2019/04/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区の小道」にフィルさんが現れました。
■フィル > 時折吹き抜ける夜風は肌寒いが、昼間の暖かさが残っており過ごしやすい夜更け。
人気が減った大通りであれば、安全の面から見ても散歩にはもってこいだろう。
けれども、平民地区とはいえ絶対に安全とは言えないのがこの町である。
それが人気のない路地ともなれば、尚更なはずであるが。コツコツと足音がしっかりと響くほどに静まり返った、平民地区の一つの路地をゆっくりとした足取りで歩く少年。
夜風にたまにめくられそうになるフードを抑えて、目深に被りなおしたりとしながらも、時々道を確認するように辺りへと視線を揺らめかせ。
「久しぶりに…こっちの道使うけど…あってたよね」
仕事からの帰り道、軽く夜食と朝食でも買って帰ろうといった所であり。
近道をしようとしたのだろう。大通りに面した通りを通ることなく、路地裏と言ってもいい、少し入り組んだ細道を進むことにした少年。
昼と夜で同じ道でも変わって見えるものである。
何度か歩いたことはある道とはいえ、間違った場所を曲がったりしない様にと、曲がり角や分かれ道に来るたびに一度足を止め。
気を抜き過ぎないように、辺りの様子へとそれなりに気を配ってはいるようであるが。その気配の察知度合いは一応程度のものであり。
■フィル > 「確か…此処を曲がって抜けて…」
目印にする様なものと言えば、多少外装の違う家位のものである。
置いてある物等を目印にしたときは、片付けられたりどかされたり、と迷いかけたことがあり。
あまり使わない道だと、いつの間にか目立つからと店の看板などを目印にしていたものの、いつの間にか違う看板になっていた何てこともあったのである。
余り変わることの少ない外装、はそう言う意味ではそれなりに信頼できる道しるべであるのだろうが。それはちゃんと覚えていられればの話であり。
「もうそろそろ、賑わいでも…聞こえてもいいはずだけど」
この時間でも酒場の周りはそれなりに賑わいが零れているものである。
今の状態でも耳を澄ませれば、ヒトよりは十分に音を拾えるものであり。
曲がり角を確かめる様に、一度足を止めてから当たりの音に耳をそばだてていけば、誰に言うでもなくぽつりと零す言葉。
そろそろ聞こえてもいい頃合いの賑わいが聞こえない。
道を間違えたかとでも思えば、少しだけ焦ったように元来た道を一度振り向き。
間違えていないはず、と自分に言い聞かせるかのように一つ息を零し。少年は曲がり道をそのまま曲がらずに、まっすぐに進むように足を進めていくが。
少々不安になったからだろう。夜風に瓶が転がされたりする音が響けば、少しビクリと身を震わせたりとする様子をみせ。
■フィル > 「あ…やっぱりあってた」
しばらく続くそこからの一本道。
コツコツと響く足音に、時折吹き抜ける夜風が更に静けさを感じさせていくが。やがて聞こえ始めるのは僅かな喧騒。
それに反応するように、少年は少し顔をあげ。周りの建物へと、何度か視線を走らせていけば、見覚えのある場所にでたのだろう。
ほっと一つ安著の息に乗せて、ぽつりと零す言葉に合わせる様に、僅かにその表情からは緊張の色は抜けていき。
「この時間だともう…買って帰ったほうがいいかな」
まだ空いている酒場で食事を食べていくには、明け方に近寄りすぎている。
それなら、と足取りが幾分か軽くなった少年は、やがて見えてくる酒場へと向かって足早に歩を進めていき。
やがて、酒場で買った持ち帰り用の食事を、幾つか包んだ紙袋もって今度は寝床への帰路へとついていったか―。
ご案内:「王都マグメール 平民地区の小道」からフィルさんが去りました。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」にイーヴィアさんが現れました。
■イーヴィア > (がしゃん、と大きな音が店の奥で響いた。
恐らくは試し切りをしたいなどと言った客が、何かを斬り付けた音なのだろう
だが、今の音を聞く限りでは、どうやら肝心の腕前の方は御察しの様だ。
どんなに刃物が良くても、扱う人間の腕が鈍では意味が無い。
不機嫌そうな声が遅れて響いて来たが、まぁ、其の位の事は日常茶飯事だ。)
――――……あー、はいはい、判ってる。
心配すんな、間違っても鈍にゃ斬られないさ。
(最近雇った若い店員が、心配そうに声を掛けて来たが
心配要らないと片手を振る。 試し切りに付いて行かせるのは
この店でも其れなりに腕の立つ人間だけだ。
元冒険者、元傭兵、元用心棒――そんな肩書きを持って居る連中が
そう易々と遅れを取らぬと――これは、単純に信頼の問題もあるだろう
この店に居着いた従業員は、今の所幸いながら、長い付き合いになる連中が多いのだ)。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」にミヤビさんが現れました。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」からミヤビさんが去りました。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」にミヤビさんが現れました。
■ミヤビ > 「すいませーん、いいですかー?」
大きな声をあげて入ってくる少女。狐耳を興味深そうにピコピコと動かし、尻尾をふわふわと揺らす彼女は、背に大きな太刀を佩いていた。
きょろきょろと店の中を見回し、店の者らしき男性、イーヴィアを見つけるとそちらに近寄っていく。
「こちらで、刀の整備をお願いできるでしょうか?」
そういって、後腰に佩いていた一本の鞘入りの短刀を取り出し、イーヴィアの方に差し出した
■イーヴィア > (しばらくして、扉からから新たな客が入って来る。
見目は未だ年若い娘にしか見えないが
カウンターの前まで歩み寄るなり口にした一言に、僅か片眉を跳ね上げて。)
―――……へぇ、いらっしゃい。 刀って事は、東の出かい?
