2019/02/12 のログ
ご案内:「王都マグメール お菓子店」にリリーさんが現れました。
リリー > 仕事で空いた時間に、庶民的なお菓子店に顔を出した女。
こっちの国でこういう店への買い物は初めてで。

女は見たことのない菓子を見つけては驚いたりと子供の用におおはしゃぎ。

「それにしても、この時期にあまりチョコレートが並んでないのね。
やっぱり、国が違うと風習も違うのね~。」

店の品ぞろえに、故郷との違いを実感させられてしまう。
ちょっとだけホームシックにかかってしまい、溜息をついている。

リリー > チョコを一つ買い、ラッピングをすると自宅へと。
ご案内:「王都マグメール お菓子店」からリリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > お仕事の用で外出していた帰り道。いつもならまっすぐ帰るところだったけれど、今日は珍しく寄り道をしていた。自分と同じくらいか、もうすこし年上の人たち、若い人が多いあたりで、きょろきょろとあたりを見回していた。近くには服屋が何軒か並んでいて、どこの店頭にも洒落た雰囲気の服が飾られている。
外套の下、安物の服を着ている自分の姿を思い返すと二の足を踏んでしまう。自分のような地味な女が入っていい店なんだろうかと躊躇してしまって、お店の前を右往左往するばかり。意を決して入り口近くまで行き、ドアに手を伸ばしてみたりもしたけれど、店内へ進む勇気は出ずに逆戻りを繰り返す。

「いいな…」

何度見つめたかわからない、店頭に飾られている大人びた雰囲気のワンピースを眺めて呟く。もうすこし背が高かったら、こんな服も似合うんだろうかと思うけれど、自分の背は小さなままだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にランバルディアさんが現れました。
ランバルディア > 今日は珍しく朝からの外出。
否、昨晩から外出していて怠惰に起床した後の昼帰りというわけで。
男も多く通るわけではない服飾通り、偶にはと物珍しさもあって見回しながら帰り着くところだった。

其処に、見覚えのある桜の髪が目に入る。
自分の服飾には然程気にかけない男にとって、周りに飾られた綺麗な装いよりも余程眼を引く小さな身体。
ほう、と小さな呼気と一緒に声を零し、そろりと歩み寄り。

「……よぉ、ミンティ。
 珍しい所で会うもんだな。」

寄り添い立って声を掛けると共に、頭でも肩でも無く、ぺしんと悪戯に尻を叩いてのご挨拶。

「中々小奇麗な店じゃねえか、入んねえの?」

影だけでも少女を覆い隠すような長身の男には、その悩みなど知る由もなく。

ミンティ > 正面に向けていた視線を足元に落とす。外套の下から覗くスカート裾を見ても野暮ったい印象で、だからといってミニスカートなんかとても履ける気がしない。もっと可愛らしいデザインのロングスカートならとも考えてみるけれど、やっぱり気後れしてしまいそうだった。
似合うかどうか以前に気の小ささで一歩踏み出せないでいる。そろそろ帰ろうかと顔をあげたところで、名前を呼ぶ声が急に近くから聞こえたから、驚いて跳ねあがった。

「っ!
 あ、え…と、ランバルディア…さん。おひさしぶりです」

ひゃ、と小さい声をあげて、叩かれたおしりを両手で隠す。とっさに飛びのいて、それから見上げた相手の顔におぼえがあった。おずおずと会釈をして。

「…いえ。わたしには…あまり、合わないかと思ったので……」

身体が育つといわれる食材は毎日のつつましい食事の中にもできるだけ取り入れてみたりしているけれど、結果が出る予兆もない。この身長のままで身につけたところで、子どもが親の服を着ているような印象にしかならないだろう。そんなワンピースを見つめて溜息をこぼす。

ランバルディア > 想定通りの控えめな悲鳴と仕草。飛び退かれたのは予想よりも上だったが、らしいと言えばらしいと思う。
呼び声と会釈に少し不満げに唇を尖らせて見返し、大きく溜息を吐いた。

「俺とお前の仲だってのに、つれねえ呼び方だなあ。」

肩を竦め頭を振って、冗談交じりではあるが至極残念そうに嘯く。
合わないという言葉に怪訝そうに首を傾げ、傾けた視線が少女の身体を爪先から目元まで這い上がる。
瞼を閉じて彼女を着飾らせた姿を思い浮かべ、ちろ、と舌舐めずり。

「ふぅん……くくっ、まあ、あそこまで大人びたもんはちょっと背伸びしすぎかもしれねえが。」

少女が飛び退いて開けた距離を詰め、思い切り抱けば折れそうな腰に手を回す。
ぐい、と力任せに手繰り寄せて、勢いのまま店のドアを開けて入っていこうとする。

「俺がいくらか見繕ってやっから、付き合えよ。
 どうせお前のことだ、似合わない――なんて言って合わせることすらシてみてねえんだろ?」

ミンティ > 残念そうにする男性を見上げて、あ、う、と小さく声をこぼして考えこむ。人を呼び捨てにする事がほとんどないまま生きてきたから、どんな風に呼ぶのが正解なのかわからず。結局答えが見つからなくて、申し訳なさそうに頭をさげた。

