2019/03/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/噴水広場」にシュバルトさんが現れました。
■シュバルト > さて、今夜はいつも以上にノンビリである。
何故?それは……仕事がないからである、本当に仕事がない。
同業他者が大活躍、と言う噂も聞いていないし、ただのタイミングと言う奴なんだろうけども、依頼も貴族や商人の馴染みのお客様に声をかけて今日はいいや……ですまれたそんな夜の事である。
「……あーもう何処かにパトロン落ちてない?金塊転がってない?結構切実にほんっとマジで……。」
平民地区、拠点としている安宿近くにある噴水広場、文字通り噴水を中心に石畳が敷かれガス灯が辺りを照らす平民憩いの場である。
其処に備え付けられた二人掛けの木製のベンチ、仲睦まじい男女が座り、甘い言葉を歌うそんな広場でそんなベンチに深く腰をかけて背もたれに両肘を乗せてぐーんっと体重を預けて深く座り込みながら、幸せな人達にも不幸な人達にも分け隔てなく照らす夜空の月を見上げて、愚痴り、そして大きな溜息を吐き出し、アーーーと唸り声もついでに零す。
不幸、ではないが、物足りない、人肌恋しい、仕事が欲しい、店も持ちたい、欲しい欲しいのないない尽くし、やる事も無いので眠気が車でのんびりしていようと、噴水広場に来れば幸せなオーラがあちらこちらと……うーん、やはり不幸である。
■シュバルト > メイドも欲しい、助手も欲しい、欲しい欲しい欲しい……欲望まみれ過ぎて、足りないものが多すぎて、考えすぎて頭が痛くなってきた。
眉間に人差し指の指先を当ててぐにぐにとほぐしながら、ベンチから重たい腰をあげ、安宿へと帰るのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/噴水広場」からシュバルトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 寒気の緩みとぶり返しが続く春先の夜。
小さな人外は、ある茶屋で一服中。
王国風の品揃えをしているものだから、平素愛飲している緑茶はなく、目の前のテーブルには発酵させた茶が一杯。
白く飾り気のない陶器に六割残る白濁した褐色を鑑みると、牛の乳を入れてあるのだろう。
「くぁ……はぁ。」
噛み殺そうとして漏れ出す欠伸のせいで、口元をむにゃむにゃ。
大人用の椅子に腰掛けているせいで、雪駄を履いた足の先はプラプラと宙を泳ぐ。
この店には、子供用の椅子等と気の利いたものはない。
「ぬ。
久しいのぅ。
誰ぞ、めぼしい娘はおらぬか?」
何しろ、娼館が並ぶ界隈で、一晩を共にする相手を物色する男達が、客層の九割を占める店なのだから。
変声期前の声で気軽に声を掛けた相手は、顔見知りの客引き。
年齢も風貌も含めて異色の客ではあるが、客引きの男が足取り軽く近寄るのは、金払いの良い遊び方の賜物だろう。
■ホウセン > 客引きは、四十路ぐらいに見え、そこはかとなく軽薄な物腰。
見た目どおりの性根なのか、それとも時には太鼓持ちとしての役回りをこなすが故の演技なのかは分かりかねる所だ。
一通り社交辞令的な会話を交わし、本題へと移る。
幸か不幸か、小柄な妖仙の好みは客引きの知るものであったから、まどろっこしい質疑は大幅に省ける。
第一に、女性的な身体つきであること。
第二に、何かしらの変り種であること。
大雑把に言えば、この二点だ。
「ふむ、貴族の娘っ子というのは面白そうじゃが、出自が保障されておるかは怪しいところじゃのぅ?」
黒い瞳を細めて、意地悪そうな物言いを一言二言。
今の王国なら、没落貴族の娘が娼婦に身を窶すことも珍しくない。
とはいえ、平民向けの娼館で働くほどありふれているかといえば否。
「呵々!何も疑っておる訳ではないし、責めるものでもない。
立ち振る舞いで客を誤魔化しきれるようであれば、それは遊興の範疇じゃろう。」
その癖、偽物であっても構わぬと鷹揚に言ってのけるのは、相手にバレなければそれは卓越した芸事に近しいと思うが故に。
客引きとしては、応とも否とも言えぬところで、頭を掻いて誤魔化す辺りか。
斯様な振る舞いも暇潰しの種だと鑑賞し、自身は澄まし顔でぬるくなった紅茶に口をつける。
■ホウセン > 更に幾人かの娼婦が候補として挙げられ、さりとて妖仙の琴線に触れる言の葉はなかったらしい。
ほうほう、と売り込みの文言に相槌を打ち、情報を引き出すのは癖のようなもの。
今日のところは食指が動かなかったが、後日となれば気が変わるやも知れぬからと。
自分の気分屋っぷりから目を逸らすには、自らを省みる時間が長過ぎる人ならざる生が達観させてのこと。
聞き取った情報を頭の端っこにピン留めし、されど今宵は目の前の客引きとは別口で物色しようとの判断。
銀貨を一枚、チップとして男に渡し、軽い礼の言葉と共に見送る。
「さて、そろそろ腰を上げねばならぬ頃合かのう。
いい加減、茶の一杯で居座るのも心苦しくなっておることじゃしな。」
良心の呵責というよりは、大別すれば見得の類だろう。
或いは、格好付けと言い換えても違和感はあるまい。
陶器の底が見えるまでキッチリと茶を飲み干してから、机の端に代金を置く。
子供子供した体躯には大きい椅子から床に下り、そのまま出入り口へと。
「馳走になった。」
その一言を残し、夜の街に消える。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシャルレさんが現れました。
■シャルレ > 白い猫が塀の上を歩いてた。
夜も遅い時間で人の歩きもほとんどなくて、静かな夜。
適当な塀の上で座って、毛づくろいの時間。
冷たい空気に、白い毛並みも冷たくなってた。
鼻先をスンスンと持ち上げて周囲の匂いを嗅いだり、三角の耳を立てて動かし、
音を聞いたりと…。
散歩途中のくつろぎ時間。
■シャルレ > ふるふるを顔を振って立ち上がる、欠伸をしたあと
尻尾を立てて塀のうえを歩きだし、戻っていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシャルレさんが去りました。