2019/11/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 冒険者ギルド」に竜胆さんが現れました。
■竜胆 > 平民地区の冒険者ギルド、其処には様々な冒険者が居て、様々な依頼をこなしていると言う場所。
丁度、その冒険者ギルドの扉を開き、一つの影が入る。
ギルドの中に入ってきたのは、オープンバックのドレスを身に纏った少女で、その背中には竜の翼が自己主張をしている。視線を逸らせば、足元には、竜の尻尾も見える事であろう。
お嬢様然とした物腰ではあるが、それは、気の強い面倒くさいタイプだという事は見て取れるだろう。
待機している冒険者などを、気にした様子もなく、受付の方に一歩、二歩近づいたところで足を止める。
改めてと言う感じで少女は周囲を見回すのである。
「――――」
口の中で零れるのは、落胆のため息と言葉だが、其れは音としては漏れることはないのだろう。
目的の冒険者が居ないのはまあいい、問題は、そのあとである。
受付の人が何か御用ですか、と問いかけるも、手で制し、少女は腕を自分の顎に持って行き思考に耽ることにする。
此処で、依頼をするべきか。
それとも、依頼をしないでおくべきか。
家に戻れば、腕のいい冒険者はいるが――あいにく何時でも捕まるわけではない。
少女は、静かに冒険者たちの品定めをしつつ思考を這わせる。
■竜胆 > 「―――。」
まず、なぜ依頼をするか、に関しては……あまり家族に知られたくはないというのが有る。
別に自分の趣味などには否定的ではない物の、だからと言って、おおっぴらにしたいわけではない。
魔術と言うものは秘匿してこそのものであるから、ある程度のモノ、一般的に広まっている物程度であれば良いのだけれども。
自分の研究を晒したくはないのである。
何もわからない儘に広まるのが一番恐ろしいし、自分がどの程度だと判断されるのも好みではないから。
それに、母と姉が一番関係しているが第二師団―――通称魔法師団と呼ばれる所の次席と懇意なのである。
考えてみれば、家族ぐるみの付き合いみたいな気もするのだが。
そんな、魔術の権威みたいな存在に知られるのは、とても、歯痒い。
そもそもの、経験値が違うのだが……それは其れとして、だ。
母や姉から漏れることも多かろう。
それを考えるとやはり、冒険者を雇った方が効率がいい気もする。
「――どうしたものかしら、ね。」
とは言え、此処に今いる冒険者に、依頼を任せられるかと思うと。
其れも、首を傾げざるを得ない実力にしか見えないのだ。
■竜胆 > 「……ふむ。」
少女は考えた。取りあえずまずは依頼を張り出してしまおう、と。
仮にもギルドを名乗るのだから、依頼の難易度に合った冒険者を派遣してくれるはずだ、と。
そして、その時に考えればいい事よね、と。
そう考える事にして受付の方に移動する。
衣擦れの音のしない、滑るような動きで少女は受付の前に。
「依頼を一つしたいのだけれども。」
そういいながら依頼の内容を書き込んだ巻物を取り出して受付に。
依頼の内容は単純で。
・探索の依頼で、無名遺跡から魔導書の発掘。
魔導書の質としては、上級魔導書以上を希望。
上級魔導書の判断材料としては、魔導書自体が魔力を持ち、結界を作り上げている物。
魔導書の質により、報酬額に加算。
最低金額5000G
と言う内容のモノを張り出して欲しいと。
しかし。値段としては、もう少し増やすべきだろうか。
依頼と言うものをあまりしたことの無い少女は、書面を眺める受付を見ながら、思い悩む。
■竜胆 > 依頼は受理されたようで、少女は基本依頼料の5000Gを受付に渡すことにする。
これで、依頼が完遂した冒険者が来たのならば、依頼終了を伝えるための木片、これは裏に期限の日付も書き込まれているようだ。
なるほど、と小さく呟いて少女はその木片をしまい込むことにする。
「さて、と。」
あとは、ギルドからの連絡を待てばいいのだろう少女は視線を外した。
其れなら、今はやることがないわね、とその場から離れることにする。
ギルドから出て、どこかで食事でもしようかしら、なんて考えても見るのだ。
「道すがら、考える事にしましょうか。」
そんな風に呟きながら、少女はその場から去っていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 冒険者ギルド」から竜胆さんが去りました。