2019/09/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」にフィルさんが現れました。
■フィル > 時折吹き抜ける夜風は涼しさを含み、人気の減り始めた街中の昼間の暑さを拭い去るっていく。
最近は大分涼しい日も増えたようであるが、まだまだ日中は日の射し方によっては暑い日もちらほらと散見されており。
涼しい夜風が吹く夜更けは、大分夜歩きには丁度いい気候と言えるだろうか。
酒場や宿屋の並ぶ地区の賑わいは相変わらず、夜が更けてからが本番といった喧騒を響かせ。
何時もなら大分人気のなくなる時間であっても、大通りには涼しい夜風に誘われてか、まだ人影が多少行き交うのが窺えるのである。
そんないつもより人気の多い夜更けとはいえ、少し外れの道へと進んでいけば、相変わらず人気を感じることの方が珍しく。
吹き抜けていく風が大きく響くほどに静まり返った路地の先にある雑貨屋も、あ相変わらず静まり返っており。
灯り零れる店内に窺える人影は、少年一人が時折動いているくらいである。
「やっぱり…軽い宣伝位じゃ、駄目だったかな」
配達も余りなく、店内をもぬけの殻にするわけにもいかず、店内に少年はとどまっているようである。
店番の合間に棚の整理や、品物の確認。軽い掃除まである程度しっかりと済ませきってしまったようであり。
あとはただ、店内のカウンター裏の椅子に腰を下ろして店番くらいしかすることがなくなってしまい、少々暇を持て余してしまったのだ。
軽くお店の宣伝を通りで日中にしたりとしたようであるが、あまり効果はなく。
魔道具等を色々と扱っていると、おおっぴらに宣伝できるわけでもなければ、大した特徴もない雑貨屋。
そんな部分しか宣伝できないのだから仕方ないと言えるかもしれないが。
「やっぱり…目を引くような売り子さんとか…」
女性に化けて、用意してもらった以前の女性服を着た姿を思い浮かべてみるが。
余りその姿で堂々というのも、ぱっとせず。
何より気恥ずかしさが勝ってしまうようであり。
そんな想像を浮かべては顔を揺すって、いい方法は他にないかと、少年はまた思案を巡らせていく。
外は相変わらず夜風に掛け看板が揺られては、むなしく音を響かせるくらいしか音が聞こえることはなく。
どこか思案に耽ってしまえば少年は、ぼーっとしてしまっているようにも見えるかもしれないが。
■フィル > 元々が店主への持ち込みが大部分の売り上げを占めているお店なのである。
雑貨屋であるというのは間違いではないとはいえ、其方としての面はオマケの部分も多いわけであり。
雑貨をメインに売るのであれば、こんな人気の少ない奥まった通りに店を構える必要はないのだから、仕方はないかもしれず。
雑貨屋としての売り上げを伸ばそうと気にし過ぎる必要は、少年には本来ないと言えばそれも間違いではないのだろう。
それでも、カウンターの椅子の背もたれに背を預けたり。はたまた、カウンターに軽く頬杖をつくようにしたりと姿勢を時折変え。
少年は静まり返った店内で、しばらくの間思案に耽り続けていくわけであるが。
「夜遅く…明け方くらいまで開いてる時がある、とかくらいかな…」
そんな風に思案を続けて、思いつくままにポツリと零れた答えがそれである。
少年が自らの手で魔道具等を手に入れてきて、店頭に並べるようになったりすればまた別かもしれないが。
今の実力で遺跡などに潜れるかといえば微妙であり、商談的なやり取りでといっても、また同じだろう。
何かいいものや、いい案はないかといった様子で、開店の掛け看板は店の入り口につるしたまま。
少年はカウンターの机の引き出しをあけたり、背後の棚を開けて、一度しまった書類などへと軽く目を通したりとしていくが。
■フィル > 暫くの間カタコトと、棚を引き出しては書類をめくり。しまい込んではまた次へと少年は繰り返していく。
それでも、やはり大していい考えがひらめくことも無く。何かしらの切欠になるような書類なども、無かったようである。
一つため息半分の吐息を零し、ちゃんと少年は不備の内容に引き出しをしまい直した上で、再度一つ一つチェックをしていき。
やがてそれも終われば、少し脱力したように椅子の背もたれに背中を預けて一休みといった様子を見せていくが。
いつの間にか夜明けが違い時間まで、そうして過ごしてしまったことに気付いたようであり。
少し慌てた様子で少年は椅子から立ち上がっていく様子を見せていく。
「もうこんな時間…!?
今日は…ご飯買って帰らないと…」
夜食を買っているわけでもなければ、当然朝御飯に出来るような物も買っていないのだろう。
幾ら明け方までやっている酒場などはあるとはいえ、流石にその時間となれば、必ず開いているとも限らないのである。
少し慌てたまま少年は、窓や裏口の戸締りを確かめに、お店の中を早足で右往左往していくことになり。
漸く、帰り支度が整った様子を見せれば、ローブを羽織りなおしながらも、フードを目深には被ることはなく。
出入り口を開ければ吹き込んでいく涼しい夜風に一つ眠気を少年は吹き飛ばされたようであり。
ドアの鍵を再確認するように、扉を何度か引っ張る様にして揺らしていき。
施錠の確認が出来たところで、足早に買い物と合わせて帰路へとついていったか―
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」からフィルさんが去りました。