2020/04/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にしずくさんが現れました。
■しずく > (平民地区にあるとある酒場。
賑やかに人々が酒を飲みまわし、楽しそうに振舞っている。)
「えひゃぁ〜〜〜…。」
(1人しずくはテーブルで1人飲み。
周りには空いているワインのボトルやグラスが散乱している。)
「はぁ、全く相手が見つからない…。男でもふたなりでもなんでもセックスしてくれたら良いのに…なんのためのサキュバスなんだろう…。」
(しくしくと1人泣く少女。
長い髪や目の下のくまににやけ顔が合わさってしまい、誰も近寄らないが、その豊満な尻と胸には興味がそそられるはずだろう。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエズラさんが現れました。
■エズラ > 仕事を終えて馴染みの酒場へやって来た男。
定位置であるカウンターに向かう途中、テーブルに突っ伏す一人の女を見かけ、足を止め。
「おっ、シズクじゃねーか!久しぶりだな~……――」
相変わらずの豊満な肢体に、相変わらずのダウナーな雰囲気。
親しい様子で向かいの席に腰かけて。
「一人酒なんて珍しいんじゃねぇか――?」
■しずく > (ぴくりと声が聞こえて顔を上げる。
寝起きの様になり、暗い顔がより一層酷く見える。)
「あ…ぁ…。
エ”ズラ”ざぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ん”!!」
(キョトンとした顔から急に泣き出してガラガラ声で叫ぶ。
そのまま、抱きつく勢いで目の前の席に飛び込もうとするも、そのままテーブルに落ちる。)
■エズラ > 「おわっ……お~よしよし、どうしたってんだよ――」
素っ頓狂な声と共に飛びかかってきた相手の身体をどうにか抱き留めると、テーブル越しに自分の膝の上に抱え込む。
周囲といえば相変わらず賑やかな客達が騒ぎ立てているので、この程度のことは興味の埒外らしい――
遠慮なく彼女の腿のあたりを撫で回しながら――
「ははぁ、さては男ひでりか――?そういうときにはオレを呼べよな――?」
などと都合の良い言葉を紡ぐ。
■しずく > 「えっぐ…最近、カジノでアルバイトしても皆運が無くて誰も買ってくれないそ…。
風俗でも皆、早漏とか下手くそばかりで…。
いくら性感帯ならぬ、性感体の私でも食べ足りないんですぅ!!」
(カジノは掛け金の勝利金額制、風俗の客もハズレばかりで満足行くことが出来なかった。
おかげで演技でしていたおどけた少女の印象はなかった。)
「ぐすん…。良いんですかぁ?良いんだったら、シャワーのある宿に連れてって下さいよ…。」
(この際、誰でも良いのでできるならどこへでも連れてって欲しかった。)
■エズラ > 「むっはっは、やっぱり思ったとーりじゃねーか」
性欲の権化である少女の言葉はあまりにも率直で、そういう意味では同様の思考回路を有する男にとって願ってもない申し出。
「ようし、そうと決まれば善は急げだ――」
さっそく行こうぜ、とまだ注文する前だったので席を立ち。
少女の会計は自分がもつ、と店主を呼ぶ――そして、喜び勇んで宿へ向かうのである――
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエズラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からしずくさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にしずくさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からしずくさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/とある路地」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 人気の絶えた路地に響く声――
「―――I'll sell my rod, I'll sell my reel
I'll sell my only spinning wheel
To buy my love a sword of steel
Is go dté tú mo mhúirnín slán―――」
今日は酒場に吟遊詩人が来ていてこんな歌を披露してくれた。綺麗なメロディでとても気に入ったのでリクエストして、さらに歌えるように教えてもらってしまった。
もちろん、音程はプロには及ばない。少しずれている箇所があるのを自覚しつつ。なんとなく真っ直ぐに帰宅するのも惜しい気持ちで人気のない道を選んで遠回りしながら、思わず口ずさんだ。
音程を確かめるように、歌詞を思い出しながら路地に響かせれば、一度立ち止まって。小首を傾げた。
「んん……何か違う……歌詞? 音程……声か……?」
■ティアフェル > 声だなー……。言葉にするとがっつり自覚出来て少々肩を落とすが。
まあ――これで食ってる訳でもないので、勝手に楽しむ分なら良かろうて。
開き直って、続きを思い出しながらまた音を紡ぐ。
「―――I'll dye my petticoats, I'll dye them red
And round the world I'll beg my bread
