2020/02/03 のログ
■イディオ > (呆っとしていても、受注は進み、列は進む。男はその列に流されるように歩いていた、意識は食堂だった。だからこそ、掛けられた声には、と意識を戻した。
声の方向を見てみると、既に男はカウンターの前まで進んでいて、そして、カウンターの向かいには、ギルドの受付嬢が居たのだ。
このギルドの看板娘であり、他の冒険者から幾度となく口説かれている女の子。
冒険者ギルドで有名な受付の少女だからこそ、男も一応面識はある。)
ああ、リムリアちゃん。こんにちは、今回は、この依頼を受けることにしたんだ、受理、してもらえるかい?
(男は、少女に依頼書を差し出すのである、その依頼書は、薬草採取の依頼であり、日常的に張り出されている依頼のうち一つ、華やかさの全くない、冒険者としても、初心者などが手を出して訓練するような依頼でもある。
とは言え、依頼としてきている以上需要はあるので、男は受けるという意思を見せるのだ。
決して、決して、他の冒険者に美味しい依頼を取られて、泣く泣く受けているわけでは………ない。
普段から、ハイライトの無い死んだ魚の目をした男は、何時ものように、朗らかに笑っては居る)
■リムリア > 毎日毎日、こうやって冒険者と顔を突き合わせていれば、常連さんの顔は覚えてしまうし、覚えられてしまうもの。
まぁ、元気な冒険者だと、どの受付嬢に依頼を持っていくかでタイミングを見計らったり、順番が来るまで粘ったりと、大変なようだけれど。
ギルド側としては、どの冒険者にも公平に受付していますとしか言いようがないもので。
兎も角も。
いつもソロで活動している常連さんの一人が顔を出したなら、営業スマイルに幾分のおまけをサービスして。
「こんにちは、イディオさん。依頼の受理ですね。
――――はい、問題ありません。こちらですと、期限は3日後ですが、大丈夫ですか?」
差し出された依頼書を確認する。
内容は、薬草採取の依頼。薬草の量も決して大量ではなく、ありふれたもの。
ただ流行り病の薬になるからか、この季節には常に依頼が出されている品物で。
必要事項を確認したうえで、僅かに首を傾げ。
「もしかして、お疲れですか?
あまり無理はされない方が良いですよ。」
何となくではあるけれど、覇気がないように感じられ。
薬草採取くらいなら危険は少ないものの、疲労はミスを招きやすい。
危険と隣り合わせの仕事だからこそ、心配そうに声を掛け。
■イディオ > (意外だった、正直男は自分の事をモブAとか、モブBとか、その程度の認識をしていたので、覚えられているとは思わなかったのだ、確かに毎日顔を合わせていたりはしたし、軽い雑談、話の流れ的な天気の話とかその位はしていたとは思う。
ギルドの看板娘で、人気の女の子に、顔と名前が一致するレベルで覚えて貰えていたとは思わなかったのである。
視線は彼女のチョコレート色の髪の毛に落ちて、目を一度、二度瞬いてしまうのも仕方がない事なのかもしれない。)
三日、ね。大丈夫、さほど遠い場所でもないからね、今から行って戻ってくれば二日で間に合うと思うよ。だから、少しばかり多めにとってきた方が良いな。
(三日という期限は、この場所から移動するための時間に、採取する時間、後、大事な事なのだが、採取した薬草の保存期間なども考慮されているのだ。
今回の薬草の薬効というのは、新鮮であれば新鮮なほどいいと言われている物のはず、だから早めなのだろう。そして、冒険者としては問題はない。
だから、大丈夫だ、と頷いて見せて……彼女が自分を見上げているのに気が付いた。)
―――あ。いや、その。
(可愛らしい勘違いというべきか、彼女の善性が現れたというべきなのだろうか、一部界隈では天使だと言われている少女。心配の声に、冒険者はどう答えた物かと、考えた。
1・ごまかす ……心配してくれているのにうそを言うのはなんだかなぁ。
2・正直に話す ……男として其れはどうよという理由なのがつらい。
3・口説く …なぜこの選択肢が出たのか、疲れているのかもしれない。)
いや、疲れてるわけではないんだ。良い依頼がとられて、その上誰も組んでくれ無さそうだからさ。
体調はしっかり管理してるから、其処だけは心配しないでいいよ、依頼はちゃんと完遂するから。
(結局、正直に話すのだ、一応これでも、中堅レベルの冒険者だ。変な見え這っても仕方がないし、そもそもあまり高くは無いだろう自己への評価、下がりきってると思っているし、これ以上下がってもまあ、そんなもんだろうと思うのであった。)
■リムリア > 何だか驚かれているように、相手が目を瞬かせるけれど、その理由までは分からない。
驚くようなことでもあったかなと内心首を傾げてみるけれど、やっぱり思い当たることはない。
うちのギルドマスターは、挨拶は基本と言い張る体育会系。
