2018/12/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」にフィル=クォーレンスさんが現れました。
フィル=クォーレンス > 夜になれば大分肌寒い風が吹き抜けるようになった大通り。
昼間の賑わいも今は無く、大通でもあっても深夜になれば人気は酒場などへと移っていくわけであり。裏通りや細道を進んだ先にある、通りの人気何て当然のごとく皆無である。
そんな靴音すら響き渡りそうな静けさの中、ポツンと灯りを零す雑貨屋の中で動く影は一つ。
既に窓などの戸締りも終わっている中、表のドアに掛けられた看板は未だオープンの文字がゆれうごいている。

「相変わらず…静かですね」

元々人気のない場所にある雑貨店である。昼間でも人気が無いのに、夜が深まれば人気が増えるなんてことはなく。
ローブのフードを目深に被った少年は、カウンター裏の椅子に腰を下ろし。溢れてくる欠伸を一つ噛み殺しながら、何をするでもなく静まり返った外の道へと、視線を走らせたりとしている。
勿論来店があれば、その音に反応して其方へと視線を向けるのだろうが。
余りにも静かな時間が続いたせいだろう、眠るまではいかずとも少しボーっとしてしまっており。

フィル=クォーレンス > 「くぁ…」

久しぶりの明け方に近い時間までの店番。配達からそのまま頼まれたとはいえ、この時間まで開けていても来客はまずないのではないか。
そんな考えが眠気がまとわりついてくる思考に、ゆらゆらと巡らせながらも、完全に居眠りをすることはなく。
幾度となくあふれ出る欠伸を、その度に軽く噛み殺し。時折目を擦り、頭を揺らしたりと眠気が一定以上寄ってこない様に振り払っていく。

「そういえば…今日の持ち込み、何だったんだろう」

配達がいつもより多くなった理由。
持ち込まれる何かしらのアイテムがいつもより、厄介なものだったのか多かったのだろうか。
ふと、そんなことを思い起こせば、長い夜の暇つぶしの一つとばかりに、考えを巡らせていく少年。
もっとも、自らは未だ大した持ち込み道具は扱わせてもらえないわけであり。
いつかは、と思っていてもそれはまだまだ遠い道だろう。そんな思案に耽ってしまえば、眠気とは別に周りへの注意は薄くなってしまうわけであり。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」にミンティさんが現れました。
ミンティ > まだ夜明けには遠い時間。当然自分のように非力な人間にとって外出に向かない時間でもあるわけだけど、夜の闇に紛れるようにして、こそこそと大通りを歩いていた。
こんな夜更けでも、酒場から千鳥足で出てくる男性がいたりする。そちらをちらりと目を向けて、人の姿が見えた事にほっとする。しかし、ぼーっとしていて絡まれるのは困るから、やや早足で先を急いで、見えてきたのは雑貨屋の看板。
ときどき遅くまで営業している、と知っていたお店が運よく今日も開いている様子。遅い時間に買い物に出なければならない事情は不運だから、あまり素直に喜べないけれど。

「…お邪魔します。…あ、フィルくんが店番?……遅い時間まで、お疲れ様です」

扉を小さくノックしてからお店に入る。夜更けの訪問だから先に挨拶くらいはしようと思ってカウンターへ向かうと、そこに座っていたのは店主ではなく、雇われの少年だった。何度か顔をあわせ、名前くらいは知っている相手だったから、まずはこんな時間まで働いていた彼に労いの言葉をかける。

「……あの、これと同じ形のネジを、いくつか、ええと…十本くらい、買いたいのですが」

そう言って、手のひらに乗せたネジを少年に見せる。前にもここで買ったものだから取り扱ってはいるだろうけれどと、店の中を見回して。

フィル=クォーレンス > 「へ…?あ、はっ…いらっしゃいませっ!
あっミンティさん、今晩はです」

こんな時間にお客が来るはずはない、そう思っていたりすると不意の来客が合ったりするのが世の常である。
小さく響くノックの音にきづくのが遅れたのだろう。掛けられた声に漸く、物思いにふけっていた思考は現実へと戻り。
椅子から少しバランスを崩す、なんて言う有様を見せてしまいながらも、目に入る見知った姿の彼女へと慌てたまま挨拶を返し。