Until my parents shall wish me dead
Is go dté tú mo mhúirnín slán―――」
響かせる声はソプラノまでは高くない。メゾソプラノ…くらいの音域だろうか。なだらかなメロディの戦時下にある女の歌だ。綺麗な旋律の割に――私財を売って剣を買ったり、コートを赤く染めてたり……内容は悲惨だ。
誰も聞いていない――だろう――のをいいことに調子に乗って、歌っている内に声量が上昇。歌い切ってから、我ながら声がでかかった、と口を両手で覆う。
素人のハズした歌など人に聞かれてたら恥ずい……誰もいない……ですよね?としこたま歌い散らしてから心配になって思わず、ば、ば、と首を巡らせて人気の確認。
もし誰かいて、目が合ったりしたらそこら辺の壁に頭をガンガンぶつけたくなるか、井戸を見つけて飛び込みたくなりそうだ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/とある路地」にカーレルさんが現れました。
■カーレル > 「俺なら自分を捨てて戦場に行くような男、その糸巻き棒とやらで殴ってやるがね」
暗がりから、ぬっ、と現れると咥え煙草を手に取り、ぽそり、と歌声の主に声を掛ける
大通りからわずかに届く街灯の灯りが現れた人影の顔を照らし出せば頬に今しがた出来たばかりの掌の痕
声の主が誰であるか判っていたか、妙な所で合うなあ、と背後から近づき軽く手を上げ苦笑交じりに挨拶を
「…貧民地区だったら下手くそ、止めちまえって怒声が飛んでるトコだ
おひねりの代わりに石が飛んできたりしてな」
彼女に並ぶとぺち、と赤く腫れた頬に手を添えてひでぇことしやがるとかぶつくさ愚痴ってみたり
男に殴られた傷跡ならまだしも、女に引っ叩かれるというのはどうにも後を引く…痛みとかでなく、精神的な意味で
「…で、恥ずかしげもなく歌声を披露してたようだったがなんか良い事でもあった?」
そんな事を尋ねながら煙草を再び咥えれば旨そうに煙を吐き出す
■ティアフェル > 「ギャア」
歌詞の意味を踏んだ上での突っ込みに反射的に悲鳴が上がる。瞬間的に表情が引き攣り。知り合いにガッツリ聞かれるといういっとうキッツイパターンきたこれ死にたい。
後ろを振り向いて目が合った先には相変わらずそこだけは異論なくお綺麗な色の碧眼。あぁあ、今ちょー見たくなかったわああ。と呻きながら頭を抱えてご挨拶に応じる余裕などカケラもなく。無言でごつ、と手近な壁に頭をぶつけてそのまま固まった。
「やめてこっぱずかしい死ぬ。死にたい。いっそ殺して」
どうせへたっくそよ、そうよ知ってるわ、と羞恥の余りかなり卑屈になりながらごもっともなお言葉が刺さる。隣に並んでるらしいが、こちらは壁に額をめり込ませているので意識できない。気配だけは感じ取れるが感じ取りたくはなかった。
「ほっといてよ……根性悪……バカバカバーカ」
完全に八つ当たり気味に低レベルな罵倒をカマした。まだまだ額は壁とお友達状態である。苦悶のように口にして、顔から火が出そうだと。けっして顔を上げない。上げるツラなどない。
■カーレル > 上がった悲鳴に笑い声を堪えるも喉を鳴らす。反応が余程面白かったらしい
「流石に男の方も女から突然、頭突かれたら考え直すかもしれんな
俺が戦うよりお前がその石頭で戦うべきだって」
初めて聞く歌であったがまあ、歌詞から察するに内容はありきたりなものだろうと思う
戦いに征く男と引き止めたくともそれが叶わぬ女…こんな歌は大抵、女受けする。スレてない純朴な娘なら特に
ニヤニヤしながら穴があるなら埋まりたいであろう彼女の隣で彼女が今、額を擦りつけている壁に寄っかかり
「いや、どうせ誰だって何れは死ぬんだから俺が手を下さんでも良いだろ
この先の長い人生、今の羞恥心を胸に刻んで生きていくといい、失敗は成功より多くの事を教えてくれる」
短くなった煙草を手に取れば足下に落として踏みつける
未だに彼女は額を壁に擦り付けているようであるが、鼻歌を聞かれた位で大袈裟だな、と内心思わぬでもない
まあ、そういう時期なのかも知れない…自分にも経験が無いわけではないから
「…ほっぽらかして行っても良いんだけどさ、明日の朝、壁にめりこまれてても困るしな…
どうせ暇だろ、飲み行こうぜ?そのへんに屋台かスタンドあるだろ」
ほらあの辺。と指差した先には串焼きとちょっとした酒や飲み物を商う屋台が出ている
こんな路地にある店だから、近所の人間がちょっと酒の肴を買いに来たりする店なのだろう
■ティアフェル > 「……戦う前に、真っ先にあんたの耳に焼けた鉄棒を押し込んで、もっといい男になるよう拳で整形してやるわ………」
遠くの敵より手近なエネミー。別に歌詞の意味などそんなに興味はないのだ。曲調が気に入っただけで、歌って見たらコテンパンにバカにされた。ずるり…と横の壁に凭れたそちらを重い動きで頭だけ動かしてギラついた殺る気満々な目で見据えて唸った。
「うん、わたしが死ぬより、コイツ殺そって今心に決めたところよ。
ありがとう、お言葉に甘えてあんたの息の根を止めた上で長生きしてやる」
いつでもどこでも装備しているスタッフ――殴打武器ではない――を構え始めた。もう自分に生きる価値などない気がしていたが――発想の逆転だ。生きるためにヤレ。と心が訴えた。こちらは赤くなった額、そちらは赤くなった頬。一部赤い顔面同士がそこで対峙した。
「あんたこの流れでよくそんなお暢気なことを云い出せるもんねえぇ?
