2019/07/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 魔導具が放つ冷気の力によって、過ごしやすく涼しい温度に保たれた店内。窓の外から見る日差しがうんざりするくらい強そうだけれど、ここにいる間は、上着がもう一枚あってもよかったと思えてくるほど。
老若男女さまざまなお客で賑わう店内の端の方。小さなテーブル席に腰かけながら、ほんのり青い色付けがされたガラスの器から、アイスクリームを掬って口に運ぶ。こちらもよく冷えているから、舌に触れたとたんに身震いが走り、肩をすくめる。んん、と喉を鳴らしながら目を細くして飲みこむと、また一段と身体が冷えてしまいそうだった。もうすこし空調の温度を高くしてくれてもいいと思うけれど、それを店員に言い出す勇気はない。

店内の賑わいと同様に、窓から見える大通りにもたくさんの人が歩いている。仕事が休みの人も多いのだろう。仲のよさそうなグループや、男女連れを、ぼんやりと眺めて、小さく溜息をこぼす。
自分もどこかに遊びにいこうと思って出てきたわけながら、食事をするお店や図書館、公園でのんびりする事、あとは温泉の足湯に浸かるくらいしか、外での遊び方を知らない。いつになっても遊ぶのが下手だから、いざ外出しても、ぶらりと散歩して終わる日が大半だった。

「どこ行こ…」

ぽつんと呟いて、またアイスクリームを口に運ぶ。散歩で時間をつぶそうにも、夏の日差しが厳しいせいで躊躇する。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にデロスさんが現れました。
デロス > 最近は気温も上昇し始め、猛暑とも呼べる日が訪れ始めていた。
デロスは旅籠の経営者であるため、室内で過ごすことが多い。あまり外の気温など関係ないといえばないのだが、今日は外に出てきていた。
店番は女性従業員に任せ、自身は気ままに王都内を散策するという休日を過ごすのである。
もちろん、単に散歩だけが目的ではない。その視線は年若い女を追うように向けられていた。

そうして王都内を散策しているところ、デロスは甘味処に足を向けた。
あまり甘いものが似合うような風貌ではないのだが、当人はそれを気にしてはいない。
冷たい飲料を店員に注文した後、ぐるりと店内を一瞥し、一人の少女を見つけるとそちらの方へと足を向ける。

「……いや、どうもお嬢さん。今日は暑いからかあまり席が空いていないようでしてね。相席になると店員に言われたもので、もしよろしければこちらの席を使っても?」

白いブラウスを纏った少女にデロスは声をかけた。ちょうど彼女はアイスクリームを食べているようであった。
相席を店員に頼まれたなどというのは嘘であるのだが、デロスは悪びれた様子もない。

ミンティ > 店内が肌寒いくらいの室温であっても、時間が経てば徐々にアイスクリームは溶けていく。テーブルに届けられたころよりも柔らかくなってしまった代わりに、冷たさもすこし控えめになったのは助かる。雫を滴らせて服を汚してしまったりしなければの話だけれど。
どこへ行くかはあとで考えようと、スプーンを慎重に動かす。口の中はミルクの甘さが染みわたりすぎていたから、一緒に頼んだ紅茶をときどき口に含んで。
そうやって甘味を楽しんでいると、一人の男性がこちらへやってくる。たしかに自分の方へ向けて歩いてくるから、知り合いだっただろうかと小首をかしげて考える。商人としてたくさんの人とあうけれど、見覚えのある顔ではないはず。

「えと…、こんにちは……?……え…?あ…、はい、そういう事でしたら…」

ほとんどのテーブルが埋まっている店内を見回して、なるほどと納得した。よくよく見てみれば空いている席もあったりするかもしれないけれど、そこまで観察して、誰かと目が合ってしまうのも気まずい。
店員から言われたという言葉を信じこみ、うかつにも頷いてしまった。
それからしばらくの間、見知らぬ男性と同席したままでの食事となる。人見知りな自分にとっては、なかなか気まずい時間となったかもしれない…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からデロスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にデロスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からデロスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 酒場」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > ふわんふわん、ぽわんぽわんとする。

