2020/03/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からビョルンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にサチさんが現れました。
■サチ > 「あぁあぁーっ、待ってぇぇ、まーあってぇぇーッ」
昼間よりは少なくはなったが、まだまだそれなりに人通りのある通りの片隅で焦った声が木霊した。
コロコロコロ…
縦に舗道を転がっていく硬貨とそれを追いかける、焦った足音と声。
貧乏人、1ゴルドだって無駄に出来ぬのでそれはそれは必死そう。
10ゴルドくらい落としたような勢いだが、実際は1ゴルドぽっきり。
「そっちアカンって! あーっ…!!」
舗道の脇に掘られた澱んだ排水の重く流れる溝に向かっていく小銭に向かって悲壮な声が迸った。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にルインさんが現れました。
■ルイン > 特に代わり映えのない一日を追えそうな時刻。
後は酒場で食事でもして恒例の場所に行こうかと考えていると叫び声が聞こえ足を止める。
何事なのかと声の方を見れば……。
「なんでしょうかね?」
焦った声を上げて何かを追いかけている自分よりも年上の女性。
追いかけるモノを探せば目に付いたのは転がるゴルド。
「よ……とと」
今にも溝に落ちそうなゴルドに向かって一歩二歩と駆け出すと数歩目で溝に落ちる前に踏んずけて。
「これ……貴方のかな?」
多分そうだろうと思いつつ、足はあげずに声をかけてみる。
■サチ > 「はぉあぁぁっ……!」
転がり落ちるかと思われた硬貨が、目の前で溝に墜落する一歩手前ギリッギリで足の下に消えた。
妙な奇声を上げて瞠目し硬貨を追いかけていた足が、そのままでは硬貨を踏んだ女の子にぶつかる――、とブレーキ踏みかけて失敗して。
「はわあ!!」
派手にブッこけた。
顔から思い切りいって『すべしゃ』と無残な効果音を響かせて路上にうつ伏せで倒れた。喜劇役者も真っ青な大コケを見せた。
倒れてぴくぴくしながら、硬貨の所有を問う声に震える右手を差し出し。
「ハイ……」
……と辛うじて返答。
■ルイン > 「……別な意味でも大丈夫です?」
転がる硬貨を踏んずけ、追いかけて来た女性とぶつかりそうになると慌てて足を引く。
しかしぶつかる前に盛大に倒れ、顔面からうつ伏せに倒れた事には思わず目が点。
女性の傍らにかがみ声をかけて。
「立てそうですか?」
良ければと顔を上げるタイミングで手を差し出してみたりとする。「
■サチ > 「だめかも知れませんが……がんばります……」
前向きなのか後ろ向きなのか分からない返答をして、顔面を地面と接吻させたままぴくぴくした右手だけ、しつこく差し伸べていた。
その手が、硬貨を求めて、すか、すか、と宙を空振りしていたが。
不意に触れたのはちょうど差し出されていた手だった。
反射的にそれを掴んで。
「かたじけないです……。私の1ゴルド元気ですか…?」
鼻がずる向けになった悲惨な顔を上げて、彼女を見ると。
あら、可愛い……。
顔を見て一瞬和んだ。
■ルイン > 「駄目なら無理に頑張らなくても良いと思うんですよね」
どう答えていいか悩む返事に鼻を掻いて困った顔。
それでも右手は差し伸べられていて手を掴もうとしていると思いそっと添えるようにして掴み軽く引っ張る。
「気にしなくていいんですよ。1ゴルドは…ここにありますね」
そっちと呆れるように女性を見れば鼻が大変な事に。
折角の美人さんなのにと困った顔を浮かべて左手で1ゴルドを拾えばその手、人差し指でずる剥けな鼻に触れての回復魔法。
綺麗に治れーという呟きと共に魔法を行使し、女性に向かってにこりと微笑んでみせる。
■サチ > 「それでも私は立たなくては……
諦めたらそこで終わりなんやわ……」
至極真面目だったが、内容がアホくさかった。
握った手を軽く引いて貰って、よろ、と立ち上がり。
「私の1ゴルド…!! 無事で良かった…!」
踏まれたが、落ちるよりはかなり良。
そして、遅れてずり剥けた鼻の痛みを感じていたが。
「っ……、わ、あ…ッ。
わあ、わああ、わー!
凄い! 痛くないです!
魔法ですか! 有難う御座います!」
擦り傷に人差し指で触れられると一瞬、びく、と震えたが、治癒されていく傷に目を真ん丸にして輝かせ。
そのまま、ぎゅと握手しようと手を握ろうと伸ばし。
「可愛い上にとっても親切なんですね!」
■ルイン > 「言ってる事は前向きだと思うんですけど」
なんか違う気がするという言葉は飲み込んで。
女性を引っ張り起こせば手を放して様子を伺い。
「1ゴルドにそこまで全力をつぎ込めるのは凄いと思いますけど…怪我をしたら意味ないですよ?
