2019/08/15 のログ
ジラ > またたく間に刃状に変化した爪を見て、うわ、と驚く。
そして差し出された切れ端を、(これ衛生的に大丈夫なのかな)(いや今更だな)と逡巡してから口に運んだ。

「違うよ……。
 わたしはジラ。ごく普通の人間だよ。」

相手の問いかけにはきっぱりと否定する。
バゲットを抱きしめるように腕を回す。

「普通の人間に……これ以上用はある?」

正体をはかりかねているといった視線はやはり変わらない。
ただ、訝しげな表情に、怯えが混じっているのが見て取れるだろう。
普通の人間ではないかもしれないが、戦闘力は普通の人間どころか
そのへんを歩いている子供にも負けてしまう程度しかないのだ。

アクラ > 「ふぅむ...なるほどなぁ、普通の...」

爪を眺め、腕を振るう
少女の抱くバゲットが切り裂かれ地面に転がる

「嘘をつく、つまりは私のことを甘く見てるのだな?
こいつは嘘をついたって分かるわけがない、と...」

広角があがり思わず口が大きくなる
並ぶ歯は人の物に混じって牙と呼べる様な物も見える

「舐めるなよ小娘、話せる内に話すのとバゲットみたいになるのと、どっちが良い?」

恐怖を与える
情報を聞き出す、その一点において自分が一番取りやすい方法
それに、もし何かあってもここならどんな対処もとれる

ジラ > 「ひっ」

振るわれる爪と威圧的に鳴る態度に小さな悲鳴が漏れ、その場に膝をつく。
小さなジラの身体はますます縮んで見えるだろう。
神経質に首輪をかちかちと指で引っ掛けて鳴らすが、特に何かが起きる気配はない。

「う、うそじゃない。少なくとも、魔族でも、魔物でもない……
 わ……わたしは何も知らない。知らないんだよ。何も……」

動転してうまく口が回らない。相手がどのようなことを知りたがっているのかもわからず、
要領の得ないことばかりになってしまう。
少なくとも歯向かう手段も意思も持ち合わせていないことは確かだった。

アクラ > 「...落ち着け。」

無理だろうけどな、とは思う
敢えてそう振る舞ったのだから仕方のないことだ
爪も元に戻し視線の高さを合わせる

「何も知らない、それは違う。
私が何を知りたいのか分からないのだろうが...そう難しい事じゃない。
おまえのことが知りたいだけ、ただそれだけだ。」

だから話を聞きたかった
本当にそれだけなのだと伝える
素直にそれを聞き届けるかは分からないのだが

ジラ > 「落ち着けるか!」

すぐさま脅威がふりかからないと知れば、
相変わらずへたり込んだまま悪態をつく。

「ハァ。まるでナンパみたいなこと言うんだね。
 ……わたしはただの『玩具』だよ。そう、魔族どものね。
 バフートなんかの見世物小屋にたまにいるやつさ。見たことないか?」

それで説明は充分だろうとばかりに吐き捨てる。

「君もどうせ魔族なんだろ。ここでわたしを『玩具』にしていくか……?」

逃げようとしないのは腰が抜けていることもあるし、
相手が本気でそうなら逃げようとすることになんの意味もないからだ。
怯えはまだ震える声に残っている。

アクラ > 「おぉ、切替えが早いな。」

思ったよりも肝が据わっている
腰が抜けてるのは演技ではないだろう

「ん?雌が雌をナンパ...あぁ、そう言えばそうか。
玩具、とは奴隷じゃないのか?」

バフート自体は知っているし行ったこともあるが、玩具と言うのは聞いたことがない
それが隠語だということにも気がつかない

「玩具にするとはなんだ?おまえと遊ぶのか?」

なのでそんなトンチンカンな事を言ってしまう

ジラ > 「奴隷みたいなもんだよ。大体合ってる」

ただの奴隷なら身体をぐちゃぐちゃに作り変えられたりはしない。
だから『玩具』――そこまで丁寧に説明する気はなかった。

「まあ、そうかな。わたしと――わたしで遊ぶような感じだよ。」

バカなだけでそう悪いやつではなさそうだなというのは察してきたが、
それでも面倒には変わらないのでとにかく早く興味を失って、どこかに行ってくれないかなあと思っている。
ので、へたりこんだままいい加減に受け答えした。
それが相手にどう受け取られるかは、あまり深く考えていない。

アクラ > 「そんな身分もあるのか、初めて知ったぞ。」

人間で遊ぶ、そんな経験はないのでどういう意味なのか悩む
思いつくのは子供が遊ぶ人形ぐらいで...

