2018/11/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 露天市場」にイルフリーデさんが現れました。
■イルフリーデ > 買出しにやってきた露天市場。
思いつくままに適当に食料やら消耗品を買い漁り、詰め込んだ状態でのバスケットを片手にぶら下げ、もう片手には護身用の得物。
ふらふらと露店を見て回っていると、ふと、術符に目が留まり、立ち止まれば…
「ほほう…術符か……。」
(はて?何かに使えるかしら?)
と、首を傾げながら、売り棚を眺め―。
■ティエラ > 芒洋と人の行き交いを眺めていたところ、ひとりの女性が店の前に立つ。
使用人服と言われるメイド服に、こちらではあまり見ない形の……剣?だろうか、なんかそんなものを持っている。
左手には籠という、ちぐはぐが過ぎる印象の女性。
髪の毛の色から多分シェンヤンの方の人という気もするがどうなのだろうか。
とりあえず、女は笑みを浮かべて朗らかに言葉を放つことにした。
「いらっしゃいませ、何か買って行ってくださいー」
商才のなさが爆発する。いきなり買って言ってくださいはないだろう、が。
本人はいたって真面目だったりもする。
魔術師で踊り子で冒険者であるこの女は、商人に向いてない。
とりあえず、術符を見る相手を椅子から見上げる。
「気になるものがあれば、説明しますよ。」
と、にっこり笑ってみせた。
精一杯の売り物アピール。
■イルフリーデ > 得物は東方の異国の物。
そしてちぐはぐな格好はある意味目立つかもしれないけれど、
露天市場の中では余り目立たない…はず、と本人は気にしてもいなかったり。
売り物を眺めていると、声をかけられ、顔を向けてみる。
挨拶から店主だと思われる女性の姿を確認して…
(ちょっと変わった売り込みの仕方ねぇ。)
などと思いながら瞬きを数回した後、にこりと営業スマイルを浮かべて
「どうも。えぇっと、この符はどういった使い道があるの、かしら?」
葡萄色の髪と、それと同じ色の瞳。褐色の肌。
(コントラストが綺麗だな。)
と瞳を見つめながら、傾げた首をそのままに術護を指差して、説明を聞こうと―。
■ティエラ > 見た目は異質なのは冒険者なのかもしれない、と女は判断を下す。
冒険者は遺跡とかで装備を手に入れる、それは効果が高いが見た目がちぐはぐになることもママある。
その服装もまた、そんなものなのかも知れない、魔力的なものは一切感じないが。
むしろ本人の魔力が異常と言えるぐらいに高いし、魔法戦士かなにかだろうか。
自分を眺めている相手に対しての推察を続けていて。
「その符はですね、魔力を込めれば癒しの力が発動します。
本人の魔力量により差がありますが、初級から中級までの効果がありますね。
本体はその魔法陣なので、紙さえ破らなければ何度でも使えます。
魔法の詠唱をしなくていいので、緊急時の回復に使えますよ。」
紋章型のものは、書き込む必要があるのでその場で使うのは難しい。
故にあらかじめ書いておいたものを使用するのだ。
書いておけばあとは魔力を注ぐだけで魔法が発動する
呪文を唱えるよりも早く、発動ができるのだ、攻撃魔法であれば基本使い捨てではあるが、回復魔法であれば破ったりしなければ何度でも使えるのも利点であろう。
女はそれを解説して、いかがでしょうと首を傾いだ。
■イルフリーデ > ちぐはぐな格好もあいまって、店主に推察されている…なんて事を考えもしていない…。
暢気に、女性店主の葡萄色の瞳を見つめながら
「ほほ~~。癒しの力…それは使い道どころか持っていて損しないアイテムね。」
説明の第一声から、この術符に関心をひかれた―。
説明を聞きながら、女性の瞳と術符を行ったり来たりと、交互に視線を動かしながら
「なるほど。破損しない限り再利用が…なるほど、なるほど。」
傾げていた首を元に戻し、感心したように何度か頷きながら、同時に
(魔力か。私でも使えそう?ね。頑丈とはいえ回復は他力本願になるし…これは買い、かしら…。)
と、思考を巡らせれば、決断も早く
「よし、買った!10枚だとお幾らになるかしら?」
得物を自身に寄りかかるように立てて地面に置くと、さっそく値段を問いかけてみる。
そして、目の前の女性店主は…
(魔術師?それとも冒険者?それとも商人なんだろうか?)
