2018/07/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシュライアさんが現れました。
■シュライア > 平民地区の中でも特に賑やかな通り。
夜にもなれば酒場から楽し気な声が響くこの通りに、場違いな人物が闊歩している
月光を吸い、金に煌めく髪をなびかせ、細やかな意匠が施された鎧を鳴らしながら歩くのはある意味名の知れた貴族である
「いつも賑やかですね。ここは」
くす、と笑いながらそれでも油断なく辺りを見回し
ただの喧嘩程度なら酷くならなければ好きにさせるが…こういった喧騒にもまた、腐敗が潜んでいるかもしれない
そういったことが主に行われるのは貧民地区、あるいは富裕地区の奥深くだろうが…警備することは無駄ではないと信じて
「ああ、護衛はここまでで。遅くまでお疲れ様でした。明日もお願いしますね」
と言いつつ、護衛を労って家に帰らせ。そこからは一人で歩き出す
護衛も素直に…この人なら大丈夫だ、と信頼している様子でしっかりとした礼のあと、去っていく
「……さて、と。」
ふぅ、と息を吐いたあと、再び歩き出す
夜が深まってくるにつれて腐敗は顔を出すことも多い。
この姿では相手も潜むだろうが、警戒させることが重要だと。敢えて姿を晒して通りを悠々と歩いている
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 人が行き来する賑やかな街並み。
夜であれど、平民地区の人通りの多い場所。
おおっぴらに何者かが悪事を働くということも少ないだろう。
だが、そこから少し折れた路地。
怒声と打音が響く。
「るあっ!!」
気合を込めた少年の声。相対する男の顔面を捉える拳。
ふらついた男の腹に容赦なく前蹴りを叩き込んで地に伏せさせると
そのまま膝で抑え込むように男を拘束し、何かをふんだくった。
注意して見回りをしているものがいれば、その様子が目にとまるかもしれない。
■シュライア > あまり貴族界隈では見ない、心から楽しげな様子を眺めて微笑んでいると
不意に怒号と何かがぶつかり合う音が耳に届く
「?、喧嘩でしょうか。殴り合いになっているなら止めないと。」
言葉の穏やかさとは裏腹に速足で路地へと向かう
そこには、倒れた男を拘束しながら何かを奪う小さな姿
物盗り、と判断した彼女の行動は早かった
「やりすぎは、よくないですよ?」
ダン!、という炸裂したような音と共に一足飛びでその小さな姿の背後へと
丁度、マウントを取っている少年の後ろから穏やかな声が聞こえる形になるでしょうか
■ブレイド > 「んぁ?」
背後から響く声。この場所にはあまり似つかわしくない華美な装飾の鎧。
夜闇でもわかるほど鮮やかな長い金髪。
そしてこちらを見下ろす碧眼。
言葉は穏やかではあるが…
「なんだ?アンタ。警備の兵士…にゃ見えねーけど?」
男からふんだくったと思われるものは、少し高価そうな装飾品。
マウントを取られた男は情けない声を上げるばかり。
どちらにしても、両人とも装飾品が必要そうな人物には見えなかった。
「最近戦争で街が浮ついてるっつーかなんつーか…警備ならもっとしっかりしてくれよな」
■シュライア > 自分を観察している相手の視線
逃げる姿勢を見せればすぐにでも追いつけるよう、両脚に力を込めつつ
「ええ。兵士ではありません。シュライア=フォン=ラクスフェルと、申します。あなたは?」
だが、会話を投げかけてくる相手に、こちらも暴力的な手段に訴える訳にはいかず。
少年に見える相手が、なぜこんなことをしたのか知るために、まず第一歩として自分から貴族名も含めて名乗りを上げる
そして返答を待ってから
「?、…それは、あなたが盗ったものではないのですか?」
警備をしっかりしろ、という言葉には正に物取りを働いたところとは思えない違和感を感じて
さら、と金髪を揺らしつつ首を傾げるでしょうか
■ブレイド > 見上げる金の瞳。
お世辞にもいい目つきとは言えない。