常連さんの名前や顔を覚えるのだって、基本中の基本というもの。
さすがに一見さんまでは覚えていられないけれど、逆に言えば一見さんはすぐに分かるわけで。
サブマスターに言わせると、人材の管理は組織としては当然ということになるのだろう。
受付嬢としては、そんなことを言われるまでもなく、常連さんなら覚えて当然といったところなのだけれど。
「そうですね、多めでも問題なく買い取って貰えると思います。
ただ根こそぎは止めてくださいね。芽が出てこなくなると困りますから。」
中堅の彼なら、こんな注意はしなくともよく分かってくれているだろう。
とはいえ、念のために口にする。
この手の薬草は大量にあるよりも、継続的に採れることの方が重要なので。
「依頼は早い者勝ちなところがありますからね。
パーティの方はご希望でしたら、ギルドの方でご紹介できる制度もありますけれど……」
ただ、こればっかりは相性次第ですし。と苦笑を浮かべる。
実入りの良い依頼を取られてしまえば、気落ちするのもある意味当然だろう。
落ち込んでしまうほど、割の良い依頼なんてあったかな?とは思ったりもしたけれど。
相手が思っているほどに、評価が変わるということはなさそうで。
■イディオ > ああ。根っ子が残っていれば、又成長するんだっけな。……大丈夫だ、其の辺りは弁えてるよ。
職務とは言え、言わせてしまって済まないね。
(彼女は、判っている相手にでも、言わなければならないことも有る、注意事項は大事な事だ、と男は思うのだが、冒険者の大半は煩わしい物として捉える事が多い。
それでも、念を押してくれるのは嬉しい事であると、男は笑って見せるのだ。
彼女の仕事というのは、心配だけで成り立っているわけではない、と思うからである。その言葉は、日常的だが、本当に大事な事を伝えてくれている、と。)
今日は、運が悪かった、と諦めることにするよ。
有難う、依頼が一人で厳しいものに挑戦するときは、何時も利用させてもらってるよ。
固定のパーティも良いものだけれど、こういう風に、自由気まま、というのもいいしね。
因みに、今現状だと、どんなパーティの紹介になりそう
(相性次第という言葉に、男は頷く、固定パーティで熟練していけば連携はうまく取れるだろう。しかし、パーティメンバーの性格などを冠がると、仲良くなりすぎるというのも危険な場合もある。
仲良くなりすぎて、逃げなくてはいけない場面で仲間を見捨てられずに、全滅、という事も。
男は自分の命大事が強いタイプなので、ある程度以上の関係はとおもうのであった。
とは言え、実力の近しい仲間、冒険者として技術が上がると、即席でも連携を取れるようにもなるのだ。
興味が湧いて、いま、ギルドが案内できる冒険者は、どんなものなのか、と問いかけてみることに。
そして、彼女が首を傾ぐのも判る、実入りのいい仕事というのは、何も、報酬だけの話ではないのだ。
商人の護衛など、道中の食糧が無料になる、とかそういう報酬以外のものも、有るのである。)
■リムリア > 冒険者と言えば、粗野なイメージが先立ってしまう程、気の短い人も多い。
そんなわけで、こちらの立場を慮ってくれる冒険者というというのは実に貴重だったりするわけで。
「ありがとうございます。そう言ってもらえると助かります。」
こちらの助言を素直に聞き入れてくれるというだけで、大助かりなのだ。
その点では、彼はギルド内での評価は高かったりするわけで。
「今ですか? ちょっとお待ちください………
今ご紹介できるパーティですと――――」
カウンターの奥からファイルを取り出して、ぺらりと捲る。
ソロ中心で依頼によってパーティを組むという冒険者は、少なくもない。
同時に普段パーティを組んでいて、臨時にメンバーを募集するというケースもあるわけで。
今だとダンジョン探索に出るのに後衛を探している中堅パーティがひとつ。
キャラバンの護衛に前衛を募集しているパーティがひとつ。
数はそれほど多くはない。
固定メンバーの募集となれば、それこそ掲示板に張り出されていたりもするのだけれど。
「―――こんなところですね。
受ける依頼にもよりますけれど、イディオさんにご希望とは合わないかなと。
強いて言うなら、後衛の子をひとりご紹介できるくらい、かな?」
その後衛について詳しく訊かれたなら、初級の治癒魔法を使えますよ、と添えて。
■イディオ > (命を懸けた荒事を行うことが多いのが冒険者であるし、それに、冒険者というのはアウトロー……法に縛られるのが嫌だという人間が多いのだ、故に、犯罪者すれすれな、荒くれ者が多いのも又致し方なしというのだと、男は思うのである。
そういう意味では、男は異質の方に入ってしまうのだろうか。それでも、男は自分を変えることはないが。)
あはは、良いよ。それに、可愛い子に心配されたり注意されるのは、おじさん、うれしいものだよ?
