2018/08/22 のログ
■テリス > その後、特に何もなく。
収穫が無かった事にやれやれと思いながら寝床へと帰って行ったそうな。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からテリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」にフィル=クォーレンスさんが現れました。
■フィル=クォーレンス > 夜が更けてもまだまだ涼しいとはいえない日々。
とはいえ夜風が吹き抜ければ、多少昼間の暑さをかきまぜていき、多少過ごし易くはなる。
大通りからも人気は消え去り、宿屋や酒場の集まる区画に賑わいは移り。
他に人気があるところといえば、特定の路地裏の一角などだろうが、目的もなく踏み込む場所では到底ない場所である。
そんな人気も静まり返っている一画、平民地区の外れにある雑貨屋からは深夜となっても、ゆらゆらと光は零れ。
中ではカウンターの奥の椅子に腰を下ろし、一息ついている少年は映し出されており。
「今日も静か…」
元々人があまり来ない雑貨店である。
店主に持ち込みで直接特殊な物を売りにくる、そのくらいであれば、少年が任されている日常雑貨を買いに来る人は珍しく。
深夜となれば尚更なのだろう。
一つ零れそうになった欠伸を、口に手を宛がうようにして抑え込み。
何時もよりゆるめにフードを頭に被りながら、静まり返り、夜風が扉の掛け看板を鳴らす音に耳を澄ませていき。
「変わったものは…手に入ったけど…」
まだ少し意識を抜けばフワフワしそうな意識。
興味本位で踏み込んだ物の、ある意味巻き込んだと思えるほどに、色々とあったバイトを思い出せば顔を揺さぶる少年。
そのお礼で貰った小瓶は、そのバイトで色々とあった物そのものの一つであれば、変わった品であるが売り物にするようなものでもなく。
ポーチに手を入れて、それが入った小瓶を軽く指で突きながら、また一つ吐息を零して目を細め。
椅子に背を預ける様に軽くもたれ掛っていき。
■フィル=クォーレンス > 「お店に並べるのは…」
流石に効果は抜群どころではない、一種の薬品である。
とはいえ、日用雑貨が主だっておいてある場所に並べるようなものでもなく。
かといって、店主に特殊な魔法薬といって渡すのも少々躊躇するところがあるのだろう。
指先で何度か小瓶を撫でる様にしたり、突くようにしたりとポーチの中で弄っていたものの、やがてその手を一度引っ込めていき。
「とりあえず、色々と…経験を活かせるようにしないと」
色々と、言葉通りに色々となのだろう。
その中にはいつか自分で変わったアイテムを手に入れるために、外を冒険したりといったことも含まれているのだろうが。
何かを思い浮かべれば、少々表情からふわりと力が抜ける様子に見えるのは、きっと気のせいではないようである。
裏口も閉め、余計な窓などの鍵は全て閉め終えてある。
あけっぱしにしてはいけない棚なども、簡単に鍵などを締めてあれば、あとは出口からでて鍵を閉めるだけであり。
もうしばしゆったりと、静かな時間を何するでもなく過ごすように、人気のない外の小道へと向けられ続け。
■フィル=クォーレンス > 「あ、そろそろ…閉めないと」
夜空に少し明るさが混じり始めれば、夜更けどころか夜明けが迫っている時間である。
流石に店に長居をし過ぎたのだろう。
一つ両手を天井に向けて伸ばし、軽く伸びをすれば椅子から立ち上がり。
もう一度といった様子で、窓の鍵を確かめる様に窓のそばを歩き回り。
確認を終えたのだろう、軽くうなずいて出入り口へとそのまま向かっていく少年。
扉を開ければ入り込んでくる夜風に目を細めながら、そのまま扉へと鍵をかけ。
外側についている掛け看板をひっくり返して小道へと踏み出していき。
「朝御飯買ってから帰ろうかな…」
そのまま帰るか、軽く明け方までやっている酒場で何かしら、食べ物を買っていくか。
と一つ考える様に、誰に言うでもなくぽつりと静まり返った中零し。
そのままゆっくりとした足取りで、静かな小道に足音を小さく響かせながら帰路へとついていったか―
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨屋」からフィル=クォーレンスさんが去りました。
ご案内:「酒場【千のナイフ亭】」にクラウディアさんが現れました。
■クラウディア > しかし、うまいこと売れたな。 あの冒険者たち、うまくやってくれるといいが…。
(懐のお金を数えて小さくうなずく。 金になる”情報”を仕入れて冒険者に卸すのが生業だ。
この前仕入れた情報はうまく冒険者たちに買ってもらえただけあって上機嫌だった。)
さて、今日はどうするかな…。マスター、飲み物をくれ。 あとは…ここにいるやつらに一杯づつだ!