まだ少年らしさの抜けきらぬ顔立ちにしたって悪漢のような目つき。
「フォンなんちゃらってのは貴族の名前だっけか。
オレはブレイド、ただの冒険者だ」
自分の足の下でもがく男から脚をどかし、立ち上がると
その横っ腹にケリを入れて
「アホなことしてねーで、どこへなりとも行っちまえ!カス野郎」
と怒声を浴びせると、男は這いつくばるように情けない悲鳴を上げて去っていく。
少年はと言えば舌打ち一つうってから、シュライアの方へと向き直る。
「物取り。さっきのやつな、露天からこれとってったんで、追っかけてシメた。
どこの露天かは…ちょっと忘れちまったけど」
ひょいっと彼女に男から奪った装飾品を投げ渡す。
金属でできていて、真珠をあしらったバレッタだ。
■シュライア > 見上げてくる、自分の髪と同じ色の瞳
ただその眼は鋭く、そこもまた自分とよく似ていた
「ブレイドくん、ですね。答えてくれてありがとう。どうりで腕が立つわけです」
自分より大きな男を組み敷き、品物を奪い取るだけの戦闘技術
身体の小ささを補うためのそれは素直に称賛できた
「あ。…何がどうなって…」
ケリを入れられ、情けなく逃げていく男を追いかけようか迷ったが
バレッタを投げ渡され困惑し…
「…それは、無礼を。ありがとう、ブレイドくん。…ただ…」
事実を知れば、目を丸くして。その後、深い深い礼を相手に
顔を上げ、にっこりと笑ったものの
「あの人に仲間がいたら、もしかすると危ないかもしれません。
強いとは言っても、まだ小さいんですし、まずは周りの人を呼んでください
…衛兵が信用できないなら、この紋章を装具につけた者なら確実です」
少し怒ったように、釣り目を細めて説教を始めてしまう
剣の柄を見せ、二首の獅子を相手に示しながら
■ブレイド > 女性に呼ばれれば、少し複雑な顔。
ブレイド『くん』ときた。なんだか呼ばれなれないというか…。
だいたい呼び捨てで呼ばれているので、なんとなくなれないのだ。
「べつに。名乗ったら名乗り返すのがれーぎってもんだろ?
それに、オレが答えなかったらいらねー疑いってやつをかけられるかもしれねーしな」
物取りの男は、どこにでもいそうな…
ごろつきやらチンピラとも少し違う、貧民層の人間といった風体だった。
相手がそれなりに喧嘩なれしていれば
もっと派手な喧嘩になっていただろう。
「ま、聞いての通りってことだろーぜ。
戦争で変な危機感もったやつがちょいちょい金欲しさに悪さしてる…
って感じじゃねーの?」
何が起こったか理解できていない様子のシュライアに自分の予想を伝えつつ
礼とともになげられた注意にもにた言葉にキョトンとした。
笑ってはいるが、なんとなく気まずくなるような。
正面から説教受けたのも久しくなかったせいか。
「つよかねーけど、ごろつき程度ならあしらえらぁ…
って、小さかねぇよ!それに、周りに伝えて…どうにかなんのか?
別のやつが捕まえて、そいつがもっていっちまうかもしれねーだろ?
ま、その紋章ってやつも探してる間に見失っちまうかもしれねーし」
見せられた紋章は…まぁ、自分には馴染みのないものだ。
紋章学といった学問も学んだことはないし。
■シュライア > 基本的には敬称を付けて呼ぶ彼女にとっては自然なこと
しかし、相手の複雑そうな顔を見れば
「ふふ…。ええ、礼儀正しい子は好きです。あ…気に障りました?ええと、さん、とかの方が良かったでしょうか…」
ううん、と悩みながら頭の中では並行して逃げて行った相手の特徴を覚えつつ
今度はやはり貧民地区へと向かう必要がありそうだ、と思って
「…なるほど。あの戦争で。これはもう少し私の家から人を出して警備を強めたほうがいいでしょうか
もちろん、この地区の楽しそうな声を邪魔しない程度にですが」
ふむふむ、と素直にうなずいて緊張を緩める
後でお父様に進言しよう、と思いながら
「その体で、よくやりますね。何か訓練でも…と、違います違います…、
十分小さいじゃないですか…冒険者になっていることも不思議ですが。もっと人を頼って、信じてもいいんですよ?