(冒険譚では英雄が姫や、美しい女子に心配されたりする場面が多いものである、天使のような可愛い子に言われるのは冥利に尽きますわと、軽い冗談ぽくいって見せる。
おじさんというのはまあ、男はこれでもそれなりの年齢であり、所帯を持つには襲い、行き遅れという年齢でもあるので、自分で自分をちゃかして見せるのだった。
それを言いながら、彼女がパーティの紹介するためのデータを開くのが見える、その中には、男のデータも有るのだろう。
攻撃よりも防御に割り振った、特殊な装備を持つ男のデータも。)
はいよ。もし、良い依頼とパーティあれば、薬草採集を早めに終わらせて合流もいいかも、だしな。
(ダンジョン探索という言葉に、あの遺跡群かぁ、と男は思うのだ。誰にも言わないが。思う所が多くある。
キャラバンの護衛であれば、装備的には、在りだろうか、後はそのキャラバンの提示する条件次第だな、と。
そして、最後の言葉に、ふと、彼女の事を見よう。)
後衛の子?薬草採集の依頼だけれど……それをしたがっている後衛の子、なんているの?
(薬草採集は、ぶっちゃけ地味な依頼であり、初心者冒険者は敬遠するのである。初心者程英雄願望が強いので。
そして、後衛となると基本的に魔術師や野伏などの職業が多い、魔術師は魔法の触媒という事でわかるが、野伏であれば、一人でも行けるのが殆どだ。
なので、男の依頼についてくるような後衛、興味が湧いたので、訪ねるのだ)
その、後衛の子は、どんな子?
(考え方を変えれば、初心者であれば、先達として色々教えるのも、アリかな、とも。)
■リムリア > 「イディオさんは、まだ若いじゃないですか。
でも、そんなお世辞を言うのは、ちょっとおじさんっぽいかもですねー」
ここでスルーするという選択肢もあるにはあるのだけれど。
このくらいの雑談は、受付嬢に限らず、サービス業ならごくごく普通。
冗談には冗談で投げ返す。
「割と初心者の子なので、討伐依頼よりも、こういう採取系の依頼から、コツコツやりたいみたいですよ?」
基本的に、誰もが通る初心者の王道というべき依頼
それ故にちょっと慣れてくると見向きもしなくなる冒険者も多かったりする。
けれども需要があるだけに、受けてくれる人を探すのもギルドの仕事のひとつだった。
そんなわけもあっての紹介なのだけれど。
「後はそうですね……
治癒魔法が少し使えるくらいで、攻撃系は使えないので、ひとりだと心細いとか。」
職業的には魔術師になるのだろう。
後衛には違いないけれど、ヒーラーでソロとなるとかなりの修練が必要となる。
駆け出しの間はまずパーティを組むというのが定石
そういった意味では、薬草採取であっても、同行の依頼があっておかしくないもので。
■イディオ > いやいや、返し方が秀逸だね、リムリアちゃんは。
(さらっと言った冗談に返す彼女の切り返し方に、男は軽く笑って見せる。別にいうほど、お互い気にしてるわけではないのだ。男は気にはしてないのは確かである。
彼女は、若いけれど流石看板娘と言われるほどに熟練の受付だなぁ、と思うのだ。)
成程……コツコツやりたいって子はあまり居ないな冒険者としては良い資質なのかもしれない。
一人よりも二人の方が所持量も増えるし。
ふむ、ふむ。
(正直、男も別の依頼がある時に進んでこの依頼をこなすと言う訳ではない、手間が開いているから、少しでも稼ぎたいから、と受けるのであった。
とは言え、薬草採集は、回り廻れば自分たちの健康に帰って来る依頼であり、実は重要なのである。だから何時でも依頼としてあるのだ。)
治癒魔法が少しで……か、心優しい子なんだな。
それなら、ああ、俺でよければ力になろう、先輩として色々教えるのもいいし。
手伝うのも、彼女の為にもなろう。
