2019/02/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にサザンカさんが現れました。
■サザンカ > 「ふっふふーん♪
夜のお散歩楽しいなぁ……♪」
富裕地区の屋敷を抜け出し
真夜中の獲物探しに精を出す淫魔はお散歩と称し、平民地区まで足を運んでいた。
最近手に入れた新しい能力や薬等を試したかったという理由で、一番捕まえるのが楽な人間にターゲットを絞ったのだが
今の今までサザンカのお眼鏡に合う女の姿は見当たらなかったらしい。
しかし幸運なこともあるのか
もう帰ろうとした時だ。
目の前の大通りの石段にポツンと腰かけ、物思いに耽っている少女の姿を見つけたのだ。
見るからに普通の人間で、特殊な魔力も感じない。
ちょっと乱暴にしたらすぐ壊れてしまいそうなくらい弱そうなただの人間。
しかし、これは好都合。
早速目の前の赤毛の少女を攫うために、サザンカは声を掛けた。
「ねえねえ、何してるのっ?♪
そんな格好じゃ、寒いでしょっ?♪」
■ナータ > 少女はぼんやりと、自分の事を振り返る。
あれはもう何年前だろう。
確か10歳の誕生日よりずっと前のことだった。
父親に連れてこられたこの街で、少女は迷子になった。
泣きそうになりながら彷徨い辿り着いた先は、奴隷市場。
そこで目にしたのは、自分とそう変わらない年頃や少し年上の奴隷達。
憐れまれるはずの彼女たちはけれど、とても幸せそうで。
その光景がずっと心に残っている。
だから、私は―――
そこまで至って漸く、自分に近づく気配と
自分に興味を示し楽し気に近づく少女の姿に気が付いた。
「えっと……?え、あ、えっと、な、なんでもっ……」
まさか物思いの内容が淫らなそれ、と言えるはずもなく。
自分よりやや背は低いだろう
そして体つきも幼いだろう相手への返答を誤魔化した。
少女は何の力も持たぬただの人間であったから
相手の少女の持つ魔力―――のような強大さに気付かなかった。
■サザンカ > 「ふーんっ?
もしかして、誰かにヤラしいことされる妄想でもしてたのかなっ♪」
相手の慌てようと誤魔化し方
そして頬の紅潮からなんとなくそんな気を感じ、からかうような口調でサザンカは呟いた。
そして──
「私がヤラしいこと、いっぱいしてあげるよっ♥
それはもう、壊れちゃうくらい……ね?♥」
ニヤリと微笑んだ顔と彼女の身体から発せられるフェロモンの様な甘ったるい香り
人の性癖に付け込み、簡単に篭絡させてしまう中毒性のある匂いを放ちつつ、
可能ならば彼女の背後に忍ばせた触手があっさりと彼女の四肢を拘束することだろう。
そして、大人しく拘束されたなら
地面に魔導陣を描き、彼女を屋敷の地下へと連れ去るつもりで──
■ナータ > 「そ、そんなこと、するわけない……じゃない……」
自分とそう変わらぬ年代だろう相手。
遠慮のない言葉に、顔を少し赤らめながらも首を横に振った。
「いやらしい、こと……だ、だって……そんなのっ―――ぁ……」
ふわり、甘い香りが鼻を擽る。
少女に出会う前まで抱いていた妄想が肥大する。
自分は、この相手に―――
フ、と少女の瞳から光が消え、脱力し崩れそうになった四肢を
背後に忍ばされていた触手が絡め取る。
そしてズルリ―――と、その触手ごと、地面に沈むように消えていく。
呆気ないほどに、何もなかったかのように。
僅かに少女の温もりが残る石段の上を、晩冬の世風が吹き抜けた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からサザンカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からナータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアリエルさんが現れました。
■アリエル > いつもの『商売』の後、少女は近場の酒場に適当に入り、遅めの夕食を頂いていた。
魚に肉、サラダやスープ。
酒場ではあるが、酒の類は頼んでいない。
ただ腹を満たせればそれで良かった。
店内は騒がしく、雑多な音に満ちていて。カウンターの隅で少女は姿勢よく、誰とも喋らす静かに食事を摂る。
「もぐ、もぐ……。――――ふぅ」
それなりに腹も満たされてきたらしく、フォークを置くと水の入ったグラスを煽る。
ひと息吐くと、少々物憂げに顔を俯かせて。
「…明日も、また、誰かの目の前で、種付けされて、卵を産んで、売りつけて…。
…………こんな生活が、いつまで続くかな――――」