2019/06/29 のログ
イリーナ > 夜に女が一人で散歩。
歩くたびに揺れる胸にだろうか、それとも薄っすらと滲む汗とほんのり赤く染まる頬にひかれてか。

何人かの男が声をかけるが、小さく手を振り首を振り相手にしない。
中にはそんな女の手首を掴もうとする輩もいたのだが……。

「じゃま」

ぐい、と手加減しながらひねり上げれば負け惜しみの言葉を吐いて逃げていこう。

じめじめとした暑さへのいら立ちに、自分でも何をやっているのやらと細い指を銀の髪へと絡めて。

イリーナ > 歩き回っているうちに、夜は深まり気温も下がってきていた。
少しばかりの疲労感が心地よくなり始めてくれば――。

「これなら、眠れるかな」

インナーの首元に指をひっかけ、軽く引き胸が風に触れて心地よい。
たまには飲まない日もいいのではないかと考えなおせば今日の宿舎へと歩みを進めていくだろうか。、

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からイリーナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 出かける前は晴れていたのに、仕事の用事をすませて帰ろうとするころには、空が灰色に変わっていた。いやな予感がしたから早足で帰り道を進んでいたけれど間に合わず、とうとう空から大粒の雨が降り出したのが、つい先ほどの話。
あわてて広場の東屋に駆けこんだおかげで全身ずぶ濡れにはならなかったけれど、水を吸った髪が頬や目元にへばりつくのが鬱陶しい。指先で払いのけながら溜息をこぼして、ベンチに座る。
ずぶ濡れにはならなかったとはいえ、まったく雨に当たらないのも難しい。うっすらと透けてしまったブラウスは冷たくて、肌が冷える。服が濡れただけで、どうしてこんなに心細い気分になるんだろうかと空を見上げて。

「傘…持ってきたらよかった」

ぽつりと呟いても、今さらどうにもならない。通り雨である事を祈りながら、じっと灰色の雲を見つめていた。東屋の屋根を打つ雨音を聞いていると、すこしだけ、ぼーっとしてしまう。
ずっと同じ音ばかり聞いていたせいか。頭の中にまで曇り空が侵食してきたような気がして、ぶん、と頭を振る。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にガルディさんが現れました。
ガルディ > 男が歩き出した頃には、もう雨はざあざあと降り始めた後だった。
当然、その巨体に見合った傘を持ち出して酒場なりへと向かうところだったのだが、その目端に面白そうなものが映り込んだ。
それがその東屋のベンチ。

せっかく持ち出していた傘を閉じ、その場で急ぎ足で走る見も知らない誰かへと譲り渡して。
何度かの呼吸の間も雨を浴びていれば、もうすっかりと濡れ鼠。
少しやり過ぎて彼女よりもずぶ濡れとなってしまいながらも、広場の中へと。

「……おや、あんたは確か……」

雨音にばしゃばしゃとした足音を混ぜ、男が東屋へ駆け込む。
ベンチに視線を向けるが座り込もうとはせず、入り口に立ったまま柱に背を預けて。
水を吸った金髪を軽く絞りながら、首を傾げて記憶を探る仕草。

「あんたも雨宿りですか?」

参った、という顔をして外を振り仰ぎ。

ミンティ > こんな感じに、急に大降りになった雨ほど早くあがってくれるものだ。どこかの本で読んで覚えたのかどうかも定かではない、ほとんど勘、あるいは希望的観測に基づいて、そう考える事にする。
このまま止まなかったらどうしようと眉が寄っているけれど、後ろ向きな事を考えていたら、それが現実になってしまうような気がしたから。
ほんのすこしの休憩だと自分に言い聞かせ、ベンチに腰かけたまま、ぶらぶらと足を揺らす。地面から跳ね返った雨水が裾を濡らしていて、脛にはりついてくるから、また気持ちの悪い思いをして。

「……あ、ええと。…こ、こんにちは…」

広場の四隅に小さな東屋がある。あちらにもこちらにも雨宿りのために駆けこむ人たちの姿が見えていたから、その中の一人が近づいてくるのも不思議には思わない。
しかし声をかけられて、顔を上げると、そこには以前にも会った事のある男性の姿。自分が怪我をさせてしまった、そう思いこんだ相手との再会に目を丸くして。