(剣では無く刀ときた、成程、確かによくよく見れば、此方側の雰囲気では無い。
狐耳がミレーを示すのか、単に獣人を示すのか否かは判らないが、兎も角
其れが真っ当な客人らしい事に思い当たれば、僅かに伏せがちだった背を伸ばした。)
問題無いぜ、刀も扱ってる。 良かったら、ちょいと見せて貰っても良いかい?
(台上に差し出された短刀を、もし適うなら受け取り。
其の鞘を抜いて、状態の程を確かめようとするだろう。
整備、と言っても具体的に問題の在る場所を見極める必要が在る
刀と言う物は、剣以上に繊細な手入れが必要になるのだ。
それは、以前実際に、自ら依頼されて刀を鍛った経験から身に沁みて居る)。
■ミヤビ > 「東、まあその辺の出ですよ♪」
本当の話をすると面倒なことになると考え、そう答えるミヤビ。異世界出身ということは別に隠すほどのことではないが、詳しく話すと説明が長くなるのだ。そういう時に東の出身といっておけば大体許される、その程度のことは既に学んでいた。
「どうぞ確認してください、よろしくお願いします」
渡した短刀を引き抜くと、月光のような静けさを讃えた刀身が露わになる。もっとも、よく見ると刃こぼれや歪みがそこかしこに見え、かなり酷使されているのが分かるだろう。
さらに言うなら、今朝の朝ご飯の大根の葉の切れ端がついていたり、よく分からない植物の根っこの切れ端と土がついていたりして、どう考えても人や動物を切る以外の使い道をしているのが明白である。
「最近、ちょっと切れ味が悪くて、大根がきれいに切れないんですよ」
包丁かなにかの話かのように、ミヤビはぼやいた。
■イーヴィア > 成程な、ほら、最近は帝国の方と交流が活発になっただろ?
だから、大陸の人間じゃない連中を結構見る様になってな。
(相手も、昨今の流れに乗ってやって来たのか、と思った訳で。
曖昧では在るが、肯定っぽい返答をされれば
其れ以上は、深く突っ込む事も無く、すんなりと納得した。
許可が下りれば、短刀の状態を確かめる。 物自体は非常に良い物だ。
刀身の出来も美しく、決して粗製では無いと判るほど。
ただ、其の状態の悪さと、物凄く判り易く伝わる用途に
思わず微苦笑を零しては、やれやれと肩を竦めて。)
……まぁ、アレよりは遥かにマシ、か…。
……そりゃあな、野菜にだって塩は在るんだ、放って置けば切れ味も鈍るさ。
(一寸考えてから、ちらりと店の奥へ視線を向ける。
まだ、試し切りが続いて居る様だが――相変わらず、変な音が鳴って居る訳で。
改めて娘の方へと向き直れば、一度刀を鞘に戻す。
整備に必要な作業手順を考えながら、娘の前で台帳に色々と書き連ね。)
護身用として使う気が在るんなら、そう言う切れ味に戻す。
ただ、ナイフや包丁として使ってんなら、使い易い程度にして置くのもアリだ。
勿論、武器としての切れ味を取り戻すなら、ちょいとかかるが…どうする?
