2018/12/01 のログ
■ミンティ > 軽く足踏みしてみて、地面を踏んだ感覚の気持ちよさにも驚かされる。きっと腕のいい職人が手がけた靴なんだろう。値段を尋ねて、財布の中をもう一度確認した。手持ちのお金をほとんど使ってしまう事になるけれど、なんとか買える金額。
「これ、ください」
手が届く値段だとわかったら迷いはなかった。なにかと後悔しがちな性格なのは自覚しているから、今日ここでこの靴を買わないまま帰ったあと、しばらく悔やむ事になるのは想像にかたくない。
代金を支払ったら、すっかり軽くなった財布をしまって、それから新しい靴も袋に入れてもらう。履いて帰りたくもなったけれど、すぐに汚してしまうのも残念な気がした。
自分にとっては大きな買い物、だけどいい買い物だったと思う。履き慣れているはずの靴で歩く帰り道でも足が軽くなったような気分で、いつか新しい靴が似合う自分になれるよう頑張ろうと考えて…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にグラスシエルさんが現れました。
■グラスシエル > 平民地区の外れにある、小さな公園
居住区の真ん中でもなく、本当に過疎地にある寂れた公園だ
なのに、手入れだけはしっかりしていて、石畳も壊れてないし、芝生はきちんと刈られている。後はベンチがちらほらあるだけの簡素な公園
そこに、天使の少年が舞い降りる。軍服を来た痩身の天使だ
手には、大きめの紙袋。その天使の羽音がしただけで、植え込みやどこからか、公園を根城にする猫たちが顔を出す
にゃー、なー、まーぉ
「あーうっせ、いいからお前らもうちょっとだけ待て、おいこらそこ喧嘩すんな!」
鬱陶しそうに猫を足で払いつつも、紙袋に手を突っ込む。中身はドライフード。ソレをいくつか小さな山にして置く。猫たちは夢中でソレを貪り始めて
「あー、寒ぃ…お前らみたいな毛皮ほしいわホント」
■グラスシエル > 「…それにしても、いつ見ても、ゴミもないし芝生も綺麗なんだよな此処。誰がこんなとこの整備してんだ?」
餌に群がる猫たちに興味がないように、少年は芝生を眺める
普段から時々こうやって餌を与えるために此処には来てる。のだが、公園を整備してる奴を見たことはない
というか、こんな辺鄙な場所を整備する必要もなかろうに、しかし、芝生も青く、短くしっかり整備されてるのだ、本当に謎である
まあ、どうでもいい。自分も汚い場所が好きなわけじゃない
猫たちを尻目に、自分はベンチへと向かい、ベンチに大股開きで座る。
人懐っこい猫が数匹こちらに来るので、こっちにもドライフードの小山を盛ってやる。別に此処までする必要性は全く無いが…なんというか放っておけない気質でもある。面倒を見る性分なのだ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミツフサ ウタさんが現れました。
■ミツフサ ウタ > 「御猫さまさまー。今日はお魚持ってきましたよー。おやおやおや?」
カラコロと下駄を慣らし狐の少女が一人、彼女は悩み事が溜まると度々此処に訪れていた。
猫相手に他愛ない愚痴を漏らしつつ一人思案に耽る。
だがしかし今日は稀に見る先客が居たようで。
「もしかして知る人ぞ知る穴場猫スポットだったりするんですかねぇ此処は。」
特に此方から接触したりはしないが公園の端、芝に腰を下ろし寄ってくる猫をあやしながら見慣れない風貌の天使を眺めていた。
■グラスシエル > カランコロンという軽い下駄の音
ドライフードに夢中になってた猫たちが一斉に反応する
一斉に駆け出す猫たち。少年は聞き慣れぬ下駄の音と、猫の反応に首を傾げる。こいつらが餌を無視しだすってなんだ?