いーわよ、呑むならアルコールに漬け死ぬまで呑めぃ!スピリッツ一気飲みさせてやるー!」
鼻息を非常に荒げながら、指差した先の屋台と彼の顔を交互に見て、殺気を迸らせながら云い放った。
■カーレル > 「そりゃあ良い、自分の顔が嫌ンなったら真っ先にティアに頼むことにするわ」
彼女の言い様に眼を瞬かせると堪えていた笑い声がつい漏れる
楽しげな様子でギラついた瞳を見つめ返しながら、へらり、と緩く笑ってみせる
何処かからか取り出されたスタッフが此方に向けられれば、す、と一歩彼女から離れるようにして
「ずいぶんと厳つい糸巻き棒があったもんだ…
態々、ティアが殺さんでも多分、俺のほうが先に死ぬから安心しろ
知り合いが殺しに手を染める、なんてのはどうも後味が悪いしなあ」
ほら行くぞ、と構えた彼女を放っておいて先んじて屋台の方へ歩いていく
屋台までたどり着けば適当な串焼きと自分の分の酒を注文しすぐに出てくる酒を受け取り
「酒で死ねりゃあ良いんだがね…中々どうして
…わっ、これは質が悪いなア…酒って感じの酒だわ…でも、飲んじゃう」
ちびり、と安っぽい木製のマグに入った酒を飲むと平民地区で売っている割にイマイチだった
殺気を迸らせる彼女に反して緩い空気のままマグの半分ほどまで飲み干せば彼女に向けてマグを掲げて
「一夜限りの歌姫に」
と誂うように言ってマグを傾け、早々に一杯目を空にした
■ティアフェル > 「何云ってるの? いやになってないところをボッコボコにすべきでしょ?」
アハハハと低い笑い声を彼の笑声に重ねて響かせながら宣言した。
黒髪の姫君とやらと知り合う機会があったら共感して共闘しただろう。
ガチな殺意を漲らせて、一歩引かれると一歩踏み込み。
「どうか、神さま。この男が空き缶に躓いて滑って転んで意識を失いながら水たまりに顔を突っ込んで溺死しますように……」
対峙してもやはり、隙がない。この男デキル…と今さら認識を改めるまでもなく、殺るには難しい相手。誰かに誘惑してもらってその隙を狙うしかなかろうか。後ろ暗い暗殺計画まで立て始めたが、しまいに神頼みになった。
わたしのエネミーはというと、さっさと先に屋台へ到着して注文されて飲んでやがる。自棄気味に酒をこっちも注文して。
「死ねるわよ? 強い酒をとにかく飲み続ければ……人間ならほぼほぼ死ぬわよ? やってみてよ早めにねえぇ」
安酒を文句をいいながら飲む隣で、こちらもすぐ出て来たマグを持ち上げて。
「やーね、このままぶっかけて欲しいならそう云ってよカーレルさんってば死ね」
その一言に、歌姫カッコ笑いは、語尾でもはや死を願うほどにまでなりました。
持ち上げたマグをふるふると震える手で握ってぶっかけそうになりながら。ぐいーっと盛大に一気に呷った。
■カーレル > 初めのうちこそ『殺して』とまで言っていた彼女が今では殺意をムンムンに自分に向けてくる
どうすればそんなシッチャカメッチャカな思考回路が作られるのだろう
彼女と合う前に一緒にいた女だが彼女も考えている事が複雑にすぎる
男にとって女心というものはあまりにも複雑である
世の中も女ももっとシンプルな方が良い…そんな事をひりつくような殺意を受けつつ考える男であった
彼女の踏み込みに対して、すっ、と更に一歩下がる
そして先に動かれる前に、その場から離れて屋台へと向かっていく
「んじゃやってみますかね…どうか、人間でありますように
おっちゃん、一番強い酒くれ…あー…瓶ごと買うよ、ほら、これお代ね」
彼女の煽りに乗っかり一番強い酒を注文する
すると屋台の店主が手にしたのはなんの変哲もない無色透明の酒…一見、瓶に入ったタダの水のようにも見える
