2019/06/07 のログ
ご案内:「王都マグメール平民地区 某酒場」にツバキさんが現れました。
■ツバキ > 平民地区に点在する、とある酒場。平民に良心的な値段で客を引き、サービス豊富な女性従業員が注文の声を助長する。
人気が多く喧騒に溢れる場所でありながら、後者の特徴のおかげで端の席は人目につきにくい。そんなカウンター席の一番端。
数分前にはつまみが入ってたのであろう空いた皿と酒場に似つかわしくない麦茶を傍らに、数枚の紙を渋い顔で見つめるローブの女性が一人。
ローブの下から鮮やかな色のチャイナドレスと健康的な脚を覗かせつつ、人目をはばかるように壁向きに身体を傾ければ大きなため息をついて。
「――いい加減、大きいの探さないとなんだけどぉ……」
見つめる視線の先にはある紙は、どうやら冒険者ギルドで複写してきたらしい依頼書。
一人では荷が重く、しかし報酬が美味しい依頼の数々を見ては、己の寂しい懐と不足した実力に頭を抱える。
ゆっくりと脚を組みなおせば、何度目かもしれぬため息を吐き出した。
ご案内:「王都マグメール平民地区 某酒場」にザイケルさんが現れました。
■ザイケル > 大型の仕事を終えればそれなりな報酬を貰えて懐も温かくなる。
そうなれば気分も大きくなり少しは使っても構わないだろうと適当な酒場に足を踏み入れる。
店に入れば早速に女性店員に注文を先に通して空き席を探して店内を眺め、カウンターの隅っこの人影が目につく。
ローブ姿を言うのはよく見るが、そこから覗く色鮮やかなチャイナドレスに健康的な足を見るとあそこにするかと近寄っていく。
「隣、邪魔するな」
壁向きに座っているので顔は判らないが一言声をかけて隣に腰を掛け。
座ると同時に届けられたエールに口を付けて始める。
■ツバキ > いっそのことリスクを承知で博打にでるか、リスクを避けて手堅く一日分の宿代を稼ぎに行くか。
悶々と受けるべき仕事を考えていれば、かけられる声にゆっくりとそちらへ視線をやる。
一目でわかる鍛えられた身体、目を引く銀色の髪。どこかで見覚えのある姿に暫し相手を凝視した後、ハッとしたように視線を壁へと戻して。
「どうぞ、ご自由に」
仕事を求め立ち寄った冒険者ギルドで彼の姿を時折見かけたことがあるのだが、当人の思考はそこまでたどり着かない。
――果たして、どこで見かけた顔だったか。
胸に突っかかる疑問が脳裏に残っては、相手に気取られぬようさりげなく振り返ったりしつつ、悶々と頭を悩ませる。
■ザイケル > もう既に腰は掛けているが許可が出れば居座るのみ。
一杯目のエールを飲み干してしまい直ぐにお代わりとつまみを注文する。
一瞬だが視線を向けられると、どこかで見たような顔だと気が付き。
届けられた二杯目に口を付けながら思い返し……。
「あぁ、そうか。ギルドで何度か顔を合わせてるな。景気はどうだ?」
女がこちらを知っているかは判らないが思い出してしまえば遠慮せずに声をかけていき。
途切れ途切れに感じる視線に口元に笑みを浮かべてエールを飲み進めていく。
■ツバキ > こちらの視線に小突いたのか否か、話題を振ってくる相手の言葉でやっと彼のことを思い出す。
ギルドで時折見かけるこの男は色々な場所に顔が利くのだと、お節介焼きなギルドの従業員が話していた。
羽振りは恐らく悪くない、情報通との縁は今後に役に立つ。
そこまで瞬時に思考が至れば、相手へと身体を向けローブの中から顔を覗かせて。
「話したことはなかったと思うけど、覚えててもらえたなんて光栄ね。……生憎、お世辞にも良いとは言いにくいわ」
困ったように肩を竦めれば、一人では手に余るであろう内容の依頼書をテーブルに落とす。
ソロだと仕事の幅も狭くて、とため息交じりに愚痴を零して。
■ザイケル > 今でこそ冒険者として腰を落ち着けているが昔は色々とやんちゃもやっていた。
その頃のコネやツテは思いのほか冒険者となっても役に立ち。
そのお陰もあり割に合う仕事を回されたり、情報を売ったりと金回りも悪くはない。
この女の事も情報を取り扱う中で新人として来たという事は知ってはいて。
「俺がどういうのかを知ってるなら判るだろ?これでも新人は一折覚えてるんだ。やっぱソロだと儲けが少ないのはな」
肩を竦める姿にそんなもんだと笑みを浮かべたままに返し。
視線の隅に入る依頼書が気になり見ればそれは一人では少々面倒な内容。