「えっと…このネジですね。確かそれは未だ在庫がかなりあったはずですから…。」

何時も目深に深く被っているフードが大分ずり落ちている事にも気づかず。そのままマジマジとそのネジを見つめ。
カウンター裏の棚へと手を伸ばして漁っていく少年。程無くしてカラカラとした金属質な音とともに、同じ形のネジが20本近く入った小箱が取り出されていき。

「これですね。やっぱりまだ結構ありました。ミンティさんも…お疲れ様です。まだ仕事ですか?」

カウンターの上、彼女に見える様にネジの入った小箱を差し出しながら、あらためと頭を下げる。
夜遅いという時間をはるかに超えた時間である。
地区の外れということもあり、夜遅くの仕事を同じくねぎらうように、零していき。

ミンティ > ずれたフードから顔が覗きそうになっている。少年の正体を偶然の流れで知っていたから、それを指摘しようかと思ったけれど、差し出したネジをじっくり観察している間は言い出しづらい。
そのままネジを探されはじめたら完全にタイミングを逸してしまった。こんな時間で、自分以外にお客もいないようだから、店を出る前に教えてあげたらいいだろうと考えを切り替える。

「はい、これです。……いえ、仕事ではなくて、私用で……
 最近、簡単な道具の修理くらいはできないかと考えて練習していて。
 足りない部品…ほんとは朝でもよかったんだけど、どうしても気になって」

こんな時間まで寝ないで作業に没頭してしまった事情を明かして肩をすくめる。明日に響くような夜更かしは、あまりしない方がいいのだけど、集中してしまうとつい時間を忘れがちになる。
自分の悪い癖に苦笑しながら、ネジの代金を取り出そうとする。ただそれだと大した金額にならない。
夜更けに来店しておいて小さな買い物だけ済ますのも気まずくて、なにか他に必要なものはないか店内をふたたび見回した。

「ええと、あとは……
 なにか、面白いものとか、珍しいものとか……
 あの、鑑定の練習に使えるようなものだと嬉しいのですが……」

あまり高いものでないと嬉しいなんて付け加えながら、少年にいい品はないかと尋ねる。それからしばらく、世間話なんかにも興じながら時間を過ごし…。

フィル=クォーレンス > 「お店の店主、ですもんね。
自分で修理できたら対応できる幅広がると思いますし…何か修理したい物とかあったら、その時はお願いできると頼もしいです。
僕も見習わないと」

自らの姿を既に看破し、それを知っていてなお同じてない彼女の前だからだろう。
普段なら慌てても少しすれば気づく、フードのズレには指摘されるまできっと気づくことはない。
自らの出来ることを増やそうとしながら、没頭すると時間を忘れるということに、共感するものはあり。
その向上心に感心するように、目を少し輝かせて、明るい口調で言葉をこぼしていく。

「変わった商品ってことですよね。
大体の物は僕の方…お店には降りてこないんですけど。
余り価値が高くなさそうとか…後回しにされたものだったら…いくつかあったかな」

自分も自分の足で冒険して色々なアイテムを見つけたいのだから、向上心は大事。
何てやる気をほんのり刺激されれば、代金を受け取り。商品を軽く紙袋に入れて差し出していく。
代金はカウンターの代金の箱へ、そのまま話を持ちかけられれば、一つ目を細め。
辺りへと視線を巡らせながら、言葉を返し、世間話を交え返しながら、見知った人だし。といった調子でそれによさそうな物を考えれば、取り出し始めていったであろうが。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」からフィル=クォーレンスさんが去りました。