空になったマグに瓶から透明な酒を注いでいき、軽く口に含んで飲んでみる
確かに度数は強いように感じる、舌がひりつくと言うかなんというか
「…年頃の女の子が死ね死ねいうのもどうかと思うけどねえ、俺は…
まあまあ、とりあえず串焼きでも食べて…腹が減ってるから怒りっぽいんだろ」
キツい酒の入った酒瓶と一緒に運ばれてきた串焼きの乗った皿を彼女の方へずい、と押しやり勧めて
盛大に酒を呷る彼女にやるねえ、と小さく告げれば自分もマグに入った酒を一気に呷る
…ちっとも酔えないのでなんとも面白くはないのだが
■ティアフェル > やらかした、わたしに生きる価値などありゃしない……と思い詰めていたが、一度思考を切り替えると恨みが圧勝した。わたしが死ぬのは惜しいになると、どうにかして殺りたくなってくる、人の命を尊び重んじる職業とは思えない堕ちたヒーラー。
ガルル…と唸りそうな勢いで睨んでいたが。
屋台で少々落ち着き始めたところで、この人は何故また火に油を注ぐのだろう。趣味だろうか。歌姫カッコ笑いブチギレ。
「よぉし、ヤレ。死ぬまで飲め。むしろ人間って水飲み過ぎても死ぬのよその気になれば。
おいちゃん、その酒瓶もう一瓶追加ァ!」
お代をバシン、と置いて彼が注文した一番強い酒瓶を即追加した。
隣から鼻を衝くような強いアルコール臭が漂う。弱い体質なら匂いだけで酔っぱらってしまうだろう。こっちは一気飲みして少々顔を紅潮させつつ。ぐいぐい怒りのままに呑んで。飲み干して。マズイ!もう一杯!と追加。
「ッハン……耳元で四六時中呪いの歌を歌ってやろーかしら。
この肉……硬い! 干し肉かっつーの。歯が丈夫になっちゃうじゃない」
苦情を呈しつつも、出されたものはもしゃもしゃ食べる。噛み締めながら隣をヤブ睨みして。無言で、どん、と同じ強い酒を一気に呷る彼の前に置いた。
■カーレル > 冒険者という人種は大抵、血の気が多いものだが彼女も多分に漏れずそうであるのかも知れない
そうでなけりゃあ大成しない職業であるのかも知れないが
睨みつける緑柱石の瞳を笑顔で受けながしつつ、くぴくぴと杯を傾ける
「それを言ったら何だってそうだろうさ…死ぬ気になればそりゃ死ぬよ…
―――あっ…止めとけ……いや、何でも無い。酒は心を癒やす霊薬だからな」
と、声を掛けるよりも早く彼女は酒を煽っていた…煽ってしまっていた
火に油を注いだつもりはサラサラ無いが、火に酒を注いだのではないか、と言われれば言い逃れは出来ない
しかも、一息に煽り顔を赤くしている…赤ら顔の歌姫がそこにいた
「…それもゴメンだが、焼けた鉄棒を耳に突っ込まれるよりゃ幾らかマシだな…
うわ、こりゃほんとに硬いな………食いでがある」
小気味良い食べっぷりを眺めつつ自分も串焼きに齧り付いて小言を漏らす
しかし、味自体は悪くないのかちまちまと噛りながら、口の中の脂っ気を強い酒で洗い流す…そこまで悪くはない
どん、と強い酒を目の前に置かれれば、へいへい、とその酒瓶を手に取り自分のマグに注ぎ
「お嬢様は如何します?まだイケるようでしたら注ぎますが?」
赤い顔の彼女とは違い、すこしも酔った素振りを見せない男は彼女が望むのであれば、
強い酒を注ぎたそうと腕を伸ばして首を傾げる
■ティアフェル > 何を云っても何ひとつ有効打になる気がしない。わたしのシェーラルーン(曲名)ガッツリ聞かれた相手がこいつだってなんの地獄…と何かを恨みながら。さっきからどう飲んでも顔色一つ変わらない様子に焦燥と戦慄を覚える。この男…人間じゃない、だと…。
酒一瓶めっちゃ損したかも知れない。