……腐ってはいますが、まともな人も多いので。ブレイドくんみたいにね」
つい相手に興味が出てしまったところを抑えてこほん、と咳払い
また説教臭くなりつつも、笑みは絶やさず。
手甲を付けたまま、痛くない程度に頭に触れようとする
■ブレイド > 礼儀正しい子。なるほど…くん付なわけだ。
「いや、そうじゃねーけど…なんつーか…なんだ
かしこまる必要もねーけど…ガキみたいに呼ばれてるみてーでなんかこう、複雑っつーか…」
というか、完全に子供を見る目だ。
冒険者ではあるが、まだ完全に大人とは言えない体躯…。
それでも、子供扱いは心外ではある。
「楽しそうっつーけどな…ま、戦争の話はみんな知ってるし
そこで何があったかも、事情通なら知ってるだろうよ。
楽しそうにはしてるかもしんねーけど、みんな不安だと思うぜ?」
オレにはわからねーけど、と付け加えつつ肩をすくめる。
平民地区はまだしも、貧民地区あたりは結構ごろつき共が活発になってきている。
こちら側の明らかな不利が伝われば、それこそ盗みを働いたりして他所へと逃げるものもでてくるかもしれない。
「冒険者なんだからまぁ、ふつうに…って、まーた言いやがったな。
しかも十分って念押ししやがって。そりゃまぁでかくはねぇかもしれねぇが
素早さには自信がだな…ま、信用に足る人間がいりゃ近くにいりゃ頼るがな。
そこら歩いてる見ず知らずの奴らなんざ信じられっかよ」
説教を続ける女性をジトーっと睨むようにみつめつつ。
男として、小さい小さい言われるのは少しばかり気に入らない。
とか思ってたら、頭に触れられた。手甲越しに耳の感触は伝わらないと油断はしていたが…
■シュライア > 幼い頃から大人たちに囲まれ、訓練に励んできた彼女にとっては
大人以外の相手は誰も彼もそう見えてしまうのかもしれない
「…、なるほど、お父様がよく言っている誇り、というものでしょうか
では、なんと呼べばいいでしょう?」
またうーん、と頷きながら。実際のところ背丈もほぼ変わらないのだが
「ええ。私はお父様に参戦を強く止められてしまいましたが、事情自体は知っています。
…そうですね、…それを何とか払しょくできれば、いいのですけれど」
ため息をつきながら肩を落とす
何とかこの国を良くしようとはしているが結局は一貴族の次女。
しかも正式に認められているとはいえ源流が源流である。それほど大きな力は無いのだ、と無力感に襲われて
もちろん、真っ向勝負であれば彼女は負ける理由はないと思っているが、どうにも政治や謀は苦手だ。
「あ、えと。ごめんなさい?…悪い癖ですね。つい…」
相手が怒っているのか、と思い…『正義』を働いていた相手に無礼をしてしまったとしゅん、と謝る
ただ…
「では!…その、信用されているかはわかりませんが、私を頼ってください。大抵見回っていますから飛んできますので!」
相手の、信用に足る人間は頼る、という言葉に目を輝かせる
手甲越しでは、相手の秘密はまだわからないものの、ひとしきり撫でた後、嬉しそうに笑いつつそんなことを
■ブレイド > 「誇りとかそういう難しーことじゃねーけど…
まぁ、ブレイドでいい。くんとかさんとかは別にいらねー。
そもそもオレはただの冒険者で、アンタはどうやら立派な家の出のようだしな
別に遠慮とかいらねーんじゃねーか?」
どう考えても貴族に対しての口の聞き方ではないのだが
偉い人間が下々の民に遠慮することはないと行っているのだ。
貴族はあまり好きではないが、彼女は数少ないまともな貴族のようだし。
「払拭ってのは無理だろ。それこそ少なくとも状況を拮抗させねーと。
こっちは師団長が死んだんだろ?おかげで砦ギリギリまで押されてる。
ただの冒険者とはいったけど、一応第五師団の客分もやってるから…少し見に行った程度だけど。
でも、兵士がたくさんしんじまったんだろ?警備も手薄になるんじゃねーの?街の」
直接参戦したというわけではないが、補給物資を運んだりはしたことがある。
そのため、砦の現状はわかっている。
だが、真っ直ぐそうな彼女は本気で王都の現状を憂いているようだ。
雰囲気が悪くなれば治安に大きく影響が出るのも仕方ないが…。
「べつに、アンタはそう思ってるってだけだろ?