彼女はあまりお酒は飲まない。
それは教義やらなにやらではなく、仕事中は飲まないというよくあるルール。
そして彼女の生活の8~9割は仕事であり、結果ほとんど飲まなくなっているだけ。
時々飲むことはある。

「ぅー………」

お酒の席に引っ張り出されることくらいは、まあ、仕方ないと思ってはいた。
冒険者ギルドにも、教会にも出資している貴族主催のパーティ。
学も無ければコネも無い、たたき上げの冒険者が出られるものではないが、闘技場でのちょっとした戦いが目に留まって引きずりだされたわけである。
まあ、シスターでありながら闘技場に出て暴れたのだから、いわゆる見世物だ。
それもまた覚悟していた。

ただ、お貴族の連中の何割かは、シスターとなればほぼ娼婦にしか見えていないのだろう。
尻は触られるわ、胸は触られるわ、部屋番号を告げられるわ、散々な目である。

大人な彼女はその場でぶちのめしたい気持ちをぐっとこらえて、堪えて。
ストレス解消のために、飲みなれないお酒を傾けているわけだ。

シスター・マルレーン > 「ぅー………」

テーブルに突っ伏しながら呻く。
酔いつぶれて朝まで寝ていましたということにしておけば、部屋に行かなかった言い訳にもなる。
行ってたまるかちくしょー。

金色の髪をさらりとテーブルから垂らして、真っ赤な顔。
白く細い体、というよりも、どちらかといえば健康的な身体。
まあ、白く細かったら冒険で死にますし。
彼女は見た目は普通のシスター。その実は冒険者兼任のシスターである。

いわゆる、教会の力を誇示する、存在感を高める広告塔。
使い捨てとまで言われる兼任冒険者ではあるが、なんやかんや彼女は長いこと生き残って、冒険者としてステップアップをしていた。


まあ、だからこそ。
ここ最近シスターやらが大量に生贄のように送られている中からは外れており。
毒牙をへし折って今の今までそれなりに冒険を続けているわけであるが。

シスター・マルレーン > 平民地区の夜の酒場。
割と人はいるのだけれど、それぞれがそれぞれのテーブルで騒いでいて。

シスターも端のテーブルに通されてはいるわけだけれど、彼女の恰好も特異であれば、一度は全員が見やるけれど、声はかけないという状況。
あと、空のグラスが並んでいて割とお酒が進んでいることも一目でわかるか。

「………もう絶対行かないしー………」

ぶつくさ。メンツを立てるために頼まれることも何度かあるが、全部ろくでもない目にしか遭っていない。
彼女の中での貴族やらのイメージは割と悪いのだ。
尻を揉まれた数だけ悪くなる。ぐぬぬ。

そんなに酒癖悪く暴れるようなことはしない彼女だが、どちらかといえば飲めば飲むほど凹んでいく性質。
酒場の隅だけ、なんか暗い。

シスター・マルレーン > 「次のお酒をお願いしまーす、お任せでいいのでー。」

やってきたマスターにそれだけ声をかけて。
言葉があやふやになることはないけれど、普段よりもふわふわとした。

んぅー、と情けない声を漏らしながら、テーブルに突っ伏す。
突っ伏せば、わりと豊かな方の胸をテーブルとの間で潰してクッションにしつつも、修道服のせいか、凝視しないとそこらへんは分からず。

「ありがとーございますー……」

やってきたお酒をまた傾ければ、更にぽわんぽわん。
うん、これならお誘いに乗れなかったのにも言い訳が立つだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 酒場」にレンチェフさんが現れました。
レンチェフ > 初めて足を踏み入れた酒場というのは視線を集める。
特にミレー族の特徴である耳も尻尾も隠さずに晒していれば猶更に。