「……は、はい。…あの、…もう、お怪我は…なんともありませんか?」

ガルディ > 髪も、シャツの端も、ひとしきり水を絞り出してしまって漸く一心地ついたと顔を上げた。
思いの外驚かれた顔に男の方も瞬いてしまう。

「もう時間的にはそろそろこんばんはか、……ンなに驚かなくても」

声をかけながら、肌に張り付いて気持ちの悪いシャツを開けていく。
道端なら兎も角、男が肌を晒した所で何の羞恥もない。
ばさりと広げてはたいて乾かしながら、雨音に紛れてしまいそうなおずおずとした声に耳を傾ける。

「お互い運がなかったねぇ、……ん?…いやぁ、まだこうやって雨になると時々じんじんと痛むんだ」

少女に視線を向けて改めてその姿を一瞥するも、直ぐに逸して外を見やる。

ミンティ > 男性なら、すこしくらい肌を晒しても抵抗はないのだろうか。濡れた服を脱いで乾かす様子を前にして、あわてて目を背けつつも、ちょっとだけ羨ましくも思えた。
だからといって自分も同じようにするわけにはいかず、あまり濡れずに済んだ事を喜んでおくくらいしかできなくて。

「……え」

さすがにまだ痛みが続いているとは考えていなかった。あれから日もあいているから、完治はしているはず。それでも怪我をさせてしまった引け目から、あの日、別れたあとの心配を口にして。思いがけない答えが返ってくると、とっさに言葉を続けられなくなってしまった。
よほど捻り方が悪くて後遺症が残ってしまったのだろうかと考えてみるけれど、医者ではないのだから詳しい事はわからない。とにかく大変な事をしてしまったのだという考えで頭がいっぱいになって。

「あ、あの、これ……っ、い、今はあまり、手持ちがないのですが…!」

せめて、今日までかかったかもしれない治療代を支払っておかないと。そう思いつくと、小さなポーチの中から財布を引っ張りだして、今持っているだけのお金を相手へ渡そうと。

ガルディ > 勿論、その怪我が原因で痛みが出てくることがある……何ていうのは嘘である。
しかし、雨降りになればどうも不可解な不調が出てくるなんていうのは怪我に関わらずままあることで。
まるきり嘘とは言い切れない。

「……うん?」

あの日だけでも何度も見た、相手の慌てっぷり。その手の趣向が大好きである男にはその姿だけでもご馳走様と云いたい。
今日もあの日も急な目付けで、対する何の準備もしていなかった。だから、どうしたものかと会話の裏では思考を巡らせていたのだ。
が、思わぬ所からキッカケを齎してくれた。差し出された財布をひょい、とつまみ上げる。

「あぁ……悪いな。でも、正直助かる。あの時の怪我で袖にしちまった依頼があったんだが……それが結構な大物で最近頭が痛かったんだ」

バツが悪そうにしながらも、受け取った金子を柱に立てかけていた鞄へと忍ばせる。
鞄を漁って……ふと、気づいた。そんな素振りで一つのアイテムを取り出す。
金を受け取る代わりにと取り出したなら、やはり金を差し出すからと逃げられかねない。それはそれとしても、くれるものは頂いておくとして。

「詫びをしてくれるってんなら温まりついでに……こいつ、ちょっと使って見てくれませんか?」

そう言って相手に手渡そうとするのは、手のひらサイズのキャンドルポット。
この後ぽつりと灯りを浮かべる東屋のひとつと外界を断つ雨音は、止むどころか時間が経つにつれてますますひどくなっていって――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からガルディさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にリーゼさんが現れました。
リーゼ > 朝にはどうにかまだ降っていなかった雨も、ついには降り出してきた。
ギルドに顔を出したのは良いけれど、案の定、これと言った目ぼしい依頼は見当たらない。
晴れていれば、少額であっても薬草採取に勤しむくらいはするのだけれど、この天気では出掛ける気は起こらない。
自然とお金のかからないギルドの片隅に置かれたテーブルで暇を持て余すことになる。

「この時期って、なんでか雨ばっかりだよねぇ……
 じめじめして嫌になっちゃう。」

黴でも生えてしまいそうな湿気につられて、気分もどこか重たいものになってしまう。
それは他も同じようで、どことなく活気のないギルドの窓口。
何か面白いことでも転がっていないかな、とぼんやり窓の外を眺め。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にランバルディアさんが現れました。
ランバルディア > 長らく新たに入ってくる者も居なかったギルドの中へ、男が一人訪ねて来た。
傘を畳み、姿を見せるのは白衣であることが男の身分をある程度示していて。
軽くギルド内を見回した後、窓口へと顔を出し何らかの薬品を納品しているようである。

