2019/08/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にゼナさんが現れました。
■ゼナ > 雄大な山脈の如き入道雲を聳え立たせる青空が、未だ衰えぬ残暑の陽光を降り注がせる昼過ぎの商店街。所々に植えられた立木から響くのは、セミ達のやけくそじみた大合唱。秋が間近に迫っているとは思えぬ熱気は、石畳から立ち上る陽炎にて市場の風景を揺らめかせる。そんな露店市の片隅、異国の珍しい食材を並べた露店の主と南国果実を抱えた娘が熾烈な値段交渉を行っていた。
「もうちょっと、後少しだけお安くなりませんかっ? わたし、これがすっごく好きなんですけど、今はお金がこれだけしかなくって……」
『いやぁ、そう言われてもねぇ……。こいつぁ南方のかなり遠い街から持ってきたもんだから、どうしたって高くつくんだ。この値段でも十分に売れてるわけだし、むしろ安くしすぎたんじゃねぇかって後悔してるくらいでなぁ……』
苦笑いを浮かべた店主の視線が何かに吸い寄せられる様に動いたのは、交渉相手たる娘の胸元、たわわに実った肉果実が身を乗り出す所作に合わせてぷるんっと揺れたせいだろう。
■ゼナ > 白地に赤とピンクの花弁を散らすトロピカルな色彩の上衣は、首の後ろで結んだ布地をたっぷりの重量感で張り詰めさせる乳房だけしか覆っていない。
それとて深々と胸の谷間を形成する豊かな丸みの大部分を露出させているし、ほんのりと腹筋の凹凸を浮かばせるヘソ周りなど完全に剥き出しである。
きゅっと括れた腰下を覆うのも、ぱつんぱつんの布地がお尻の丸みに下着の線を浮き上がらせるホットパンツ。
程よく日に焼けた小麦色の肌と、夏の日差しを反射する黄金の髪色の明るさは娼婦めいたいやらしさよりも健康美をこそ助長すれども、大胆な露出はやはり雄の本能を刺激するのだろう。
『―――まぁ、俺も鬼ってわけじゃあねぇし、嬢ちゃんのサービス次第では値引きに応じてやらんでもねぇんだが……』
「………? えぇ、と、それってどういう事でしょう…?」
豊満な乳肉にねっとりと舐め回すような視線を向ける中年店主の鼻の下を伸ばした笑みは、もう見るからにいやらしい事を考えていそうな表情。しかし、異性からのそうした視線に妙に疎い戦士娘はきょとんと小首を傾げるばかり。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 表向き貿易商として振舞っている人外は、概ね神出鬼没。
何か良い儲け話に繋がる情報はないかと歩き回るのだから、さもありなんといったところ。
自らの身で、商う物を宣伝するつもりらしく、北方帝国辺境の夏の装束に袖を通している。
それでも直射日光の下、野晒しにされているに近しい露天市は、聊か堪えるようで、額には汗が浮かんでいる。
早々に日陰へ避難しようか等と思案する最中、何処かで聞いた声を拾い上げ、何事かと足を伸ばしたのが少し前のこと。
「戯け、頭の中に甘々な果汁が詰まっておる訳でもあるまいに。
其処な店主は、お主の身体で差額分を賄えと言うておるのじゃぞ。
流石に好物といえども、伴侶ある身で、安売りするにはいくまい。」
ひょいっと脇あいから顔を覗かせた、異国情緒に満ちた子供。
初見たる店主は兎も角、女にとっては見知った顔。
だが、知っているなら知っているで、どの口で囀るのかと複雑な思いを抱かれても仕方はあるまい。
この童に見える人外は、目の前の天然娘にそれだけのことをしたのだから。
『まさか、子持ち?