「おまえで遊ぶ...遊んでいいのか?
腕とか足を千切ったりもありなのか?」

目が先ほどまでとは違う意味で輝く
壊しても良いというのなら死なない限り摘まみ食い、なんて事も許されるのかもしれない

「良いなぁ玩具、人間は奴隷でも食べちゃだめだと聞いたがお前みたいな奴のことは知らなかったぞ。」

ジラ > 「千切……、だ、駄目だよそんなこと、しちゃあ……」

かけられる言葉に剣呑な単語がまじると、左手がスカートの上を押さえ、
右手が首輪を隠すように覆う。
呼吸がはっ、はっと短くなる。

「……そ、そういうの以外ならなんでもしていいから。
 なあ、何がしたい? なんだってしてあげるよ……」

再び恐怖に歯を鳴らし始める。

アクラ > 「なに、だめなのか?
おまえで遊ぶのに...」

食べられる、そう思ってからお預けを食らってしまうとそう簡単に諦めがつかない
目の前に餌をぶら下げられたような物なのだ

「何だって...じゃぁ指はどうだ?
腕全部は我慢するぞ?
それに...遊ぶってどうすればいいんだ?」

人で遊ぶなんて経験はない
何かないか...魔法の実験?とこれまた物騒なことを考えたり

ジラ > 「もっとあるだろ……。
 男と女のやるようなやつとかさ……いや、女と女だけど……」

ちぎられたり食べられたりするぐらいなら、そういった行為に励むほうがまだマシだとジラは思っている。
……わざわざ言わないが、そういう遊びはとっくに経験している。
交わることも千切られることも食べられることも。

相変わらず首輪とスカートを手でかばっている。触れられることを恐れているようだ。
どちらもどかすのは簡単な話だろう。
首輪からは、何か不思議な魔力を感じられるかもしれない……

アクラ > 「男と女?
もしかして...交尾か?」

男と女、奴隷
人で遊ぶ...そんな情報を頭の中で巡らせて考え出した答えを口にする
正解なら、好きでもない目の前の少女と交尾するのはどうなのかと悩んだり

「ところでその首輪、そんなに大事なのか?
奴隷は首輪を嫌がると思ってたんだが。」

どうにも妙な気配を感じる
魔力が込められているとは聞いたことがあるがそれだろうか、と

ジラ > 「…………」

直接的な表現を、無言で肯定する。
相手はそういう欲望はないのだろうか……とジラは焦る。
いや、冷静に考えればこんな身体にそういう欲を持たないのは普通の話かもしれない。

「大事じゃない。捨てたいぐらいだよ。
 ……と、とにかく、遊ぶのはなしにしよう。うん。それがいいよ。
 ひとで遊ぶのはよくない。」

無理やり食ってしまおうなどという素振りが相手にないので、
ジラは落ち着きを取り戻そうとしていた。
抜けた腰に喝を入れて起き上がろうと試みている。

アクラ > 「そう、だな...食べずにおまえで遊んでみることにしよう。」

立ち上がろうとする少女の手を取り立ち上がらせ、そのまま小脇に抱える

「奴隷の首輪なんて面白そうだしな、それがどういう仕組みなのか調べるぞ。」

そう言って帰路につく
何をしても良いならそれぐらいいいだろう、そんな考えで少女ごと持ち帰る
誘拐の現場にも見えるが聞き分けの悪い奴隷を捕まえたように周りは誤解してくれるかもしれない

ジラ > 「や、やめっ、ああああ~~~っ」

哀れにもろくな抵抗もできず、ジラはかどわかされてしまう。
無事に彼女の手から逃れることができるのか、それはわからない……

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からジラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアクラさんが去りました。