「儲けたいなら手伝ってやろうか?ちょうど俺は今手が空いてるしな」
ため息交じりの愚痴を聞けばふとした気まぐれと下心があるという顔で提案をして見せて。
■ツバキ > 情報通は伊達ではないということだろう、さすがの記憶力に素直な賞賛を内心で贈る。
己よりもずっとギルドの内情に通じているであろう相手の言葉になお絶望と落胆を感じ肩を落とすも、
次いだ言葉には先ほどまでの陰鬱とした雰囲気から一転、迷いもなく顔を輝かせ。
「本当に!? 今稼ぎが少なくて困ってたの、ベテランさんが手伝ってくれるなんて、最高だわ」
傍から見れば男の表情に下心が籠っているのは一目でわかるだろうが、今のツバキにはそんなことは目に映っていない。
頭にあるのは、情報通の彼とコネクションを持てるという利点、稼ぎが増えるという利点、持ち金が増えることへの安心感のみ。
切羽詰まった状況は人の目を曇らせるもの。相手の言葉を無しにはさせまいと、投げ出した依頼書を広げればどれがいいかしら、と問いかけを。
■ザイケル > ソロでの仕事は仕事が限られのは安全面という事も大きいが万が一戻ってこないや失敗でも依頼主からの信頼を失うことを避ける一面もある。
それでも実績があればソロでもそれなりな仕事も受けることもできるが、女の実績ではそれもまだ難しいだろう。
そんな金に困った新人の弱みに付け込むようなことではあるが罪悪感は欠片もなく。
顔を輝かせる姿に笑みを返して。
「本当だって。財布の中を金で一杯にしてやるぞ」
もし女がもう少し自分のことを知っていればこれが危険な誘いとさっそるだろうがそんな様子もなく。
なら遠慮なくと笑みは深まり依頼書を見るためのように距離を詰めていき。
「好きなのでいいぞ。それよりな、ここで話すより他のほうが良いと思わないか?」
そう移動しないかと誘いをかけていく。
■ツバキ > 目的を達成するまでどれだけかかるかはわからないが、暫くこの国に滞在し仕事を繰り返すことは明白。
ベテランと一緒に仕事をこなせば多少なり顔が売れるだろうし、仕事のリスクも大幅に軽減される。
頭には明るい利点ばかりを浮かべ、この国の特性も、彼の本性も知ることはない様子で。
「頼もしくて笑いが出ちゃうわ、こんなにいい人だと思わなかった」
詰まる距離にも警戒心を感じることもなく、平然とそんなことを言ってのける。
明るいとはお世辞にも言いにくい店内の端、この距離も相手の提案もごもっともに思えば頷いて。
僅かなつまみとお茶代だけの、ほんの僅かな支払いだけを懐から取り出せばそれをテーブルに残した。
「確かに、ここで話すのも騒がしいものね。もっと話しやすい場所に行きましょうか」
■ザイケル > 確かギルドで聞いた話では何かの目的をもって来たという話。
ならそれを手伝う序に美味しく頂いてしまえば一石二鳥と考える。
今も疑うことなく話に乗ってくる事にこの国の危険さを判っていないなとわかるもので。
「どれだけ稼ぎたいかは知らないがその分は稼げると思うぞ。人の噂ってのは当てにならないもんだって」
少しの美味しい話にこの無警戒さ。自分が声を掛けなくても何処かのチームが声を掛け同じ流れになっていたと思えば運がいいと笑い。
この場で迂闊に話せばうまい話を求める同業者に分け前を奪われる恐れもあっての提案であったが直ぐに乗った事に笑みを深め。
エールを飲み干せばつまみをそのままに多めの代金を置き。
「ちょっと先に内緒話をするのにいい場所がある。そこにいくか」
そう告げれば女を伴って酒場を後にしてその場へと案内をしていく事に…。
■ツバキ > 傍から会話を聞いていれば、きっとカモにされているのがわかるのだろう。無論、本人はそんなこと全く思っていないのだが。
外に出るにあたりローブを深くかぶりなおしてから、席を立つ。机に置かれた多めの代金を見ては、相手の懐の暖かさを想像し期待がさらに膨らむ気分で。
「この辺の地理、まだわかりきってないから。そんな場所があるなら案内お願いね」
未だこの近辺を知り切っていない身、話の場所など相手の言うものに従うほかない。そもそも、逆らう意思すらない。
相手の言葉に甘えれば連れられるまま、酒場を後にして。
ご案内:「王都マグメール平民地区 某酒場」からザイケルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール平民地区 某酒場」からツバキさんが去りました。