顔をあげると芝生に腰を下ろしたまだ小さな少女、狐の尻尾が印象的
はて、狐に群がる理由がわからない。興味を持って少女に無遠慮に近づく。
嗚呼、そう言うことか――
少女が手に持ってるモノ、魚だ。そりゃ猫にとっちゃドライフードより魚の方が良いに決まってる。
少女の方を見る。緋色の、見慣れぬ厚着っぽいなにかが印象的。珍しいが結構可愛い格好だと思う。狐っぽい容姿も可愛いというか、しっぽが手触り良さそうだ
少年は見てるだけ、だが、非常に目つきが悪い。睨まれてるように見えるかもしれない
■ミツフサ ウタ > 「こらこら、いっぱいあるから取り合わなくても良いですよ。今日は港で良い仕入れが出来たから奮発ですよー。」
群がる猫を手で尻尾で撫でながら少女は何の気なしに天使の方を見やる。
-あれ?なんか物凄く睨まれてないですかウタは、何か悪いことしましたか?猫奪っちゃったからですか?
それともウタのことを知ってる...。
となると彼も商人?それとも冒険者か傭兵か、お客さんの顔は全員覚えてるから娼婦の繋がりじゃあ無いとして。
王国軍関係者だと物凄く嫌なんですが。
と、見に覚えがありすぎて困惑する少女は意を決したのかちょいちょいと手招きをしてみる。
出来るだけ警戒心を与えないようにと柔和な笑みを浮かべながら。
そうしている間にも猫への餌付けは順調に進んでいて、天使の少年が近付けばひとつの疑問が湧くだろう。
特に荷物を持っているようには見えないこの少女は果たして何処から結構な料の魚を取り出しているのか?と。
■グラスシエル > 別に猫が好きなわけではない――つもりだ
なので、魚に群がる猫たちに嫉妬はしないし、うまいものを食えて何よりである。まあ、単に見てるだけなので、相手が少々ビビってるなんて気づいてもいない。顔は不機嫌そうで、睨んでるように見える、まあそれが一番の問題であるが
手招きをされると、無言の、そのままの表情で近くへ寄って、正面にあぐらをかく。仕草も態度も、なんというかまだ、懐いてない無愛想な猫のよう。
魚をぶら下げては、猫が食べ、そしてまたぶら下げる魚――ん?
こいつどうやって魚もってるの?常時魚投げてるけど
「…手品?魔法?なんだその無限魚ランド…」
■ミツフサ ウタ > -あぁ、特に私を知っているって訳では無さそうですねぇ、不機嫌って訳でもないみたいですし。
きっと誤解されがちな人なんでしょう。
普通に話し掛けてきた様子にそう結論付け着物の懐から一枚の布切れ、風呂敷を取り出して...。
「さぁさ御立ち会い。此処にあります風呂敷は私ウタの貴重なお宝。手を突き入れればあら不思議。中は異空間で御座います。」
容量も何もあったものではない布切れにズブズブと沈んでいく彼女の腕。商人としての無駄に明るいセールストークを織り交ぜ彼女は上機嫌でその茶番を続ける。
「取り出したるはお魚一匹、おや?まだありそうですね?二匹、三匹四匹止まらない?止まらない!おっと御猫様は入っちゃ駄目ですよ?魚に埋もれて悲惨な目に会いますからねー?」
興味を持った猫が飛び込もうとするのを尻尾で受け止めそこで彼女の茶番は終わりを告げる。
「私の名前はミツフサウタ。一応は商人ですが手広く色々やっている者です。」
と風呂敷を細く纏め自身の長髪を後ろで結った。
■グラスシエル > 元気そうにピコンとしてる狐耳、ゆらゆら揺れる尻尾
なんというか、両方触ってみたい錯覚に追いやられる。きっと手触りは最高だろう、なんて思う。まあ少年は無愛想、無遠慮に見えて社会常識人なので、おもむろに触ろうとはしないし、流石に初対面でいきなり触らせろとか無礼なことを言うつもりもない
「フロシキ…?何そのうっすい布が、フロシキっていう魔道具なのか?」
天界育ちの少年には、東方のことはさっぱりなので、フロシキという物がわからない様子。風呂敷に沈む手、取り出したる止まらぬ魚、当然喜ぶのは少年ではなく魚が出てくる猫である
