2018/10/30 のログ
ゼナ > 「そう……よかった……。」

そんな言葉が漏れたのは、細首に巻かれた首輪から彼女が奴隷なのだろうとゼナも気付いていて、恐らくは彼女の主人なのだろう館の主に酷い扱いなど受けてはいないかという心配していたからだ。
『お世話になった人にきちんとお礼をする』そんな当たり前の教育すらしてもらえず、使い捨てのおもちゃとして消費される子も多いと聞いていたから。

後頭部を撫でていた小麦色の手指がするりと滑り、ぴょこんと可愛らしく復活した少女の獣耳をふにふにと可愛がる。
頭撫での延長の他愛もない戯れではあったが、もしもその場所が彼女に取っての性感帯だったりすれば、少し驚かせてしまう事だろう。

「――――……ん?」

少女の言葉に小首をかしげ改めて周囲に目を向けたゼナは、何故かさっきよりも増えている衆目がさっと視線を逸す様子から、自分たちが変な注目を集めてしまっていたのだとようやく気付いた。

「え、っと……で、出来たらもう少し静かなばしょに……あ❤ ん、ぅ…シ、シチュー、ちゃん……?」

先程のどこまでも無垢だった気配が、どこか淫靡な気配を纏う手指の動きで豊乳を持ち上げた。
ぞくんっと背筋に走るイケナイ感触が、思わず甘い声音を零させて、続く際どい場所への口付けにトクンと鼓動を跳ねさせた。

「え、えっと……えっと……。」

獣少女が匂わせる妖しい気配と、周囲からの注目に、ゼナの顔が紅潮の色を広げていく。
きょろきょろそわそわ、先程までの年上の余裕は霧散して、どうにも落ち着かなげな様子となったウェイトレスは

「―――と、とりあえず、もう少し落ち着ける場所に行きましょう。」

彼女の小さな手を取って晒し台の上から降りると、そそくさと人気の少ない路地裏へと移動しようとする。
とはいえ、押しに弱い事には定評のあるゼナである。彼女がこのままこの場での行為を続けるのなら、なんだかんだと流されてしまう事だろう。

シチュー > ケモミミに小麦色の繊手が伸びて可愛がられると「ふにーっ!」
とたんにむずがる雌獣の声になってぶるぶるっと身体が震え立つ。
そこはとっても感じてしまう場所で、身体はすくむのに目の下がほんのり桜色になり、どこか目つきも緩んでしまう様子が彼女の視界に映り込み。

「えへ……。ゼナのやわらかおっぱい、触ってると幸せになっちゃうかも……。ん、と。ごめん……。そういう気分じゃなかったのかな。
うん、……じゃあ、……静かなとこ、いこ?」

天使の柔らかさ。彼女のたわわな乳房を下から支えるとどこまでも手に沈んで、溢れてしまいそうな甘い熱。上がったほのかな嬌声の息にもドクンと鼓動が跳ねてしまい。いっそう熱心に撫で回そうとした手付きが途中で止まる。
移動したがるのなら、無理やりにここに留める理由はなくて。
私刑場と化していた広場から手を引かれ、路地裏へと連れられていく。

「僕はもう、ゼナの友達だよ。
でも、僕はもっとゼナと仲良くしたいな。
親しくしたいな。……お肌同士、ぴったり合わせちゃう、ぐらいに……」

手を引かれながらも、先の台詞へと応じる言葉を浮かべ。
恩人でもある彼女をもてなしたい一方、大切な友達にもなりたいと。
引くその手の甲に唇を近づけて。ちゅ……。思慕の口付けを落とし。

――そうして静かなる路地裏に2人で佇めば、その後どのような事になったのかはただ、空から眺めていた雲だけが知る事に――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシチューさんが去りました。
ゼナ > 「―――ひぁっ、ご、ごめんなさい、シチューちゃん。ここ、敏感な所なんですね……。」

先程まで心地よさげに頭撫でを受け入れていた少女の大きな反応にビクリと手を離す物の、獣耳の感触と、愛らしい声音にはもっと触ってみたいなんて衝動も浮かんでくる。

「あぁ…ち、違うんです、そ、そうじゃなくってぇ……そ、その……。」

可愛らしい獣少女を再びしょんぼりとさせてしまった罪悪感に、こちらもまた眉根をへにょりと垂れさせるも、ちらちらと周囲を気にするその頬には、やはり羞恥の色が昇ってしまう。
ごめんね、という気持ちを言外に示す様に、触り心地のいい黒髪を再び撫でる。

そうしてきゅっと繋いだ手の柔らかな暖かさに小さな幸せを感じつつ、人気の少ない路地裏へ。
そして、既に友達だと言ってくれる少女に嬉しそうな笑顔を向けて、続く言葉は一瞬驚いて蒼目を丸くしてしまうものの、改めてさっと周囲に視線を巡らせ、誰も聞いていないことを確認した後に言葉を返そう。

「――――わ、わたしも、シチューちゃんともっと仲良くしたいです❤」

言いながら膝を曲げて愛らしい友人と視線の高さを合わせると、先の顎先への、そして手の甲への口付けへのお返しとして、彼女の小さな唇に甘く優しいバードキスの啄みを落とす。
ちゅむっ、なんて可愛らしいリップノイズと、ぽってりとした唇の柔らかさをほんのりと彼女に残して顔を離して、澄んだ瞳をじぃっと見つめ―――再び合わせる唇は深い大人の口付けで淫らな水音を路地裏の暗がりに密やかに響かせる事となる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からゼナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール平民地区 商店街」にロクサーナさんが現れました。
ロクサーナ > ―――――つくづく、今日は厄日だ。

もう何度繰り返したか知れない言葉が、また頭の中に浮かんで消える。
気のふれた男狂いの母親から生まれた時点で、不運の星の下に生まれた、と言えなくもないが。
問題は今日の場合、不運が己ひとりのものではない、ということだった。

今日も今日とて、未だ日の高いうちから男を咥え込んで派手な嬌声を上げる母親から、
逃げるように建物の外へ出ようとしたら、馴染みの娼婦の一人から声をかけられた。
暇なら買い物に付き合ってよ、という誘いは、実のところ己に気晴らしをさせてやろうという、
彼女の心遣いであったのだと思う。
ありがたく頷いて、連れ立って平民地区の商店街へ―――来たところが、
若くて美人の連れは、衛兵の格好をした男たちに絡まれてしまっている。

衛兵、の格好はしているが、言葉遣いも女を見る目も、其処らのゴロツキと変わらない。
己に気を使ってくれたばかりにこんな目に遭った彼女を、何とか助けなければ。
そう思って、彼らと彼女の間に割って入ったのだが―――――

『うるせぇな、ガキは引っ込んでろ』

当然の帰結として、そんな台詞が投げつけられる。
己の襟元を掴み上げて、彼女の前から引き剥がそうとする男に、
其れでも歯を食い縛って抗っているけれど。

「そっちが引っ込んでろよ、ていうか、こんなところで女引っ掛けてないで仕事しろ!」

真っ赤な顔で怒鳴り返す己の頬に、そろそろ一発、拳が飛んできてもおかしくない頃合いである。

ロクサーナ > 賑わう界隈にはありがちな、ささやかな揉め事。
当事者にとっては其れなりに重大な事件でも、第三者にとっては日常茶飯事。

ゆえに、その顛末を記憶している者はきっと居ない。
幸運も不運も何もかも飲み込んで、夜は更けてゆく―――――。

ご案内:「王都マグメール平民地区 商店街」からロクサーナさんが去りました。