2020/04/10 のログ
ヴェルソート > 「まあ、一応何か込めるのもできるんだぜ?」
まあ、魔法にくらべたらささやかな効果だけどな、と苦笑いし、愛称を呼ばれたらおう、と答えて。

「こちらこそよろしく。 一応、護身術くらいは使えてたんだけどなぁ…まあ、命あっての物種で、喉は俺らの生命線だから、間違ってはないか。
 声はイイから、喉は勘弁してやるって言われたっけなぁ、そのわりに首締められたけど。」
そういえば…と昔を思い出してぽつり…まあ、湿っぽくなってもいけないし、彼の気分に水を差すのも本意でない、と思い返すのはほどほどにして。

「……嗅いでわかる、ってのがまたすげぇな。っていうかここまで近づいて、大丈夫か?」
間近で嗅げば…彼にとってはいわゆる邪念や煩悩と類されるだろう「苗床なんだから孕ませてやらねば」という奇妙な確信めいた欲望が沸き起こる…はずだが、それは彼の克己心しだいか。

「あー…まあそうだな、別に俺は慣れてるから良いっちゃ良いんだが…じゃあお願いしていいかい?用心棒さんよ。」
代金は宿の飯の奢りでいいか?なんて無精髭があってもどこか愛嬌のある眠たげな顔が首をかしげて。

ティエンファ > 俺からしたら、それも十分魔法だけどなァ。そう言って笑う。
そして、ベルの身の上を聞けば眉を上げて、それから顔をしかめた。
嫌な話を聞いた、と言うのではない。

「悪い奴らが居たもんだ。ベルが生きててくれて良かったぜ
 なんか危ない所に行く時には声をかけてくれよ、こうして会ったのも縁だからな
 過去には手を出せんが、これからは力になるぜ」

ベルの目を見てそう言えば、ゆっくりと立ち上がる。

「大丈夫ー……かな、今は。慣れもあるが、ついさっきまで殴り合いしててさ
 その興奮が残ってるから誤魔化せてるんだと思う。多分な」

それでもなおも呪いのように自分の頭に浮かぶ、自分らしくない言葉。
軽く両手で頬を叩けば息を吐く。自分らしくないと分かれば気の持ちようもある。
勿論、ベルがそうしようと働きかけたら分からないが……性欲の盛りの年頃に見えるが、随分と自律が出来ている。

「請け負った。飯奢ってくれんの? んじゃあ、途中一軒酒屋に寄らせてくれよ
 良い酒売ってる場所があるんだ、一杯付き合ってくれ」

人懐っこい笑顔を浮かべ、立ち上がったベルの背を軽く叩いて歩きだした。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 裏路地」からティエンファさんが去りました。
ヴェルソート > 「……お前さん、お人好しだなって人から良く言われねぇか?
 俺の話が嘘っぱちだって可能性も十分あるだろうに。」
立ち上がれば自分より高い位置になるだろう黒髪の頭を勝手にぽふりとなでながらむしろこっちが心配そうに問いかけて。騙されてぱっくりいかれそうだと思ったらしい。

「ははっ、大丈夫って割に物騒な事言うじゃねぇか、喧嘩でもしてたのかい?
 おうおう、飯くらいおごってやるさね、これでも年上だしなぁ…多分。おまえさんが童顔とかじゃなければ。
 ほう、酒飲むのか…了解、まあ俺あんま強くないから嗜む程度にでいいなら付き合うさ。」
背を叩かれ、急かされるようにあるき出し、地味に彼の体で他の男の視線から隠されながら…宿への道を歩記出す。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 裏路地」からヴェルソートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシュバルトさんが現れました。
シュバルト > 大体タイミングはこんなところである。
今夜は昨夜と違って平常運転、王都の平民地区にある大通りで露店を開いている――…のだが今夜も人がまばらで、そこらの酒場も何だか寂しげな……?何か有ったのか、それともただタイミングというやつなのだろうか?

それでも結構良い場所を借りてたのだから露店を出さずに帰るという選択肢は無く、早速荷物をあまり大きくは無い肩掛けベルトの革鞄から取り出して広げていく。

大きな木製のテーブル。
その上に赤基調のテーブルクロスを引いて、亜人職人の手により生み出されたガラスのポーション瓶にオイルや諸々を詰め込んだ商品を並べて、値札を立てて……あとはその場で出来る簡易施術用の背もたれの無いスツールを出して、自分は背もたれのある木製の椅子をだして………諸々色々。

仕度をする手は慣れたモノで、物の数分で何時ぞやの夜と同じ露店の準備が完成する。

完成したら後は時間と運との勝負。
一々呼び込みするのも億劫だし、自分としては商品を見る時には声をかけてもらいたくないのでそれはしない。

だけども、それは説明をしたくないとかではない。
もしお客様が商品を手に取り訪ねてくれたら、そりゃ喜んで接客をする、それまでは……欠伸を噛み締めて木製の椅子に深く腰をかけて、うとうとするのである。

今夜は人通りは少ない。
だから、別にうとうとしたって何も困ることは無い。

「……ふあぁ………。」

第一声は大欠伸。
ああ、と思い出したように革鞄から薄荷とハーブを煎じて練って物を紙で巻いたものを1本取り出し、口に咥えて深呼吸。

すーっと喉に感じる清涼感、今夜は良い縁に恵まれるといいなーと思う余裕も生まれてこよう。

商品だってそこそこのもの。
瓶一つとっても芸術品……と言えると思う精巧な細工。
中身は色は色だけに色々とあるが、香水や化粧水にオイルに少しだけ危ない甘い薬に、と品揃えも豊富だし値段もそこそこ高すぎない筈だ。

シュバルト > 「……是で売り上げゼロだと、懐から出るのが埃だけになるんだけどなっ!」

と、愚痴ってごねても誰も聞いていない。
というくらいに本当にまばらで今夜に限っては露店を覗く人どころか冷やかしすら居ないのだ。

――…暇である。
愚痴を零しても面白いわけがなく、深く腰をかけた木製の椅子に更に体重をかけて椅子の前足?を浮かせて絶妙なバランスで前後に揺れることくらいしか暇を潰せそうもない。

本の1冊でもあればと思うけど、そもそも本を買う余裕が此処最近ゼロである、いや昨晩の売り上げでそれくらいの余裕はあったはずなのだ。

で、財布が軽いのは昨晩の別所での出張調律の支払いが来月になるというのを契約書で見過ごしていた自分のミスで、今夜の是は全く持って関係ない。