(此れはもう単純に、娘の用途と懐具合次第だろう。
刀を整備できる鍛冶屋は決して多いとは言えない分
己もまた、法外な値段では決して無いにせよ、腕の安売りはしないのだ)。
■ミヤビ > 「うむむ、できれば武器として使えるぐらいにしてほしいのですが…… いくらぐらいかかりますかね。」
かわいらしい真っ赤ながま口を覗きながら、心配そうにそう尋ねる。
最近は羽振りがいいとはいえ、家族も多くそう金銭的に余裕があるわけではない。
「実際何かと戦うにしても、こっちは、なかなか抜けないので、そちらが使えるに越したことはないんですよね」
こっちといいながら背に佩いた太刀の柄をコンコン、と手でたたく。少女の身長と同じぐらいの長さの太刀だ。そりゃ抜くのも一苦労だろうということは簡単に分かった。
■イーヴィア > んー…多少前後するかも知れんが、まぁ、このくらいか。
武器としてってんなら、安上がりで中途半端にしても仕方ないからな。
(僅かな計算で、相手に提示したのは1000ゴルド前後の金額。
安物を鍛え直すのとは訳が違う、其れなりに高額と為るのは
特に刀の修繕に使う道具が、普通とは違ってくるのも影響している
娘が背負っている、長太刀ともなれば更に上乗せされるだろうが
逆に言えば短刀だからこそ、この程度で済んで居ると言えなくも無い。)
実際可也良いモンだ、鍛え直せば今とは比べ物にならない切れ味に為るだろうよ。
(其処は保証できる、と、飽く迄真剣に刀に触れる。
鍛冶屋としての自信、今までに培ってきた自尊心の現れ。
ただ、娘が果たしてその金額を出せるか次第、では在るが。)
もし実費で出せそうにないなら、何か別の手段でも良い。
物々交換とかな、其の場合はこっちの鑑定額次第になるけどな。
■ミヤビ > 「うう、そんなですか」
出せないほどの金額ではない。ないが、支払ってしまえばきっと夕食のテーブルから肉はなくなり、子供たちからブーイングされるのが目に見えている。
母親としての愛と、武器を直すことの天秤がぐらぐら揺れ、母親としての愛に傾き始めそうになった時、イーヴィアの提案に心が傾く。
「別の方法ですか…… 私、薬師をしていますので、高価な薬ならお渡しできますが」
そういって取り出したるはショッキングピンクの色の液体が入った小瓶。なかなか嫌な予感をさせるその小瓶を、イーヴィアの前においてミヤビはこういった。
「強力な媚薬です。女性にも男性にも効果抜群ですよ。排卵促進効果もあるので、すぐに妊娠します」
用途が特殊過ぎる、やばいお薬であった。
■イーヴィア > ……まぁ、如何してもな。 こっちで刀をってなると
多分、御前さんの故郷とかよりも多少は根が張っちまうだろうさ。
(だが、此方も商売だ、変にふっかける訳にも行かないが
少なくとも店が潰れない程度の値にはさせて貰わねばならない。
如何やら大分迷っている様子に、暫くの悩む時間くらいは与えようと待って居た、が。)
……へぇ、薬師か。 それなら、使えそうなものがありゃ、其れと交換…あん?
(ふと、相手からの交換材料に、興味を持った。
確かにこんな場所だ、傷薬や常備薬の類は必要不可欠だし
何より減る頻度も其れなりに高い訳で、もしそう言うのが在れば多少値引きが出来る、と。
―――そんな風に思ったのとは裏腹、取り出された小さな小瓶に、一寸怪訝な表情を。
怪しい、見るからに怪しすぎる色合いの小瓶の中身。
毒薬か何かだろうか、と一寸考えたが、寧ろ其れよりも性質の悪い正体が告げられたなら。)
……うおい、待て、待て、其れを買い取ると俺の社会的信用がヤバいんだが。
(ちょっとだけ、どれほどの価値が在るのか脳内で計算して仕舞ったが。
はっと思い直して一回冷静になる。 何せ此処は店の中、そんなヤバい代物を買い取ると
こう、他の客とか、店員からの視線が、中々に。
思わず小声で喋りつつに。)
―――……てかよ、其の類のヤバい奴は洒落に為らんくらい高いだろ…?
(転売するにしても難しい、ヤバい奴。
念の為に相場を伺って見つつ…何とも言えない表情で、小瓶を見やり)。
■ミヤビ > 「正規品ですからそこまでですよ。普段の市価なら5000ゴルドぐらいですが、今なら500ゴルドもしないと思います」
なぜか嬉しそうに、2本目を追加するミヤビ。裏ルートで流すということを全く考えていない、平和ボケした笑みである。胸元から取り出したので、2本とも生暖かい。イーヴィアの前に置かれた2本のショッキングピンクの薬が怪しく煌めいた。
「ちょっと作り過ぎちゃいまして、供給過剰で値段が下がってしまいました。だから、遠慮せずに使ってくださいな」
話をしながら3本目を取り出す。作り過ぎて値段が十分の一以下になったというのも納得の数である。どれだけ持っているのかと疑問に思う勢いで薬瓶を取り出す。
「使用上の注意はですね、浴びたら、ちゃんと受胎するように交尾しないと、女性は発狂死して、男性は肉棒が爆発することです。解毒薬もありませんので保管は注意してください」
まあ、子供には効かないので、甘いシロップみたいなものですが、と補足するが、その前の説明があまりに危険すぎた。完全に劇薬である。それがさらに一本追加されて、イーヴィアの前に置かれた、合計4本である。
■イーヴィア > ――……正規品ったって御前…、……や、待てよ、最近聞いたな。
この手の薬が出回ったせいで、商売にならなくなった奴が騒いでたって。
(その話自体は、確か今日は出勤して居ない元傭兵な従業員がしていた物だが。
まさか、と思う。 と言うよりも、そもそもこんな物を調合出来る人間が限られている。
十中八九原因は、この目の前の娘だな、と思い至っては、納得と共に苦笑を浮かべて。)
……其れを、俺に買えってか?