「ええと…すみません」

服装を気にするより先に性格を改善すべきなのかと思えてくる。しかし身長以上に最適な方法がわからない問題。こちらの姿を観察する相手の前で、肩を下げて縮こまる。
そもそも、もうすこしだけでも堂々としていられたら、お店の前でずっとうろうろし続けるような事にもならなかったはずだから反省しきりで。

「…はい。わたしの背では…もしかしたら、裾を引きずってしまうかもしれません。
 サイズ違いがあれば、でも……、っ、わ、え、っ……」

サイズ違いがあるかだけでも聞いてみようかと思ったけれど、飾られたワンピースのデザインが自分にあうような想像もできない。いつもどおり気弱にもごもごと言っていたら、開いた距離よりも詰められて反射的に硬くなった身体を抱き寄せられる。みじめなくらい、さらに縮こまってしまって、靴の底と地面がずるずると擦れた。
そのまま店の中まで引きずられてしまうと、自分の力ではろくな抵抗もできない。

「……そ、それは、そう…なんですけど」

あわせてもいない事を言い当てられると返す言葉もなかった。こうして誰かに引きこまれでもしなかったら、結局お店に踏み入る事さえなかったはずで。

ランバルディア > 店の前でうろうろとしていなければ、こうして男に捕まることも無かっただろう。
それが少女にとって吉であるのか凶であるのかは、さておき。
男にとっては勿論、僥倖というほかない出会いであって。この機を逃すつもりもなく、先ずは屋内へ連れ込む所から。

「……へぇ、意外や割と願望があるんじゃねえか。
 その調子でもっと聞かせてみろよ。」

何なら抱き上げて運んでやってもいいのだけれど、そうすると折角着飾らせる愉しみがナシになってしまうのが勿体無い。
店に入るなり声を掛けてきた店員に、件のワンピースのサイズ違いがあるかを尋ねる。
返答は、「ある」とのことで。他にも幾つか持っていくからと、試着室の前へ置いて貰うように依頼しておき。

「偶にはミニスカートとかはかねえのかよ、色白で肉付きイイのに勿体無いぜ?」
 
あまりに強ばる身体を解す、ついで。腰に回った腕が、そろり、括れから下腹までを撫でて悪戯を始め。
ずらりと並べられた服の森に首から下を隠させて。最奥である試着室までの道のり、衣装を物色していく。

ミンティ > 店内は静かで、かすかにいい香りが漂っていた。どこかでお香のようなものでも焚いているんだろうかと見回してみて、顔をどこに向けても、自分の家には一着もないおしゃれな服ばかりが目についてしまう。なんとなく居た堪れなくなってしまって、顔を伏せて歩いた。他のお客が一人か二人見かけられるくらいなのが、せめてもの救いに感じられる。
そうやって萎縮している間に、男性は店員に声をかけていた。自分だったらサイズ違いがあるかどうか尋ねるだけでも時間がかかっただろうから、あっという間の出来事に目をぱちぱちまばたかせて。

「……もうすこし、人とちゃんと話せるようになりたいです。
 あ、ええと…、……あまり、派手な色じゃないものの方が」

願望を聞かれて、ずれた答えを返してしまう。すぐに服の事だと気がつくと、ぽそぽそと答えて、丈の短い上着をおそるおそる手に取ってみた。
自分の髪色に合う服を選ぶのは、いつも苦労する。そのせいで持っている服は馴染みやすい茶色か、髪と比べてはっきり差がつく暗色系のものばかりで。

「…え、と。……足を、出すのは……あまり得意ではないです。
 …でも、ええと……膝丈くらいの、スカ―トでしたら」

紺色の、シックなデザインの上着を身体にあててみる。このくらいなら、どうにか今持っている他の服ともあわせられそうだと思って値段を確認し、予想より高かったから、すぐ棚に戻した。
それからまた引きずられる足元を見る。裾まで隠すスカートも野暮ったさの原因だと思えて、そんな風に答え。

ランバルディア > 少女の願望に、それはそうだと同意を示して男もうなずいた。
男が物を選んでも、色合いはどうしても似たような物になる。
では何処で差を出させるかといえば、やはりデザインでしかなく。色以外なの所で、派手めな物を選んでいくつもり。

「『得意』ではないんだな、解った――」

嫌だとも、嫌いだとも言われた訳ではない。そう言って憚らず、少女が棚へと戻した上着も手に取り直し。
しっかりと衣装選びの参考とさせていただくことにした。

やがてじっくりと物色を終えれば最奥の試着室へ辿り着き、その更に奥へ消えていく……。

ミンティ > 「……苦手だという意味です」

自分に対しては後ろ向きなのに、人に意見や意思を伝えようとすると、とたんに否定的な言葉が苦手になる。今もそうで、たぶん意味を取り違えられただろうと伝わってきたから、おそるおそる言い足した。
棚に戻した上着を大きな手で掴むのを見て、あ、と声がこぼれる。手持ちのお金がほとんどなくなってしまう額だったから、あわてて止めようとしたけれど、なにか言うより早く、さらに奥へと引きずられていって…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からランバルディアさんが去りました。