「よう嬢ちゃん、暇そうだな。此処、座ってもいいかね?」

白衣を翻した男は帰路には向かわず、外を眺める少女に声を掛けに歩み寄る。
言うが早いかその場に荷物を降ろし、後は許可を貰うだけといった形で返事を待つ姿勢。

リーゼ > 窓の外はしとしとと雨が降り続いている。
通りを歩く人の姿はまばらで、せいぜいが積み荷が通る程度。
こんな時間にギルドにやって来る者もいないから、本当に静かで。
テーブルに肘をつき、ぼんやりと窓硝子を伝っていく雨粒を眺めていると、視界の端に白い何かが横切った。

自然とそちらへと視線を向けると、間を置かず開かれるギルドの扉。
どうやらこの天気に来客だったらしい。
じめついた天気に白衣というのも珍しいとは思いつつ、視線はまた窓の外へ。

「――? どうぞー、暇以外に何もないところだけど、ごゆっくりー」

声を掛けられ、顔を上げると先ほどの白衣の男性。
他に席は空いているのに何か用だろうかとも思うけれど、どうせ暇だったのだしとこくりと頷き。

ランバルディア > 本当なら自分も家でひっそりと引きこもりをしていたかったところではある。
しかし、作ってやる、届けてやると約束してしまった手前雨降りだからと足を遠のかせるのも据わりが悪かった。
面倒だとは思いつつもギルドに顔を出したのは、あくまで自分が気分良く過ごす為だ。

窓口まで来てみれば、意図せぬ朗報に、ほう、と声を零すこととなり。
その時点で、雨中の行軍も無駄ではなかったと差し引きがプラスになった瞬間。

「そりゃあどうも。そんなところに話題位は持ってきてやったところだよ。」

許可を得た所で隣に腰掛け、荷物をテーブルに持ち上げて中身を漁る。
取り出したるは、一本の薬草。

「こいつを採ってきてくれたの、お前さんだってな。ここんとこ忙しくって取りにいけなくてね、助かった。」

ひらひらと振って見せるそれは、薬草採取にしては色をつけてギルドに依頼したものの一つ。

リーゼ > 「ふぇ? あぁ、依頼主さんだったんだ。それで良かった?」

一体何の話題だろう?と訝しむ間もなく、取り出されたそれに見覚えがあった。
ここのところ薬草採取ばかりしている気がしないでもないけれど、それだけ需要があるということ。
効用までは知っていても、実際に誰がどんな風に調合するかまでは与り知らない。
そんな依頼主のひとりがわざわざ御礼を言いに来てくれたとなると、それが偶然に居合わせただけでも、にっこりと「どういたしまして」と微笑んで。

「最近、薬草の依頼が多いから。なんだか、品薄みたいだね?」

森の近場では採りつくされてしまって、あまり見かけない。
少し奥まで行くか、違う群生地を探さないといけないくらい。
もともと薬草採取は駆け出しの小遣い稼ぎだから、担い手が多くないということも影響しているけれど。
そのあたりどうなの? と、仕事に関連することなら、少し真面目な顔で尋ねてみた。

ランバルディア > 「あぁ、コイツでばっちり。効き目も最高って感想が来てるぜ。
 もちろん、俺の腕が良い所為もあるがな」

それがどんな薬へと成り上がるのかは、未だボカしたままだ。
依頼書にもその手の情報は載せていなかった。
薬草は荷物の中へとしまい込み、代わりにビンに詰めたその薬の方を取り出して。
ぴん、と爪先でビンを弾いて小気味良い音を響かせる。

「まあなぁ、特需って奴さ。おかげで良い小遣い稼ぎだよ。
 ……ん?おいおい、タダって訳には行かないだろ冒険者さん」

そのあたりって? と、とぼけた顔をして首を振る。
そのくらい教えたって構わないところだが、真面目な顔をして聞かれると逆に『仕事』として成立させたくなってきた。
戯けて笑った後には此方も少しだけ真面目な顔で、何が出せるのかと煽ってみた。