これはサービスですからね」
可愛い、綺麗と思える同性が傷ついたままと言うのは許せずに許可も貰わずに勝手に治療。
その事に驚いたのか目を丸くして、次には伸ばされた手に手を取られて握手。
「私は親切にするのは可愛い、綺麗って思った子だけですね。
貴方の綺麗な顔に傷は勿体ないって思ったので勝手に治しちゃいましたよ」
私の勝手ですから気にしないでと言うように笑みを見せ、隙があればぎゅっと抱きしめようと伺って。
■サチ > 「後ろ向いたらそのまま闇に飲み込まれてまう……」
スケールの大きな表現を1ミリも笑わずに呟いて。
手を借りて取り敢えず無事に起き上がり。
「ケガ予定はなかったんですけどねー。
不覚不覚……。
助かりました! 全ッ然痛くないです!」
可愛い女の子に怪我も治して貰って親切にして貰った……。
はんなりと目を細めてぎゅうと手を握ってがっしり握手を交わし。
「や、そんな……キレイだなんてそのような……。
あなたの方がずうっとかわゆい!」
誉められて照れたように後頭部を掻いていたが、不意に『あ、何か柔らかい…』と思えば抱き締められる、隙だらけの貧乏人。
■ルイン > 「その時は私が引き上げてあげますよ」
そう言うのは得意ですというようにはっきりと言い切り。
起き上がれば他に怪我はないかと上から下と何度も見返して。
「怪我なんてしたらどれだけの損失になるか…気を付けないとですよ。
ふふ、私が居てよかったですね」
打算有りな親切ではあったがここまで喜ばれるなら悪い気はしない。
強く握られても表情を変えずに楽し気に握手をして。
「本当に綺麗ですよ。ですからあなたの声は私に届いたのかもしれませんね。
可愛いなんて照れちゃいますよ」
照れたように後頭部を掻く女性に好きありと抱きしめしっかりと身体の密着。
お持ち帰りしたいなとつい本音を零しつつ強く抱き着いている行動が不審者になっていて。
■サチ > 「あなたは……天使…? 神…?」
後光が差して見えた。眩し気な視線を少女に注いで無意識に両手を組み合わせていた。
お陰様で他にはケガはなく、ただ少し転んで汚れていた。
「確かに捻挫でもしちゃったら、明日からのお仕事に支障が……。
気を付けます!
ほんとですよ、お蔭で助かりました!
お嬢さんお名前は? 私はサチって呼んで下さい」
ニコニコしながら己を指差して名乗り。
「イヤァ…そのような勿体ないお言葉……恥ずかしなってまう……。
イヤイヤイヤ、かわゆいです!めんこいです!別嬪さんです!」
抱擁されながら、見たまま感想を述べては、がし、と熱き抱擁を返し。有難う有難うと感謝を伝えようとのハグ。
何か零れた言葉には、首を捻って。テイクアウト総菜の話かなと明後日に受け止めていた。
■ルイン > 「え?なんで天使って知ってるの?」
女性の言葉に一瞬固まり、何で知ってるのかと驚きを見せ。
他にも怪我があれば治すのだが無い様子にほっとする。
「私に任せてくれたら骨折程度までなら治してあげれるよ。
うんうん、気を付けないと駄目だからね?
本当に勝手にやった事だから気にしないでいいんですよ。
サチですね、私はルインと呼んでくださいね」
そう言えば名乗ってなかったと女性からの言葉でうっかりしていたと小さく舌を出して名乗り返し。
「私は好みな女の子には嘘はつかないんですよ。
サチは本当に可愛くて綺麗ですね。私を褒めても…大したものはでないですよ。
そんなに褒められたら…テイクアウトして食べちゃいたくなりますよ」
彼女の言葉に何度か頷いてみせ、熱い抱擁を交わす様子は周りからどう見えているかなど気にせず。
ここまで褒められればうれしく、本気でお持ち帰りしたいなと言う気持ちをどうにか抑えようとしつつ。
つい頬を摺り寄せる駄目行動をして。
■サチ > 「当たったんすか!?」
助けて貰った恩を感じるあまり神々しささえ勝手に見出して口走っていたのだけれども。
まさか当たっていたとは驚き、と目を見開いた。
「マジ天使……ってか天使なんです…ね?
優しい……天使過ぎる……天使ヤバイ…。
ルインちゃん、ですね」
舌を出す所作が年相応にあどけなくってやっぱりかわゆい。
和みまくってはんなり…と目を細めていた。
「やー。そんな褒めて頂くと何か差し上げたい所ですが……。
残念ながらさっきの1ゴルドくらいしか……。
えー? 本当に可愛らしいですよー? 言わるでしょう?