……いやまて、500ゴルドだったら4本で2000だろ、商売しに来てどうする。
(さらっとさり気無く、こちらの提示金額よりも高い値段。
まだ払うとは一言も言ってない、と突っ込みいれては、瓶を眺めて暫し悩む
過剰供給と言っても、在る程度時間がたてば相場は戻るだろう
元より原材料が希少なモノだ、一時的に増えても、其れが続くとは思えない。
商売で考えれば、確かに今手に入れれば得と言えば得なのだ、が。
――うーん、と腕組みして考えて居た、そんな最中。
ふと、店の奥から騒がしい声がし始める。
先刻から試し切りを続けて居た客が、如何やら難癖を付け始めたらしい。
従業員が、落ち着く様にと制そうとするが、其の刹那、扉から飛び出して来た客が
苛立ち交じりに手にしていた剣を、大きく振り回して――)
―――――……ん?
(危ない…! と、従業員の叫ぶ声が聞こえた。
其の刹那、音の方向を振り返れば、すっぽ抜けたらしき剣が
くるくると回って飛んでくる。 飛んできて、思わず避けて
そして次の瞬間
――机の上に並んだ瓶が、盛大に薙ぎ払われて、その中身をまき散らす、か。
小瓶の中身だ、大した量では無いにしても。 ――二人して、直撃しそうな)。
■ミヤビ > 「いえ、かなり余っていますし、全部差し上げる代わりに整備費をタダにしていただこうかと思いまして。差し上げるつもりですよ」
慌ててわたわたと手を振りながら、お金をとるつもりがないことをアピールする。ここで売り付ける、といった発想は全くないのだろう。世慣れしていない感じであり、多少心配になる態度である。
そんな会話をしている途中、いきなり起きた喧騒から飛んできた剣が、薬の瓶をたたき割り、中身を盛大にぶちまけた。
「ぶへっ!?」
イーヴィアにかばわれて剣が直撃することはなかったが、代わりに劇薬に近い薬がぶちまけられ、盛大に顔面に浴びてしまったミヤビ。かばったイーヴィアも、おそらく薬液が付着しているだろう。
「…… すいませんが、治療にお手をお貸し願えませんか? 薬自体は、空気に触れるとすぐ効果がなくなるので、数分このテーブル近くに近寄らなければ安全だと思います」
受胎交尾しなければならない事態となったにもかかわらず、ミヤビは冷静にそんなことを言った。
■イーヴィア > (いや、其れは其れで商売下手かよ、と言うツッコミを
恐らく適うならば入れたかった。 入れて置きたかった。
からんからん、と音たてて転がった剣は、幸い人に当たる事は無かった。
ただ、店内に居た者の誰もが一瞬息をのみ、そして、鋭い視線を騒いだ客へと向けたのは、間違いない。)
―――――――――………。
(べちゃり、と、自分も薬液の被害からは免れて居ない。
カウンターの上にも、零れた薬液が広がって――けれど、其れを冷静に
傍に在った清掃用の布きれで拭き取り、其れ以上の拡散を防いでは
入り口に立っていた店員へと、指で合図を送り。)
―――――店閉めて、急いで。
お客さん、悪いね、ちょっと危ないから今日の所は帰ってくれるかい?
(――加えて、他の店員にも近づくなと指示を出す。
触れただけで強力な薬効なのだ、この場合処理するのは
既に薬に盛大に触れて仕舞っている自分が適任だろう。
――まぁ、他の連中はこの薬が何だかまでは、良く判って居ない筈だが。
娘からも薬の扱いについて助言が飛べば、一度頷くだろう。
いずれにしても、今日は店は此処までだ。 ――其れと。
原因となった、剣を振り回した客に付いては、従業員一同に、後は任せよう。)
―――――……とりあえず、上に俺の部屋が在る。
何にしても、一旦そっちで、だな。 ……歩けるか?