店内を眺めるように歩き空いた席を探すが目にはつかず、仕方ないと相席を考えるもミレーと知れば露骨に嫌がるかそういう雰囲気を匂わせるものばかり。
この店は外れかと外へ出ようと身を翻すとふと視線の隅に一人でテーブルを使うシスターを見つける。

「邪魔するぞ。いいな?」

テーブルに並ぶ空のグラスにかなり飲んでいるのは判るが一声かけ、返事を貰う前に勝手に向かいの席に座っていく。

シスター・マルレーン > 「はい、どうぞー。」

ふぁ、と生欠伸をするような生臭シスター。
いや、普段は敬虔なんですよ、本当にそうなんですよ!!

「………ん、じゃあ片付けますね。」

人が使うとなれば、このままテーブルを傍若無人には使えないのは彼女の性。
よいしょ、と立ち上がれば、そこまでフラついていない足取りでグラスをカウンターに運ぶ。
気にしていないのか、元の席まで戻ってこれば、赤い顔でにへら、と笑って。

「お酒臭くてすいません。はい、大丈夫ですよ。」

ちゃんと布巾も持ってきてテーブルも拭く。
酔ってはいるが、悪酔いではなさそうだ。

レンチェフ > 「そこまで気を使う必要はないんだが…大丈夫か?」

椅子と少々の場所を借りれればよかったがわざわざと片付けてくるという彼女。
多少ふらついて見えるがしっかりとした足取りでグラスを運ぶ姿に声かける。

「酒場はそういう場所だ。しかし…シスターも酒を飲むのか」

テーブルまで拭くマメさにどうにも別の街で見るシスターと違うように見えてしまい。
赤い顔に酔ってはいるがしっかりとしている姿、酒を飲むことを意外そうに口にしてから店主にエールを注文する。

シスター・マルレーン > 「一人で使ってるところに誰か来たら、そりゃあまあ、遣わないわけにも。」

苦笑を浮かべながらその言葉に返しつつ、自分のグラス一つだけになればお酒をまた口まで運んで。

「……? ああ、まあ、普段は飲みませんよ。
 といっても、お酒を飲んではいけない、というわけではなく。
 お仕事中は飲んではいけない、というだけの話。
 そしてまあ、シスターというのはほとんどが仕事のようなものですからね。

 ですから、本当に時々。偶々ですよ。」

不思議そうに質問をされれば、ちゃんと丁寧に質問に答えて。
うんうん、と自分で納得するように頷いた上で。


「………本当に偶々ですよ?」

念を押す。

レンチェフ > 「普通はここまでしないと思うぞ。俺としては助かるがな」

大体はグラスが皿がそのままに座り、気を付けなければ関係のない支払いまで回される事は何度かあった。
しかし彼女のような相手を酒場で見たのは初めてなだけに驚きを隠せず。

「シスターは断酒だと思ってたが違うのか。
仕事中に飲むのは論外だろう。
………なるほどな、そういう話を本業から聞くと納得できるな」

意外と出会う事の少ないシスターの実情を丁寧に返されると何度もうなずき。
目の前の彼女まで頷いているのは何故だろうか。

「わかっている。そんなときもあるのは当然だ」

注文のエールが届くと口を付けて判っていると頷き。
それよりも飲めと視線でグラスを見ていく。

シスター・マルレーン > 「そういう方もいますが……。
 ああ、私は冒険者と兼業させてもらっているんです。
 そのためには、なんやかんや酒場に出向くことも多くてですね、そこら辺は大目に見るとは言われていますよ。
 ……そうですよねー、論外ですよねー。」

ふふふ、と笑って遠い目をする。
飲んでいる人は何人見てきたか分からない。腐った部分をどれだけ見てきたか分からない。
論外とあっさり口にできるのだから、きっと真っ当な仕事を真っ当にされてきたのだろう。