とも今頃になって、相手について推測を始めたりして…。
■ティエラ > ふと、視線を感じたので顔を上げれば、自分の顔をまじまじと見ている相手。
真紅の目玉が紅玉みたいで綺麗ね、なんて思う。
顔立ちも整っていて、酒場とかにいれば、間違いなく声をかけていただろう。
流石にお店を開いている時に口説くのはどうなのだろうと思うので、今はやめておいた。
「しかし、過信はしてダメですよ、いくら治療と言っても、大怪我した時に間に合わない時もありますので。」
中級の魔法では、欠損が直せないとか、やはり色々と制約がある。
確かに便利ではあるのだけれど、それに頼り切るのはいろいろ問題があるだろう、と。
品物を眺めていて、何やらブツブツつぶやいているのは、自分に言っているようではないので、黙って聞いていることにする。
検討しているらしい、前向きに。
「10枚ですね?2000ゴルドです」
治療の道具、魔法の道具で繰り返し使えるそれの値段としては、安すぎるだろう。
一般的な市民が一日過ごすのが200ゴルド。一枚2000でも良いぐらいであろう所。
そして、女は本気なのである、物の価値は分かっていないというわけではない、本気で露店の代金と、数日の食費が儲かればいい程度なのである。
この値段設定から、商人ではないのは確かだとわかってもらえるだろうか。
■イルフリーデ > 顔を見合わせることになれば、にこりと笑むだろうか。
「あぁ、大丈……そうね。過信は禁物よねぇ。了解。」
大丈夫と、言いかけて、それを過信ということに気がつけば、言い直す。
頑丈とはいえ、ドラゴンバスター?なんて物を見せられたら退散である――。
忠告を素直に聞いておこう。
「ええ、10枚。2000ゴルドね…。」
財布を取り出し―待てよ?
「今2000って言った?かしら?…安過ぎないっ!?2万の間違いじゃなくて?」
驚いた表情を浮かべて聞き返しながら、2万ゴルドを準備して―。
耳を疑った。こんなにいい物が10枚で2000ゴルド。ゼロが一つ足りないのでは!!
商売をしていて大丈夫だろうか?と他人のことながら少し心配になってきたと同時に、商人ではないなと、推測から一つ外されたとか…。
■ティエラ > 「……?一つ200で10枚で2000。
計算はあってるわよ?
だって、それ、原材料は紙でしょう?それに、魔化したインクで魔法陣を書き込む。
手間賃を考えても200でいいと思うけど。」
魔化したインクに関してだって、一度作った魔法陣で量産できるので、最初の投資さえ終われば殆ど只に近くなる。
故にその値段なのである、つまり、書き込むだけで。となる。
「まあ、攻撃魔法でないから使い捨てにならないから、かも。」
攻撃魔法を書き込むと、インクが燃えたり凍ったりするのでそれっきりなのだ。
治療の魔法だから何度でも使えるだけよ、と。
「どうします?」
2千ゴルドです。
2千ゴルドくださいという、副音声が聞こえるかもしれない。
■イルフリーデ > 彼女の言葉に一瞬固まる。
美人さんなのに価格設定が……まさかの破格…。
(計算はあっている…確かに!いや、そこじゃない、単価の設定がおかしいと思うんだ!)
そして理由をさも正論っぽく述べられてしまうと
「……なるほど、ね。確かにそれも一理ある…かしら?」
彼女の言い分も分かるけれど!さてどうしたものか!と考えていると、
2千ゴルドでないといけないオーラが漂ってくる…気がする。
「…負けた!お姉さん、美人さんなのに安売りし過ぎだわ。2千ゴルドでお願いするよ。」
くぅ~っと、どこか悔しそうな表情を浮かべるも、すぐに笑みを浮かべて2千ゴルドを手渡そうと―。
客が店主に負けた瞬間であった……。
■ティエラ > 価格破壊もいいところである。
本来であれば、売上等は周囲の値段とか、平均的な価格とかそういったものを加味した上で作り上げるものである。
ただ、人の手が本人以外に入っていない場合は完璧に本人の価値観になってしまうのである。
「今私が欲しいのは、数日分の食費と、ここの場所代ですし。
それなら、そこまで大きく値段を出す必要もないのだし。」
商人たちが聞けば卒倒間違いなしである。
とは言え、素人の言葉だし、とりあえず商売とは何ぞやからの講義が始まってしまうことは請け合いであろう。
ここにプロがいないことが救いなのであろう。
「うふふ、美人だなんて嬉しいこと言ってくれるわ?