そりゃ腹は立つけど…でけぇとは言えねぇからだだしな。
ガキでチビでも、オレは男で冒険者だからな。ガキ扱いされてチビだチビだと馬鹿にされりゃ腹も立てねぇと
舐められちまうんでね。オレのも癖みてーなもんさ」
ひらひらと手を振って。肩を落とす彼女の言葉を受け入れる。
もちろん、もう一回いったらまた怒るだろうが。
「え?あんた?いや、ちょっとまて…」
だから、この街の中で、なんかあった後…一人の人間を探し出せというのだろうか?
本気でいっているのか?と、目を丸くしてから、ようやく撫でられたことに気づいた。
■シュライア > 「では、ブレイド、と。ふふ、人を名前でそのまま呼ぶなんていつぶりでしょうか…
それこそ、関係ありません。私の家の家訓で、自分の中の正義を貫け、とあります
…私は、私が正しいと思うこと、それをする相手はどんな相手であろうと尊敬し、尊重します。それが、私の正義です。
ですので、遠慮などではなく、ただのこだわりです」
くす、と笑った後表情を変えてあまりにも真面目に、きり、とした口調でそう告げる
蒼い瞳には強い光が宿り、燃えているかのようだ
「ええ。…戦争ですので、勝ち、負けは当然出ますが、その復興も貴族の務めだと思っています。
…驚いた。本当に強いんですね。師団の客分なんて、凄いです
私の家が個人的に育てている護衛を割けば少しは緩和できるでしょうけれど…正直、意味があるかどうか、というところでしょうか」
自嘲的に少し笑いつつ。
その言葉からはなんとかしようともがいてはいるがなんともできない。そんなもどかしさを感じさせるでしょうか
「ですが私のせいで腹を立てたのは事実でしょう?でしたら、謝るのが筋です。…今後は、あなたを子ども扱いしないと誓いましょう」
いちいち大げさではあるが言葉の調子などはふざけておらず、非常に真剣な様子である
再び頭まで下げて誓いを立てているようだ
「はい!むしろ探す必要はありません。私の耳は地獄よりも恐ろしい耳だと、その足は並の馬では敵わないとお父様によく言われたものです。
なので、声を上げてくれれば文字通り飛んでいきましょう!」
冗談を言っている風ではない。これ以上ないほどに本気である
瞳の火は更に燃え、さあ頼って!と言いたげに輝いている。
一言で表すならば、礼儀正しい脳筋、という評価が一番だろう
■ブレイド > 「別に強要するわけじゃねぇけどな。呼び捨てがしづれーなら、くんでも何でもつけりゃいい。
家訓でこだわりってんなら、こっちの意地くらいは引っ込めてもいい。
そもそもオレだって、自分が正義なんて思っちゃいねーし、いいちゃんじゃねーことくらいわかってらぁ
アンタが尊重するようなタマじゃねぇよ」
正義だなんだなどというくくりをされるとどうしても否定したくなる。
優しいと言われても普通だという。いわゆる年頃の男の子の複雑な心境というやつだ。
真っ直ぐな碧い視線に見つめられると、思わず目を背けてしまう。
「復興っつかー、まだわかんねーからな。
もっと人は減るかもしれねーし…でも、アンタの家だけじゃつれーだろ。
そういうときは冒険者に依頼出したりもするもんじゃねーかな。
あと、べつにつよかねーよ。なんか気に入られたっぽいだけだ。ほんとに強かったら
それこそ前線にいってらぁ。ま、正直みまわりしてもらえるって安心があれば、少しは街も落ち着くかもな」
