2019/12/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区の大通り」にフィルさんが現れました。
フィル > 大分夜も更けはじめた、平民地区の大通り。
吹き抜ける夜風は薄着では肌寒いというのに、行き交う人々は多く。夜には夜の、活気を感じさせるものである。
特に酒場や宿屋などが並ぶ地区へと、続く道へと向かう道からは、時折喧騒すら聞こえてくる事もあり。
まだまだ夜の賑わいは寒さに負けることも無く、通りを行き交う人々にこれからとすら感じさせるかもしれないだろう。

「是非一度、寄ってみませんか?
品ぞろえは中々ですよー」

そんな人の行き交う道の端で、今宵はフードを被ることはなく。
ローブだけをしっかりと着込んだ姿で少年は、道行く人に声を掛けているようである。
少し興味を示してくれた人には、チラシを差出し。
受け取ってくれたのなら、軽く働いている雑貨屋の宣伝をしているようであるが。
特に安売りもしているわけでもなく、地区の外れと言っていい場所にある雑貨屋なのだ。
店主直々の魔道具の取引をするための、そういう一面を知っているお客以外は、余り足を運んでくることはなく。
少年が宣伝しているのは、ただの雑貨屋としての部分であるため、チラシを受け取る以上の興味を向けてくる人は、中々いないようである。

「やっぱり…もっと人目をひく姿の方がいいのかな…。
この間みたいに…」

田舎風のワンピースを着ている、女性の姿で宣伝をしたことがあれば、少年は一つそんなことをポツリと零していく。
もう一つの姿である、他国風衣装の狐少女も思い浮かべるが、暴走したらことがことなので、首を揺すって浮かんだ案を少年は自らなし、と判断したようである。
少し冷えた手を温める様に、顔の前で手を擦り合わせ、息を吹きかけていくが。
また少し気温が下がってきたのだろう。
温めたようと吹きかけた息は白く曇り。その内夜空へと霧散するように消えていく。
そんな様子を何気なく視線で追いながら、改めて道行く人に宣伝していこうとビラを配り始めていこうとしていくが。

フィル > 「ふぅ…試供品でも何か…持ってきた方が良かったかな」

興味を示してチラシを持っていくことはおろか、足を止める人も少なく。
流石に人通りも減り始めたのだから、やはりたかが宣伝されど宣伝と、手強さを感じるものである。
手が空けば、他の方法などがないか、色々と思案は巡ってしまうようであるが。
そもそもそこまでの権限は少年にはないのだ。
この場所も、お店が休日なのか閉まっているから邪魔にならないと、こっそり使わせてもらっているわけであり。
閉じているお店の関係者に、どいてほしいと言われれば、直ぐにでも別の場所を探して移動しなければならない、といった現状でもある。

「それにしても…冷えますね…」

本来の姿になっても、多少薄着では寒さが身に染みてきそうなほどの冷え込みである。
夜が深まるにつれて、まだまだ寒さは増しているようにも感じられ。
暖かい食べ物か飲み物の一つでも、このまま宣伝を続けるのならお供にしたくなるのは仕方がないかもしれない。
また一つ、手に息を吐きかける様にして擦り合わせ。
特に冷え込んでくる指先等を温めるようにしては、視線を辺りへと少年は動かしていき。
暖かそうな飲み物が少し離れた場所でうってるのに気付いてしまったりすれば、思わず視線を留めてしまったりもしているようだが。
まだしばらく頑張るように気を取り直しては、たまに通る人へと声を掛ける様にしていくようであるが。

フィル > そしてしばらく続けていれば、行き交う人々は殆ど疎らになっていくのである。
耳を澄ませば夜風に乗って、酒場などが並ぶ通りから喧騒はまだ聞こえてくるものの、お店に腰を据えた人たち以外は殆ど帰路へと着いてしまったのだろう。
流石に静まりかえれば、大声を出さずとも辺りへと声は響くものの、当然反応する人もないわけであり。
そろそろ撤収の頃合い、とばかりに少年は残ったチラシを纏め始めていく。
流石にポーチに畳んで入りきるほどには、履けなかったようであり。
そのまま片手に持って、家路につくことになりそうであるが。

「何か…折角だから、暖かいものでも…」

かじかんだ指先は軽く温める程度では、すでに体温が戻りきらないようである。
温かい料理に暖かい飲み物、耳だけでなく。鼻も利かせれば漂ってくる料理の香りに、空腹を軽く刺激されたようであり。
余り奥まった酒場などではなく、表通りに面した夜遅くまでやっている食事処をめざし。
帰り支度を終えた少年は、ゆっくりと帰路へとついて行くことにしたようである。
丁度いいお店が見つかれば、しっかりと暖まってから帰っていったか―

ご案内:「王都マグメール 平民地区の大通り」からフィルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシムニさんが現れました。
シムニ > 人気も少ない公園のベンチに、一人腰かける緑の髪の少女。
制服姿から、王都の魔法学校の生徒だとわかる。
この寒い中、わざわざ外で読書に耽っている。
というのも、少し火照った体を冷ましたかったからだ。
今日の講義は、淫魔や、彼等が使う誘惑魔法についてだった。
知識としては必要なのだろうが、まだ幼気な彼女には少し刺激が強かった。