あー…うー…俺にも娘がいるしなぁ。』
突如の闖入者に、店主の人差し指が女と童を交互に。
風体は全く異なるし、年齢も近過ぎるのだが、タイミングといい、馴れ馴れしい風情といい、親子なのか等と、突拍子もないことを口走った。
好色そうな面構えは一転、童の視線を受け何やら家庭を思い出したようで、期せずして、欲望に急ブレーキ。
「…店主の目玉が節穴極まりないが、差額は儂が払うてやろう。
これも、”駄賃”と思うて、受けるが良い。」
”駄賃”という言葉を強調し含みを持たせる。
言外に、謝礼が生ずるような”労役”を課すのだと告げるように。
あからさまな表現こそしていないが、何を求められるのか、女には心当たりがある筈で。
■ゼナ > 流石の店主も如何わしい要求をはっきりと口にする事は出来ないらしく、小首を傾げたまままるでピンと来ていなさそうなゼナに対して困り顔。そんな奇妙な膠着を破ったのは、女の子の様に可愛らしい声音の放つ妙に老獪な語調の台詞。
「――――ひぁあっ!? ほ、ほほほホウセン君っ!?」
いきなり脇から顔を覗かせた小躯に素っ頓狂な悲鳴を上げた戦士娘は、思わず飛び退く様に少年から距離をとってしまった。三角ブラに包まれた小麦の乳肉が動きに合わせてたゆゆんっと揺れ撓む。
しかし、そんなゼナとは裏腹に、若妻と知れた娘と少年という取り合わせに何某か思う所があったのだろう店主の雰囲気が変化する。そんな中年男を尻目に、少年が差額の支払いを手伝ってくれると言うのなら
「――――ふぇっ!? え、っと……ぁ、う……あ、ありがとう、ございます……」
見た目だけならゼナより7つも8つも年下と思しき少年からお金を借りるという情けない状況と、何よりも未だ色褪せる事なく脳裏に刻みつけられた雨の日の出来事が、この国ではほぼ見かける事の無い南国フルーツとの間で天秤を揺らすも――――結局はフルーツの方に傾いたらしい。
"駄賃"という言い方にものすごい引っかかりを覚えつつも、ほんのりと頬を染めたゼナは手を伸ばして少年から足りない分の貨幣を受け取り、少し青みを残した果物を一房購入する。
緩く湾曲させた棒状の実を黄色の皮で包んだそれは、南国にてバナナと呼ばれる甘い果物。少年の腕程もあろうかという立派な実が一房10本連なるそれは結構な重量を有しているだろうが、鼻先を近付けて甘やかな香りを楽しむ娘はなんとも軽々抱えている。
『毎度ありぃ』と声を掛けて他の客に向き直った店主を後に店から離れ、人気のない方向へと向かったのは、彼との会話を他者に聞きつけられるのはまずいと思うから。
■ホウセン > 如何に小童に見えようとも、商いで身を立てているどころか、商館の実質的オーナー。
気後れするらしい女を尻目に、袂から引っ張り出した小銭入れから十分な金額を手渡して。
清算は速やかに終わり、果物商の前から河岸を変え、露店市の脇道に入る小さな路地へ。
更に、右に折れ、左に折れを幾度か繰り返せば、未整理の区画ならではの死角の多い路地裏へ。
人が真正面を向いたまま擦れ違えるかどうかの幅しかない、三階建ての建物と建物の隙間に。
七、八メートルも進めば行き止まりとなる袋小路で、路地からは逆光となって中は見通し難かろう。
「先ほどから良い匂いをさせておると思うたら、バナナか。
確かに甘いくせに柑橘のような酸味も無く、不思議な食い物よな。
いや、お主のことじゃから、味や匂いではなく、その形に惹かれておると聞いても驚きはせぬが。」
見目ばかりは整った上品そうなお子様の口から転がり出たのは、先刻の店主も真っ青なセクハラトーク。
長くて、それなりに太くて、そして反り返っている。
何を連想するかは女次第だろうが、小さな人外のからかいの意図は伝わるだろう。
「さて、”駄賃”の先払いをしたのじゃが…忘れてはおらぬよな。
あの時のこと、己が身を買い戻さねば、何時か何処かの時点で露見するやもしれぬと。」