(声音は、至って平静だ。
まるで、薬の効果なんて、感じてすらいないかのように。
店の奥に在る階段を示せば、瓶の破片などを一通りだけ集めて屑籠に捨て
其れ以上は何も言わず、先に、案内するよう階段へと向かって行くだろう)。
■ミヤビ > 「大丈夫ですよ。作者ですし、慣れていますから」
若干硬質な声で、後片付けを手伝いながらそう述べるミヤビ。
散らばった薬液をきれいに拭きとると、大太刀をと小太刀とカバンを店員に預ける。
5分間は、テーブルに近寄らないように店員にお願いすると、イーヴィアの後ろについて2階に上がっていく。
女を狂わせるなどというのは冗談だったのではないか、そんなことを思わせるしっかりした足取りであった。
「す、すいませんっ♡ もう、げんかいですっ♡」
イーヴィアの部屋に二人して入ると、せつなそうな声をミヤビは上げ、床に崩れ落ちた。
よく見るとレオタード越しでもわかるぐらい乳首やクリトリスが充血し勃起していて、股間はレオタードの色が変わるぐらいに濡れていた。
「は、早く、早く交尾をしてくださいぃ、おかしくなりそうなんですっ」
薬の効果は冗談ではなかったようだ。せつなげに床の上で腰を振りながら、ミヤビはイーヴィアにそう告げた。
■イーヴィア > 上の階が、うちの従業員含む住居になってんのさ。
俺の部屋は一番上に在る、まぁ、取り敢えず拭く物と着替えくらいは貸せるか。
(店の管理は任せる、と、従業員に言伝を残して上に向かう。
こっちは対応すると言い残せば、少なくとも彼らが部屋に来る事は無いだろう。
最上階まで彼女を連れてくれば、部屋の中に娘を入れる。
後ろ手に鍵を閉じ、小さく溜息を零しては、薬液まみれになった衣服を脱ぎ落として部屋の隅に放る。
まるで、そうする事が当然だと言わんばかりに裸身を晒せば、床に崩れた娘の傍へと歩み寄り。)
―――――――――――――…………………。
(無言、だった。 一言も発する事無く、ただ、娘の前に腰を突き出す。
其の眼前に、異様な程に膨れ上がった熱塊を。
例え薬に晒されて居なくとも、雌を狂わせるには過剰に過ぎるだろう威容を。
濃厚に過ぎる雄の気配と共に、頬へと触れさせ、そして、一度、鼻先へと押し付けて。)
―――――――…………壊れる前に…、……孕ませるぜ。
(有無を言わさぬ気配を帯びた、宣言と共に。
娘の身体を、背後から抱き上げては、寝台へと移動する。
まるで其の間、娘の発情を、薬液の効能が一層其の身を狂わせるのを、煽る様に)。
■ミヤビ > 「はぁ♡ はぁ♡ はやくっ♡ はやくぅ♡」
獣のように発情しきった少女は、服を脱ぎ捨てる。
しなやかでなだらかな肢体、その女を感じさせるからだの腹には、大きな淫紋が桃色に輝いていた。
妊娠経験を示すその淫紋の画数は8画、それだけの出産経験があるにもかかわらず少女の体型は崩れていなかった。
「はっ♡ はっ♡ すごいっ♡ はやくっ♡ はやくぅ♡♡」
その大きな肉棒を見せつけられ、鼻先におし当てられてさらに興奮し、ぺろりとその肉棒を舐めてから、足を開いて腰を振りながら、種乞いの舞をベッドという舞台の上で舞うミヤビ。ぴっちり閉じた秘所からは、とめどなく愛液がこぼれ、シーツを汚していた。
■イーヴィア > (寝台の上へと其の身体を降ろせば、揺れる尻肉を鷲づかむ様にして引き寄せる。
慎ましやかに閉じた秘裂は、既に蜜に溢れて紛う事無き雌の様相を示し
其処を割り開く様に熱塊の先端を押し当てれば、其れだけできっと
蝕まれた雌の身体には、凶悪な快楽と衝動が押し寄せる事になるのだろう
受胎するための、本能を。 引き摺り出される。
そして、其れは決して雄の側とて例外では無い筈だ。
熱塊の先端から止め処無く溢れる先走りの蜜は、弾けて仕舞わぬ為の自己防衛。
きっと、此れが普通の人間で在ったならば、問うに爆ぜて仕舞っても可笑しくは無い程の量を浴びて居るのだから。)
―――――……あの阿呆には、後できっちり落とし前付けさせてやる…。
(一言だけ、思わず呟いた愚痴。
けれど、今はもうそれ以上、意識を余所に傾ける余裕は無かった、か。
――ぐぼんっ…と、熱塊が、文字通り娘の胎へと捻じ込まれて行く。
本来ならば慣らし、蕩かせ、愛でる必要が在るだろう過程を全てすっ飛ばし
まさに交尾の、種付けの為に子宮を拉げさせて仕舞おう。
淫紋が描かれた娘の下腹が、子宮の、そして熱塊の先端を思わせる形に浮き上がるほど
容赦なく、深々と熱で貫いて仕舞えば。
―――始まるのは、メスを屈服させるための、蹂躙。
大きく腰が引かれ、反動めいて再び力強く叩きつけられ。
堕落へ、娘を突き落して行く)。