リーゼ > どうやら自信家なうえに商売っ気の強い御仁らしい。
大げさな仕草で、こちらの質問をはぐらかす相手を呆れた風に見て取って。

「話題を持ってきたって言うから訊いただけ。
 お代はそうだなぁ……あたしの好奇心ってところ?
 あぁ、あとさっきも言ったけれど、暇なら絶賛大売出し中だから。」

取り出された小瓶が、その調合されたものなのだろう。
その中身には興味がないわけではないけれど。
だからと言って、わざわざお金を払ってまで訊くような価値があるかというと、答えは否だ。
ギブアンドテイクだというのなら、こちらが出せる本日のオススメは、こんなところ。
真面目な顔になった相手とは対照的に、こちらは冗談っぽく不敵な笑みを浮かべて見せる。
「買い取ってくれるのならば、安くしておくよ」とばかりに。

ランバルディア > どちらかと言えば金に頓着は無い方であると自負している男なのだが、
どうも小柄な少女の無垢な微笑みと真面目なお顔の変遷に悪戯心が働いているらしい。
そして更に不敵な笑みが加われば、それは一層男の興味を引くこととなった。

「なるほど――、それなら十分な対価だ。
 その暇、喜んで買い取らせて貰おうか。
 ここじゃ少しまずい、付き合ってくれるか?退屈させないことは保証しよう。」

少女が笑みを浮かべて直ぐ、男も真面目な顔を崩し大きな身体を揺らして笑って。
逆に売り出すという相手に報酬を約束し、握手を求め、手を差し出す。

リーゼ > こちらの物言いに怒るのならば、それはそれ。
それまでの相手だったということ。
情報にそれほど興味があったわけでもないから、本当に暇つぶしの冗談だったのだけれど。

「なかなか話の分かる人なんだね。
 いいよー、暇してたのはホントだし。付き合ってあげる。」

んー、と大きく伸びをして固まった身体を解す。
その保証がどんなものなのかには少々興味が出てきた。
軽い身のこなしで立ち上がると、差し出された手を取って。

「あたしはリーゼだよ。そこの窓口で聴いてるかもだけど。
 薬草以外でも取り扱っているから、御用命の際にはどうぞ。」

顧客への売り込みも忘れずに。
そうして二人は、がらんとしたギルドを後にして――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からリーゼさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からランバルディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシャルレさんが現れました。
シャルレ > 平民地区のお店の並ぶ通りをお使い帰りでカバンを斜めがけにした姿で歩いてく。
街灯の明かりもついて、周囲は暗くなり始めた頃、人通りも多くて…。

人の姿での人混みは苦手なので、通りでも端っこを歩く。
帽子を目深にかぶって、耳を隠したままで

シャルレ > お使いも終わってるし、仕事は全て終わってる、あとは帰るだけ…。
なので通り沿いに小さい公園を見つけて、そちらに脚を向ける。
街にあるベンチと街灯と植物や花があるだけの小さい公園。

公園の中は静かで、他に誰もいない。
通りには人の声やらが聞こえてるけど、見つけたベンチに座ると癖のようにため息をついて、脚を伸ばす。

シャルレ > ユラユラと伸ばしてる脚先を揺らし、後ろで聞こえる通りの物音。
真逆のように公園の中は静かだった。

背伸びをするように立ち上がると、公園から出ていき…街へと戻っていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシャルレさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にカイロンさんが現れました。
カイロン > 塒とした安宿のベッドからぬらりと起き出した長身の男が向かう先は平民地区にあるマーケットの一角。
そこへ至るまで目にした食べ物屋台には、逐一値段を聞いては買いこみ両腕で紙袋に抱え込む。

界隈の情報通なのだと聞き及ぶ、老体の姿を見つければ「済まないね、」と声をかける。二言三言柔らかい調子で世間話の後。

「ところで、この辺りの賃貸物件の相場って謂うのは──…、」
住民として住み着くに掛かるコスト、諸々を聞き出そうと切り出し。

カイロン > 家賃ならばピンキリで、開業するならば必要とする内容次第だと至極真っ当な返答を受けて幾つか条件を提示してみる。
住居つきの物件であれば心当たりがあるとか言ったご老体がじっと男の姿を見つめて職業を問う。
それに応えるべく、口角上げた表情を作り

「ヒーラーさ」
藪のね、と冗談めかした声音で付け足して肩を竦めて見せる。

カイロン > 世間話のついでに幾つかの確かな情報と同じくらいの噂話を仕入れる。
それからもう一度、平民地区にあるという物件の家賃を確認して礼を言い市場を離れどこかへ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からカイロンさんが去りました。