2020/01/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」にフィルさんが現れました。
■フィル > 日が降り注ぐ時間もすっかりと肌寒くなり、夜も更ければ肌を撫でていく夜風は背筋を震わせていく。
そんな寒さが本格的に訪れていれば、深夜に大通りだとしても行き交う人々は少なく。
また、たまに酒場などが並ぶ通りへと歩を進めていく人の服装は、厚着であることが多いのが伺えるだろう。
主だった通りでさえ人通りが大分少ないのである。
地区の大通りから外れた道の先、少し奥まった場所にある区画など、足音がしっかりと響いてしまうほどに島刷り返っているのは、仕方がないかもしれない。
其処まで静まり返った道の先に、店内から僅かに灯りを零している雑貨屋は、その静けさに合わせるかのように静まり返り。
店内でうごめく人影である少年の姿は、目を凝らさないとしっかりと確認できないかもしれない。
もっとも、店内の様子が伺いにくいのは、何時もに比べれば灯りが弱弱しいということも、あるのだが。
「明るいときに…見てもらわないとやっぱりダメそうかも…」
天井につりさげられたランプへと、椅子を踏み台にして手を伸ばし。
色々と弄りながらそんなことをポツリと零していく。
手を上に伸ばし続けていたから疲れてきたのだろう。
その言葉に合わせて手を引き戻せば、軽く何度かプラプラとひざ下まで下げきってから何度か揺らしていくようである。
臨時用の燃料ランプもあったようだが、暫く使っていなかったせいか灯りが上手く灯らず。
今使っている、魔石由来のランプの不調を直そうとしたようだが、少年では知識も技術も不足していたようであり。
結局直せずじまいで、一端手を引くことになったようである。
「とりあえずもう少し…店番したら帰る時間だし。
今日はこのままにするしかないかな…」
お店の棚に並ぶ照明器具は、あくまで商品であり勝手に使うのはためらわれるものである。
少々薄暗く、元々人気のない場所に立っている雑貨屋は、どこか空き家と勘違いされそうな雰囲気もあり。
下手をすれば季節外れの、お化け屋敷の様にも見えてしまうかもしれない。
もっとも、少年は人を脅かすつもりもないわけであり。
外では深く被っていることも多いフードを被ることはなく。
踏み台にしていた椅子を店の隅へと運んでかたずければ、カウンターの椅子に改めて腰を下ろし。
薄暗い店内を何をするでもなく、視線をぼーっと漂わせていくようであるが。
■フィル > 「っとと…そろそろ戸締り終えないと…」
ただでさえ眠気の襲ってくる深夜である。
店内の灯りがいつも以上に弱く、店内も薄暗い状態で静かにしていれば、いつも以上に眠気は忍び寄ってくるのだ。
僅かに舟をこぎかけていた少年は、軽く頭を揺らしてから、溢れる欠伸を軽く手で隠すようにして零し。
帰り支度とばかりに、フードを何時ものように目深にかぶりなおせば、店内の奥へと歩いていく。
表情を隠す、というよりは夜風の寒さから顔を守るために、目深にかぶった意味合いが強いのだろう。
やがて、裏口のドアの施錠を確かめなおせば店内へとその姿を再びみせ。
そのまま窓へも手を掛けゆらし、微動だにしないのを確認すればその足は、出入り口へと向かっていくことになり。
「まだ…持ち帰りの御飯、あのお店売ってるかな…」
既に明け方も近く、もうしばらくすればうっすらと空も明るくなり始めるかもしれない。
少し空腹を告げるお腹に少年は気付けば、そんなことを誰に言うでもなくぽつりと零し。
出入り口を開ければ、吹きこむ夜風の冷たさに、まとわりついていた眠気はすっかりと拭われることになったようだ。
掛け看板を裏返し、鍵を掛けた扉を何度か揺らして施錠を再び確認すれば、眠気眼といった様子は既になく。
しっかりとした足取りで、静まり返った道に靴の乾いた音を響かせながら、そのまま帰路へとついていったか―
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」からフィルさんが去りました。