2019/02/10 のログ
■カーレル > 冷たい風に白い物が混じり始める
短くなった煙草を落として踏みつけるようにして火を消し、屋台や露天の並ぶ方へ向かう
何時も似たような場所に店を出している店主は多い。もしかしたら探し人を見た人物がいるかも知れない
暖かそうな蒸気に誘われ、ちょうど席を立った2人の客と入れ替わるように屋台の傍に立てば、
とりあえずホットワインを一杯注文してから、目的の情報がないか顔見知りの店主と話をする―――
「売られてたり、死んでたりだと面倒だけどね…
足跡辿れるところまでは行かないと…前金貰っちゃったし…」
特に目撃した、という事もなく難儀な仕事だな、と苦笑する店主
ホットワインをちびちびと飲みながら、苦笑したいのは自分のほうだと肩を竦めてみせた
露天商に衛兵、屋台の店主…今日だけでも色々と声をかけたが目ぼしい情報はない
こうなるといよいよ、奴隷商の所だの死体置き場やらに顔を出さなければならなくなるかも知れない
「今夜はやめやめ、おっさん、酒」
一番強いやつね、と椅子を引っ張ってきてどっかりと腰を下ろす
今夜出来うる限りの事はしたので続きは明日。強い酒でも飲んで身体を温めることにした
■カーレル > 出てくるのは無色透明の強い酒
水のようにさらりとした酒だがとにかく度数が高いもの
そんな酒を味わうでなく、ただ流し込むように三杯ほども飲めば、ふー、と息を吐いて
懐から店主に金を払えば、見かけたら教えてくれ、と念を押すようにしてから席を立ち雑踏に姿を消した
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からカーレルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店通り」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 世の中には、慣れと言うものを強く感じる時がある。
今、この瞬間も、それに該当するものなのだろう。
ここは王都の平民地区、露店の並ぶ大通り。
今日は、その露店の通りを普通に歩く少女が居た。
周囲とは明らかに違う、異国風の着物姿。
頭の上には狐の耳、歩けばゆらりと揺れる九本の尾。
しかし、周囲の反応はこれと言ってない。
もう何度も通っている為であり、これが慣れと言うものだ。
まぁ、色んな噂も流れているらしいが、そこは気にしない。
「さてはて、何か面白い物でもと思うて来たが…そこは、そう上手くゆかんものじゃのぅ」
右に左に並ぶ露店、それらに視線を向けながら、のんびりと歩いていた。
■タマモ > ちなみに、少女に関する噂はいくつか存在する。
絡んで来た小悪党に対し、逆に追い剝ぎ紛いの行いをした。
かと思えば、目に付いただけの相手に悪戯をしたとか。
そのせいで冒険者に追われるも、同じ目に合わせてた、とか。
しかし、ただ逃げ惑うだけで終わる日もあるとか。
それだけを聞けば、気紛れに好き勝手してる異種族の少女だ。
だが、それだけでは終わらない。
ある酒場で、そこの衣裳を身に纏いウェイトレスをしてる。
しかも賭博を行い、己の身を賭け金代わりにしているとか。
それに負けて、その後は…なんて事もあったり。
他、誰か彼かから調教を受けていた、なんてものもある。
探れば、もっと色々と出てくるだろう。
少女は、それでも平然とこうして表に出ている。
要するに、どんな事だろうと楽みの一つ、そう捉えているのだ。
さて、それはさて置き、少女の露店巡りは続いていた。
見ているだけで、何かを購入したような感じはない。
まぁ…少しだけ、飲み食いはしていたようだが。
■タマモ > 「うん…?」
ふと、少女の耳が、ぴくん、と揺れた。
訝しげな表情を浮かべ、一寸、視線をある方角へと向けて。
知る者は居ないだろうが、その方角は、少女の式が居る邸宅の方向だった。
「やれやれ、楽しみの途中だと言うのに…
どちらが主なのか、分かったものではないのぅ?」
はふん、と軽く溜息。
そのまま、裏通りの方へと歩いて行けば…
周囲の視線を遮った場所で、とん、と地面を蹴る。
次の瞬間には、少女の姿はそこに無かった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店通り」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にルキオラさんが現れました。
■ルキオラ > 平民地区の片隅にある小さな公園。
そのベンチの上で手のひらサイズの二股帽子の小人が寝転がっていた。
先日新たに得たパトロンからの資金提供で研究が一歩進み……
現在はアトリエの自動計算器に計算を任せている状態だ。
一つの計算に結果が出るまで半日以上。どう時間を潰すかを考え……
とりあえず今日は日当たりのいいこの公園で過ごすことにした。
「ふぁぁ」
小さくあくび。
■ルキオラ > 「……おっと、軽く寝るつもりがぐっすり寝ちゃいましたね」
肌寒くなってきて目を開ければ、日が沈みかけていた。
そろそろアトリエに戻るべきだろう。
公園の隅っこに隠しておいたゴーレムを用いて、ルキオラは公園をあとにした。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からルキオラさんが去りました。