自嘲的な笑みを浮かべる彼女。
だが、行い自体が間違っているわけじゃない。
貴族の私兵一つで街一個がどうにかなるものではないが、なにかできることはあるはずだ。
「誓いますって…まぁ、いいけどな。
子供扱いしねーってならオレも穏やかでいられるってもんだ。
ガキであんのは自分でもわかってるけどな……だからってガキのままでいようとしてるわけじゃねーからな」
少し大仰な言葉を使う彼女に苦笑しつつ、ひらひらと手を振る。
腰が低いのようにも思えるが、むしろ真面目さの現れなんだろう。
「冗談…。いや、ま。なんだ、見かけたら…よろしくな…」
深くは突っ込まないことにした。いや突っ込めない。
■シュライア > 「いえ、そうではなく。とても新鮮だと思っただけです。このまま呼び続けますね
…ふふ、照れてるのですか?ブレイド?、露天の品物を取り返したのは…私基準で言えば、十分正義です!」
眼を背ける相手にくす、と笑いつつ
まだ真っすぐな目で見つめ続ける。正義だ、と断言するその姿は眩しいものであろうか
「なるほど。そういう手が…お姉様なら詳しいでしょうし、依頼を出すことも考えてみましょうか
…その時は、お願いしますね、ブレイド。…人に気に入られるのも、強さの内ですよ?私のお姉様と同じです
もちろん、警備には我がラクスフェル家も力を尽くします。ありがとう、ブレイド」
などと言いながらさら、と相手を指名して
自嘲的な笑みはす、と消え。またにこ、と笑って
相手の不器用な励ましの言葉…少なくとも彼女にはそう届いた、に心が少し楽になったようだ
「私も、早く大人になろうと、日々勉強ばかりです。お姉様と合わせて嫁の貰い手がない、とお父様が嘆いていましたが」
くす、と冗談のように笑い。似た者同士ですね、なんて付け加えながら
「…はい!この二首の獅子に誓って!」
笑顔でありながらもびし、と礼をして
冗談ではなく、本当に建物を飛び越して飛んできそうな雰囲気が彼女にはあり
■ブレイド > 「照れて…って、正義つーか、そんなもんふつーだろ!
みちまったんだからしかたねーっつーか…いや、まぁ、アンタの中で正義なら
そうおもってくれていい。そういうの、柄じゃねぇ」
正直言って照れている。
まっすぐ見つめられたり褒められたり。
貴族出身ということで、少しばかりキツイ目つきだが、整った顔立ちの少女だ。
照れくさくないと言えば嘘になる。
「ま、そのときはな。そんときは、報酬に色を付けてくれりゃ嬉しいけどな。
戦場にいくよかだいぶましな仕事だしよ。
オレだって無駄に死にたかねぇし…。あと、人に気に入られるのも強さとは言うけどよ…
自分の何がいいのかとかはわかんねーからって…礼にはまだはえーだろ…ったく…」
依頼を出して、オレがそれを受けたら言えとばかりに苦笑する。
少女の心知らずではあるが、それでも自重する様子は消えたので良かったとは思うが。
「へー、嫁の貰い手がいねーなら、婿でももらえよ。
アンタは顔も性格も悪かねーだろうし」
似たような姉がいるらしいが、そうならば…きっといい貴族なのだろう。
貴族というものはあまり好きじゃないが、彼女はそういう…自分の嫌う貴族とは違うようだ。
「あー、わかった、それでいいよ」
苦笑しつつ頬を掻く。
そういう作法には疎いのだが…。