お店してなかったら、口説いちゃったかも。
と、使い方の方の説明は大丈夫かしら?」
2千ゴルドを確認してから、使い方の方は大丈夫かと、問いかける。
まあ、符に魔力を流せばいいのだけれども。
魔力の流し方がわからないとか言われたらそれはそれで困る。
商売は、いつの間にか勝敗に変わっていた模様。
意図せず勝利。なんだこの勝負。
■イルフリーデ > 「なるほど。必要以上に贅沢しない…っと、そんな感じかしら?」
見習わないといけないところがあるようだ…。
イルフリーデも今は商売をしている。
商売のプロではないし、気分次第の価格設定とか―他人のことは言えない。
自分のことは棚上げしているのは内緒。
「ふふっ。お姉さんみたいな美人ならいつでも歓迎だわ。
私、平民地区で研ぎ物師やっているイルフリーデって言うの。
ええ、大丈夫。魔力を流し込むだけ、よね?」
お金の受け渡しが済めば、笑みを浮かべながら簡単な自己紹介と使い方の確認をして。
どちらかというと、流し込む加減が難しいかもしれないけど、
まぁ、やってみるしかないなと、考えていて。
値切りではなく、客による値上げ交渉勝負…何故か悔しい。
けれど店主が美人さんだから、これでいい、うん―。
「っと、そろそろお店に戻らないとだわ。」
と、露天市場に滞在している時間の感覚から、そろそろ戻る頃合かなと推測し、そう話して。
■ティエラ > 「あれば良いものだけれど、ありすぎたら身動き取れなくなるからね。」
その感覚はおそらくジプシー……ひとつの所に留まらない性質だからであろう。
お金も、大量だと重くなりすぎる。
先ほどのカバンで重量を軽くしたりして持っていくことはできるけれど、それが目的ではないのだと。
見習うべきものかどうか、はさておくことにする。
「あらあら、じゃあ、今度は声かけちゃお。
私はティエラよ、基本的にここで何かを売っているか、貧民地区の安酒場で踊っているわ。踊り子、なのよ。
ええ、魔力を流し込めばいいわ。」
使い方が大丈夫というのであれば、女も笑顔を浮かべて頷き、名乗り返す。
どんなに魔力を込めても最大で中級治療魔法までしか発動しない。
それでも十分ではあろうけれど。
「毎度ありがとうございますー」
2000ゴルド、お買い上げにホクホク顔。
軽く手を振ってお見送りまで。
■イルフリーデ > 「ははっ、確かにね。運ぶの大変だし、まぁ、あったらあったで遊んで暮らせるけど。」
(人それぞれの価値観があって面白いな!)
と笑みを浮かべながら話して。
「ふふ、ええ、また会えるのを楽しみにしているよ。
よろしくね、ティエラさん。踊り子なんだ…なるほど。美人の踊り子か…お店が繁盛しそう。
ん、了解。ありがとう。」
流し込むだけなら問題ない!
自己紹介に、どこか楽しそうに笑みを浮かべながら頷き返して。
彼女は踊り子だったようだ…言われて見れば姿から、合点がいくような―。
「では、また。御機嫌よう。」
見送りに一礼すると、術符を懐にしまい、得物を手に取ると歩き出し―この場を後にして―。
■ティエラ > 「遊んで暮らすなんて夢よ、夢。
それに、遊んで暮らしてると、鈍るわ。」
何が、とは言わないけれど、女は軽く笑ってみせる。
定住はしたいが、ここがその場所なのか、未だ見極めきれない。
というか、ここは凄く剣呑なのだ、国中が。
戦争もしていれば、魔族に脅かされてもいる。
それに、いろいろ聞くのは政府が腐っているという噂。
さて、どうしたものだろうか、と女は苦い笑いをこぼす。
「いるのは、素行の悪い荒くれ者で私の体目当てがほとんどだけどね。」
彼女が去っていくせにそんな声をかけてから、見送り。
今日はもう、お客様も来ないだろう、それに……2000ゴルドも稼げた。
それなら、店をしまってもいいだろう。
今日一日の契約だけれども、それも問題はないはずだ。
それを確認をして、女は、売り物をしまい、使用終了の手続きをし、商工ギルドへと持って行き、去っていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 露天市場」からイルフリーデさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 露天市場」からティエラさんが去りました。