女冒険者の失態は、妖仙の手の中に。
只、其れを巷間に流布して満足するような趣味を持ち合わせぬ放蕩邪仙は、暫くの間の沈黙を申し出た。
その上で、女が”労役”を重ねる事によって、全てを水に流せるだけの価値を支払うことができたのなら、記憶からも記録からも抹消すると。
故に、果実の代金を支払ったのは、返済に充てる駄賃を、一部割いて現金化したことに他ならぬ。
確かに、こんな話、誰の耳に聞かれてはなるまい。
「して、今日は如何する。
予期せぬ事柄ではあったが、機会は機会。
返済をするなら付き合うが…」
あくまで、女に選択を委ねるかのように。
この暗がりの”奉仕”ならば、短時間で、実入りはそこそこ。
だが、更に河岸を変えて宿なり何なりにしけこむなら、それなりの時間は掛かろうが、報酬は大きくなる。
加えるなら、味わってはならぬ筈の”何か”をじっくりと堪能することにもなるだろう。
真っ当な貞操感を持ちながら、一度道を踏み外した女が、更なる泥沼に嵌ってしまうか否かの岐路だ。
■ゼナ > とりあえず人混みの喧騒から離れる事は出来てよかったのだけれど、ここからどうするのかについてはノープラン。とりあえず借りたお金を返したい。しかし、そのためにはトゥルネソル館に彼を連れていく事になる。少年そのもな外見故に知り合いの男の子として紹介すれば、例え最愛の恋人に見られたとて妙な疑いを持たれる事はないだろうけど、嘘の苦手なゼナは先日の淫行を思い出してきっと顔に出てしまう。
そして先程の『駄賃としてとっておけ』なんて言葉からすると、素直にお金を受け取ってそれじゃあまたね、なんて流れにはならない気がするのである。そんなわけでどうした物かと頭を悩ませていたゼナは
「――――えっ、ホウセン君、バナナの事知ってるんですかっ!? ふわぁ、物知りですねぇ。わたしでもこっちに来てからはじめて目にしたのに………って、ち、ちちち違いますっ! べ、別に形だけが好きなわけじゃないんですからっ!!」
言外に『形も好きです❤』と言ってしまっている事にも気付かず、しかも形に惹かれていると言われただけで何を想像したのかぼふんっと小麦の頬を真っ赤に染め上げ過剰なまでの反論を返す戦士娘。
「う゛…っ、た、たしかにホウセン君が言ってた事は、忘れてません、けど……」
ずぐん。と下腹が疼く。
彼は先日の出来事―――年端もいかぬ少年相手の不倫行為を黙っている代わりに、"労役"という名の如何わしい行為をもう幾度か繰り返す事を要求しているのである。
恋人の物ではない、幼い少年の、華奢な見た目にまるで見合わぬ逞しさを有する巨根にずこずこと雌孔をえぐられた肉悦がありありと蘇ってくる。
俯かせた顔が頬の赤みを強め、日頃は大の男達さえひるませる眼力の強い蒼瞳を不安げにそわそわと周囲に走らせた後、戦士娘は彼の問いに答えを返す。
「そ……それじゃあ、そこの奥で………へ、返済、します……」
先日までならば少年とどこぞの宿に移動する事に何の後ろめたさも感じなかっただろう戦士娘は、彼の雄性をはっきりと教え込まれてしまった今は自意識過剰となっている。彼を連れて宿の個室をとったりすれば、それを目にした人達はきっとゼナがこれから少年と如何わしい行為に耽るのだと気付いてしまうに違いないと思ってしまう。
それ故に、誰が通りかかるか分からぬとはいえ、少なくとも今は人の気配の感じられない路地裏の暗がりで、さっと払いの一端を終えてしまおうなんて浅はかな考えに至ったのである。
そうして彼の浴衣袖をちょいと摘んだ戦士娘は、路地の片隅に積み上げられた空箱が作る暗がりへと足を向けたのだった―――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からゼナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からホウセンさんが去りました。