(その瞬間、酒場一瞬ざわつき、そして沸いた。歓声には鷹揚に手を挙げて答える。
酒場で奢るのは、自分のような顔を売りにする人間にとっては大事なサービスの一つなのだ。
見ためで怪しまれるなら、金で信用してもらう、という寸法である。 早速木製のジョッキを掲げ、
こちらに何事かを言ってくる連中たちに ひらひらと手を振ってアピールしながらも、自分はジュースだ。
何分見ためが見ためであるから、酒を飲むのは今一よろしくないというわけである。)
ご案内:「酒場【千のナイフ亭】」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「おぉ、なんだ? 盛り上がってるな」
腹がへったからたまたま近くの酒場に入った男。
店内はなんだか盛り上がっており。男としては、ちょっと入店時点から疎外感であったが。
「マスター、適当に食い物と酒頼むわ」
ま、なにはともあれ食事だ、と。
男は喧騒を無視してカウンター席に座る。
と、そこで視界の端、一人の少女を見つけ。
「おいマスター。酒場なのにこんなちんまいガキンチョ入れて大丈夫なのか?」
憲兵にしょっぴかれても知らんぞ、とマスターに言う男だが。
マスターは苦笑しながら、首を横に振る。
その仕草に、男は首をかしげながらも。出されたエールを飲み、謎の生物の干し肉を食す。
味は、まぁまぁであった。
■クラウディア > とはいえ、なかなかほしい情報が集まるものではない、か…。
(死なぬ体である。 ただ無為に日々を過ごしたっていいのだ。
そうせずに情報を冒険者達とやりとりして日銭を稼いでいるのは、
自分をこの姿にした魔族を探しているからにほかならない。
ぼんやりと昔のことを考えながら情報をまとめたメモをぺらぺらと
めくっていたところで、近くの男の声に顔を上げた。)
マスター、この人にも一杯だ。 タイミングの差で預かれないってんじゃ可哀想だしな。
ガキンチョだけど、大丈夫だよ。 俺はここのマスターと知り合いなんだ。
飲み物だってほれ、酒じゃないのを出してもらってる。
(男の隣に席を移すと、ほれ、とジュースが注がれたジョッキを相手に見せた。
相手に向き直ると、慇懃に頭を下げて見せた。)
ごきげんよう、俺はクラウディアだ。 冒険者たちにいい情報を売るのを仕事にしている。
(よろしく頼む、と笑いかけてから、ジョッキを掲げた。 乾杯の構えである。)
■セイン=ディバン > 「……あのなぁ。オレぁガキから奢られるような趣味はしてねぇ。
むしろお前が奢られる側だろ」
いきなり隣にきたそのチミッコに対し、男は明らかな不機嫌顔。
生まれと育ちのせいで、子供に奢られるとか考えられない、というタイプなのだが。
相手が頭を下げて挨拶してくれば。
「あ? ……あぁ、そういうことか。あいよ、カンパーイ。
……ん? クラウディア?」
まったく、随分マセたガキだ。そう思いつつも、乾杯には応じる男。
カツン、とジョッキを軽くだけあわせ、エールを飲む途中で男は何かに気づく。
「クラウディア? 冒険者に情報を売ってる?