「ええ、分かってもらえればいいんです。
 こう、組織に属している以上、悪い噂が立つといろいろと大変なんですよ。

 やれお酒を飲んで暴れたとか、そういう話になると否定するのも大変でして。」

んー、と渋い顔をしながら酒を飲む。
ことん、とグラスを置けば、はあ、と吐息を一つついて。

レンチェフ > 「冒険者をやっているなら猶更だ、寧ろシスターをしているからだろ。
兼業だとそういうものか……案外緩いものだな。
飲むなとは言わんが……俺はどうかと思う」

笑っているのに遠い目をしている彼女。
ミレーである己は腐った部分ばかり見ることも多いが、その目が同じものを見ているように見え。
その言葉に彼女はこの国では珍しい真っ当な人間なのだろうと。

「誰でも酒は飲む、悪いとは言わん。
組織にか……俺にはわからん話だが……そこまで酔ってそうはならんのか?
……経験でもあるのか?」

渋い顔に経験があるのかとつい問いかけてはエールを飲み干し。

「ストレスが溜まっていそうだな……愚痴程度なら聞くぞ?」

新しくエールを注文し、相席を許された恩もありそう告げてみる。

シスター・マルレーン > 「ええ、まあ。 世の中にはいろいろな人がいますから。
 それに、お酒を飲まないとマトモに続けていけないような仕事もありますし。」

苦笑を漏らして、そこは曖昧にぼかしておく。
己の主義主張、それを大きく口にして貫き通すには、この町は恐ろしすぎる。
保身に走っている自分を自嘲気味に笑いながら、目を伏せて。

「なりませんよ。
 自分がダメになる量くらいはちゃーんと把握していますし。
 それに、この町で前後不覚になるくらいに飲んだら、そのあとどうなるかわかったものじゃないですし。

 ……経験、っていうとどっちでしょうね?
 暴れた経験ならありませんよ、一度も。

 噂って意味なら何度も?
 私は冒険者でもありますから、この町に取っちゃ外部の人間でして。」

ぺろり、と舌を出して、しゃべり過ぎましたね、なんて笑う。
愚痴については、首をゆるやかに横に振って。

レンチェフ > 「それは俺には痛いほどわかるな、何しろこれだ。
失礼になるが冒険者はそういう仕事が多いぞ」

大きな仕事は受けれはしないが汚れ仕事は多い、そういうのはシスターにできるのかと疑問の目。
そして色々な人と言われればミレーの己には人間以上によくわかる。
隠していない頭の耳を軽く差してみせて。

「それなら安心だな。酔いつぶれてバカをやる奴は多いがあんたはそうじゃないならな。
あんたほどの美人なら俺は持ち帰るな。

暴れた方だ……ないなら噂は立たないだろう。
人間でもこの町はそういう扱いか……」

舌を出す姿、そして首江尾横に振る姿にそうかと頷き。
新しく届いたエールに口を付けて。

シスター・マルレーン > 「………ですから私も冒険者なんですよ。
 ああ、まあ、………そうですね、全ての依頼を等しく扱うことにしていますよ。
 人のためになる依頼は、断るなと言われていますし、断らぬようにしていますから。
 いろいろなことをしてきましたよ。」

優しく微笑む。
きっと様々な汚れ仕事をしてきたようには見えないだろうな、とは思うから、何も言わないことにする。
売人を捕まえに行ったら罠で薬を使われたとか、クソみたいな依頼は聳え立つくらいにはある。辛い。

「………ああ。まあ………そうですね。
 そういう組織はあるんですよ。 実際にやったことがないことがあるように話になったり。
 それで目障りな相手を蹴落とすとか。

 そういう政治的なこと、あんまり得意じゃないんで、噂が立つと大変なんですよー。

 ふふふ、美人ですかー。」

とほほー、と肩を落とす。
ついでに美人と言われて更に肩を落とす。尻を揉まれた記憶で瞳が濁る。

レンチェフ > 「そうだったな、悪い。
全てを等しくか……俺には真似できんな。
言いたくはないが怪しい仕事も多いぞ、よく無事だったな。俺の知り合いは売られたぞ…。
色々か……」

