2019/05/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」にフィルさんが現れました。
フィル > 昼は随分と過ごしやすい陽気となることが増えたものの、深夜となればまだ肌寒い夜風が吹き抜ける日も少なくない。
大通りからも人気が減り始める頃、熱気を求めてか、相変わらず酒場などが並ぶ通りは賑わい。辺りへと喧騒を響かせている。
そんな中、少し横道へと入り込めば酒場近くの区画であっても賑わいは鳴りを潜め。
立ち並ぶお店の雰囲気すら変わっていくが。それよりも更に人気のない裏道へと入り込んで行けば、既に開いているみせもなく。
吹き抜ける夜風や靴音が響くほどに、静まり返った通りへとでることになる。
そんな痛いほどに静まり返った場所に居を構える雑貨屋は、まだ店仕舞いすることなく。
窓から明かりを零す様子を見せている。

「今日は…こんなところかな」

静まり返った店内で、蠢く影は少年一人。
カウンター裏にある椅子腰を下ろし、一つ目深にフードを被りなおしながら、ぽつりと零し。
額を掌で拭うようにしていけば、何をするでもなく辺りへと視線を走らせていく。
店主へと持ち込まれる取引がメインの店である。店内に見えるのは、いつもと変わらない雑貨に、多少小奇麗な飾り位なもの。
何時もよりは頼まれていた雑事は早く片付いたようであり。
少し暇を持て余すように、まだ入り口の掛け看板はオープンのままだというのに、少年はどこか気の抜けた様子を見せているようであるが。

フィル > 「そういえば今日は…時間言われてないけど」

何時閉店をするべきか。
開店時間はまだしも、閉店の時間は店主の気の向くままにといった所なのである。
配達から戻ってきて、そのまま店の戸締りや、軽い整理整頓をするのは少年の役割であり。
今宵は早めにお店に戻ってこれたものの、特に何も言い渡されている様子はなく。
誰に言うでもなく、ポツリとそんなことを零せば、ぼーっと視線を向けていてもやはり誰も通らない、外の通りから店内へと視線を戻し。
今日はまだいるのかいないのか、店主がいる2階へと軽く耳を澄ませるようにして、様子を伺ってみるが特に何か物音が聞こえることはなかったようである。

「魔法具とか最近回ってきてないしなぁ…」

比較的安全な物はたまには少年にも回してもらえる。
けれども基本、雑貨屋の管理を放り投げられているままに、持ち込み相手に少年がかかわることはほとんどなく。
一つ両手を天井に伸ばし、体をほぐすように伸びを一つ行えば、少しまとわりつく眠気を振り払うように顔を揺らし。
何するでもなく、自らに回ってきた軽い魔道具や、未鑑定品の入った戸棚の箱へと視線を滑らせていき。

フィル > 気が付けば船を漕ぎ始めている少年。
そのままカウンターに顔をぶつけそうなほどに揺れたところで、ハっとしたように目を開き。
そのまま慌てて顔をあげながら、眠気を振り払うように大きく揺さぶる顔。
少し揺さぶりすぎてクラクラとしてしまったのだろう。
少しの間ふらふらと頭を揺らめかせたまま、やがて視点が定まってくれば、その視線が見渡すのは店内。
気が付かないうちに誰か来ていなかったか、そんな確認をするかのようであり。

「そろそろ…戸締りして帰ろっかな」

このままここで眠りこけてしまうより、自宅へと戻りちゃんとした寝床で寝たほうがぐっすり眠れるのは当然。
まだ多少とは言え肌寒い夜であれば、尚更といった所であり。
再び円向けが来ないうちにと少年は、椅子から立ち上がるままに、そそくさと始めていく店仕舞い。
出ていた小物をしまい、裏口の鍵のチェックをしてから、正面の入り口を最後にチェックと動き回り。
やがて全てのチェックが終わったのだろう。
扉を開ければ吹き込んでくる夜風に、少しずつ戻ってきていた眠気を振り払ってもらい。
そのまま掛け看板を裏返し、鍵を閉めた後にちゃんと何度か引っ張る様にしてチェックをしてから、帰路へとついていったか―

ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」からフィルさんが去りました。