(攻撃系の魔術と言うのは、基本優しい子には使いづらいものだ、威力が高いし、容易にけがをさせてしまうものだ。魔術師で治療系を選ぶような優しい子が覚えるには、色々大変であろう。
それでも、冒険に出たいというのなら。ヒーラーでソロは大変であるし、パーティを組んでもらえる相手が居ないのなら、良いと思えた。
それにもう一つ。
治癒魔法使いと言うのは熟練するほどに、引っ張りだこになるのだ、其れなら、今のうちコネを作っておくのも良い事だと思ったからだ)
■リムリア > どうやら脈ありらしい。
中堅冒険者が付いてくれるというのは、初心者にとってはありがたい話。
他所では冒険者の養成学校というのがあったりもするようだけれど、基本は自己責任。
冒険のノウハウも、採取のイロハも、全部が全部、実地での体験学習なのだから。
そういうことを教えてくれる人がいるというのは幸運なことで。
特に面倒見の良さそうな彼なら、その辺りの心配はせずとも信用ができるだろう。
「引き受けてくださって、ありがとうございます。
けど、私まだその子が女の子だって言ってませんよ?」
ぺこりと丁寧に頭を下げてから、けれど[彼女]と決めつけている相手に、揶揄うように笑って見せる。
それは、まぁ、心優しいだなんて評価に対する照れ隠しもあったりするのだけれど。
「それじゃあ、ちょっと引継ぎしてきますから、少し待っててください。」
そう相手に告げて、カウンターの奥へと引っ込んだ。
少女に代わって、別の受付嬢が姿を見せる。そうして次の冒険者の相手をし始めて暫く経ったころ。
カウンターの奥からではなく、脇の扉から出てきた少女が「お待たせしました」と声を掛ける。
その出で立ちは、先ほどまでのギルドの制服姿ではなく。
動きやすそうなシャツと丈の短いスカートに、ローブ代わりのマントといった冒険者のそれ。
手には杖ではなく、代わりに腰に短剣を差しているあたり、純粋な魔術師というわけではないのだろう。
「それじゃあ、よろしくお願いしますね、先輩!」
にっこり笑って、男の背を押して。
代わってくれた受付嬢に手を振ってギルドを後にする。
それからどんな冒険があったかは、また別の話で―――
■イディオ > ―――――む。
(揶揄の言葉に、男は小さく苦い笑いを零してしまう、確かに『彼女』と言ってしまったのは、願望も混じっていたのかもしれない。
前に他の冒険者たちとの話で、小耳にはさんだのを覚えていたからかもしれない。
頭を下げて言葉を放った彼女に対して、やらかしたかもと、男は頭をぼりぼりと掻くのであった。
それと同時に一つ思う事が有るのだ、あ、これ、他の冒険者たちに目の敵にされるんじゃないか?と、
彼女は看板娘であり、色々な冒険者が彼女と仲良く成ろうとしているのは有名な話であり。
周囲の視線が冷たく思う、特に男冒険者の。)
ああ。判った、とは言っても急がなくてもいいさ、準備は、一番大事だから。
(冒険の成功には、準備は大切なのだ、その依頼に必要な物は何かの取捨選択が有るから、彼女は色々な冒険者を贈りながら実感しているはずだとは思うのだけれども。それでも大事な事だから、彼女と同じように伝えて見せるのだ
そして、男も脇にずれて、彼女を待つことにすると、冒険者の格好をした彼女を眺めるのだ。)
リムリア、俺の方も、よろしく頼む。治癒の魔法はとても心強いからな―――。
(彼女に背を押されて、そのままギルドを出ていく男、彼女と共に、薬草採取に出て冒険が、始まるのだ―――)
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からリムリアさんが去りました。
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