優しく微笑みを見せる彼女であるが全てをと聞けば汚れ仕事も多くと察する。
種族のせいで金にならないか汚れ仕事ばかりを回されるだけにそう言う事だけは察してしまい。
ミレー族にでも席を許す人のいい彼女、よく今まで無事だったなと感心してしまう。

「あるようなないような…か、捏造をされるという訳か。
それに関しては経験がありすぎるな。俺などよくあることだ。

政治的な事はさっぱりだ……シスターはそういう事にもかかわるのか。
あぁ、嘘はないが…どうした?」

己なりには褒めたつもりの言葉、それで肩が落ち。
しかも瞳が濁ったように見えれば思わずに問いかけてしまう。

シスター・マルレーン > 「大変ですよー? 開墾とか橋の修繕とか闘技場に出場とか。
 まあ、無事だとは言い難いですけど、お陰様で戦う術は学ぶことができましたから。」

穏やかに微笑む女。
だからこそ、しっかりと実力が伴っていることは分かるだろう。
まあ、誰それを殺せだの奴隷にして売り払えだの、そういう仕事は信念を持って断っているが。


「……? 実際にした経験が無いなら噂は立たないってご自分で言いませんでしたっけ。」

経験があり過ぎるのに、不思議な言動だな、とツッコミを入れておく。
先ほどと言っていることが違う気がする。


「……いいえ、大丈夫大丈夫、気にすることはありません。
 政治的なことにはかかわりたくはないんですけど、組織に属している以上、いろいろ大変なんですよ。
 あんまり愚痴にもできませんしね?」

どこで誰が聞いているやら、なんて笑いながら、ぺろ、と舌を出して笑う。

レンチェフ > 「開拓に橋の修繕は判るが……闘技場の出場?おかしな依頼だな。
ここでこうやって酒を飲めるなら無事という事だ。実地で覚えたという事か」

意外な依頼を聞いてはそんなものがあるのかと頭に刻み。
無事と言い難いとは言うがこうして戻り酒を飲めているならそれだけの実力を持っているのだと判り。

「俺はミレー族だ……それで仕事の成功を繰り返せばな」

仕事で虚偽の報告をして達成していないだの、実はその依頼自体が嘘だろうという噂をされたと。
この国は他人、特にミレー族には当たりがきついと吐き捨て。

「本当にそうならいいが……。
組織に属すればそういう問題があるわけか……あんたも本当に大変だな。
……確かにここじゃ愚痴れないか」

誰が何を聞いているか、自然を装い周囲を見回せば酔っ払いが大勢。
この中の一人二人でもそういう輩ならば新たな問題になると直ぐに察して、先ほど愚痴はと言ったことを謝罪するように頭を下げる。

シスター・マルレーン > 「最低限はしっかり叩き込まれてからですけれど。
 まあ、ある程度は実地ですかね。

 ……まー、おかしな仕事も多いんですよ。 腕が折れてても戦わないならやれますよねとか、私だって人間ですよ?」

はははー、と、遠い目で笑った。


「あ、そうではないんですけど………。」

先ほどは「実際にやっていないなら噂が立つはずがない」と言い、それが「経験はたくさんある」に変わったことをつっこみたかったが、どうやら伝わってはいないらしい。
まあ、これ以上ツッコんでも相手のデリケートな部分に踏み込んだようだし、口にすることはやめておくことにする。


「そういうことです。
 ここであんまりやると大変ですしね。」

んふふ、と笑って。
さっきの発言も愚痴っぽくなりましたかね、と口を掌で塞いでウィンクを一つ。
冗談を冗談として捉えられるのか、ころころと笑って。