「じゃあお願いしますよ? 死ぬ気で呑んで死んでくださいホントお願いします。
今はカーレルの肝臓を蝕む猛毒たれ酒よ!」
何かに祈った。
一杯目をぷは、と飲み干して酒臭い息を吐き出し。顔が熱い感覚に、これ以上飲まない方がいいと冷静な自分が警鐘を鳴らしてた。
「串焼きよ…硬き串焼きよ……この男の顎を外す凶器となれ」
もう何を材料にしても恨みに直結するようになってしまいました。酔いも手伝って恨みがどんどん増していくヤバい現状。ぐい、と横食いして頬張った串焼きにさえ彼を貶めるものたれと期待する。
「……よきに計らえ」
酒を勧める彼に空のマグをどん、と置き訳の分からない返答を零し。それから少々回って来た朱の差した目を改めて向けると。
「ほいで……そのほっぺたメイプル模様……どーしたのよ。
わたしにもう片方のほっぺたにも同じ模様をつけて欲しくて声かけたの?」
今さらだが一応突っ込んでみて、そしてもう片方もお揃いの模様にするのはまったくやぶさかではない、と右掌を挙げて構えた。
■カーレル > 何が彼女をここまで駆り立てるのか
興味深く思いつつ彼女の未だ少女らしさを残した唇から溢れる呪言に耳を傾けながら杯を傾ける
期待されても願い請われても酒だろうが毒だろうが、飲んだ端から
自分の意志とは関係なく無毒化されてしまうからどうしようもない…人間でない、と言われればそうかもしれない
言われてしまったら大分、堪えそうな気がするので意識して考えないことにする
「とても治癒術士の言葉とは思えん、呪術師か何かのように聞こえるけど、ひょっとしてそっちの素養が?
酒も肉も、腹が膨れりゃ身体が無理って止めるからな…自分の意志では流石に…
だいたい、まだ死にたくない…まだまだ良い女は抱きたいし…死んだら誰がアメリの世話をする」
酒、串焼き、酒…マグの中身と皿の上の串焼きを倒しながら面白いことになりかけている彼女を観察する
返答が聞こえれば遠慮なく彼女のマグに酒をなみなみと注ぎ足してやる
恨み言なんてのは酒の力でも何でも綺麗サッパリ忘れたほうが良い
「ん…ああ、さっき、ティアとあった直ぐ側の家の美人の後家さんに引っ叩かれた
ま、俺にも色々あんのよ、色々…デートのハズがこの有様よ…笑っていいぞ」
酒瓶に残った酒を自分のマグに注ぎ、瓶が空になれば追加にもう一本
なみなみと注げば、喉を鳴らして一気に半分ほどを飲み干し、彼女に視線を向け直す
これで多少は溜飲が下がるだろ…なんて期待もあったかもしれない
■ティアフェル > さっきからだが。この人の血は何色だろうか。…失敬なことを連続で考え続けていたが、改めて失敬な考えを起こして、内心で勝手に結論「真緑」
お酒をザルに棄てた気になって、酒瓶をしれっと取り返そうとしたが……もう中身なかった。泣きたい。
「今目覚めたみたい。お蔭様で。あんたを呪う祈祷師として君臨してやろうかァァ!?
アメちゃんの身柄に関してはわたしが保証してやる。安心して瞑りな」
他の未練は知ったこっちゃありません。注がれた酒を、無意識にガブ飲みして。
ごふ、と噎せた。こんなの飲めたものじゃない……殺菌できるほどの度数だ。手を消毒しようかと思う。
いくらか飲んでしまって頭を抱えた。
「つまらん。想定内過ぎる。
笑いのセンスゼロだね。わたしにも引っ叩かせろ」
笑えるような愉快なエピソードじゃなかった。期待外れと死んだ魚のような目を向けた後。
改めてお手々を構えてみました。叩けないならせめてつねってやる、と叩かれてまだ赤い腫れの引かない頬をぎゅむっとつねりあげてやろうとヒーラーの人を癒す手が暴力にひた走る。