■ミヤビ > 「おごおおおおおおお♡♡♡」
獣のような叫び声をあげるミヤビ。
イーヴィアの筋肉隆々な肉体に組み伏せられ、正常位の体勢で押しつぶされるように、のしかかられる。
愛撫も何もなかったが、すでに発情しきっていたミヤビの秘所は、突き入れられた肉棒を容易に飲み込んだ。
「ひぐぅううううううう♡♡♡」
適度な柔らかさを残しながらも搾り取るようにきつく締め付ける秘所をかき分け、肉棒は子宮口すら突破し一気に一番奥まで突き入れられた。
ミヤビの腹部が、肉棒に押し上げられ、その先端の形が浮かび上がる。そのあまりの力強い突き上げに、少女の腰は浮かび上がり、その姿はまるで肉棒に串刺しにさせられているようであった。
あまりに乱暴なその突き上げにも、発情しきったミヤビは快楽のみを感じすぐに絶頂をする。叫び声をあげながら痙攣を繰り返し、秘所からは止まらぬ愛液があふれていた。
「おごっ♡ ひぐっ♡ おごっ♡ ひぐっ♡」
体格差ゆえ全く抵抗できずに、何度も突き上げられ、そのたびに体が浮き上がる。屈服させるような、野生のけもののような、女性としての尊厳をまるで考えていないような交尾にもかかわらず、ミヤビは何度も何度も絶頂を続けた。
■イーヴィア > (其れは傍から見れば、余りにも一方的な蹂躙で在ったろう。
熱塊に貫かれた身体は容易く跳ね上がり、突き上げる度に絶頂へと誘われてビクビクと跳ねる。
響き渡る咆哮めいた嬌声は、次第に濁った音と為り果てて
雄と雌、其れ以上でも以下でもない、唯生物としての本能の儘に
交尾へと、種付けへと、没頭して行く。
腰を叩き付ける度に、下腹と衝突する娘の尻肉が、乾いた音を響かせる。
両腕が娘の身体を抱きしめ、閉じ込めて仕舞えば、突き上げの衝撃を逃がす事も出来ないだろう。
子宮の奥底を、繰り返し繰り返し抉り倒す其の勢いが、薬液に苛まれた両翼すらも嬲るなら
――――排卵の疼きを、極限にまで昂ぶらせて。)
―――――……ッ……、……名前、教えろ…ッ…!
(――不意に、そうつぶやいたのは、せめてもの反抗だったのかも知れない。
理性の最後のあがき、人間らしさの意地の欠片。
けれど、果たして娘の答えを、待つ余裕が在ったかどうかは判らない。
ぼこりと、更に膨れ上がる熱塊が、娘へと予感させるのは、押し寄せる途方も無い熱の気配。
先端へと向けて一気にせり上がって来るモノを、押し留める事なんて出来る筈も無い。
律動の勢いが加速し、小刻みに奥を穿つようになり、そして、吐息が、詰まる。
もし、娘が名前を告げたなら。 其の瞬間に其の鼓膜へと確かに、娘の名を響かせただろう。
けれど、もしそうでなければ、其の鼓膜へと響いたのは、圧倒的なまでの精の濁音。
脈動と、噴出音とが奏でる――受精の、受胎の、背徳極まりない音色。)
孕め…ひとつ残らず、孕ませてやる…!
零すなよ、全部、奥で受け止めな…ッ!
(――それは、吐精と呼ぶには余りにも激しい。
娘の下腹が、刻々と膨れ上がって行くほどの強烈な、精の濁流)。
■ミヤビ > 「ミヤビっ♡ ミヤビですっ♡ ミヤビのお腹にっ♡ 刻み込んでぇ♡♡」
叫ぶように自分の名を呼びながら、その秘所を全力で締め付ける。
肉棒からは、濁流とも思しき精液が吐き出され、それを最奥で受け止める。
女性として一番大事な場所に濁流をたたきつけられ、体の芯にその衝撃が響き、
その衝撃を感じながら、ミヤビはその肉棒を一滴残らず絞りとるように締め付けた。
「はらむっ♡♡ はらむぅ♡♡ ミヤビをっ♡ はらませてぇ♡♡」
あさましいおねだりを叫びながら、ミヤビは必死にイーヴィアに縋り付く。
その腹は、大量の精によりどんどん膨らまされ、最終的には臨月と見まごうほどの大きさになった。
そして、淫紋が輝き、ぶちゅんっ♡という感触を、少女は自らの腹の中で感じた。受精したのだ。
受精した証として、淫紋の画数が増える。その画数は…… イーヴィアが望んだ数だけ少女の肢体に永遠に刻まれるのであった。
■イーヴィア > (一度の吐精にしては、余りの量。
娘の子宮を満たしきって尚、余りある分が廻り、奥へと染み込み、蹂躙して
果たして淫紋が輝いた事に、気付けたか、否か。
気付いたとて、其れが何を意味するかなど意識の外だろう。
ただ、一つだけ確かなのは、たった其の一度だけで此の娘が
己が種を孕み、宿したと言う事実だけ。)
―――――…………ミヤビ……か…。
(―――吐精が落ち着くまでにだって、相当の時間を要しただろう。
娘の身体を寝台との間に閉じ込めながら、ひとつ、其の耳元で呟いた。
受胎させたと言う事実が在るからだろう、或いは、元より尋常では無い射精量故に
其の一度で薬液の効力分を全て吐きだせたのかも知れぬ。