「ほー、大したもんだ、すっげえ便利そう。そのフロシキとやらも売ってないのか?」
欲しくなったらしい、そう言うところは年相応の好奇心はある様子。ただ、よく見れば幼そうな容姿の割に口調はなんというか、無駄に落ち着いてる。マセてるというかなんというか、スレてるような、背伸びせぬ落ち着きっぷりだ。
ぱちぱちぱち、と軽く拍手をしながら、少年はようやく、乾いた笑顔を見せる。笑顔になると、さっきまでより全然幼く見えるものだ
「俺はグラスシエル。シエルでもグラスでもなんでもどーぞ。で、商人なのに、商売相手が猫なのか?金もってないだろこいつら」
お腹いっぱいになって、膝に勝手に乗ろうとした猫の首根っこを掴んで正面にぽい、としながら尋ねる。
■ミツフサ ウタ > 「普通の風呂敷にこんな効果は付いてないですけどね。これは私の商売道具です、残念ながら非売品なのでお譲りすることは出来ないですが他に何か御入り用の物があれば融通しますよ。」
彼が放った猫は彼女の尻尾に抱き付きもふもふと揉みくちゃにされていた。
「シエル君ですね、どうぞ御贔屓に。それでこの魚は...。まぁ、私が御猫様方に支払うお代、のようなものです。時々此処に来て愚痴の相手をしてもらっているので。」
そう言って彼女は一匹の猫を抱え上げ自身の頭の上にぽふ、と乗せた。猫はぴこぴこと揺れる耳を面白がって執拗にバシバシと叩こうとするのだが彼女は耳の狭い稼働域のなかで器用に避けていた。
■グラスシエル > 「ほーん…布一枚なのにじゃあなんで風呂敷なんていうんだ?」
非売品らしいので、無茶は言わずに引っ込む。アレがあれば戦場に結構な物資を持ち込めるとは思ったのだが、戦いに物資の有無は死活問題である
ご入用…勿論、欲しいものは常識範囲で色々ある
傷薬、痛み止め、仕込みの効く投擲用のナイフ、レーション、軍服を補修する裁縫道具――まあ、目の前の商人がまさか軍用物まで取り扱ってるとは想像もしてない少年は、しばし考えてから
「干し肉とか、肉?なんつーか、ジャンキーで保存の効く奴」
と、とりあえず無難なとこを選ぶ。優秀な商人ならばコネを作るのは軍人としては結構必須スキルだ
「おねこさま――ねえ、こいつらが様付されるのか」
戯れに、よってきた猫の尻尾の付け根をちょっと乱暴に叩く。しっぽを立ててて、気持ちよさそうにする猫。猫の扱いは結構慣れてる様子
「愚痴かぁ――こいつらに話しても返事も相槌もねえだろ
…じゃあ、その風呂敷ショーの代金に、今日は俺が聞いてやるよ」
悪い子、ではないのだ、というかどっちかと言うと面倒見の良いタイプである。なので、この狐少女になにかしてやろうと
■ミツフサ ウタ > 「うーん。実は由来は私もよく分かってないんですよねぇ。昔ダンジョンに潜ってるときに見付けた物なので。東方の荷物を包んで担ぐ風呂敷と言う一枚布に似ていたのでこう呼んでいるだけで。」
小首を傾げて告げるウタ。東洋風の格好をしてはいても出身自体はこの国である彼女にこの問いは難しいのだがそんなことを相手が知る由は無いので致し方なしだろう。
「保存食ですかー。最近は味の良い物ほど売れるので結構な数揃えてますよー。定番の干し肉や薫製肉。魚の干物に水分が少な目の日持ちするパンにちょっと値は張りますけど王国軍が使っているような戦闘糧食もあったり無かったり。」
指を折りながら手持ちのリストを暗唱していく。
聞いているだけでその量は部隊の1つや2つなら一月ほどは補給せずに行軍出来るのでは無いかと言うほどの量だ。
「まぁ、人知れずに不満を吐くよりは余程癒されるので。聞いてくださると言うなら少し漏らしましょうか。と言っても市政の人に聞かせても危険の無い事、と言うと随分限定されてしまいますが...。おっと失礼、お相手は天の御遣い様でしたね。それでは戦に生きる愚か者たちの愚痴でも聞いて貰いましょうか。」
そう言い彼女は落ち着いて話せるようにと折り畳み式の机や椅子を用意しあっという間に辺鄙なお茶会会場を作っていく。