……んむむ? ……もしかして、元・冒険者、のあのクラウディアか?」
何かを思い出したのか、男はそう尋ねる。
もしも相手が、男の記憶どおりの人物なら。
元・冒険者と名乗る、幼い情報屋の少女。
そんな面白い存在がいたような。そう思い、男は確認の意味も込めて尋ねたのであった。
■クラウディア > まあまあ、そういうなよ。 悪いことじゃないだろ、一杯タダなんだからさ。
はーい、かんぱーい。 ちょうど暇だったんだよ、ちょっとばかし付き合ってくれよ。
(不満げな男と一緒に、えーいってジョッキを合わせてご満悦の表情。
酒場にいるのも仕事の一つとはいえ、一人でぼーっとしているのも寂しいものなのである。)
そう、それだ! 元冒険者の、今は小さくて幼くて可愛い女の子のクラウディアだよ。
(相手の問いかけにうなずいてから、にっこり笑って両手でぴーす。
外面だけ見れば、ただの幼い女の子であることは間違いないだろう。)
なんだ、冒険者以外にも俺の名前は知られてるのか、有名になったもんだなあ。
そうだ…せっかくだから名前を聞かせてくれよ。 なに、袖すり合うもってやつさ。
(のんびりした調子でつぶやいてからジョッキを傾ける。心なしかジュースがちょっと美味しかった。
小首をかしげて、相手に問いかける。)
■セイン=ディバン > 「バカ言えってんだ。他人に奢られる、なんてのはケチのつきはじめだ。
……ったく。しゃあねぇなあ」
男の態度に不満も怒りも見せない相手に、男も色々と観念した。
この手のタイプは、いくら言っても無駄だろうな、と。
「……はぁ~。お前さんがあの、クラウディアね。
……なんというか、なんだな。本当に元冒険者なのか?」
明るくピースサインを見せる相手に、男は苦笑する。
どこからどう見てもただの女の子である。
まぁ、雰囲気というか。場に慣れている感じは確かにちょっとしたものだが。
「あん? いや、俺も冒険者だぞ。セイン=ディバン。
この道20年の中堅冒険者ってところだ。
……もしかしたら、お前さんの本当の正体の時に、一緒に仕事したり、すれ違ったりくらいはしてたかもな」
ま、この格好じゃ冒険者だとは思われないか。
そう思いながら男は自己紹介をする。
この男とて、長く冒険者をやっているのだ。
この少女の本来の姿の時に接点があるかもしれないし……あるいは、ないかもしれない。
■クラウディア > ああ、そうだとも! まあこの姿で語っても信じられないよな。
そうだなあ、おたくが冒険者なら…ああ、セイン=ディバン…?
(相手の言葉に何度か頷いてみせて、ぴたりと動きを止める。
何かを考えているかのようにもにょもにょとあてもなく指を動かした。)
似たような名前だったか、当人だったかは覚えていないんだが…。
タナールの近くで、前に大きな遺跡が見つかったのを覚えているか?
結局ある魔族を弔うだけの大きな墓だったってオチの。たしか…数年前だ。
おれはあそこの探索に参加してたんだ。 探索隊の中にセイン=ディバンの名前が
あったような気がする。覚えてないかい?
(しばらく考えてから、ゆっくりと言葉を吐き出す。相手が覚えていればよし、
そうでなかったとしても、数年前の遺跡探索の話がすらすら出せるくらいの
人物だとわかってはもらえるだろう。)
まあ昔のことだからな、覚えてなければないでいい、よろしく頼むよ!
(明るく相手に告げてから、もう一度ジョッキをぐいとあおった。)
■セイン=ディバン > 「あぁ、いや。信じるさ。……オレも、ちょっと前に、な?
呪われて女の体になっちまってなぁ……」
もう随分前の話の様な。そうでもないような。
思い出したくない過去を語りつつ、げんなり、という顔の男。
「……うん? あぁ、待て待て。そりゃあ……。
っ! 思い出したぜ。冒険者どころか、魔術師に商人、歴史学者まで雇っての一大探索隊まで組んだのに、全部空振りだったあの遺跡か!
かはは、確かにオレも参加してたよ。あの時ぁ喜んだのは歴史学者だけだったな!」
相手の言葉に、男は記憶の糸を辿るが、たどり着いたその記憶に笑い始める。
いわゆる、参加者のほとんどがくたびれ儲けだった調査であった。
しかし、その探索隊はかなりの人数だった訳で。
「覚えてはいるが……で? お前さんはその時はどんな姿でどんな名前だったんだ?
確か、記憶の中には『クラウディア』なんて名前は無かったと思うんだけどな」
相手同様、ジョッキをあおりつつたずねる男。
一緒に仕事をした仲だと分かれば急速に警戒心は薄れ。
するり、と相手の頭を撫でる始末。女性の頭を撫でるのはこの男の悪癖の一つだ。