2018/12/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 朝食を終えたら散歩に出るのが休日の習慣になってきていた。しかし、すっかり冬らしくなった最近は、朝起きるのがなかなか辛い。いつもどおりに家を出てはみたけれど、油断すると欠伸がこぼれてしまう。
客を呼ぶ商人仲間にそんなところを目撃されて、恥ずかしい思いになりながら会釈。
食料品や日用品は大体足りていたから、今日の目的地はもうすこし先の方。どこかのお店ではなくて、行商人が露店を開いているところ。
商品になるものがないか見てまわるついでに、ときどきためになる話も聞かせてもらえたりもする。それがいい勉強になるのだった。

「……っ」

お店が並ぶ通りを過ぎて広場に近づくと、小さな屋台を組んだり、敷物の上に商品を広げて座っている行商の人たちの姿が見えてきた。
けれどなんだか様子がおかしい。すこしざわついた雰囲気に小首をかしげて窺ってみると、露店を開く商人の一人が柄の悪そうな人たちに絡まれているのが見えた。
比較的治安のいい平民地区の、賑やかな大通り。このあたりでは珍しく思える光景に戸惑って、自分が怒鳴られているわけでもないのに、大きな声が聞こえてくるたびにビクビクと震えてしまう。

ミンティ > しばらく様子を見ていると、柄の悪そうな人たちが露店から離れはじめる。お金を取られたりしていたようには見えなかったから、話がついたのかどうなのかわからないけれど、とにかく無事ではあったようで。
大きな騒ぎにならなくて安心した。けれど、ほっと息をつく間もなく、そのうちの一人と目があって、なんとなく嫌な予感がした。
この場に女性は自分一人なんて事はないけど、勝手にびくびくしていた自分は、傍から見たら絡みやすそうに思われたのかもしれない。
こちらへ向かって歩いてくる彼らの表情を見て、予感は確信に変わりそうだった。逃げないとと思うけれど、こんな時に限って、臆病な自分の身体は素直に言う事を聞いてくれない。

ミンティ > じりじりと後ずさっても、大股で近づいてくる彼らとの距離は縮まる一方。助けを求めたくても、まわりの商人たちに迷惑をかけるだけだと思うと、誰とも目をあわせられなかった。
もうすぐ手が届きそうなところまで近づかれる。もうだめだと思って、ぎゅっと目をつぶる。けれど彼らはそのまま、舌打ちをして横を通りすぎていった。
おそるおそる顔を上げると、別の道からこちらへ歩いてくる衛兵の姿が見えた。最初の騒ぎを聞きつけて、見回りにやってきたのかもしれない。
危ないところだったねと近くの商人に声をかけてもらって、危機が去った実感がわいてきて全身の力が抜けそうになる。いろいろ気づかわれて申し訳なくなってしまうけれど、誰かと話している方が気持ちが楽になる。
それからしばrかう、落ち着くまで会話につきあってもらって、立ち去る寸前で商談に移られた。話の運び方の巧みさに驚きつつ、断りづらい状況に苦笑する。
あまり高いものは買えないと遠慮がちに言うだけ言ってはみたけれど、帰るころには財布がかなり軽くなっていたかもしれない…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。