■グラスシエル > 「んー? ああ、要は小さい布をハンカチとかいうのを、東方では大きなモノを包む奴をフロシキっていうのか」
ようやく合点がいく。うんうん、とモヤモヤが取れた表情である。こうしてみると年相応、というよりもっと幼く見える、小柄で華奢な体躯だからだろうか
「あー、そういうのそういうの。食った気分が強くて携帯数が多いのならパンのと肉のやつが欲しいんだわ…ん?戦闘糧食ってレーションじゃねえの?」
説明内容はかなりの量と、聞いてる限りは質もしっかりしてる。
これはいい取引相手になりそうだと、内心嬉しく思う、良い商人との出会いは、結構死活問題なのである
良い商人とめぐりあえて幸運である
「あー、入れは厳密には王国民じゃないからな、大丈夫大丈夫、そんな事だれにもいわねーし得もしないし。 俺は天使だけど、戦天使っていう、軍人?いやなんというか兵隊みたいなもんだから気にすんな!」
快活な少年である。サバサバしてるが、その分しっかりしてる
お茶会会場の設営は手伝わない。まあそこは彼女のほうが勝手知ったるだろうし、雰囲気作りの邪魔になるだけだ
■ミツフサ ウタ > 「その認識であってると思いますよ。用は便利な布って話ですね。」
話ながらも設営の手は止まらず。あっという間に手軽な料理とお茶の並ぶ卓が出来上がっていた。
「レーション、そんな言い方もありましたね。私は王国軍との取り引きパイプも持っているので手広くやってるんですよ。なんなら軍用のあれやらこれも用意出来ますよ?」
勿論非正規とはいえ自身が王国軍内部にも籍を置いている一介の師団長であることは漏らさない。人気の無い辺鄙な公園と言っても何処に間者が潜んでいるかは分からないからだ。
「ほへー。天の御遣いにも色々あるんですねぇ。さ、どうぞご遠慮なく召し上がって下さいな。お近づきの印とでも思っていただければ。」
と言って席へと促す。
■グラスシエル > 「ん? ちょっとその話詳しく、軍用品って事は戦闘用物資も入るってことでいいか?」
目付きが鋭い。獣に近い瞳だ、戦天使というか、歴戦の戦場を掻い潜ってきた真剣な眼差しである。当然だ、モノの質で命があったりなかったりするのだから
と、まあ一瞬、戦士としての素が出てしまった。怯えさせてしまったかもしれないなとか思いつつ
「うむ、教えを広めたり愛情とか慈愛を広める広報とか戦闘の実働部隊だったり――まあ、国の軍隊と一緒だな。軍隊というか国そのものだ」
だから、多少の難しいめんどくさい話はわかるぞ、と言いながら席に座る。ちゃぶ台のような卓に並ぶ見たことのない小料理に目を丸く輝かせる、食い物は好きだ
「すげー!てかあの短時間でこれってすごくね!?」
とりあえず、食べていい許可をまつ。そこらの礼儀はわきまえてるつもりだ
■ミツフサ ウタ > 「えぇ、武器や打ち切りの魔術スクロールや医療品にー。基本なんでもあるともらって良いですよ。ただ武器に関しては腕の良い鍛冶師と組めてないので並くらいの質になりますが。後は私を傭兵として雇うってのも出来ますよ、一応。」
個人、組織を問わずに取り引きをこなす彼女は幅広く何でもこなす。とはいえ要人の暗殺なんかを頼まれると困るのだが。
「国、組織と言うわりにはシエル君は飄々としてますねぇ。お堅い気質を持ってても不思議では無さそうですのに。ささ、どうぞ召し上がって下さいな。一応味見を兼ねて全て保存食や戦闘糧食で作ったので参考にしていただければ。」
辺鄙な二人きりのお茶会はしばらく続き並んだ料理の数々は購入時のシエルをさんざん悩ませる事になるのだがそれはまた別のお話し。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミツフサ ウタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からグラスシエルさんが去りました。