知り合えることができるかもとか。
コネは大事だと思う、それは男もそう思うのだけれども、きな臭さも感じるのは気のせいだろうか。
なんとなく、偉い人と関わり合いになりたくないという考えも沸いてしまい、男は息を吐いて視線を逸らす。
今、急いで受ける依頼はないだろう、明日の朝になって、いつものように薬草採取の依頼でもうけますか、と。)

「さてさて、文明の味を堪能しませい。」

(おいしいものを食いたいなぁ、とハイライトの消えている眼は、厨房―――ギルドの食堂のほうへと向き直る。
酒、肉!女!……女抜きで。
いや、女居たほうがいいけれど、残念ながら、そんなお友達は、いない。)

イディオ > 「――て、ことで、奮発して、ステーキと、白パンと、サラダと、エー……いや、ビアにするか……ワインでもいいな。」

(食堂に移動して男はメニューを開いて、いつもよりも一段の高い食事を選んでいく、おいしいものはいつだって、心の栄養であり、平穏をくれるものである。
なので、男は今回の臨時収入も併せていいものを食べることにする。
栄養をしっかりつけて休むのは冒険者としても正しいことだ、今後のことを考えるにしても、パワーが上がるのだから。)

「―――。」

(注文をしてしまうと急に暇になってしまう、しゃべる相手がいなければそんなものだ、ただ、食事が届くまでのわくわくで待っていられる。
その間は、周囲の会話に耳を傾けるが大体はアスピダの噂であり、やれ、騎士が出て着ただの強いとか。
どこそこのギルドの誰が手柄をあげた、とか逆に殺された、とか、そんな話ばかりが流れている。
物騒な状態だな、と男は耳を傾けながら考えて、はぁ、と息を吐き出す。)

「――――!」

(その噂の中に、ミレー族の噂も出てくる、何やら王都で……否、王宮で集めているとか、アスピダに集まっている、とか。
むしろ、そっちのほうに行ったほうがいいかな、とか考えてしまうのであった。)