いずれにしても、先刻までよりは多少なりと、人間らしさの戻った声音で娘の名を呼べば。
まるで臨月めいて膨らんだ腹を抱えた娘を、ゆっくりと抱え起こして。)
――――……イーヴィアだ、俺は。 ……っても、今更に過ぎて格好もつかなさそうだけど、な。
(娘を、己が腰上へと跨らせる形で、抱き支えよう。
未だつながったまま、脈打ち続ける熱塊が、快楽の残滓を追うみたいにゆらゆらと子宮をかき混ぜる中で。
自分の名前を、今更ながらに娘へと告げては、膨らんだ娘の其の胎を、ゆっくりと片掌で撫でまわす、か。
そこに、新たに刻まれた画数は、2画。
実際に受精した数は其れ以上だろう、だが、根付く事が出来たのは、其れだけ。
――この、一度の交わりでは、だが。
何せ熱塊は、未だ娘を貫き続けている。 薬液の効果なぞ失せても、変わらぬ儘に)
■ミヤビ > 「イーヴィアさんっ♡ イーヴィアさんっ♡ すき♡ だいすき♡」
対面座位の姿勢で、つながったままイーヴィアの唇に、自分の唇を押し付け、
ついばむようなキスをする。
受胎により、すでに薬の効果は切れていた。しかし、発情を持て余したからだが
すぐに収まるかというとそれは別である。
キスが終わると、多少は狂おしい性欲が収まっていた。しかし、性欲自体はまだ体を
非常にむしばんでおり、秘所は肉棒を離さないとばかりに締め付け続けていた。
「……もう一回しますか?」
すでに解毒は済んでおり、行きずりの関係ならやめたほうがいいのはわかっている。
しかし、そのぬくもりはどうしても捨てがたく、少女は貫かれたまま、
イーヴィアの胸に体を預けた。
「もう一回したいなら、愛の言葉をください」
そう、少女はねだる。態度ではなく、言葉での心を。
■イーヴィア > (――娘の言葉が、唇を通して肌へと触れるよう。
果たして其れが娘にとって、一時の気の迷いなのか、そうで無いのかは判らない。
ただ、例え理由が、原因が如何であれ、好意を向けられるのは、悪くは無かった。
――娘の胎を、緩やかに撫ぜ回しながら。
少しばかり考える。 考えて、其れから、小さく肩を竦めて。)
―――――……愛してる、とは言えないな。そいつを簡単に言う方が無責任だ。
でも、こうなっちまった以上、御前が大切なのは間違いない。
――――……其処からの始まりじゃ、駄目か?
(――嘘は、きっと吐けない。
だから、己にとってこれが娘に対する、考えた末の誠意だ。
薄っぺらい愛の言の葉で娘が満たされるのなら、其れで良いのかも知れないが。
其れは、初めから娘を裏切る事以外の何物でも無いだろう。
だから、己が言葉で娘が満たされないのなら、仕方が無い。
けれど、もし、其れで娘が受け入れてくれるのなら。
きっと、今度は緩やかに腰を揺らし始めるだろう。
獣の様に、唯暴力的に叩き付けた先刻までとは違う。
娘を、確りと愛でてやる為の、セックスを)。
■ミヤビ > 「仕方がないですね、許してあげます」
イーヴィアが、自分を大事にしてくれてるのは十分わかっている。
その態度だけで十分と微笑み、少女はイーヴィアの胸の中に体を預ける。
先ほどとは少し違う、性欲のみに支配されたものではない愛のある交尾が始まることに心を躍らせながら、うっとりとミヤビはしていた。
結局二人の交わりは長時間に及ぶ。終わったころには夜も遅くなり、二人とも精根尽き果てた状況になっていた。
■イーヴィア > (娘が其れで良しとしてくれるのなら、己も漸く笑うだろう。
どうせ店はもう開けられない、明日の開店までは皆暇を持て余す事と為るだろう
ならば、其の間は、存分に愛であう事が叶う筈だ。
果たして、娘の胎に新たな一画を刻む事が叶ったかどうか。
決して獣欲だけでは無い、人としての交わりで根付かせる事が叶えば
後は、きっと、泥のように眠る事だろう。
――結局、娘の刀の修理代については、彼女が払う必要は無くなった筈だ。
何せ交渉の邪魔をしたのだ、其の分の請求は、きっちりと例の客に支払わせる事と為った模様で――)。
■ミヤビ > 後日談
4人姉妹を産み落としたミヤビは、後日イーヴィアが届けてくれた刀を受け取った。
小太刀だけではなく大太刀の方もきれいに鍛えなおされ、切れ味鋭くなったそれに、ミヤビは礼を言う。
刀の礼として、ミヤビは何をイーヴィアに返したのか。それは書くだけ野暮であろう……
リザルト
娘が4人増えました。