……うむ? 食べるんですか? や、ちょっと待った……天使ってそうなんですか…?! カニバはアカン…!」
捕食されるのか、天使って人肉食べるのかカニバリズムなのか、とまた拗らせた誤解をして焦った。
擦り寄せられたほっぺたは柔らかくていい匂いがして一瞬。
『ま、カニバもええか…』と揺らいでしまいそうになる恐ろしい。
■ルイン > 「大当たりなんですよ。本当に驚きました」
あまりな的確な言葉に隠すことも忘れてさらりと自白。
完全なうっかりだがバレているならいいかなと誤魔化しもせず。
「本当に天使ですよ。ここで証拠は見せてあげれないのは残念ですけども。
でも優しいだけじゃないんですよ?
ちゃん……じゃ、私もサチちゃんと呼ぼうかな」
その方が親密感がありますよね、と微笑み。
何でか凄く良い笑顔の女性を見ては首を傾げて。
「何かくれるなら1ゴルドよりサチちゃんがいいかな。
どうですかね……皆さん見慣れてるのかもしれませんから。
勘違いしてますよね?サチちゃんをむしゃむしゃはしませんよ?」
流石にこの誤解は直ぐに分かり食べないと楽し気な口調で告げて。
こっちの食べるですと、抵抗がなければ頬に口付けをしていこうとする訳で。
■サチ > 「ほんまに…!?
はわぁぁッ、本物の天使初めて会いましたよ!
あれ、でも、アレないんですか?
ほら、翼、とか…、輪っか、とか…?」
嘘を吐いているとも思わなかったが。
天使のような女の子ではあるが、天使の特徴が見当たらない。
彼女の背後やら頭の上やら見回して不可解そうに顎に手を当てた。
「証拠ー…、見れないんかぁ……残念やけどしゃあないですね。
優しく厳しいんですね!ご立派!
はいはい、ルインちゃん」
ちゃん付で呼び合う。お友達みたい、と能天気に綻び。
「はて?私です?
皆さん可愛い子を前に照れとるんですねェ。
カニバではない? ですよねー。
さすがにねー。天使さんやもんねー」
アハハハ、誤解誤解と笑い飛ばしたが、頬に柔らかな感触を受けて、「うわわゎ…」と驚いたように目を丸くし。
「コッチ?」どこまでも分かってなかった超鈍感。
■ルイン > 「普通はこうして地上にいないんだよ。
私は特別だからこうしてね?
翼はあるけど…街中だよ?」
天使と言う事に嘘はない、ちょっと堕天しているが。
そのお陰で輪っかはなくなっているが二対の立派な黒い翼はある。
信じさせる意味に見せたくはあるが街中で出せば大騒ぎになっても困るので出せないと笑みが困った顔になり。
「この国って珍しいのは嫌うしね。
私だけなら逃げちゃうけど、サチちゃんはそうもいかないから。
優しくて怠慢なのかもね?
こういう呼びあいっていいよね」
普通に呼び捨てや、下手をすれば「おい」「おまえ」もあるだけにちゃん付けで呼び合える関係は地味に嬉しく。
「そう、サチちゃんならすごく嬉しいですよ。
んー……そうなのでしょうか……?
人を食べるのは悪魔ですよ、まったく……」
そこは間違わないでと少しだけ怒ってしまい。
抵抗がなければ遠慮なく頬にキス、驚いた姿が可愛くてもう一度キスをして。
それでもわかっていない様子にどう伝えればと悩み…「こういう事だけど?」と耳元で囁き、抱きしめる手を下ろしてお尻に触れていく。
これで判るだろうと。
■サチ > 「ですよねー。激レアさんですよねー。
わあぁ、激レアさんにお会いできて光栄です!
ですか、やっぱだめですか……」
本物の天使なんて見たことがない。興味津々だが、ここで身バレは拙いらしい。
致し方なし……と少々残念そうに頷いた。
「んむぅ……。そうやねえ……。
怠慢……何ですか? 親切にしてくれたのに。
うふふっ、仲良くなれた感じがします」
彼女の意見に大きく頷いて朗らかに笑みを見せた。
仲良きことは美しきかな。
「そうなんです?
ええ、ええ、だってお肌も白いし髪も長くてサラサラだし目も大きいし…
可愛い以外の何物でもない!
あぁー。確かに確かに。失礼しました。だって食べるなんて言うんやもん…」
怒られてすぐゴメンナサイしたが、誤解を招きますよ、と付け加え。
「うわうわ」と連続で頬にキスを受けて少し紅潮して慌てた様に目を泳がせ。
「ぇ、わ…!」臀部に触れる掌に、びくりと震えて。少々困惑気味に眉を下げ。
「か、からかっちゃダメですよ……?」