2020/01/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 冒険者ギルド」にラファルさんが現れました。
ラファル > マグメールの冒険者ギルド、名前は良く知らないけれど、其れなりに盛況な所である。そんな所に、きぃ、と扉を開いて一人の幼女が入ってくるのだ。
 その恰好は、真冬だというのに、半裸と言って良いだろう、まな板上の胸の所、先端を申し分程度に隠すベルト、ズボンは、ホットパンツ。
 背中には、その体を半分以上隠すような、茶色のバックパック、その下には赤い柄拵の東洋の短刀を佩いていた。
 まず、冬にするような恰好ではないのだけれども、その幼女は気にした様子は無く、にぱーっと、元気な笑顔を作り上げていた。

「ただいまー!!」

 冒険者たちに、元気に挨拶する少女は、別にこのギルドに住み着いている訳ではないが、その程度には此処に出入りしているという事である。
 強面の冒険者や、女性の冒険者など、様々な顔見知りに軽く挨拶を振りまきながら、幼女はとことこと、受付へ歩いていく。
 受付のお姉さんたちも、にこやかに対応してくれるので、ちょっと小走りで近づいていくのだ。

「あい、これ。依頼のゴブリン退治、終わったよ!」

 快活な少女は、あはっ、と笑いながら、バックパックからゴブリン退治の証拠と言えるゴブリンの耳だの武器だのと、依頼人の完了を確認した手紙をポン、と受付に渡す。
 受付の女性も、嬉しそうにそれをしまい込んで、報酬の袋をくれるのだ。

「いえー!」

 そして。

 少女は、キラキラ輝く竜眼で、ある一点を見る。
 それは、冒険者ギルドの食堂―――つまり、酒場である。

「おっちゃーん!お酒!くれ!」

 たった今貰った報酬の袋をどんと、置いて、幼女はお酒の注文をする。
 何とこのギルドでは、これは日常なのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 冒険者ギルド」にアルファさんが現れました。
アルファ > カラリ、とカウベルの音を響かせて扉を開いても誰も気づかぬほどかしがましい冒険者ギルド。
年明けで普段より賑わい種族様々に賑わうその場を膝上まである黒外套を揺らめかせて歩んでいく。
闇凝らせたかの異様を纏っても、ファーから覗く顔は微笑を浮かべ、笑みを交えて報酬の手続きを遂げる。
外は外套を纏わねば歩けぬ寒い夜なのに、暖かささえ感じる陽気な雰囲気に当てられた半妖は、すぐに帰宅に至らずに酒場にまで潜り込む。

「ふむ」

深夜とは思えぬ盛況っぷり。座る席はどこかと、右から左へ廻る薄紅の双眸は、酒場には似つかわしくない小柄な背筋を捉える。
普段ならば素通りする所、でも記憶のどこかに引っかかる――ゆるり、と歩み横から覗けば既知なる人だ。

「あけましておめでとうラファル。隣いいかな?」

さて相手は覚えているかわからねど、白い肌に屈託ない笑み張り付かせて柔らかく尋ねかけた。

ラファル > 「???」

 新しく入ってきた人の気配、お酒を樽で受け取って、わくわくとしていた所、声を掛けられた。
 誰だろうと思って視線を向けたときに居たのは―――。

「?????」

 検索中、検索中、検索中、検索中、検索竜。
 HIT。
 該当者一名、たしか。

「ある、有る……アルチュウ!」

 なんか変な単語が出てきました、確かドラゴン急便のお仕事の時についてきた冒険者だったはず。
 匂いは覚えてる、顔はなんとなく。名前は――――たった今放った状態でした。

「ん、いいよー。
 なんかおめでたいことあったの?」

 隣を問いかける前のあいさつに、幼女は首をコトンとかしげて見せた。

アルファ > 語りかけても全く応答がないのに苦々しく眉を下げ。

「ああ、覚えてないならいいさ。どこかで縁のあった冒険者とだけ覚えておけば。
 ちなみにアル中なんてこの酒場で言ったら周りから怒られるぞ。」

そう呟きながら同席の許可を得た隣の席に、外套を脱いで左腕に抱えながら座り込む。
顔なじみのマスターに指2つを立てて酒を注文し、横顔を向けながら瞳だけは横に流して答える。

「東方での挨拶さ。無事お互いに新年を迎えておめでとう、という意味だ。
 ……去年はラファルにお世話になったし、酒でも奢ろうかな。」

ラファル > 「キミの匂いと、顔は覚えてるよ?名前が思い出せなかったの。
 だいじょぶだよ、ボクたち、皆、アル中みたいなもんだしねー?」

 周囲の冒険者から、一緒にするんじゃねえぞよーじょ!とか、愉し気な突込みが周囲から流れ込んでくるので、幼女はあかんべーをして、返答して見せる。
 げらげら笑いながら自分たちの酒の宴に戻る冒険者たち、幼女も樽の侭、口を開けてがぶがぶ、と飲み始めて。

「ふーん?
 あけましておめでとー。で、いいのかな?
 でも、ボク、なんかしたっけ?

 配達の時、荷物持ってくれてたから、お世話になったっていうなら、ボクの方じゃないかな?」

 とか、言っても幼女、お酒は嬉しいのか、わくわく、わくわく、と金色の目をキラキラさせて彼を見るのだ。

アルファ > 背後から掛けられる野次に悪態で返す様に背凭れに右腕を預けながら口笛を吹いて。

「――へぇ、大分仲が良いみたいだねえ。
 そして酒も大分強いと見た。」

奢るまでもなく小柄に似合わぬ樽のみをするのに驚いたような、面白いような。
目を瞠っては細める動きをして――注文した朱塗りの大きな器が2つテーブルに置かれる。
その1つを相手の前に寄せてやり。

「そう。そんな感じ。まぁこの国の人は慣れてないみたいだから別にいいけれどな。
 んー、その荷物持ちの後に色々と世話になったよ。」

好奇心旺盛に輝く金色を静かに見ながら語り。視線は移ろう。
色あせた木製のテーブルに、取ってがくすんだ杯たちとは一線を隠す雅な器、その中の鑑のように澄んだ酒。
水面に移る自分の朱瞳を映しながら。

「ウワバミの君じゃ物足りないかもしれないが、正月しか飲めない甘い酒だ。
 よければどうぞ。」

瞳より幾許か色薄い朱唇に器をつけて、こくこく、と美味そうに屠蘇を啜る。