イーヴィアはミヤビ宅の合い鍵を手に入れました。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」からミヤビさんが去りました。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」からイーヴィアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミヤビさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミヤビさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区ーミヤビ宅ー」にミヤビさんが現れました。
■ミヤビ > 「今日もあったかいですね」
オープンカフェになっている机の上で、ミヤビはぼんやりと薬茶を飲んでいた。
先日、大きな収入があったので、自宅の一部を改装し始めた薬販売所。薬を売る
つもりであったが、実際売れるのは薬茶やハーブ水ばかり。それならばと机を
数脚置いたところすっかり喫茶店のように使われるようになった。
店内は、混雑とは言わないまでも、人がちらほらおり、娘たちが和服を着て
(自分が作ってあげたものだ)給仕に走り回っている。
頼りになる娘たちの働きで、自分の仕事は、薬を求めるような客が来た時の
対応だけである。はのんびりと客がくるまで、もしくは、愛する誰かが来る
まで座りながら薬茶を楽しみながら待っていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区ーミヤビ宅ー」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 「こんなとこに、店ができたのか……」
退屈を欠伸を噛み殺して歩いていた男は、知らぬ店のようなものを見つけて少し目を見張った。
ちょっと覗いていくかと外からジロジロ覗くが飲食店なのか、野菜の販売所なのかわからない装いだ。
もぐりの店か、などと訝しんで出店許可証を確認するか迷う。
なにはともあれそこらに店員らしい人はいる声をかけた。
「お邪魔するよ。何売ってるんだい?」
よく怖がれる風貌の為に、怖がらせないように柔和に笑みを投げて聞いてみた。
■ミヤビ > 娘たちは、突然の来客に戸惑いながらうまく答えられずにいた。かなり巨体の騎士だ。
娘達のなかで一番しっかりしている潮も、人見知りを発揮し上手く受け答えができていなかった。
「店主のミヤビです。何か御用でしょうか」
娘たちの異常を察し、慌ててミヤビが対応をする。
「ここは薬の販売所です。基本的には薬茶やハーブ水を出していますわ、騎士様」
騎士の質問に、ミヤビは笑顔でそう回答をした。
ご案内:「王都マグメール 平民地区ーミヤビ宅ー」からミヤビさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区ーミヤビ宅ー」にミヤビさんが現れました。
■グスタフ > 「おやおや、驚かせてしまったかな。いや、見慣れないものでつい好奇心がね」
本当に驚かせるつもりはなく、頭をかいて困ったように笑ったが仕方がない。
店主と名乗る女性に近付いて、じろじろと頭から足先まで眺めてしまう。
「おっと……失礼。観察してしまうのは職業病のようなものだな。お詫びに、なにか一つ頂こうかな」
言って、お茶を選ぼうと思ったがクスリに長けているといっても男はハーブにはそれほどくわしくはない。
「そうだな。君の気持を掴むには、どのハーブがいいかな。奢るよ、一杯付き合ってくれないかい?」
■ミヤビ > 「いえ、騎士様のお仕事ですから、しょうがないですわ。でも、おごっていただけるなら喜んで」
じろじろと見られて若干面食らったことは確かだが、騎士という職業はそんなものだと思いなおす。
ミヤビが娘たちに目配せをすると、5歳ぐらいの赤髪の狐娘が、ハーブ水を二つ運んできた。
「ありがとう赤。騎士様、これが疲労回復に聞くハーブの入ったハーブ水ですわ。疲れていらっしゃるみたいですし、ぜひどうぞ」
そういってハーブ水を二つとも騎士の前に置く。もしかしたら毒見など気にするかしら、と思い、残ったほうをとるべくそのような回りくどいことをしていた。
■グスタフ > 「理解があって助かるよ。へぇ……良い匂いだ」
初見の客にそんな大層なものを出すこともないだろうと意外と気軽に口を付けた。
ぐいっと一息に飲み干す。いっそ、毒ならば喰らうまで。
「……で、こういう疲労回復もいいんだが。君の心を摑める気はしないなぁ」
女店主に少し顔を近づけて、胸ポケットからわかりやすい媚薬の小瓶を見せつける。
下心をぐるりと掌返しするように見せて。
「こういうの取り扱ってる? できれば試してから買いたいんだが……奥にないかな」